防災・危機管理情報


平成21年度版 鳥取県環境白書

4.快適な環境・美しい景観の保全と創造

 4.2 歴史的、文化的環境の保存と整備

史跡青谷上寺地遺跡保存活用事業

1 背景・現状・目的

 「史跡青谷上寺地遺跡整備活用基本計画」に基づき、史跡の公有化と活用を進めるとともに、発掘調査を実施して整備・活用に必要な情報を収集する。
 併せて出土品の再整理と調査研究を行い、その成果を発信していく。 

2 事業内容

  1. 史跡指定地公有化・保存活用事業
    ○史跡を保存・整備・活用に資するため、指定地を平成20年度から10カ年かけて公有化
    ○地域住民と県・鳥取市の協働連携による史跡の維持管理・活用を目指し、(仮称)史跡保存活用協議会を設立して様々な活用事業を実施
  2. 発掘調査事業
     発掘調査、遺跡周辺調査、埋蔵環境調査などを実施し、青谷上寺地遺跡の実態解明および史跡整備に必要なデータを収集
  3. 出土品調査研究事業
     出土品の調査研究、保存処理、レプリカ作成などを行い、活用を図るとともに情報発信も実施 

 平成21年度の実績

1 発掘調査事業
 遺跡中心域西側の発掘調査を行い、中心域西側を区画する溝の続きが見つかった。溝の掘られた時期が、これまで考えられていた弥生時代終わり頃から弥生時代中頃にまで遡ることがわかった。中国製の鏡(八禽鏡)をはじめとした遺物が溝の中から大量に見つかった。

2 出土品調査研究事業
 ・骨角器および金属器の再整理・データベース作成を行った。
 ・出土品を後世に引き継ぐため、木器、鉄器、骨角器などの保存処理を行った。
 ・実物展示が困難な出土品のレプリカを作成し、展示公開した。

●担当:鳥取県教育委員会 文化財課 歴史遺産室 電話0857-26-7932

参考URL 
 鳥取県教育委員会文化財課のwebサイトより
 「とっとり弥生の王国情報発信(妻木晩田・青谷上寺地遺跡)→「青谷上寺地遺跡の整備と活用」→青谷上寺地遺跡ホームページ
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=4271

史跡妻木晩田遺跡保存活用事業

1 背景・現状・目的

 国史跡妻木晩田遺跡整備活用保存計画に基づき、遺跡の復元整備及び遺跡の解明のための発掘調査を実施し、併せて弥生時代の暮らしを体験できる事業を行うなど、多くの人に活用してもらうための普及啓発活動を行う。
 

2 事業内容

1. 保存整備事業
  基本計画に基づき、環境整備工事、復元建物の建設工事等を実施
2. 調査研究事業
  遺跡の全容を解明するための発掘調査を実施
3. 活用事業
  各種体験事業やイベントを開催

 平成21年度の実績

1 保存整備事業
 妻木新山地区等に、竪穴住居や高床倉庫の復元建物を建設し、史跡景観の創造を行った。 そのほか、整地・植栽工事を実施し、遺構の風化防止措置等を行った。また、ガイダンス施設の建築に着手、施工終了した。

2 調査研究事業
 遺跡の全容を解明するための発掘調査を実施した。

3 活用事業
 遺跡に親しんでもらうために、古代体験を始めとする遺跡を活用した体験事業を行った。

事業名  
参加者数
むきばんだ弥生の森講座 春の自然を楽しもう
55名  
新緑まつり
1,500名  
むきばんだ春の親子写生会
33名  
むきばんだ弥生講座 土器づくりと野焼き
76名  
新涼考古学教室
108名  
妻木晩田親子考古学教室
12名  
むきばんだ夏の星座観察会
83名  
サンセットビューウィーク
122名  
秋麗まつり
900名  
むきばんだ弥生講座 かごづくり
20名  
お気楽♪弥生気分(古代体験)
1,528名  


●担当:鳥取県教育委員会 文化財課 歴史遺産室 電話0857-26-7932

参考URL
 妻木晩田遺跡事務所ホームページ

三徳山・大山歴史遺産調査事業

1 背景・現状・目的

 鳥取県を代表する貴重な文化財の宝庫である三徳山と大山の歴史遺産(文化財)について、三朝町及び大山町が実施する調査・研究事業に対して支援と協力を行い、その学術的価値を高めていく。

 

2 事業内容

 学術調査への調査指導及び調査協力

  1. 三徳山美術工芸品調査
  2. 三徳山自然環境関連調査
  3. 三徳山域内埋蔵文化財調査
  4. 大山寺美術工芸品調査
  5. 大山寺僧坊等埋蔵文化財調査

 平成21年度の実績

 

三朝・大山両町が実施した発掘調査研究事業に対して支援を行った。

●担当:鳥取県教育委員会 文化財課 歴史遺産室 電話0857-26-7932

三徳山世界遺産登録推進事業

1 背景・現状・目的

 世界遺産暫定一覧表記載資産候補として提案書を提出し、継続審議が妥当とされた「三徳山」について、三徳山の持つ顕著で普遍的な価値について、今まで十分とはいえなかった調査研究をすすめるとともに、その魅力を広く知ってもらうための情報発信を行い、世界遺産登録に向けた取組を推進する。 

2 事業内容

 世界遺産の観点に基づいた三徳山の調査研究と、その学術的な部分での魅力について認知度アップも目指した情報発信を実施

  1. 調査研究事業
    県及び三朝町で調査研究チームを立ち上げ、三徳山の総合的・広域的な調査研究を実施
  2. 普及啓発事業
    三徳山の学術的な魅力、調査研究によって得られた知見を講演会や説明会などを通じて積極的に情報発信、パンフレット等の刊行を実施

 平成21年度の実績

三徳山の世界遺産登録に関して、国内暫定一覧追加記載のための審議が行われ、カテゴリー2に位置づけられた。

●担当:鳥取県教育委員会 文化財課 歴史遺産室 電話0857-26-7932

参考URL
 鳥取県中部総合事務所のwebサイトより
 「三徳山を世界遺産へ」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=24294

池田家墓所整備活用事業

1 背景・現状・目的

 史跡鳥取藩主池田家墓所の適切な保存とその活用を図り、県民の文化的向上に資する。

2 事業内容

 (財)史跡鳥取藩主池田家墓所保存会が行う、墓所の保存整備及び管理活用に要する経費に対して助成

○活用事業の一つ、第5回池田家墓所燈籠会(H20開催)の様子

多くの方に池田家墓所燈籠会に来所いただきました。

 平成21年度の実績

1 墓所の監視及び清掃、現地案内等
 ア  管理人 1名を配置し、墓所の監視、清掃、来場者への案内等の実施
 イ  墓所内立木の剪定及び草刈り等の管理
 ウ  その他 
   国府中学校有志による墓所内の清掃 平成21年12月6日(日)
2 普及啓発・情報発信等
 ア  燈籠会の開催
池田家墓所に親しんでもらうため、墓所に残る約 270基の燈籠に一斉に明かりをともす燈籠会を実施した。
・施日:平成21年9月26日(土) 午後6時~8時
・来場者:約 500名
・内容:・燈籠への灯入れ、伝統芸能の奉納、宇倍神社麒麟獅子舞、手笠おどり
 イ  写真コンクールの開催
池田家墓所の四季折々の魅力、表情を伝える写真コンクールを実施した。
作品数:出品… 229点 入賞… 33点(佳作を含む)
3 保存整備事業(墓所保存修理工事)
   墓所の文化財としての価値を損なうことなく、県民が優れた歴史的環境に接することができる場所とするために、平成15年度に作成した「史跡鳥取藩主池田家墓所保存整備計画」に基づき、次の箇所の復元及び修復工事ならびに調査を実施した。
・工事内容:石工事( 初代藩主七男清弥墓ほか)、植栽工事(危険木伐採)
・調査内容:遺構計測(隣姫墓)

●担当:鳥取県教育委員会 文化財課 歴史遺産室 電話0857-26-7934

参考URL
 (財)史跡鳥取藩主池田家墓所保存会のホームページ
 http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=82398 

とっとりの鏝絵・なまこ壁の魅力を伝える事業

1 事業の目的・効果

 鏝絵やなまこ壁などの魅力を伝えることにより、それらを活かした魅力あるまちづくりの創出に繋げるとともに、県外とっとりの魅力を伝え、鳥取県への来訪者を増やす。
 エコロジーや手仕事(手わざ)の良さを再認識し、地域の生活文化、デザイン遺産として、さらに地域の伝統産業として活用し、技能の継承に繋げる。

○鏝絵(こてえ)とは
 土蔵の妻壁や扉、民家の戸袋や壁の漆喰の上に、鏝で漆喰を塗り上げ、レリーフを描くように浮き彫りの模様を描く左官の技術で、「蔵飾り」とも呼ばれる。

○なまこ壁とは
 土蔵の表面に平瓦を張り、瓦の継ぎ目に半円形で海にいる海鼠(なまこ)のような形に漆喰を盛り上げる左官の技術で、耐水・耐火・強度に優れ、漆喰の白と瓦の黒との組み合わせが装飾的な効果を高めている。 

2 事業内容

  1. 魅力ある鏝絵・なまこ壁素材の発掘

    ○左官業関連団体、鏝絵・なまこ壁の専門家等で「とっとりの鏝絵・なまこ壁の魅力を伝える委員会」(仮称)を組織
    ○県と委員会が共同で県内に埋もれる鏝絵・なまこ壁などの地域資源を発掘し、県においてリストを作成

  2. 「とっとりの魅力ある鏝絵・なまこ壁を伝えるフォーラム」開催
  3. 巡回展示会の開催
  4. 「とっとりの魅力ある鏝絵・なまこ壁」冊子、携帯用パンフレットの作成
  5. 将来を担う子供たちへの伝承

    小・中学校等に出向き、将来を担う子供たちに鏝絵、なまこ壁などの左官技術を実演し、魅力を伝える活動を行うグループにその費用の助成(補助率1/2 上限額100千円) 

 平成21年度の実績

1 魅力ある鏝絵・なまこ壁素材の発掘
 左官業関連団体、鏝絵・なまこ壁の専門家等で「とっとりの鏝絵・なまこ壁の魅力を伝える委員会」を組織
 県と委員会が共同で県内に埋もれる鏝絵・なまこ壁などの地域資源を発掘し、県においてリストを作成

2 フォーラム「鳥取の鏝絵・なまこ壁 ~地域資産を生かしたまちづくり~」を開催
・日時  平成21年11月8日(日)
・場所  琴浦町赤碕地域コミュニティセンター
・参加者数 約250名(内県外約40名)
3. 巡回展示会の開催
・日時 平成22年3月9日~17日、場所 倉吉市立図書館エントランスロビー
・日時 平成22年3月19日~26日、場所 米子市福祉保健総合センターふれあいの里1階談話・喫茶コーナー
・日時  平成22年3月27日~4月5日、場所 県立図書館1階展示コーナー

4. 「とっとりの鏝絵となまこ壁」携帯用パンフレットの作成
 4,000部作成

 
●担当:生活環境部 景観まちづくり課 景観づくり担当 電話0857-26-7201

参考URL 
   鳥取環境ネットワークのwebサイトより
  「景観まちづくりフォーラム「鏝絵・左官・蔵飾り」の開催」
  http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=53786

地域の古民家を核とした景観まちづくり推進事業

1 事業の目的

 県内の古民家を調査し把握することにより、地域資源としての活用を促す。 

2 事業の現状及び課題

○ 戦災の被害や、バブル経済の影響が少なかった鳥取県には、中山間地域だけでなく市街地にも古民家が 多く残っている。
○ 古民家には歴史・文化を感じさせる外観の魅力があるほか、中には、今では手に入らないような貴重な部材が使用されるなど再評価すべきものも含まれる。
○ 一方、古民家は、空き家として放置されているものが多く見受けられる。また、空き家でなくとも、1人住まいで管理が十分できないため、老朽化が進行している例も散見される。

(古民家の活用方法)
(1) 移住者の居宅としての活用
(2) まちづくり・交流の拠点としての活用
(3) ギャラリーとして活用
(4) 宿泊施設として活用
(5) 物販施設・レストランとして活用
(6) 福祉施設として活用

3 事業内容

1. 古民家に係る情報等のとりまとめ
2. 大学、NPO、建築関係団体等による外観調査
3. 大学、NPO、建築関係団体等による古民家の建物調査
4. 評価委員会による古民家の価値評価
5. 古民家の活用法の検討・企画

 

 平成21年度の実績

○市町村等がUIJターンのため同様に空き家情報を収集しており二重作業となっていることから、県の取組は行わなかった。
 今後は市町村が収集した情報の中から活用できる古民家について既存制度の活用等で市町村への支援を行う。

●担当:生活環境部 景観まちづくり課 景観づくり担当 電話0857-26-7201

参考URL
 鳥取県景観まちづくり課のwebサイトより
  「住宅政策課」
https://www.pref.tottori.lg.jp/3589.htm

  

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