来年(平成28年)より8月11日が「山の日」として祝日になります。
山の日の制定を記念して、8月8日(土)に昨年国立公園に編入された三徳山で自然観察会を開催しました。
当日は22名の参加者があり、元中学校校長で三徳山の植物に詳しい森本満喜夫氏と環境省レンジャーの解説を聞きながら行者道を歩き、三徳山の特色ある植生を観察しました。
まず、観察会の前にオリエンテーションを行い、環境省の有山義昭上席自然保護官より三徳山が国立公園に編入された理由を説明していただきました。国立公園の概要、大山隠岐国立公園の説明、三徳山の植物や地形の特徴、大山と三徳山の共通点についてパネルを使って分かりやすく説明があり、参加者の皆さんは熱心に耳を傾けておられました。
環境省有山義昭上席自然保護官より国立公園の説明
オリエンテーション終了後、三佛寺本堂に移動し、三佛寺の米田良中住職に三徳山の歴史についてお話しをいただきました。
三佛寺米田良中住職より三徳山の歴史の説明
その後、登山受付を済ませ、いよいよ観察会の開始です。行者道入口【標高320m】から登山を開始し、森本満喜夫氏の解説を聞きながら、投入堂【標高500m】までの植生を体感しました。
森本満喜夫氏の解説【観音堂】
森本満喜夫氏からは、三徳山の植物の特徴を詳しく説明していただきました。三徳山のブナ林は標高の低いところから見られること、照葉樹林と落葉広葉樹林が連続する植生は珍しいこと、希少植物の説明、天然スギと手の加えられたスギの違い、投入堂の上部にあるヒノキは自生であること、ブナの生育の仕方、ミズナラの立ち枯れ被害、投入堂付近の地質、昭和20年台の行者道の様子など、大変貴重なお話しをいただきました。また、ブナとイヌブナの違い、コナラとミズナラの違いなど、実際に幹や葉を確かめながら解説していただきました。
参加者の皆さんは、三徳山の植物の特徴を現地で確かめることで、三徳山の魅力を実感されていました。登山途中には米田良中住職から、三徳山の歴史や文化の解説をいただき、自然と歴史文化が一体となった山であることを実感できる観察会になりました。観察会終了後には、参加者全員で記念写真を撮りました。
三佛寺本堂にて記念写真
三徳山の夏の花の代表格 イワタバコ
真夏の暑さの中、ご参加いただきました皆さんありがとうございました。
自然観察会開催にあたって、ご講義いただいた森本満喜夫先生をはじめ、ご協力いただきました三佛寺並びに環境省米子自然環境事務所の皆様、「山の日」制定の趣旨にご賛同いただき記念品コースターの製作のご協力と割り箸のご提供をいただきました鳥取県中部森林組合様、記念品コースターの製作にご協力いただきました社会福祉法人希望の家つつじ作業所様、及び関係各位には心より感謝申し上げます。
記念品コースターと割り箸
鳥取県では「山の日」制定を記念して、さまざまな取り組みを行っています。詳しくは、下記のページをご覧ください。
とっとり「山の日」ページ