秋の青空に映え、ひときわ目立つ鮮やかな赤い果実、これは何でしょうか?イイギリという樹木です。たわわに実った様子が、ナンテンに見えるかもしれません。果実がナンテンに似ているので、別名をナンテンギリと言われています。
葉が大きく夏には木陰を作り、初冬には落葉後にたくさんの果実が垂れ下がってつく様子が美しいため、公園や庭に植えられたそうです。イイギリは、雄花だけがつく雄株と雌花だけがつく雌株があり、両方ないと実がなりません。(例えば、キウイフルーツ、イチョウなど)花はとても良い香がします。
果実は円錐状の房で、垂れ下がってつきます。10~11月に赤く熟し、翌年の春まで残るものもあるようです。
雌花の直径は約8mm、花弁はありません。花柱(かちゅう。雌しべを構成する部分で柱頭と子房をつなぐ部分)が3~6個、雄しべは小型化して仮雄しべ(多少とも形は残っているが、退化して花粉を作らなくなった雄しべのこと)となっています。
雄花は雌花より大型で、直径13~16mm。雄しべが多数あります。
イイギリは木材として、下駄や箱財、薪炭等にも利用されていました。市販されている白南天箸はイイギリを利用しているそうです。
日野振興センター 2017/11/24