令和元年度第1回鳥取県教育審議会生涯学習分科会兼鳥取県社会教育委員会議の概要

1 日時

令和元年12月3日(金) 午後3時から午後5時まで

2 場所

鳥取県中部総合事務所

3 出席者

委員9名(4名欠席)、事務局

4 会議の概要

議題 令和2年度社会教育関係団体への補助金について

 社会教育法第13条に基づき社会教育関係団体への県からの補助について審議いただいた。3か年ごとに見直しを行っており、令和2年度の通年分の補助金の上限額は、平成28年度から30年度までの補助対象経費の平均額に消費税増税分を考慮した額に見直すこと及び臨時分の補助金交付について説明し、了承された。

主な意見

(近藤会長)
 令和元年度と令和2年度の額について差額が大きい団体があるが、これについて説明をしてほしい。
(事務局)
 令和2年度の補助金の上限額は過去3年間の補助対象経費の平均により算出した額であり、減っている団体は、3年間のうちに何らかの理由で事業執行額が減っているということになる。
(山根委員)
 7団体中3団体は補助金額が少し上がっているが、一方、県連合婦人会は激減しており、何か理由があるのか。
(事務局)
 補助金の算定の対象は、申請額ではなく執行額であるため、実際の補助対象経費の最終的な執行額の状況が、予算の上限額に満たない状況が数ヵ年続いたということ。県連合婦人会は平成29年度について、他の2か年に比べて執行額が低い状況である。
(田中委員)
 県連合婦人会は、今年度は大規模な大会があったため執行額が増えているが、来年度は平年ベースの活動規模となる。
(米田委員)
 予算の上限額と実績額の差が大きい団体については、予算枠を十分に活用するような事業計画の策定について事務局が助言をしてほしい。

意見交換 体験活動の推進について

 独立行政法人国立青少年教育振興機構からの受託事業「地域ぐるみで体験の風をおこそう」運動推進事業の令和元年度実施状況と令和2年度事業の案について説明した。

主な意見

(近藤会長)
 受入施設である大山青年の家の所長に、団体の受入状況や受入上の課題等についてご意見をいただきたいと思う。
(牧所長)
 児童養護施設や母子生活支援施設から、大山青年の家にたくさん来ていただいている。時期は夏休みが多く調整が難しいところがあるが、うまく調整できればたくさん受け入れることも可能。また、園バス等の無い届出保育施設については、このような事業がなければ大山青年の家に来ることはなく、子どもたちの自然体験活動の良い機会となったという感想をいただいている。
(近藤会長)
 関係する施設をいくつか使用させていただいたときに、施設や設備に古さを感じることがあった。施設側は十分な準備をして事業を受け入れてくれてはいるが、物的環境や人的環境が整ってない状況で、本事業を受け入れるというのはどうかと思う。両者のバランスを取りながら取り組んでいくことが必要。「体験の風をおこそう」の事業申請において物品購入は難しいと思うが、設備等を更新することも考えてはどうかと思う。
(牧所長)
 限られた予算の中で工夫をするとともに、指定管理先の県教育文化財団とも相談しながら考えていきたい。
(事務局)
 県としても予算要求に努力しているところであり、少しずつでも必要なものは更新していきたいと思っている。また、来年度に長寿命化計画を作るので、その際に施設設備を抜本的にどのようにするのかという話は出てくると考えている。
(米田委員)
 来年度の活動において、我々委員も参加や見学をさせていただくことができれば、その経験をこの意見交換の場で生かしていけるのではと思う。
(近藤会長)
 体験活動の現場視察については、実現の可否は別として、もし実現できれば、委員が、実施状況を体感でき、また、その後の計画にも反映できるという可能性もあると思う。
(山根委員)
 体験格差是正のための体験活動については、それぞれ良い取組ではあるが、参加人数が少ない。もっとPRして、より多くの子どもたちが体験できるようにしてほしい。また、今年度実施した団体は、来年度も申請すれば認められるのか。
(事務局)
 今年度は、園外活動の機会が少ない届出保育施設に絞って募集を行った。来年度は、今年度応募のなかった東部、中部の施設に声掛けをしていきたい。また、今年度実施した施設の来年度の参加可能性については、来年度の応募状況も見ながら検討していきたい。
(近藤会長)
 「体験の風をおこそう」の事業は、平成29年度から実施しており今年3年目となるが、事業規模は拡大しているのか、また横ばいなのか。
(事務局)
 事業費規模は、緩やかな増加傾向である。
(近藤会長)
 園バスのない届出保育施設の自然体験の受入れは大山青年の家に集中しているが、何か理由があるのか。全県下に募集して、東部や中部の施設の実績がないことを分析する必要があるのでは。
(福田委員)
 東部地区であれば、空山ポニー牧場に行くと聞いているが、受入先の施設は固定なのか。
(事務局)
 昨年度、独立行政法人国立青少年教育振興機構に確認したところ、受入施設は、実行委員会委員の属する施設である必要があるという回答をいただいているが、もう少し柔軟な対応ができないか、今一度確認してみたい。現在は、船上山少年自然の家、大山青年の家、空山ポニー牧場の3か所が受入施設となっている。
(近藤会長)
 実施する園と受入施設の距離が短ければ応募が増えるかもしれない。実行委員会の委員の所管する施設でなければ対象にならないというのであれば、施設を所管する方を実行委員会の委員に加えることも一つの策ではないか。
(事務局)
 検討してみたい。
(近藤会長)
 今年度の事業について、例えば、体験活動イベント等チラシの作成など、予算額に対して実績額が上回っているものがたくさんあるが、何か理由があるのか。
(事務局)
 今年度は、読書啓発に取り組んでおり、そのPRチラシの作成等に経費を要したことが要因である。
(山根委員)
 令和2年度の全体予算が、今年度と比較して約12%ほど増加しており、中でも、経済的困難を抱える児童等を対象とした自然体験活動の経費が38%増加しているが、特に予定している取組があるのか。
(事務局)
 実施される園や施設が増加することを目指して、実施回数や受入団体数を増やした数で試算しているために予算額が増加している。
(山根委員)
 実施団体を増やすためにはPRが必要であり、そのためには広報物の作成等の予算を増やしていくことが必要だと思う。
(近藤会長)
 全体事業で見ると、経済的格差是正にフォーカスを当てることがこの事業のねらい・目的だと思うので、現状と同じような予算になるのだと思う。予算枠の中で、募集団体数にも制限がある中において、同一園が複数回実施することを可とするかどうかなども検討していく必要がある。
(事務局)
児童養護施設や母子生活支援施設の利用促進や、同一園の複数回利用の可否も検討する必要がある。また、まだ参加されていない施設への声掛けも行っていきたい。
(米田委員)
 季節によって体験活動の内容は異なるので、異なる季節で複数回実施するなども検討されてはどうか。
(川口委員)
 申請書類の項目である事業の趣旨が今年度と来年度でまったく同内容の記述となっており、来年度は事業が始まって4年目となるので、過去3年間を振り返って成果や課題を意識した趣旨とすべきでは。
(事務局)
 もう少し成果や課題を盛り込んだものに変えるように検討したい。
(村山委員)
 予算額が増えているところを強調したいということだったので、そこが来年度の趣旨に付け加わるところかと思う。
(田中委員)
趣旨には、課題への対応などが強く出た方がよいと感じた。
(米田委員)
 冒頭の森田次長の挨拶にもあったが、子どもたちを取り巻く大きな課題の中には、体験不足もあるが、社会情勢に合わせて、SNSを取り巻く大きな課題がある。この課題に向けた取組のようなことが、事業の趣旨の中に入れば良いかと感じた。
(近藤会長)
 事務局には、今回、委員から出された意見を検討していただき、次回の実行委員会で申請に向けた詳細を検討するということでお願いします。
(山根委員)
 公民館等の研修会への指導員派遣事業について、公民館は地域づくり、人づくりの中核、一環として活動しているところであり、職員一人一人がその思いを共有して取り組んでおり、県のでも、コーディネーター養成講座の事業を作っていただき感謝している。これからの地域学校協働活動やコミュニティ・スクールについて、公民館も深く関わって取り組んでいきたい。そのためにも、公民館等に、セミナーの参加や研修会の指導員の派遣の声をかけていただき、PRをしていただければありがたい。
(中田委員)
 自分の小学校では、船上山少年自然の家で、毎年5年生を対象に2泊3日の宿泊研修を実施している。自然体験の経験が乏しい若い教員は、飯盒炊飯の準備等に手間取っていた。これからは、そういう経験自体の無い先生がこれから現場に増えてくると思う。学校でも自然体験活動セミナーはやっているが、これからは教職員の体験格差の是正が必要となる。
(福田委員)
 保護者の中にも、マッチが使えない、包丁が持てないなど、体験が未熟で子どもたちに正しいことを教えることができない方もいる。子どもたちに教える立場の者が学ぶことが大事である。
(近藤会長)
 教員の初任者研修からも自然体験活動のメニューはなくなってきている。社会教育、生涯学習及び学校と地域の活動において自然体験活動の必要性は認識されている一方、教員の働き方改革の面では後回しになっている。このようなジレンマを解消しないと課題は解決しない。多くの指導者がセミナー等を受講できるように研修に力を入れてほしい。
(飛川委員)
 先日、保護者と幼児と一緒に公園で体験活動を行ったが、保護者も子どもも一生懸命取り組んでいた様子を見て、指導する立場の保育士も自然体験が必要であると感じた。
(米田委員)
 自然体験活は大事だが、危険も多く、安全確保にも十分注意しながら取り組んでいく必要がある。また、地域で活動している特定非営利活動法人の協力を受けて幅広い自然体験活動ができると思う。

報告1 中学校トークプログラムの実施状況について

 今年度から取り組んでいる中学校におけるトークプログラム(CHA3プログラム)の実施状況について説明した。

主な意見

(村山委員)
 プログラムに参加した大学生は、どのように呼び掛けたのか教えてほしい。
(事務局)
 西部地区は島根大学教育学部の学生に参加協力をいただいており、東部地区と中部地区は、学生人材バンクから声をかけていただいたり、こちらから個別に学生の紹介をお願いしたりした例もある。
(村山委員)
 地域において高校生や大学生は様々なことに影響を与えてくれる存在だが、中学校を卒業すると地域の活動に出てこなくなる。高校生や大学生を地域の中で活用できるとよい。また、学校主体の事業なのでやりやすい面があるが、例えば公民館や地域で同じことをしようとしても難しい。今後地域にも広がっていくような動きになればいいと思う。
(川口委員)
 本学からも学生が少数参加したが、次年度はもう少し余裕をもって依頼いただければ学生に声をかけやすい。ただし、平日は、学生は授業があるため日程を空けにくいので、例えば学生の夏休み期間であり、かつ中学校は始まっている9月であればもう少し人数を確保できるかもしれない。質問だが、アンケート項目はどこが考えたものか。
(事務局)
 このプログラム自体が、岡山県の「特定非営利活動法人だっぴ」が展開しているプログラムを参考にしているので、その項目を参考にした部分もあり、学校との打ち合わせにより追加した項目もある。
(近藤会長)
 プログラムの実施時期について、土曜日の実施は考えられないか。市町村によっては土曜授業を行っているところもある。
(近藤会長)
 中学生以外に、大人や大学生にアンケートを実施しているか。
(事務局)
 大人や大学生には意識変化のアンケートを取っていないが、「参加してよかったか」「今後参加したいか」と、自由記述という形のアンケートをしていただいている。
(近藤会長)
 生徒だけでなく、大人や大学生にも意識変化のアンケートを行えば、別な角度から評価することにもなり、より良いプログラムになるのではないか。また、実施直後だけでなく、半年後などにもアンケートをしてその定着を見ることができれば興味深いと考える。
(米田委員)
 このプログラムは、大学生をはじめ、多くの地域の方も協力している。来年度以降も今年度の実績を踏まえて広げていってほしい。

報告2 令和2年度「地域を核とした地域力強化プラン」(国庫補助金)について

 来年度の文部科学省補助事業の内容及び鳥取県における地域学校協働活動とコミュニティ・スクールの推進方策について説明した。  

主な意見

(中田委員)
 学校としては、コミュニティ・スクールは実施しており、学校支援ボランティアにも日常的にお世話になっているので、それぞれの活動には違和感はないが、校長としてそれぞれをどこでどのようにつなげていくのかというところがよく見えない。
(村山委員)
 これまでは、学校から地域にお願いをして、地域から提案を受けていたが、地域学校協働本部となると、地域から学校に対して主体的に提案ができるということなのか。
(米田委員)
 コミュニティ・スクールは、学校運営協議会の組織により、校長だけでなく地域の住民も参画して、学校と地域が一緒になって進めていくものと理解している。基本的には今までやってきたことと変わるものではない。
(事務局)
 地域学校協働活動は、これまでの授業の手伝いや登校時の見守りだけではなく、地域未来塾や放課後子供教室などの活動も含まれてくるということをご理解いただきたい。
(事務局)
 第2回地域学校協働活動推進研修会を、第2回生涯学習分科会とあわせて開催して理解を深めていただきたいと考えている。
  

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