県指定史跡金田瓦窯跡は、花崗岩の地山をトンネル状にくり抜いてつくられた登り窯で、天井がほとんど崩落せず、内部も埋まらずに空洞のまま残っている珍しい窯跡です。しかしながら、近年、開口部の崩落が進み、保護対策を講じなければならない状況となってきました。そのため、南部町教育委員会が保護にあたり必要な発掘調査を行っておられ、当センターでは南部町の要請を受けて、技術的な調査支援させていただきました。
今回の調査によって、窯の焚口から前庭部(作業場)の様子を明らかにされ、伯耆町にある大寺廃寺(7世紀後半創建の古代寺院)の瓦を焼いていたことも確認されました。
南部町教育委員会では来年度も調査を継続して行われる予定です。
3D画像(当センター作製)。窯周辺の地形が立体的によく分かります。
発掘調査の様子。発掘している平坦地が窯の前庭部(作業場)として造成されたものであり、現代までその地形をとどめてます。
窯の焚口付近の様子。遺存状態が良好で、赤く焼けた窯の壁や焚口に溜まった炭を確認することができます。
現地説明会の様子。地元の方々に発掘調査成果を伝えました。地元のご高齢の方にお聞きすると、窯跡は子どものころの遊び場で、窯の中に入って肝試しをしていたという驚きのお話しもお聞きすることができました。
現地説明会資料はこちら→
金田窯跡現地説明会資料(2MB)