日に日に暖かくなってきました。山間部でも、もう殆ど雪は残っていません。見上げる高さの位置に、アテツマンサクの黄色の花が点々と見えます。
足元の低いところには、ミツマタの花が咲き始めてきました。枝が3分岐するので、三叉(ミツマタ)の名はこの特徴によるものといわれています。
ミツマタはガンピ、コウゾとともに和紙の原料として有名です。ミツマタは柔軟な繊維で、和紙としては光沢があり、紙幣、印刷、エッチング、はがき、製本などに適しています。現在の日本の紙幣をはじめ、かな用書道半紙、美術用工芸紙などに使われています。
秋に、今年枝(こんねんし:今年の休眠期(日本では冬)までに伸長した枝または伸長しつつある枝)上部の葉腋(ようえき)に蕾をつけます。
3~4月に、葉より先に球状の頭状花序(とうじょうかじょ:花序軸の先に2個以上の無柄の花がつくもの)を咲かせます。
小さな花が30~50個つきます。萼は筒状で、先は4裂し、内側は黄色、外側は白い毛が密生します。花弁(かべん:花びら)はありません。雄しべは8本あります。
僅かに甘い香りがします。
ガンピ(ミツマタと同じジンチョウゲ科):花は5~6月に、本年枝の先に淡黄色の花を7~20個つけます。
現在は、金箔銀箔を打ちのばす箔打ち紙、襖の下貼りの間似合紙などに使用されています。
ヒメコウゾ(クワ科):花は4~5月。新枝の基部の葉腋に雄花序(ゆうかじょ)、上部に雌花序(しかじょ)をつけます。(花は、植物の種類ごとに一定の方式に従って配列する。この場合、花のついた枝全体および花のつき方を合わせて花序といいます。)
和傘や障子、襖、奉書紙などに使用されています。
日野振興センター 2018/03/15