防災・危機管理情報


  県内で二つの新しい美術館が注目を集めています。一つは2年後の開館に向けて準備が進む県立美術館。もう一つは、今春オープンした障がい者アートのデジタル美術館です。私たちの心を豊かにし、社会に新しい価値を生み出す「アート」の可能性に、期待が高まっています。

2025年 県立美術館開館

  2025年春、「未来を『つくる』美術館」が倉吉市に新しく誕生します。キーワードは「OPENNESS!」。誰もが日常的にアートに触れることのできる、地域に開かれた美術館です。フリーペーパーの発行やイベント開催など、県民参加型の準備プロジェクトを通じて、開館への期待もますます高まっています。
  建設地は、市立図書館や倉吉未来中心などが集まる倉吉パークスクエアの一角。館内には県ゆかりの美術や広く国内外の優れた作品に出合える充実した展示スペースのほか、気軽に立ち寄れるカフェや家族向けのキッズスペースなども整備され、明るく開放的な雰囲気で来館者を迎えます。3階展望テラスまで入場は無料。美術鑑賞やアートイベントへの参加はもちろん、人々が多様な形で活用できる憩いの場所となることが期待されています。
  3月は開館2年前を記念したイベントを続々開催。21日のフォーラムでは、いよいよ美術館のロゴ・シンボルマークがお披露目となります。

アートを通じた学び 豊かな未来へ

  新しい美術館の特色の一つが、「アートを通じた学び」を支援する研究室「アート・ラーニング・ラボ(A.L.L)」の設置です。人類の歴史や文化、精神性などが凝縮されている美術作品を通して、豊かな想像力や創造性を養い、多様な文化や価値観への理解につなげます。また、作品について意見を交わがながら鑑賞する「対話型鑑賞」やアートに触れる制作体験なども実施し、観察力や思考力、表現力などを育みます。
  県立美術館では、小学生の美術館招待やコレクションの出張展示、アートを楽しむワークショップなど、学びを深めるさまざまなプログラムを計画しています。目指すのは、人々に何かを考えるきっかけを与え、社会に新しい価値を生み出す場所となること。未来に向けた美術館の挑戦に、どうぞご期待ください。

県立美術館の完成イメージ
提供 槇総合計画事務所  イメージ制作 ヴィック Vicc Ltd.

建設工事の様子
着々と工事が進む美術館。ウェブサイトでは「建設現場リポート」を発信中(写真は1月時点)

アートの種まきプロジェクト 「HATSUGA(はつが)スタジオ」

  アートに親しみながら多様な交流をつくる拠点「HATSUGAスタジオ」では、美術館開館までの間、アーティストによるトークイベントや家族で楽しめるプログラムなど、多彩な企画を開催しています。

県立博物館美術振興課 山本亮専門員
山本亮さんの写真
  「美術館がオープンしたら、こんなことができるんだ」と具体的にイメージできるようなプログラムを企画し、さまざまなアプローチでアートに親しみ、楽しむ活動を実施していきます!

はつがスタジオのオープニングイベントの様子
HATSUGAスタジオのオープニングイベントでは県内在住のアーティスト淀川テクニック(柴田英昭)さんと交流(倉吉市下田中町)

【問い合わせ先】 県立博物館美術振興課
電話 0857‐26‐8045

EVENT

OPENNESS! 未来を“つくる”美術館2025年誕生に向けて

【日時】3月5日(日) 13時30分から16時30分
【場所】米子市文化ホール(米子市末広町)
【内容】
座談会
  「鳥取県立美術館ってどんなところ?」

スペシャルトークセッション
  「これからの美術館が向かう未来」

  ゲスト 山田五郎さん(編集者・評論家)
※会場参加の募集は終了しました。先着200人 限定でオンライン参加を受け付けます

OPENNESS! 未来をつくるデザインフォーラム

【日時】3月21日(火・祝) (1)11時から11時40分、(2)13時から15時30分
【場所】倉吉未来中心(倉吉市駄経寺町)
【内容】
(1)ロゴ・シンボルマーク審査結果発表&授賞式
(2)シンポジウム
  「美術館とデザインとの幸せな関係」

  ゲスト
    西澤徹夫さん(建築家)
    桐山登士樹さん(富山県美術館副館長)
    大田佳栄さん(株式会社ワコールアートセンター「スパイラル」チーフキュレーター)

参加の申し込みはウェブサイトをご覧ください
https://tottori-moa.jp/

【問い合わせ先】 県教育委員会事務局美術館整備課
電話 0858‐47‐3011 ファクシミリ 0858‐47‐3022
メールアドレス bijyutsukan-seibi@pref.tottori.lg.jp





アートが導く共生社会 県立バリアフリー美術館オープン

  「県立バリアフリー美術館」は、障がい者アートに特化したインターネット上のバーチャル美術館です。既存の枠にとらわれない自由な感性や手法で注目を集める障がい者アート。その独自の世界観には、多くの人を惹きつける唯一無二の魅力があります。100点以上にのぼる収蔵作品は専門家が県内の福祉施設を巡って発掘・厳選したもの。最新のデジタル技術を駆使し、パソコンやスマートフォンの画面から実際の美術館を訪れているような臨場感で鑑賞することができます。
  社会のさまざまな垣根を取り払う力を持つアート。自由な表現の前に、立場の違いや障がいの有無は関係ありません。眠れる才能や隠れた個性に光をあて、社会参画の機会を広げることは、障がい者と健常者の対等な関係構築を促し、相互理解と共生の輪を広げる大きな力となります。ぜひバリアフリー美術館で、心に響く素晴らしい作品と出合ってください。

バリアフリー美術館
https://tottori-bfm.jp/

アートで知る アートでつなぐ

特定非営利活動法人あかり広場(米子市)

  障がいのある人たちの生活・就労支援を行う「あかり広場」では、学芸員の経歴を持つ水田美世さんとの出会いを機に、2016年から本格的なアート活動を始めました。絵画、作詩、工作、書道など創作内容はさまざま。担当の渡部美帆さんは、皆が好きな活動を自由に楽しめる居心地のよい環境づくりを心がけています。気持ちを言葉にするのが難しい人でも自分を表現し、伝えることができるのがアート。作品を見て「こんなことができるとは知らなかった」と喜ぶ家族も多く、一人一人の個性や能力をより深く理解する機会となっていると話します。
  活動をサポートする水田さんは、バリアフリー美術館の作品選定も担当。「日常生活では難点と捉えられることの多い強いこだわりや過集中も、制作の面では力となる。障がいから生まれる違いや特性をプラスに評価できるのもアート活動の良さ」と評価し、「その人にしかできない表現、モチーフや視点の多様性を楽しんでほしい」と呼びかけます。
  バリアフリー美術館に期待するのは、アーカイブ機能に加え、作品のデータ化を通じた二次利用が拡大すること。デザインを使った商品制作などが進むことで、より多くの人や企業と関わりが生まれ、関心を持ってもらう機会も広がっていきます。「アートは人をつなぐきっかけとなる」と話す渡部さん。アートを通じ、障がいの有無を超えた理解や共感が広がっていくことを願っています。

創作活動の様子1
障がいのある人たちのアート活動に取り組む特定非営利活動法人あかり広場(米子市)。参加者は思い思いの創作活動を楽しんでいる

アート活動は好きなことに夢中になれる時間。図柄を使って制作された商品には、作品の魅力が上手く生かされている
創作活動の様子2
創作活動の様子3
アート作品の図柄を使った商品の写真1
アート作品の図柄を使った商品の写真2
アート作品の図柄を使った商品の写真3

【問い合わせ先】 県庁障がい福祉課
電話 0857‐26‐7678 ファクシミリ 0857‐26‐8136
メールアドレス shougaifukushi@pref.tottori.lg.jp



 

 

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