（１）社会動態の推移　－７３３人の転出超過で前年に続き社会減－

　平成15年１年間に県内の市町村間を移動した者(県内移動者)は10,356人、県外転入者は13,636人、県外転出者は14,369人で、実移動総数は38,361人となり、平成14年に比べて1,171人(3.05％)減少した。
　本県の社会動態の推移をみると、日本経済の高度成長期にかけて県外転出者数が県外転入者数を大幅に上回り、転出超過が続いていたが、第１次石油危機による経済停滞などを背景として、昭和40年代後半から県外転出者数と県外転入者数の差が縮まり、昭和51年には両者が逆転して初めて転入超過となった。その後昭和53年には再び転出超過、翌54、55年には転入超過、昭和56年以降は再び転出超過が続いていたが、平成６～８年は転入超過となった。平成９年は県外転入者数と県外転出者数が同数であったため、社会増加は±０であった。その後は県外転入と県外転出がほぼ均衡し、平成11年と平成13年は転入超過となった。平成15年は前年に比べて県外転入者、県外転出者共に減少し、全体で733人の転出超過となった。

（２）男女別移動者　－県内移動者は女性が多く、県外移動者は男性が多い－

　平成15年１年間に県内の市町村を移動した者(県内移動者)は10,356人で、前年に比べて28人増加した。これを男女別にみると、男5,056人、女5,300人で性比(女100人に対する男の数)は95.4％となり、女性の移動者が多くなっている。
　また、県外移動者数は28,005人で前年に比べて1,199人減少した。これを男女別にみると、男14,938人、女13,067人で性比は114.3％となり、県内移動とは逆に男性の移動者が多くなっている。

（３）月別移動　－県外転出者数が県外転入者数を上回る－

　月別実移動総数をみると、転勤や進学、就職の時期に当たる3月、4月の移動者が多く、この2か月で年間総数の38.2％を占めている。
　本県の月別人口（毎月１日現在）は、4月に大きく落ち込んだ後、5月～12月で緩やかに回復するパターンが見られるが、平成15年はこの回復が鈍くなる傾向が認められた。月別転入(出)超過の状況をみると、転出超過となったのは平成15年では前年と同じく2月、3月、6月、7月、9月が転出超過となっている。年間でみても平成14年は408人の転出超過、平成15年は733人の転出超過となり２年連続の転出超過となった。

（４）県内地域間移動の状況　－県内移動は市部へ集中－

　県内移動の状況をみると、市部から郡部への移動者は2,889人、郡部から市部への移動者は3,467人で、市部が578人の転入超過となっている。
　市郡間の移動をみると、移動者が多いのは米子市と西伯郡間、倉吉市と東伯郡間、鳥取市と八頭郡間、鳥取市と米子市間、鳥取市と岩美郡間、米子市と境港市間などとなっており、同一生活圏内での中核都市と郡部間並びに市相互間の移動が多い。

（５）県外地域間移動の状況　－県外移動者は､中国･近畿地方で過半数を占める－

　県外転入者の前住地は中国地方が32.8％、近畿地方が26.0％、関東地方が12.1％となっている。
　これを都道府県別にみると島根県(12.6％)が最も多く、次いで大阪府(11.3％)、兵庫県(9.0％)、広島県(8.9％)、岡山県(8.6％)となっている。
　また、県外転出者の転出先をみると、中国地方が30.4％、近畿地方が26.1％、関東地方が15.4％となっている。
　これを都道府県別にみると、大阪府(11.5％)が最も多く、次いで島根県(10.5％)、兵庫県(8.9％)、岡山県(9.2％)、広島県(8.3％)となっている。
　また、近年の国際交流、企業の海外進出等を反映し、外国との移動が増加している(転入11.5％、転出11.4％)。

（６）市町村別移動状況　－移動総数では米子市・鳥取市の２市で全県の53.６%を占める－

　市町村別に移動状況をみると、移動総数は米子市が13,085人で最も多く､次いで鳥取市が13,029人となっており､この２市で県全体の移動総数(48,717人)の53.6％を占めている。

（７）市町村別転出入超過の状況　－転入超過は２市１１町、転出超過は２市２０町４村－

　転入(出)超過の状況をみると、転入超過となったのは２市１１町で、米子市が349人と最も多く、次いで境港市(113人)、鹿野町(30人)、羽合町(28人)、郡家町（26人)、となっている。逆に転出超過となったのは、２市２０町４村で、倉吉市が△157人と最も多く、次いでと鳥取市（△111人）、青谷町(△96人)、岩美町(△95人)、智頭町(△90人)となっている。

（８）年齢別移動状況　－生産年齢人口が82.9%を占める－

　実移動総数38,361人を年齢３区分別にみると、年少人口5,367人(14.0％)、生産年齢人口31,805人(82.9％)、老年人口1,189人(3.1％)となっている。
　また、年齢５歳階級別にみると、｢20～24歳｣が7,752人(20.2％)で最も多く、次いで｢25～29歳｣が7,086人(18.5％)、｢30～34歳｣が4,959人(12.9％)、｢15～19歳｣が3,070人(8.0％)となっており、この４階級で全体の59.6％を占めている。
　また、転出入超過の状況をみると、｢20～24歳｣が495人と最も多く、次いで｢15～19歳｣が478人、「10～14歳」が69人の順で転出超過となっている。