とっとり考古学フォーラムを開催しました。

 12月2日(日)に考古学フォーラムを開催しました。
 今回は、近年の発掘調査で明らかになった古代の土木技術を、現代の土木工学の視点を交えてご紹介するもので、142名の方にご参加いただきました。
 調査担当者の事例報告と土木考古学の第一人者である工楽善通氏(大阪府立狭山池博物館長)から古代の土木技術についてのご講演、土木工学が専門の藤村尚氏(鳥取大学名誉教授)から古代と現代の土木技術を比較しながらご説明いただいた後、北澗弘康氏(国土交通省中国地方整備局鳥取河川国土事務所長)も加わっていただき、古代の土木技術について討論をしました。
 討論では「古代山陰道のルート設定」「古代山陰道でみつかった工法」「河川工法(護岸)の技術」の3つのテーマについて議論が盛り上がりました。その中で、古代山陰道で用いられた「敷葉・敷粗朶工法」と同じような工法は現代の工事でも行われていることなど、興味深い話題が次々と出てきていました。
 また、会場の入り口では本高弓ノ木遺跡で見つかった国内最古級の土のうや、青谷横木遺跡の古代山陰道で見つかった敷葉・敷粗朶のサンプルなど、発掘調査で見つかった土木技術にまつわる遺物を展示して来場者の方々にご覧いただきました。
 埋蔵文化財センターでは、今後も多くの方々に文化財のことをわかりやすく、楽しく知っていただける取り組みを進めてまいります。

当日のようす

展示を見学する来場者
展示では青谷横木遺跡の古代山陰道が造られたころの土器や、本高弓ノ木遺跡で土木工事などで使われたであろう木製の鋤なども展示しました。



工楽氏には大阪府大阪狭山市にある狭山池で見つかった敷葉・敷粗朶工法を用いた堤防のようすや中国・韓国で見つかった土木技術についてご紹介いただきました。


藤村氏には土木工学の視点で、測量技術や道路建設に用いられる土木技術について、古代と現代を比較しながらご説明いただきました。

パネルディスカッションのようす
パネルディスカッションでは、土木技術に関するさまざまな視点で討論されました。
  

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センター紹介

 久松山地域は戦国時代以降鳥取城が築かれ、鳥取藩32万石の中心地でした。現在でもこの地域は県庁があり、行政の中心地となっています。

 しかし、戦国時代から遡ること約800年前の奈良時代、県庁から4キロほど離れたこの国府町に国史跡因幡国庁(現在の県庁にあたるもの)がありました。今ではひっそりとした田園地帯ですが、因幡三山(甑山(こしきやま)、今木山(いまきやま)、面影山(おもかげやま))に囲まれ、当時の面影を残す万葉の歴史と古代の出土品にあふれた万葉の里となっています。
 この歴史豊かな万葉の里の一角に埋蔵文化財センターはあります。


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