地震発生時において、住宅火災は同時多発的に発生し、また、道路上への障害物の散乱などの影響により消火対応が遅れることによる延焼火災被害の拡大が想定されます。
阪神・淡路大震災や東日本大震災で発生した火災のうち、原因が特定されたものの5~6割は電気器具や電気配線などの電気関係によるものとされており、能登半島地震における輪島市の大規模火災についても、電気関係の出火による可能性があります。
電気による出火を防ぐためには、避難時にブレーカーを遮断することなどが効果的ですが、地震発生時にとっさにそのような行動がとれるとは限りません。そこで、一定規模以上の揺れを感知すると、ブレーカーを自動的に落として電気の供給を遮断し、電気火災を防ぐ感震ブレーカーを設置することで、出火を防止し、他の住宅等への延焼を防ぐことで、火災による被害を大きく軽減することが期待できます。
このような電気火災を防ぐため、感震ブレーカーを設置しましょう。
感震ブレーカーは、地震発生時に設定値以上の揺れを感知したときに、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具です。感震ブレーカーの設置は、不在時やブレーカーを切って避難する余裕がない場合に電気火災を防止する有効な手段です。
機器については、「分電盤タイプ」は(一社)日本配線システム工業会、その他のタイプは(一財)日本消防設備安全センターが性能評価を実施しております。下記のリンクを参考に、設置する機器をご検討ください。
分電盤:(一社)日本配線システム工業会「性能評価ガイドライン対応製品」
その他:(一財)日本消防設備安全センター「消防防災製品等の推奨」
鳥取県は、過去3回の地震により大きな被害を受けています。地震による被害を減らすためには、具体的な数値目標(減災目標)を定めて、効果的な施策を推進することが必要です。
そのため、県では被害想定を一部見直した上で、減災目標と計画期間を定め、目標を達成するために県、市町村、事業者、県民が協力して取組みを進めていくための行動計画「鳥取県震災対策アクションプラン」を策定しています。
その中で、延焼が想定される住宅密集市街地における感震ブレーカーの設置を推奨しています。