防災・危機管理情報


  コロナ禍で関心が高まっている「地方移住」。
  テレワークを活用した「場所に縛られない働き方」は、人や企業を地方へ呼び込む大きな力となります。
  新しい働き方がもたらす地域活性化に期待が寄せられています。

「働く」「暮らす」をもっと自由に 新しい働き方が地域を変える(イメージ写真)

関心高まる地方移住

  コロナ禍における社会環境の変化は、多くの人にとって生き方や価値観を見つめ直す機会となりました。内閣府の調査では、東京23区在住者の4割近くが「地方移住に関心がある」と回答。20歳代では5割以上が関心を示すなど、特に若い世代の中で地方への意識が高まっています(下記 地方移住への関心(東京23区在住者)参照)。
  昨年度の鳥取県への移住者数も、過去最多の2,368人に(下図 鳥取県の移住者数の推移参照)。コロナ禍前後における東京都からの人口移動は、全国1位の増加率(25.1%)となりました。
  しかし、自然に恵まれたゆとりある環境が評価される一方、ネックとなるのが「仕事がない」「収入が下がる」といった不安。こうした懸念を解決する鍵として、今、テレワークを活用した「転職なき移住」が注目されています。

■地方移住への関心(東京23区在住者) 2022年6月

強い関心がある 5.5%
関心がある 11.0%
やや関心がある 20.6%
あまり関心がない 25.0%
まったく関心がない 37.8%
※「関心がある」の合計 37.2%〈20歳代では50.9%〉
出典 内閣府「第5回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

■鳥取県の移住者数の推移
鳥取県の移住者数の推移のグラフ

広げよう 新しい働き方

  「転職なき移住」とは、現在の都市部での仕事をテレワークで行いながら地方に移住すること。今までは、毎日職場に通える場所に住むことが当たり前でしたが、コロナ禍によってテレワーク環境が一気に充実。労働者のテレワーク利用率は3割を超えるなど、場所に縛られない働き方が急速に普及しました。働く場所や住む場所を自由に選ぶことができれば、住環境や子育て環境、余暇の充実など、私生活のさまざまな希望を実現することが可能に。多様なライフスタイルを送りながら、より多くの人が活躍のチャンスを掴むことができます。
  こうした新しい働き方を広げていくため、県ではANA(全日本空輸株式会社)と連携した移住プロジェクトを推進しています。ANAのCA(客室乗務員)として働く10名が東京から移住し、CA業務を続けながら副業として県内企業の仕事にも従事。本業で培った経験やスキルを生かし、情報発信や観光振興の分野で活躍しています。

ANA地域創生プロジェクト

移住者視点で魅力発信

米子市観光協会
(あずま) 夏海(なつみ)さん
東夏海さんの写真

米子市観光協会
佐々木(ささき) 陽平(ようへい)さん
佐々木陽平さんの写真

  ANAのCA(客室乗務員)業務を行いながら鳥取県に移住し、米子市観光協会職員として働く東夏海さんと佐々木陽平さん。2020年のANA入社後、各地で乗務経験を重ねてきた二人は、今年4月、米子市で兼業生活をスタートしました。
  プロジェクトへの参加に「全く迷いは無かった」という二人。県内に親族が住む東さんは、縁ある鳥取の力になれればと持ち前のフットワークの軽さで即断。一方、地方創生に関心を持ち、一時は地域おこし協力隊への道も考えていた佐々木さんにとっては、夢を実現する絶好のチャンスでもありました。
  月に10日程度勤務する観光協会では、SNSの情報発信や魅力づくりを担当。モダンアートが楽しめる「彫刻ロード」のPRや、米子の酒蔵の多さに注目し、お酒と食材の素敵な「マリアージュ」を提案する企画などを進めています。米子の水の美味しさや自然の豊かさ、景色の美しさは格別と話す二人。当たり前の日常にある素晴らしい魅力を、移住者ならではの視点で伝えていきたいと笑顔で語ります。
  東さんは学生時代、機内で一人一人に寄り添う接客に感動したことをきっかけに、佐々木さんは全国47都道府県を旅した経験から、日本各地の魅力を伝え、心躍る移動時間を提供しようとCAを志しました。移住・兼業の経験は、サービス業の土台となる人間力を高め、多様な観点を育む貴重な機会となっています。
  CAとしても観光協会職員としても、地域の魅力を発信し、人々に喜びや感動を届けたいという気持ちは共通。意欲あふれる二人の活躍に、期待が高まっています。
東夏海さんと佐々木陽平さんの写真
米子市観光協会で働くANA客室乗務員の東さん(右)、佐々木さん(左)。
SNSでは「よねこ」「ねぎた」として地域の観光情報などを発信

人の流れで地域に活力を

  今、社会ではテレワークを成長の機会と捉える企業が増加しています。住む場所に関係なく働ける環境があれば、世界中から優秀な人材を登用可能。社員のワーク・ライフ・バランスも充実し、パフォーマンスの向上や離職率の低下が期待できます。
  こうした流れは地方にとっても大きなメリット。若い世代の人口流出を防ぎ、都会から人や企業を呼び込む大きな力となります。多様な人の流れがもたらす刺激や活力は、新たな産業や地域づくりにつながる土壌。オフィスとコワーキングスペースが一体となった県内3ヶ所の「とっとりワークプレイス」は、ビジネスや地域交流の拠点として、県内外の人々に活用されています。
  働き方が変われば、生き方の選択肢が広がり、地域社会の可能性も広がっていきます。県は、多様なワークスタイルを通じて、地域に賑わいと活力が生まれる未来を目指しています。

地域の活力 生み出す拠点に

ワーキングガレージSISU(シス)(倉吉市清谷)
岩世自動車株式会社 代表取締役

岩世(いわせ) (しょう)さん
岩世祥さんの写真

  シェアオフィスやコワーキングスペースなどを一体的に整備した「とっとりワークプレイス」。倉吉市で自動車販売・整備業を営む岩世祥さんは、リモートワークの広がりや地方分散の流れを機に、所有ビルの一部を改装した「ワーキングガレージSISU」をオープンしました。
  コワーキングスペースは仕事や地域活動などに幅広く利用され、シェアオフィスは新規起業者や県外企業が活用。入居企業のビジネスマッチングなどもサポートしている岩世さんは、こうした新しい試みが波及し、既存企業の間にも新たな交流や連携の動きが生まれていると話します。また、電気自動車とキャンピングカーの安価なカーシェアもSISUならではの魅力。ビジネス利用の他にも、車を持たない県外の人に自然豊かな鳥取の素晴らしさ、暮らしやすさを感じてほしいという願いが込められています。
  施設名の「SISU」とは、フィンランドの幸福度の高さを支えるマインド。困難に直面しても折れない「しなやかで強い心と体」を意味しています。「多様な働き方やワーク・ライフ・バランスの実現を推進し、地域に(ひら)かれた拠点を目指したい」と意気込む岩世さん。コロナ禍を乗り越えた豊かな未来に向け、SISUから賑わいと活力を生み出していきます。

コワーキングスペースの写真

コワーキングスペースの個室の写真

多目的スタジオの写真
1階のコワーキングスペース(1枚目写真)には集中できる個室(2枚目写真)も完備。2階にシェアオフィス、3階に多目的スタジオ(3枚目写真)がある

とっとりワークプレイス

とっとりワークプレイスの各施設の所在を示した地図

サインイン コワーキングオフィス(境港市上道町)
サインイン コワーキングオフィスの写真
地域内外の人々の協働により、地域活性化や新たなサービスの提供を目指す

ToBelmo(トベルモ)(鳥取市湖山町北)
トベルモの写真
鳥取大学から徒歩3分。事業者・大学・学生の交流を促し、連携や起業につなげる

※詳細はウェブサイトをご覧ください
https://www.pref.tottori.lg.jp/workplace/

【問い合わせ先】
県庁ふるさと人口政策課(移住施策・関係人口)
電話 0857‐26‐7652 ファクシミリ 0857‐26‐8196
メールアドレス jinkouseisaku@pref.tottori.lg.jp

県庁立地戦略課(とっとりワークプレイス)
電話 0857‐26‐7566 ファクシミリ 0857‐26‐8117
メールアドレス ritti@pref.tottori.lg.jp



 

 

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    E-mail  kouhou@pref.tottori.lg.jp

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