葉や茎に強い臭気があるので、クサギ(臭い木)と名前が付いたといわれています。臭いと敬遠されがちですが、今回は余り知られていないクサギについて色々な魅力をご紹介します。
「くさぎ菜」という山菜をご存知でしょうか?クサギの若葉を茹でてよく水にさらして、乾燥させたものです。こうすると、臭いは抜けています。雪深い山野で、まだ葉物野菜が収穫できない頃は、塩漬け野菜や乾燥した葉物が大切な保存食だったのでしょう。日野郡内で「くさぎ菜」の佃煮をいただきましたが、これは大変美味しかったです。野菜の直売所で売っていたので、買って帰り調理しました。
一見すると、蕾(つぼみ)に見えますが、実はこれは萼(がく)です。この中に蕾が隠れていて、開花する日を今か今かと待っています。
萼は赤色を帯びてくると5深裂し、中から白い蕾が出てきます。左側の丸いのが蕾です。花期は8~9月、雄しべが4本、長く超出しています。
開花すると甘い香りが漂い、アゲハチョウの仲間が吸蜜にやってきます。
鮮やかな青い果実と、真っ赤な萼のコントラストがとても印象的です。この果実は、植物由来としては数少ない青い染料になります。
初冬になると、面白い形になった果実が枝先にまばらに残ります。
他にも、薬草(臭梧桐、しゅうごとう)として、鎮痛、血圧降下、下痢止め、リウマチ改善、利尿作用、むくみに効能があるようです。
日野振興センター 2017/12/11