トータルコスト予算分析の目的の一つに、仕事量を数値化することがある。
現在、事務費のみの事業(業務)であっても、トータルコストを示し事業(業務)実施の是非を検討することから、指導監督や許認可なども、いずれかの事業に整理する。要求書の作成にあたっては、補助金等の単位ではなく、政策課題やトータルコストを意識し、事業の分割や統合を行うこと。
事業の統廃合のイメージ
例1:事業の分割が可能なイメージ
○○○補助事業 |
─→ |
○○○補助金(○人役)、 |
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△△△指導調整事業(○人役) |
□□□推進費 |
─→ |
▲▲▲イベント開催費(○人役)、 |
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□□□推進費(○人役) |
例2:事業の統合が可能なイメージ
△△△補助事業 |
┐ |
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▲▲▲補助金 |
┴→ |
○○○対策費(○人役) |
トータルコスト算出に係る人件費については、平均給与に人役を乗じて得た額とする。予算要求DBの所定の欄に、従事人日(下記5参照)を登録すれば自動計算される仕組みとしているが、事業費内人件費については、引き続き別途直接の入力が必要である。
令和元年度に引き続き、予算検証のための参考表記との認識のもと、基本的には業務内容のみに着目した上で、主な業務内容ごとに従事人日を整理し、事業毎の従事人日合計から人役を機械的に算出することとする。政策戦略事業要求時においても同様とする。
主な業務ごとの従事人日の割り振りに当たっては、できる限り平成31年度当初予算(議案説明資料等)で事業毎に示した従事人役を参考とし、事業毎の従事人役は、前年度の人役との整合性に配慮するとともに、従事人役と実定数が大きく乖離することのないよう配慮されたい。ただし、人役は原則0.1人役以上とし、0.0人役の場合はその旨を財政課担当に連絡すること。
なお、「主な業務内容」については、従前提示している下記例を参考に、各所管で事業ごとに判断して登録すること。
【補助金業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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制度設計、周知説明 |
2人日
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説明会準備開催4h×3回/年 |
申請報告の審査 |
3人日
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審査0.5h×20件×2回 |
支払い |
1人日
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2h×4回 |
国との調整、国庫処理 |
20人日
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国協議4~6月 |
計
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26人日
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/242日=0.11人役 |
【イベント業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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事前調査、企画、予約、契約 |
10人日
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協議、実行委員会、関係庶務 |
5人日
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会議の準備開催5h×7回/年 |
募集、PR、展示、資料作成 |
20人日
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繁忙期は6~9月 |
会場設定、当日作業 |
84人日
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片づけ、支払い、報告まとめ |
5人日
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計
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124人日
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/242日=0.51人役 |
【審議会業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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設置要綱の策定、委員選任 |
10人日
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会議開催準備調整、資料作成 |
5人日
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会議の準備開催2日×5回/年 |
会議運営、関係庶務 |
10人日
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制度広報 |
5人日
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啓発月間10、11月 |
計
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30人日
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/242日=0.12人役 |
【許認可業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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受付、指導 |
11人日
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受付10分×500件/年 |
審査、決裁、台帳整理 |
94人日
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審査、整理(0.5h+0.1h)×500件/年 |
通知、交付 |
5人日
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計
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110人日
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/242日=0.45人役 |
【公共事業】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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地元説明・調整 |
1,936人日
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地元交渉 |
工事発注、進行管理 |
1,210人日
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庁内関係課との調整 |
726人日
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都市計画調整、当初予算編成 |
国との調整 |
484人日
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概算要求、変更認可等 |
計
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4,356人日
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/242日=18.00人役 |
(1)業務のやり方のチェック、縮小・廃止
トータルコストを縮小するため、業務の手続等の簡素化・省略化の検討を行う。
また、費用対効果を再検討し、費用対効果が小さく優先順位が低いと考えられる業務について、縮小・廃止・代替手段を検討する。
(2)外部委託等
現在、県職員が直接行っている業務について、トータルコストと民間に委託した場合の経費の比較を行い、外部委託を検討する。
また、トータルコスト縮減の観点から、業務の全部又は一部について、派遣職員や非常勤・臨職などによる人件費の安い人材への切り替えを検討する。
(3)集中化の検討
同種同内容の業務を複数所属で所管しているものについて、集中化を検討する。