公立鳥取環境大学の学生が、県内企業の環境面の課題解決に向けて取り組む『SDGs共創プロジェクト』について、課題の内容や取組方針を説明・共有するキックオフを行いました。
当日は、企業や大学関係者のほか一般聴講者など81人に参加いただきました。
日時:令和6年5月8日(水)15時30分から17時00分
会場:とりぎん文化会館
プログラム:
(1)主催者あいさつ
公立鳥取環境大学 理事長兼学長 小林 朋道
鳥取商工会議所工業部会 部会長 木下 貴啓
鳥取県商工労働部 部長 池田 一彦
(2)企業からの課題発表及び教員・学生からの研究活動方針の説明
- 『建設業におけるCO2排出量算出モデルの構築』
企業課題発表:美保テクノス株式会社 安全環境室 洋谷 友子 様
研究活動方針:環境学部4年 金子 諒 様
- 『AIを活用した工場内の電力消費量の可視化』
企業課題発表:大同端子製造株式会社 代表取締役社長 若川 大介 様
研究活動方針:環境学部3年 小林 碧志 様
- 『衛星データとドローンによる海岸漂着ごみ対策』
企業課題発表:(一社)日本ドローン海岸漂着ごみ回収事業推進協会
理事 宇佐美 孝太 様
研究活動方針:環境経営研究科環境学専攻修士課程1年 陳 裕后 様
- 『メッキ排水の再生利用技術』
研究活動方針:環境学部4年 角 真珠 様
- 『100%天然由来 刈草堆肥のブランド化・販路開拓』
企業課題発表:株式会社エコ・ファーム鳥取 代表取締役社長 𠮷田 友和 様
研究活動方針:学生EMS委員会
- 『生分解性素材による椎茸種菌の保護蓋の開発』
研究活動方針:環境経営研究科環境学専攻修士課程2年 銅山 裕之 様
環境学部4年 葛西 梨里子 様
概要:
主催者のあいさつとして、公立鳥取環境大学 小林 理事長兼学長からは、学生の成長につながる企業現場でのフィールドワークの意義や参加企業等への感謝が述べられました。続いて、鳥取商工会議所 木下 工業部会長からは、企業現場では思いつかないような学生の発想や新たなイノベーションに向けた期待が寄せられるとともに、鳥取県 池田 商工労働部長からは、SDGsは地方の中小企業経営にも重要な要素であり、SDGsネイティブである学生と企業との共創は、企業のポテンシャルの発見、地域の魅力アップにも繋がる絶好の機会であるなど、プロジェクトの意義と発展に向けたエールが送られました。
企業と学生からは課題設定の背景や取組への期待、研究の方向性などについての説明が行われました。
- 『建設業におけるCO2排出量算出モデルの構築』では、美保テクノス株式会社 安全環境室 洋谷友子 様から、建設業界での脱炭素経営の実現に向けて、ノウハウが不足している工事現場等におけるCO2排出量の算定ツール開発の要望があり、環境学部4年の金子諒 様から、工事現場における燃料消費量や電力使用量などからCO2排出量を算定するモデル的な手法・ツール開発などの研究方針が示されました。
- 『AIを活用した工場内の電力消費量の可視化』では、大同端子製造株式会社 代表取締役社長 若川大介 様から、自社で掲げる電力使用量削減目標の達成に向けて、工場内の電力消費をミクロな視点での把握方法の要望があり、環境学部3年の小林碧志 様から、温度・湿度・CO2・騒音などの計測データからAIを用いて電力需要の予測・可視化に取り組み、節電対策につなげていく研究方針が示されました。
- 『衛星データとドローンによる海岸漂着ごみ対策』では、(一社)日本ドローン海岸漂着ごみ回収事業推進協会 理事 宇佐美 孝太 様から、ドローンによる海岸漂着ごみ回収業務の効率化に向けて、ごみの漂着状況をリアルタイムの把握方法の要望があり、環境経営研究科環境学専攻修士課程1年の陳裕后 様から、衛星データ等を活用してごみの漂着場所を特定していく研究方針が示されました。
- 『メッキ排水の再生利用技術』は、株式会社アサヒメッキから令和5年度に提案された、メッキ加工等で使用した水の再生利用システムに向けた排水処理方法に対する継続研究として、環境学部4年の角真珠 様から排水中の油分除去に向けて、コストを考慮した最適な酸化分解などの処理条件を検証していく方針が示されました。
- 『100%天然由来 刈草堆肥のブランド化・販路開拓』では、株式会社エコ・ファーム鳥取 代表取締役社長 𠮷田友和 様から、環境に配慮した刈草の処分モデルの全国発信に向けて、刈草堆肥の商品展開を連携して検討したいとの提案があり、学生EMS委員会のメンバーから土の脱臭効果から着想した消臭剤の開発、ヒートアイランド現象を抑えるための屋上緑化への活用などの複数案について、検討を進めていきたいと発表がありました。
- 『生分解性素材による椎茸種菌の保護蓋の開発』では、菌興椎茸協同組合から令和3年度に提案された、原木椎茸栽培で用いる種菌を保護する蓋の環境対応に係る継続研究として、環境経営研究科環境学専攻修士課程2年の銅山裕之 様と環境学部4年の葛西梨里子 様から植物由来のバイオプラスチックや、天然ゴムなどの生分解性の材料を用いた保護蓋の開発や代替可能性の検証について方針が示されました。
公立鳥取環境大学の学生と課題を提案した企業が連携して、調査や評価・検証等を今年度1年かけて進め、今年度末までに成果をまとめていきます。
<関連リンク>
(公立鳥取環境大学)キックオフイベント開催報告ページ
ちらし(pdf:1112KB)
開催概要
~環大生×企業によるSDGs共創プロジェクト キックオフイベント~
【日時】令和6年5月8日(水) 15時30分~17時00分
【場所】とりぎん文化会館 第2会議室 (参加無料:定員50名)
【内容】
- 美保テクノス株式会社/『建設業におけるCO2排出量算出モデルの構築』
- 大同端子製造株式会社/『AIを活用した工場内の電力消費量の可視化』
- (一社)日本ドローン海岸漂着ごみ回収事業推進協会((株)skyer、北溟産業(有))/『衛星データとドローンによる海岸漂着ごみ対策』
- 株式会社アサヒメッキ/『メッキ排水の再生利用技術』
- 株式会社エコ・ファーム鳥取/『100%天然由来 刈草堆肥のブランド化・販路開拓』
- 菌興椎茸協同組合/『生分解性素材による椎茸種菌の保護蓋の開発』
※企業から課題の背景や思いなどについて発表を行い、その課題に取り組む教員・学生から研究活動の方針について提案・説明を行います。
参加申込方法
次のいずれかの方法により、お申し込みください。
1.電子申請システム
以下のURLに進みお申し込みください。
https://apply.e-tumo.jp/pref-tottori-u/offer/offerList_detail?tempSeq=11403
2.eメール
ちらし裏面にある参加申込書の各項目をメール本文にご記入のうえ、以下のメールアドレスに送付してください。
【商工政策課メールアドレス】 shoukou-seisaku@pref.tottori.lg.jp
3.FAX
ちらし裏面にある参加申込書をご記入のうえ、以下のFAX番号に送付してください。
【商工政策課FAX番号】 0857-26-8117