防災・危機管理情報



 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2013年10月28日

地獄谷を経由して駒鳥小屋へ

 10月になり、日に日に秋らしい季節になってきました。

 今回は、9月に地獄谷を経由して駒鳥小屋を訪れた時の様子を紹介します。このルートには、滝や流木、巨大な岩の数々が目につきました。写真とともに紹介していきたいと思います。

駒鳥小屋への地図
駒鳥小屋への地図 (中国自然歩道を通り、地獄谷を遡上)

 秋晴れの日、琴浦町の一向平キャンプ場をスタートしました。まずは、大山滝を目指し中国自然歩道を通り、加勢蛇川のせせらぎを聞きながら歩きました。この自然歩道は、所々に石畳があります。昔は大山寺への参拝者が行き来した大山古道と呼ばれる歴史のある道です。

石畳
石畳

 途中、小川を何回か横切り、冷たい水で涼をとりながらゆっくりと歩いていき、大山滝まで1時間で到着しました。現在、大山滝の横は復旧工事をしているため、滝つぼに降りる際は注意が必要です。
 
展望デッキから望む大山滝
展望デッキから望む大山滝

 大山滝近くのベンチで一休憩した後、次は大休口を目指します。加勢蛇川のせせらぎを聞きながら登っていき、なだらかなヒノキ林にくると、大休口まであと少しです。大山滝から大休口まで20分で到着しました。

ヒノキ林 大休口
ヒノキ林                大休口(地獄谷へは左へ曲がる)

 ここから、大休口の看板を左に折れて地獄谷に入っていきます。地獄谷に降りる下り道は、道幅が狭く注意が必要です。大休口から地獄谷入口まで10分で到着しました。

地獄谷に降りる道 やっと地獄谷が見えました
地獄谷に降りる道            やっと地獄谷が見えました

 ここから、いよいよ地獄谷を遡上します。地獄谷は登山道ではなく、管理者はいません。堰堤や荒れた沢を登る必要があり、崩落箇所もあるため自己責任の上での通行となることを留意してください。
 地獄谷の沢を登るには、歩けるルートを探しながら、つめたい川を何度も何度も横切る必要があります。水温は14℃位で手をつけると冷たくて長くはつけていられません。また、地獄谷を登ると沢の涼しさで汗をかかずに登っていけます。
 地獄谷入口から駒鳥小屋までは堰堤を4箇所登る必要があります。ロープや木の枝を足がかりに堰堤を越えていきます。

6号堰堤は完全に埋まっています つめたい川を何度も渡りながら歩けるルートを進んでいきます
6号堰堤は完全に埋まっています     つめたい川を何度も渡ります 

堰堤の様子 ロープに捕まって越えていきます
このように堰堤は、ロープに捕まって越えていきます

 地獄谷で1つ目に出会った滝は大休滝です。岩を乗り越えて行き、滝の下部が見える所で写真を撮りました。

大休滝
大休滝

 地獄谷は、大きな石がゴロゴロあります。ここでも川を渡って、歩けるルートを選んで進まなければなりません。

地獄谷の様子 地獄谷の様子
地獄谷の様子


 次に出会った滝は野田滝です。落差が大きい壮大な滝です。

野田滝
野田滝

 野田滝を過ぎてすぐのところに倒木がありました。倒木を避けて通らなければいけません。

倒木
野田滝を過ぎてすぐの倒木

 
 さらに遡上すると池の平とよばれるなだらかな場所があります。

池の平
池の平で一休憩

 池の平から上流へ5分のところに大きく崩れている箇所があります。

大崩落
池の平の上流の崩落場所

 地獄谷では、石の上を歩くためいつも以上に足に負担がかかります。地獄谷入口から2時間半で、駒鳥小屋への分岐に到着しました。さらに上流には大山の東壁の険しい姿が望めます。

駒鳥小屋への分岐から上流を望む 駒鳥小屋への分岐から下流を望む
駒鳥小屋への分岐から上流を望む     駒鳥小屋への分岐から下流を望む

 地獄谷をあとにして、駒鳥小屋へ向かいます。ここの上り道は非常に滑りやすく特に注意が必要でした。
 一向平を出発してから約4時間で目的地の駒鳥小屋に到着しました。駒鳥小屋は、石とコンクリートで作られた1950年施工の避難小屋で、赤い屋根と石づくりの壁が温かみを感じます。琴浦町野井倉の奥地にひっそりと建つ駒鳥小屋は、風雨に耐え、冬の雪にも耐えて、どっしりと構えて登山者を守ってくれます。
 
駒鳥小屋
駒鳥小屋

 駒鳥小屋をあとにして、帰りは江府町の鍵掛峠方向へ下山しました。途中の鳥越峠からは、北東方向に日本海と北栄町の風車を眺めることができました。

鳥越峠からの北東方向の眺め
鳥越峠からの北東方向の眺め

 地獄谷で出会った滝の写真を紹介します。地獄谷には、大休滝や野田滝の他にも小さな滝がたくさんあります。

滝 滝

滝 滝

 地獄谷で出会った流木の写真を紹介します。見る方向によっては、動物のように見える流木もあり、自然が作り出すアートのようです。

流木 流木
マンモスの牙のような流木        馬のような流木

流木 流木
滝に打たれる流木       流木が自然の砂防ダムのようになっています

流木
流木のアーチ

 地獄谷で出会った巨大な岩の写真を紹介します。大きな岩が多く、自然の雄大さを実感します。

巨大な岩 巨大な岩
東大山の形に似ています           大きさは人の背丈以上

巨大な岩 巨大な岩
頭上の巨岩にも注意が必要です       平たいベッドのよう

巨大な岩 巨大な岩
白くてぬりかべのよう          とても大きい岩 人が小さく見えます

巨大な岩 巨大な岩
苔むした岩                苔が縞模様になっています

巨大な岩 巨大な岩
岩の間からダイモンジソウ       岩が侵食されて自然のスライダーのよう
 
 このように、鳥取県の中部地区の奥地には、自然のままの川や滝が残っています。これからも雨が降るたびに姿を変えていくことでしょう。

 ところで、鳥取県では緑豊かな環境を全国にアピールする県民運動「とっとりグリーンウェイブ」を展開しています。11月10日まで、湖山池公園を主会場に第30回全国都市緑化とっとりフェアが開催されています。花と緑の博覧会を通して、鳥取県の自然を感じていただけたらと思います。

関連リンク
 第30回全国都市緑化とっとりフェア

 駒鳥小屋、地獄谷関係の過去の記事はこちらから参照ください。
2011年11月11日 2011年9月8日 2011年8月17日 2009年10月27日 2007年8月30日


 記事内の背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものであり、カシミール3Dソフトで作成しています。

中部総合事務所環境建築局 2013/10/28 in 国立公園,植物,中国自然歩道



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
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