来年(2025年)3月、待望の鳥取県立美術館が開館します。
手狭となった鳥取県立博物館から美術部門を独立させ、新しく美術館を整備することとし、県立クラスでは後発であることの強みを生かして、さまざまな新しい可能性を取り入れ、新時代の美術館にふさわしい施設として出発いたします。
世界的に高名な建築家、槇文彦氏が率いる槇総合計画事務所の手による建築は、国指定の史跡大御堂廃寺跡を臨み、美術館としては異例の、陽光があふれる開放的な広がりを特徴としています。私たちはこの美術館に「OPENNESS!(オープンネス)」というブランドワードを与え、新しい美術館の理念といたしました。「OPENNESS!」とは単に明るく開かれた空間という美術館建築の特性のみならず、さまざまな価値観に対して開かれ、新しい価値を創り出すことを恐れない美術館の精神を象徴し、方針の決定や事業者や建築の選定にあたっても常に情報を公開してきた美術館整備の歴史とも重ねることができます。
美術館は誰に対しても開かれた公共空間として、館内の展示や回遊を楽しんでいただき、さらに「アートを通じた学び」の拠点、アート・ラーニング・ラボとしての役割も果たしてまいります。美術をめぐる人と作品、情報の結節点として、来場した皆様が美術を浴びるように享受できる場所となることをめざします。
開館に向けて、県内全小学校4年生を美術館に招待するミュージアム・スタート・バスプログラムや対話鑑賞ファシリテーターの養成など「アートを通じた学び」を支援するアート・ラーニング・ラボ(ALL)推進事業や、多くの方を惹きつけ広く県内外からの誘客を図る美術品購入など、鳥取県立美術館事業への支援のための寄附の使途を設けました。
返礼品には「展覧会観覧券」や「年間スペシャルパス」等を用意しておりますので、鳥取県立美術館をともにつくり上げる支援にご参加をいただき、開館後には是非ご来館いただきますようお願いいたします。
最後発の、新しい美術館の挑戦にご期待ください。
令和6年5月
鳥取県地域社会振興部美術館長 尾﨑 信一郎
(竣工直後の令和6年4月撮影)
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