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調査活動トピックス

2020年9月19日

広報活動の大詰め...百年前の場合は?

 開始から100年の節目を迎える今回の国勢調査ですが、いよいよ調査書類の配布にあわせて、令和2年9月14日からインターネット回答の受付が始まりました!

 われわれ実施本部では、調査の円滑かつ確実な実施へ向けた広報活動の大詰めを迎えています。もちろん、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、今回は多くの人に集まっていただくかたちでの広報は控えているところですが、新聞や情報誌の広告、ポスター、テレビ・ラジオのスポットCMなど、様々な媒体を通じて皆様へ調査協力のお願いをしています。また、国の方ではツイッターインスタグラムといったインターネットのSNSでも情報発信をしています。

写真「テレビ局での広報動画撮影の様子」
テレビ局での広報動画撮影の様子
写真「鳥取大学の電光掲示板で広告を表示」
鳥取大学の電光掲示板で広告を表示

 ところで、今から100年前の第1回国勢調査の際は、どのような手段で広報を行っていたのでしょうか?

 ポスターやチラシといった紙媒体が大きな役割を果たしていたことは容易に想像できますが、1920(大正9)年当時、ラジオやテレビの放送はまだ日本で始まっていませんし、いうまでもなくインターネットの誕生はずっと後の出来事です。となると、ほかに有力な媒体はあったのでしょうか...?


 実は、当時の広報活動では県内各地での「幻燈げんとう会」に力が入れられていました。つまり、映写機を使ったスライド上映です。

 日本において、映写機は幕末にもたらされ、明治時代になって普及したといわれます。この当時としては新しいメディアであった映写機が、初めての国勢調査の広報で活躍したのです。

 幻燈会の様子について、例えば1920(大正9)年8月12日付の『鳥取新報』(鳥取県立図書館所蔵)は次のように伝えています。

鳥取市国勢調査宣伝のめの幻燈会は 、既記の如く一昨日午後八時過ぎから市内本町遷喬せんきょう小学校に於て開催し、観覧者すこぶる多数であって、申告義務者及び調査員の各々心得べき事項の幻燈六十余枚を映写し、中尾県属けんぞく各々おのおの説明して無事散会した。

 記事に登場する中尾氏は、県の「統計主任」であり(県属とは県職員の意味)、県内各地の幻燈会に出向いては調査に関する詳細な説明役を務めた人物のようです。われわれの大先輩ですね。

 幻燈会の参加者数について、同記事は「頗る多数」と伝えるのみですが、別会場に関してはいくつか具体的な数字が残っています(以下も『鳥取新報』より)。例えば7月17日の夜に鹿野町(現鳥取市)で開催された会では、600名とも千余名ともいわれる参加者が聴講されたそうです。当時の同町の総人口は3,090人、総世帯数は632世帯でしたから(これは第1回国勢調査実施によって明らかになった数字です!)、ほぼ全世帯から1名ずつの参加があった勘定になります。また、同じ頃、日野郡の宮内村(現日南町)で開催された会には300名、根雨町(現日野町)の会には400名と「予想外の出席者あり、好成績を示し」たといいます。ほかにも含む多くの村々で数百名規模の幻燈会が開催されたというので、当時の熱気たるや驚くべきものだったようです。


 100年後の令和2年国勢調査も、皆様の御協力のもと、しっかりと実施していこうと思います。

統計課 2020/09/19


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