中海の水質浄化と賢明利用事業
1 事業の目的
ラムサール条約に登録された中海の環境保全と賢明利用の推進のため、県民との協働による自然再生の推進、関係自治体と連携した普及啓発などを行う。
2 事業の現状及び課題
(1) ラムサール条約湿地への登録
鳥取県と島根県にまたがる中海は、平成17年11月に国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録され、その趣旨である「自然環境の保全」と「賢明な利用(ワイズユース)」を推進していくことが求められている。
★中海の賢明な利用とは
「中海」の生態系がもつ特徴をこわさない方法で、「中海」の与えてくれる恵みを将来の世代に引き継ぐよう持続的に活用してくことであり、漁業資源の利用、スポーツ利用、観光利用、周辺農地の利用、環境教育の場としての利用等を含む。
(2) 中海における現状や課題
○ 中海は、堤防開削、自然再生、漁業、治水など、様々な分野で問題を抱えており、水質改善だけでなく、全体的な問題を認識しつつ、それぞれの問題に対して地域住民や関係機関との協働により対処することが必要。
○ 現在、地域住民、民間団体、国、県、中海沿岸市町を構成委員とする中海自然再生協議会(H19.6.30に民間主導で設立)において、中海の自然再生全体構想の策定作業中。
○ NPO団体などを中心とした粘り強い取り組みや、KODOMOラムサール〈中海・宍道湖〉全国湿地交流(H20年2月)の開催などを通じて、中海において行動を起こす気運は高まりつつあるものの、住民全体の活動と十分結びついているとは言えない状況。
3 事業の内容
(1) 中海の自然再生協働事業
○ 「中海の再生と賢明利用を考える会」の開催
○ 「中海ポスターコンクール」における県表彰
(2) 中海・宍道湖一斉清掃
○ H18年度から、両県関係自治体が連携実施 (H20年度は沿岸住民約7,800人が参加し、約16tを回収)
○ H21年度は境港市をメイン会場に、両県合同の開始式を行う予定 (H18:松江市、H19:米子市、H20:安来市)
(3) その他普及啓発等経費
○ シンボルマーク普及啓発物品の作成、パンフレットの増刷等
平成21年度の実績
ラムサール条約に登録された中海の環境保全と賢明利用の推進のため、県民と協働して、賢明利用を考える会や中海ポスターコンクールを実施した。
また、関係自治体と連携して、中海一斉清掃を実施したほか、シンボルマークバッチやパンフレットにより普及啓発を実施した。
●担当:生活環境部 水・大気環境課 水環境保全室 電話0857-26-7872
参考URL
鳥取県生活環境部のwebサイトより
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=97186
中海水質浄化対策推進
1 事業の目的
中海に係る各種水質保全施策を総合的かつ計画的に推進し、中海の水質保全を図る。
2 現状及び課題
鳥取県及び島根県では、中海の水質保全のため、平成元年度以降、下水道の整備等の各種水質保全施策をとりまとめた「中海に係る湖沼水質保全計画」を策定し、関係機関、関係市町、事業者及び住民等の理解と協力を得て、各種水質保全施策を総合的かつ計画的に推進している。
平成20年度に第4期湖沼水質保全計画が終了するが、水質環境基準の達成には至っていない。
このため、第5期湖沼水質保全計画を策定し、引き続き各種水質保全施策を推進する必要がある。
3 事業内容
- 第4期「中海に係る湖沼水質保全計画」(平成16~20年度)の評価
- 第5期「中海に係る湖沼水質保全計画」(平成21~25年度)の策定
- 中海水質改善対策協議会(鳥取・島根両県及び中海周辺4市1町)における一層の水質改善のための方策の検討
- 中海水質汚濁防止対策協議会(鳥取・島根両県及び中海周辺4市1町)の運営
- 住民参加型の水質調査等の実施
平成21年度の実績
・第4期「中海湖沼水質保全計画」に基づき生活排水処理施設の整備等各種浄化事業を推進した。
・中海水質改善対策協議会(鳥取・島根両県及び中海周辺4市1町で構成)を開催し、水質改善措置等を検討・協議した。
・中海水質汚濁防止対策協議会(鳥取・島根両県及び中海周辺4市1町で構成)の運営を通じて、水質浄化に向けた各方面の取組を促進した。
●担当:生活環境部 水・大気環境課 水環境保全室 電話0857-26-7197
参考URL
鳥取県水・大気環境課のwebサイトより
「水環境」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=20225
中海におけるサルボウ場の再生に関する研究
1 事業の目的
中海再生の機運が高まる中、かつての中海を象徴したサルボウ(二枚貝)の再生に対する期待が著しく高まる中、サルボウの稚貝放流適地を決める上での情報やサルボウ再生の指針作成への判断情報を提供することで中海再生に資する。
2 事業の現状及び課題
○ 昭和50年代、かつての中海の象徴であったサルボウが漁獲統計から姿を消した。しかし、この10年の間に生存が確認され、再生への期待が著しく高まり、中海自然再生協議会*で「サルボウの復活」が推進の柱としてうたわれるに至った。
○ こうした背景の下、当所ではH19よりサルボウに関する研究を開始、本種の生残に必要な塩分環境、および酸素環境を解明した。
○ 昨年、一日も早いサルボウの再生を目指して、島根大学・島根県・鳥取県が連携した共同研究が発案された。
【中海自然再生協議会】:様々な主体(住民・専門家・行政等)が連携して立ち上げた中海再生を目標とする協議会
3 事業の内容
サルボウの再生は分布の拡大から始まることを考慮し、本調査研究は分布拡大に資する情報の収集、およびその活用を行う。
(1) 分布拡大のための基礎データを集める。
○ サルボウの生息環境の解明。(複合影響の解明実験)
○ 中海の湖底環境とサルボウの分布の現況把握。(島根大学との共同調査)
(2) 以上の成果を活用する。
○ 上記の成果を踏まえたサルボウ再生の指針作り。
平成21年度の実績
中海産サルボウの貧酸素耐性を室内実験により検証し、以下の成果を得た。
○ サルボウの貧酸素耐性は水温と底泥の影響を受けることが判明。
○ しかし、親貝と稚貝の間で貧酸素耐性に差がないことも同時に判明。
○ 上記の水温と底泥の影響は、硫化水素の発生を介した間接的な影響であることが示唆。
○ 硫化水素の発生を抑制すると、貧酸素耐性が著しく改善されることが判明。
●担当:衛生環境研究所 水環境対策チーム 電話0858-35-5417
参考URL
衛生環境研究所 のwebサイトより
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=3565
中海漁場環境調査
1 事業の目的
中海の漁場環境や水産資源の育成場としての機能を明らかにし、水産振興策を検討するための基礎情報を得るとともに、本庄工区開削の影響把握を行うため以下の調査を行う。
【調査期間】平成21~23年度(3ヵ年)
2 事業の現状及び課題
- 平成17年にラムサール条約に登録され賢明な利用(ワイズ・ユース)に向け県民の関心が高い
- 中海及び境水道における漁業の維持・発展のため、島根とともに漁業秩序の維持及び漁業振興を図ることが平成18年1月の両県知事協定により締結
- 水産的知見の乏しい中海の水産振興を検討するため、基礎データの収集を平成18年度から実施
- これまでの調査で境水道と江島大橋より内湾で大きな違いがあることが判明
境水道:水質環境良好、アマモ場、多種多様な仔稚魚の発生
内湾:夏~秋にかけ中層以深で溶存酸素が極めて低い、貧弱な生物相
- 現在、中海は、平成20年5月に27年ぶりに本庄工区の潮通しが開通し、平成21年5月には森山堤が60m開削されるなどターニングポイントとなる時
↓
本庄工区開削が美保湾も含めた有用魚介類の育成場となっている中海にどう影響するかを把握し、平成23年までに美保湾を含めた中海の水産振興策を策定 |
3 事業の内容
(1)本庄工区開削影響調査
本庄工区開削(平成21年3月)前後での魚介類への影響を比較
- 加入仔稚魚分布調査
島根県調査船による表層ネットでの仔稚魚採集
- 遊泳稚魚分布調査
水中歩行による表中層ネットでの稚魚採集
(2)育成場調査
美保湾も含めた有用魚介類(ヒラメ・カレイ類・エビ類等)の育成場としての機能や環境条件の把握
- 加入仔稚魚分布調査
用船した漁船による表層ネットでの仔稚魚採集
- 遊泳稚魚分布調査
水中歩行による表中層ネットでの稚魚採集
- 着底稚魚分布調査
潜水による底層ネットでの稚魚採集
- 水質・底質調査
水質計による水温、塩分、溶存酸素量の測定
採泥による底生生物の採集及び底質の把握
(3)標本船調査
平成21年度の実績
1 調査内容の概要
(1)定期調査
図1に示した定点を設定し、以下のような調査を月1回実施した。
C2~5:水質、底質、底性生物、ラーバネット、サーフネット(C2、C5のみ)
C6~7:水質、ラーバネット(2ヶ月に1回、島根県調査船で実施)
H1~4:サーフネット
2 調査結果の概要
(1)水質環境
江島大橋を境界に、中海内部では溶存酸素の乏しい水塊が恒常的に存在し、劣悪な漁場環境であることが分かった。一方江島大橋より外側(境水道)では、比較的貧酸素の影響が少ない傾向が認めらた。
本庄工区開削後、米子空港沖の水深7m以深の溶存酸素量が低下しており、美保湾から江島大橋側へ流入する海水量が低下している可能性が示唆された。
図3 H20~22年の7月における定点C2、C4、C5の水深別D.O.(溶存酸素量)の推移
(3)育成場調査
サーフネット調査
例年どおりアマモ場と非アマモ場を比較するとアマモ場で稚魚の採集数が多く、アマモ場が稚魚の育成場として利用されえいる ことが確認された。
本庄工区内のサーフネット調査をH20年から実施してきたが、H20年の開削前はどの調査地点も同様に稚魚が採集されたが、開削後のH21年には大きく地点間で相違が生まれ、H22年調査では、開削口の北部より、南部の方が開削口に近い稚魚相が確認された。
図5 アマモ場、非アマモ場及び本庄工区内におけるサーフネットによる採集尾数の月別推移(H20-22)
(4)サルボウ養殖試験
水質環境の厳しい崎津漁港内でサルボウガイの養殖試験を実施した結果、稚貝採集から約1年半で出荷サイズの殻幅30mmを超えることが確認された。なお、水深1~3mは養殖ネットに海藻等が多く付着するため、酸欠等で斃死が多いものの、成長が良いこと、水深4mは貧酸素水塊が上下することで競合生物はネットに付着せず斃死が少ないものの、成長が悪いことが判明した。
●担当:農林水産部水産試験場沿岸漁業部増殖技術室 電話:0858-34-3321
参考URL
鳥取県水産試験場のwebサイトより
「水産試験場」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=72009
東郷池水質浄化対策推進
1 事業の目的
東郷池に係る各種水質保全施策を総合的かつ計画的に推進し、東郷池の水質保全を図る。
2 現状及び課題
東郷池の水質保全を図るため、従来から下水道、農業集落排水施設の整備などの種々の対策を講じ、東郷池への汚濁負荷削減を図ってきた。
平成18年度に、湖内直接浄化対策や農地からの流入汚濁抑制対策等の各種水質保全施策をとりまとめた「東郷池水質管理計画」を策定し、湯梨浜町、事業者及び住民等の理解と協力を得て、各種水質保全施策を総合的かつ計画的に推進している。しかしながら、水質環境基準の達成には至っておらず、水質管理計画に基づき、引き続き各種水質保全施策を推進する必要がある。
3 事業内容
第1期「東郷池水質管理計画」(平成18~27年度)の推進
湖山池水質浄化対策推進
1 事業の目的
湖山池に係る各種水質保全施策を総合的かつ計画的に推進し、湖山池の水質保全を図る。
2 現状及び課題
湖山池の水質保全のため、平成3年度以降、下水道の整備等の各種水質保全施策をとりまとめた「湖山池水質管理計画」を策定し、鳥取市、事業者及び住民等の理解と協力を得て、各種水質保全施策を総合的かつ計画的に推進している。
現在、平成13年度に策定した第2期水質管理計画を推進しているところであるが、水質環境基準の達成には至っていない。
このため、第2期水質管理計画に基づき、引き続き各種水質保全施策を推進する必要がある。
3 事業内容
第2期「湖山池水質管理計画」(平成13~22年度)の推進
平成21年度の実績
・第2期「湖山池水質管理計画」に基づき下水道の整備等各種浄化施策を推進した。
●担当:生活環境部 水・大気環境課 水環境保全室 電話0857-26-7197
参考URL
鳥取県水・大気環境課のwebサイトより
「水環境」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=20225
統合河川環境整備事業 湖山池
1 事業の目的・効果
【事業の背景・現状・課題】
湖山池に流入する生活排水及び産業排水等により、池の水質は悪化し、富栄養化に伴う有機汚泥が堆積し、汚泥からの栄養塩類の溶出が進んでいる。
【事業の目的・効果】
水質悪化が池の水を利用する者や市民から懸念されており、湖山池水質管理計画(第2期)で目標としている水質基準を未だ達成していない。
そのため、池底に堆積している栄養塩類を含んだ底泥を浚渫することにより、池内の水質浄化を図る。
2 事業内容
・浚渫土処分、処分地復旧
平成20年度実績
浚渫土処分 一式
平成21年度の実績
浚渫土処分、処分地復旧工 一式
●担当:県土整備部河川課 計画担当 電話0857-26-7379
参考URL
鳥取県県土整備部河川課のwebサイトより
「河川課」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=28143
湖山池水質浄化100人委員会
1 事業の目的・効果
【事業の背景・現状・目的】
湖山池公開討論会で市民合意を得た、水質浄化の基本方針「湖山池を汽水湖として再生する」を実現するため開始した、塩分導入実証試験をはじめ、湖山池で展開されている浄化に対する取組について、公開の場で意見交換を行い、今後の湖山池の水質浄化について検討する。
【事業の効果】
(1)湖山池の水質浄化に係る総合的な検討、効果的な施策等の検討を行うにあたって、県民・有識者の幅広い意見を浄化施策に反映させることができる。
(2)湖山池周辺自治会の水質浄化に対する取組を紹介することで、県民の水質浄化に対する意識を高めることができる。
2 事業内容
- 湖山池の水質浄化に対する住民及び行政の取組を紹介して意見交換を行い、施策に反映
- 住民へ浄化に関する啓発の推進
平成20年度実績
第8回 湖山池水質浄化100人委員会を開催
平成21年度の実績
平成21年9月5日(土)
第9回湖山池水質浄化100人委員会開催
※旧事業名:湖山池水辺環境整備事業(湖山池水質浄化施策検討事業)
●担当:県土整備部河川課 計画担当 電話0857-26-7379
参考URL
鳥取県県土整備部河川課のwebサイトより
「河川課」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=28143
湖山池外来魚被害対策事業
1 事業の背景・現状・目的
湖山池におけるブルーギル等の外来魚による在来生態系に対する被害を軽減するため、湖山池漁業協同組合が行う外来魚の駆除活動へ支援し、内水面漁業の振興に資する。
2 事業内容
湖山池漁協が実施する外来魚の駆除、処分に要する経費の補助。
平成21年度の実績
平成21年7月7日から11月9日にかけて24日間、ブルーギルの駆除を実施し合計2,273尾のブルーギルが駆除された。
●担当:農林水産部 水産振興局水産課 漁業振興担当 電話0857-26-7316
参考URL
鳥取県水産課のwebサイトより
「水産課」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=44462
湖山池漁場環境回復試験
1 事業の背景・目的
官民一体となって行われている湖山池浄化の取組みの一環として塩分導入試験(県土整備)が実施されており,センターで魚類への影響調査を実施する。また、近年プランクトンが原因と思われる悪臭問題が発生しており、これに対する原因究明、対応策の検討を行う。また、塩分導入を受け、ヤマトシジミの増殖の可能性を検討する。
2 事業の現状及び課題
現在、生物資源の変動、物理環境の変動について調査しているが、継続した調査が必要である。
3 事業の内容
○影響調査
資源変動調査・・・定置網,曳き網,ウナギ延縄により魚類相、分布量の変動を把握し、塩分導入との関係を調査する。
環境調査・・・池内の塩分・DOの分布を推定し、資源変動調査と併せて塩分導入の影響を調査する。
○悪臭対策
池内4点で毎月、泥、魚を採取し、原因物質と思われる物質(2-MIB)の量を測定し、環境調査結果、他部署の調査結果等と併せて原因の究明を行う。
○シジミ増殖試験
池内、湖山川へシジミを放流し産卵の確認を行う。また、放流地点には水質計を設置し、随時DO、塩分をモニターできるようにし、底酸素層の消長を監視する。
平成21年度の実績
○塩分導入影響調査
・資源変動調査・・・湖内の魚介類の種類数は増加傾向
・環境調査・・・池内10カ所において1回/周に水質調査を実施した。4月および5月は池北方の黒岩周辺のみに無酸素層が形成されており,5月から7月にかけては池西側に低酸素水域が発生しており、比較的広範囲に低酸素水域が見られた。しかし、この翌週の観測では低酸素水域が消失しているケースもあり、長期間持続するものではないことが分かった。
○悪臭対策
・池内4点で毎月、泥、魚を採取し、原因物質と思われる物質(2-MIB)の量を測定した。場所により魚類の2-MIB含量は差がなかった。
・塩分と水の2-MIB含量に差はなかったが、塩分が高くなると魚類に含まれる2-MIB含量は低下する傾向にあった。
○シジミ増殖試験
・9月16日に水門操作により高塩分水を引き入れ産卵誘発を行った。17日にかご内のヤマトシジミの殻を開け観察したところ殻内の身が細くなっており、産卵したものと判断した。しかし、その後、幼生、稚貝の確認は出来なかった。
●担当:農林水産部 水産試験場 沿岸漁業部生産技術室 電話0858-34-3321
参考URL
鳥取県水産試験場のwebサイトより
「水産試験場」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=53267
湖山池水辺環境整備事業(回収船管理運営費)
1 事業の背景・現状・目的・効果・課題
【事業の背景・現状・目的】
1. 湖山池において、ヒシの繁茂が年々拡大しており、池内の水の循環が阻害されている。
2. 湖水が滞留するため、水質悪化が懸念される。
【課題・効果】
1. 池内環境の改善
ゴミ・アオコ等を回収することで、池内の景観改善並びにアオコの腐敗による悪臭の防止を図る。
2. 池内の水の滞留防止
ヒシの繁茂により、池内の水が滞留するため、ヒシを除去することで水の循環をよくする。
2 事業内容
平成14年度に導入した小型回収船「みずすまし」により、池内で繁茂が著しい箇所を対象にヒシ回収を実施するとともに、発生したアオコ、ゴミを回収し、池内の環境・景観改善を図る。
回収船によるヒシ・アオコの回収 1式
平成20年度実績
回収船によるヒシ・アオコの回収 1式
平成21年度の実績
回収船によるヒシ・アオコの回収 1式
●担当:県土整備部河川課 計画担当 電話0857-26-7379
参考URL
鳥取県県土整備部河川課のwebサイトより
「河川課」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=28143
内水面漁場環境保全事業
1 事業の背景、目的
湖山池・東郷湖において漁場環境の改善を図るため、漁業者が湖底のゴミ回収を、また漁業者とボランティアが連携して湖面及び湖岸のゴミ回収を行い、地域住民の環境保全意識を高める。
2 事業の内容
湖山池漁協及び東郷湖漁協が実施する湖底・湖岸清掃に対して支援する。
1. 湖山池
(1)湖底、湖岸清掃
(2)ボランティアによる湖岸清掃
2. 東郷池
(1)湖底清掃
3 効果
- ゴミ量の減少により湖沼環境が改善され、シジミ等の漁業資源の増加が見込まれる。
- 漁業者、ボランティア団体の漁場環境保全意識が向上する。
平成21年度の実績
回収されたゴミ量
○湖山池:1.78t
○東郷池:18m3
*湖山池は、途中で単位が変わるため、グラフは東郷湖のみ表示した。
●担当:農林水産部 水産振興局 水産課 漁業振興担当 電話0857-26-7316
参考URL
鳥取県水産課のwebサイトより
「水産課」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=44462
光触媒を利用した水質浄化手法の研究
1 事業の目的
光触媒*による水質浄化手法の開発研究を行い、従来の浄化手法等で削減できなかった難分解性有機物*の削減や新たな環境ビジネス等への検討に資する。
【光触媒】:酸化チタン等の触媒が光を吸収することでその表面が強い酸化力を発揮し、有機物を分解する作用を持つ。
【難分解性有機物】:微生物が分解することが困難な形で存在する有機物。自然界にはフミン質などがあるのが知られているが、未だその詳細は判明していない。
2 事業の現状及び課題
○ 湖沼の汚濁指標であるCODの半分程度が難分解性有機物
○ 従って、湖沼の環境基準達成のためには、難分解性有機物を浄化する必要が
あるが、従来の手法では困難
○ 一方で最近注目されている光触媒は、強い酸化力を持ち、生物分解の困難な
排水処理の実用化の例がある
○ しかしながら、湖沼の浄化手法についてはあまり検討されていない
3 事業の内容
○ あまり研究のなされていない光触媒による湖沼水質浄化手法の開発研究
○ 湖水を対象とした室内実験により、次の事項を検証
・湖水中の有機物の分解性
・有効な分解率のための必要な条件
・各種資材の有効性の検討
・実用化にあたっての問題点・課題の把握
○ 実用化の可能性が明らかになれば、次年度に水路で実証試験を実施
平成21年度の実績
○難分解性有機物、アオコ、赤潮の分解除去効果を確認した。
難分解性有機物 : 3時間で9割削減(有機物量として)
赤潮プランクトン : 3時間で9割削減(クロロフィルa量として)
赤潮プランクトン実験前 3時間経過後
○実際の湖水においても有機物濃度の低減効果を確認。
○光触媒作製方法により、その効果は異なることがわかった。
○県内企業の協力で光触媒タイルを試作した。
●担当:生活環境部 衛生環境研究所 水環境対策チーム 電話0858-35-5417
参考URL
鳥取県衛生環境研究所のwebサイトより
「衛生環境研究所」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=3565
魚の棲む豊かな湖沼河川再生調査
1 事業の背景、目的
○東郷池や県内河川において、地元住民と協働で水生生物の繁殖阻害要因を調査し、改善策を提案
○改善策実施後、効果検証
2 事業の内容
「東郷池の水質浄化を進める会」(事務局:湯梨浜町)の取組が進行中。地元住民が環境改善策を実施するにあたり、湯梨浜町や東郷小学校から指導や助言の要請
東郷池では橋津川水門設置以降、ワカサギ等の漁獲量減少が顕著
シジミ漁を維持していくために地元が実施中の増殖策の検証や適正な資源管理のためのデータが必要
3 効果
(1)ワカサギ・シラウオ資源回復調査
(2)コイ・フナ属資源回復調査
(3)シジミ資源調査
(4)魚類相モニタリング調査
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図1 東郷池で採捕されたワカサギ(上)
及びシラウオ(下)
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図2 水田内でのフナ属の産卵行動
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図3 東郷池ヤマトシジミ
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図4 東郷池で採捕されたスッポン
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平成21年度の実績
1 フナ属、コイ産卵調査
○メダカの会と協働で東郷川に人工産卵藻を設置し、コイやフナ属の自然産卵を促進した
○産卵期は4‐7月、主な産卵場所は流入河川、水田、用水路内。水田や用水路は仔稚魚の育成場としても機能
○東郷小学校の総合学習の一環として、用水路内に生息する魚類調査を実施
2 ワカサギ、シラウオ調査
○ワカサギの自然産卵場調査結果を基に、東郷湖漁協と協働で流入河川に人工産卵場を造成
○人工産卵場では2月下旬~4月中旬にかけてワカサギやシラウオの産着卵を確認
○1-3月の定置網1日1ヶ統あたりのワカサギの採捕数は0-5個体とごく僅か
3 ヤマトシジミ現存量調査
○2009年春季の現存量は5,651トンと推定
4 魚類相調査
○魚類42種、甲殻類11種を確認
東郷湖漁協と協働で人工産卵場を造成
●担当:農林水産部 水産試験場 沿岸漁業部生産技術室担当 電話0858-34-3321
参考URL
鳥取県水産試験場のwebサイトより
「水産試験場」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=53267