平成15年の鳥取県の鉱工業動向は、生産指数が対前年比1.9%と上昇し、出荷指数も同1.3%の上昇となった。一方、在庫指数は対前年比▲1.2%と低下している。
鉱工業指数の四半期別推移をみると、生産はⅠ期は4.8%の上昇で、Ⅱ期は▲5.3%の低下であったが、Ⅲ期は5.9%、Ⅳ期は3.1%と連続して上昇となった。また、前年同期比でもⅡ期は▲6.2%と下回っているが、Ⅰ期は5.2%、Ⅳ期は8.3%と上回っている。Ⅲ期は前年並みであった。
出荷は、Ⅰ期は▲1.0%、Ⅱ期は▲3.5%の低下となったが、Ⅲ期は6.5%、Ⅳ期は7.3%と連続して上昇した。前年同期比ではⅡ期に▲6.8%と下回ったが、Ⅰ期は5.2%、Ⅲ期は2.1%、Ⅳ期は9.2%と上回っている。在庫は、Ⅰ期は2.1%の上昇で、Ⅱ期は▲3.1%の低下、Ⅲ期は横這いであったが、Ⅳ期は5.8%と上昇している。
本県の鉱工業動向は、主力である電気機械工業が好調なデジタル関連に支えられて上昇に転じたことから、後半回復傾向がみられるが、一般機械工業、繊維工業などは依然として低い水準にあり、業種間で格差がみられる。
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(1)生産の動き
ア 概要
生産指数(平成12年=100)は年平均76.5で、対前年比1.9%と上昇した。主要13業種の対前年比をみると、電気機械工業が5.2%、一般機械工業が29.1%、金属製品工業が3.9%など、6業種で上昇した。一方、繊維工業が▲12.8%、窯業・土石製品工業が▲11.3%、食料品・たばこ工業が▲3.2%など、7業種で低下した。
四半期別の推移を前期比でみると、Ⅰ期に4.8%と上昇の後、Ⅱ期は▲5.3%と低下したが、Ⅲ期は5.9%、Ⅳ期は3.1%と連続して上昇している。業種別では、ウエイトで50%近くを占める電気機械工業がⅠ期、Ⅱ期と低下の後、Ⅲ期は19.8%、Ⅳ期は7.9%と上昇しており、これが後半の生産回復傾向の要因となっている。また、プラスチック製品工業、繊維工業などはⅠ~Ⅲ期は低下が続いているが、Ⅳ期は上昇している。
イ 加工型業種と素材型業種
加工型業種総合の年平均指数は70.4で、対前年比7.2%の上昇となり、平成13年、平成14年の低い水準から上昇したが、素材型総合業種は、年平均指数で77.7と、対前年比▲9.0%で3年連続の低下となっている。鉱工業全体では、年平均指数は76.5で、対前年比1.9%とやや上昇した。
※ 本県では、主に他産業より材料の供給を受けて製品を製造する業種(加工型業種)全体と、主に他産業に材料を供給する業種(素材型業種)全体の動向をみるため、参考系列としてそれぞれの指数を作成していいる。
(2) 出荷の動き
出荷指数(平成12年=100)は年平均84.2で、対前年比1.3%と上昇した。主要13業種の対前年比をみると、電気機械工業が5.2%、一般機械工業が20.8%、鉄鋼業が9.7%など6業種で上昇した。一方、パルプ・紙・紙加工品工業が▲9.7%、食料品・たばこ工業が▲4.1%、繊維工業が ▲11.2%など7業種が低下となった。
四半期別の推移を前期比でみると、Ⅰ期は▲1.0%、Ⅱ期は▲3.5%と低下したが、Ⅲ期は6.5%、Ⅳ期は7.3%と上昇した。業種別では電気機械工業がⅠ期、Ⅱ期の低下からⅢ期は23.2%と大幅に上昇し、Ⅳ期も8.4%と上昇している。
(3) 在庫の動き
在庫指数(平成12年=100)は年平均73.6で、対前年比▲1.2%と低下した。主要13業種の対前年比をみると、上昇したのはパルプ・紙・紙加工品工業が68.7%、金属製品工業が36.1%、鉄鋼業が12.8%の3業種であった。一方、電気機械工業が▲ 4.4%、一般機械工業が▲32.4%、食料品たばこ工業が▲23.4%など、9業種が低下となっている。
四半期別の推移を前期比でみると、Ⅰ期は2.1%と上昇の後、Ⅱ期は▲3.1%と低下し、Ⅲ期は横這いであったが、Ⅳ期は5.8%と上昇している。業種別では電気機械工業がⅠ期、Ⅱ期の低下から後半上昇し、Ⅳ期では11.4%の上昇となっている。また、パルプ・紙・紙加工品工業はⅠ~Ⅳ期を通じて上昇しているのに対して一般機械工業ではⅠ~Ⅳ期を通じて低下となっており、業種間で差がみられる。
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(1)生産
平成15年の生産指数は、前年比1.9%の上昇であった。
業種別の寄与度をみると、電気機械工業が2.3%、一般機械工業が1.1%など、8業種がプラスに寄与している。
一方、繊維工業が▲0.8%、窯業・土石製品工業、パルプ・紙・紙加工品工業、食料品・たばこ工業がそれぞれ▲0.6%など、5業種がマイナスに寄与している。
(2)出荷
平成15年の出荷指数は、前年比1.3%の上昇であった。
業種別の寄与度をみると、電気機械工業が2.5%、一般機械工業が0.5%など、8業種がプラスに寄与している。
一方、パルプ・紙・紙加工品工業が▲1.1%、食料品・たばこ工業が▲0.9%、繊維工業が▲0.4%など、5業種がマイナスに寄与している。
(3)在庫
平成15年の在庫指数は、前年比▲1.2%と低下した。
業種別の寄与度をみると、食料品・たばこ工業が▲4.6%、電気機械工業が▲2.3%、一般機械工業が▲0.9%など、8業種がマイナスに寄与している。
一方、パルプ・紙・紙加工品工業が6.2%、金属製品工業が0.9%など、4業種がプラスに寄与している。
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(1)鉄鋼業
鉄鋼業の前年比は、生産が10.9%、出荷が9.7%と、それぞれ2年連続の上昇となった。在庫も12.7%で2年ぶりの上昇となった。
四半期別の推移を前期比でみると、生産は、平成13年の4期連続の低下から平成14年は上昇に転じ、平成15年Ⅰ期は生産で7.0%と上昇が続いた。Ⅱ 期は▲8.3%と低下し、Ⅲ期は横這いであったが、Ⅳ期でやや上昇し、年間では平成12年を越える水準であった。出荷もほぼ同様の傾向で、平成15年Ⅱ期は▲6.8%と低下しているものの、Ⅳ期は3.2%と上昇している。在庫は、平成14年Ⅱ期から平成15年Ⅰ期までほぼ横這いであったが、Ⅱ期は10.6%、Ⅲ期は6.6%と上昇が続いており、生産、出荷と同様、平成12年を超える水準となった。
品目別生産の動きは、銑鉄鋳物が20.8%、鍛工品が10.1%とそれぞれ上昇した。
(2)金属製品工業
金属製品工業の前年比は、生産が3.9%、出荷が2.1%、在庫も36.1%と、いずれも3年ぶりの上昇であり、特に在庫は平成14年を大きく上回っている。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷とも平成12年以降続いた緩やかな低下傾向から、平成15年Ⅰ期で生産が22.6%、出荷が24.8%とそれぞれ大幅に上昇した。その後、Ⅲ期の上昇を挟んでⅡ期、Ⅳ期で低下し、平成15年Ⅳ期は前年同期を下回る水準となった。在庫は、平成14年Ⅳ期、平成15年Ⅰ期と大幅上昇した後、Ⅲ期、Ⅳ期は連続して低下している。。
品目別生産の動きは、プレス製品が53.6%、建設用金属製品が13.5%、電気めっきが9.9%とそれぞれ上昇している。一方、ガス機器が▲69.7%、その他(高圧容器など)が▲12.5%とそれぞれ低下した。
(3)一般機械工業
一般機械工業の前年比は、生産が29.1%、出荷が20.8%となり、平成13年、平成14年と続いた大幅低下から上昇に転じた。一方、在庫は▲32.4%の低下であった。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷とも平成12年以降は低下が続いていたが、平成15年Ⅰ期で生産が216.9%、出荷が183.5%と大幅に上昇した。その後、Ⅱ期、Ⅲ期は低下し、Ⅳ期で僅かながら上昇している。在庫は、依然として低下傾向が続いており、平成15年もⅠ期~Ⅳ期を通して低下している。
品目別生産の動きは、サービス用・民生用機械が75.3%、金属工作機械が70.9%、特殊産業用機械が55.1%など大幅な上昇となり、平成14年の落ち込みから回復がみられる。
(4)電気機械工業
電気機械工業の前年比は、生産が5.2%、出荷も5.2%とそれぞれ2年連続の上昇となった。在庫は▲4.4%で、3年連続の低下となっている。
四半期別の推移を前期比でみると、生産は平成14年Ⅳ期から低下が続いていたが、平成15年Ⅱ期を境に上昇に転じ、平成15年Ⅲ期は19.8%、Ⅳ期も7.9%の上昇であった。出荷も生産と同様に平成15年Ⅲ期は23.2%、Ⅳ期は8.4%と上昇した。在庫は平成15年Ⅱ期まで低下傾向が続き、Ⅲ期から上昇したが、年間では平成14年の水準を下回った。
品目別生産の動きは、液晶素子が25.8%と、平成14年に引き続いて増加した。このほか、半導体素子が平成14年の▲5.8%から9.5%の上昇、情報通信機械工業も同▲17.8%から2.4%の上昇となった。一方、電子・通信機器用部分品が▲26.6%、開閉制御装置が▲26.3%と低下している。
(5)窯業・土石製品工業
窯業・土石製品工業前年比は、生産が▲11.3%、出荷が▲10.9%とそれぞれ4年連続の低下となった。在庫も▲8.2%と3年連続の低下となっている。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷は、平成14年Ⅱ期、Ⅲ期と上昇した後は低下し、平成15年Ⅰ期は生産が▲6.0%、出荷が▲6.7%、Ⅱ 期は生産が▲7.5%、出荷が▲5.1%とそれぞれ低下が続いた。Ⅲ期、Ⅳ期は生産、出荷とも連続して上昇したが、年間では平成14年を下回る水準となっている。在庫は、平成14年Ⅱ期~Ⅳ期は3期連続の低下となった。平成15年はⅠ期でわずかに上昇したものの、Ⅱ期~Ⅳ期は低下が続いている。
品目別生産の動きをみると、コンクリート製品が▲13.9%、ファインセラミックスが▲11.8%、その他(石工品など)が▲25.4%とそれぞれ低下した。
(6)プラスチック製品工業
プラスチック製品工業の前年比は、生産が1.8%、出荷が2.4%とそれぞれ2年連続の上昇となった。在庫は▲0.8%で、ほぼ横這いとなっている。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷は、平成14年は上昇傾向であったが、平成15年は低下傾向となり、Ⅰ期は生産が▲5.1%、出荷が▲2.6%、Ⅱ期は生産が▲ 3.5%、出荷が▲4.3%、Ⅲ期は生産が▲6.1%、出荷が▲7.4%とそれぞれ連続して低下した。しかし、Ⅳ期は生産が4.6%、出荷が7.3%とそれぞれ上昇し、年間では平成14年をやや上回った。在庫は平成14年以降の低い水準が続き、Ⅲ期、Ⅳ期は上昇したが、年間では平成14年をわずかに下回った。
品目別生産の動きは、機械器具部品が3.8%、発泡製品が2.6%とそれぞれ上昇し、フィルムは▲1.5%の低下となった。
(7)パルプ・紙・紙加工品工業
パルプ・紙・紙加工品工業の前年比は、生産が▲8.5%、出荷が▲9.7%とそれぞれ2年ぶりの低下となった。在庫は68.7%の大幅上昇となっている。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷は平成14年Ⅲ期を境に緩やかな低下傾向にあったが、平成15年Ⅳ期は出荷が0.6%とほぼ横這い、出荷は1.7%と僅かに上昇した。在庫は平成13年に大幅に低下し、平成14年は低い水準であったが、平成15年は大幅に上昇した。
品目別生産の動きは、事務用紙製品の▲34.3%をはじめ、紙が▲8.8%、板紙が▲3.8%、とそれぞれ低下した。
(8)繊維工業
繊維工業の前年比は、生産が▲12.8%、出荷が▲11.2%、在庫が▲3.4%とそれぞれ低下が続いた。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷とも低下が続いており、平成15年もⅠ期~Ⅲ期はいずれも低下している。Ⅳ期は出荷が7.4%の上昇となり、生産も1.1%と僅かながら上昇した。在庫はやや低下傾向で、Ⅰ期は低下、Ⅱ期、Ⅲ期で上昇となったがⅣ期で再び低下し、年間では平成14年を下回った。
品目別生産の動きは、織物製品が▲17.7%、紡績糸が▲13.7%、ニット製品が▲11.5%とそれぞれ低下している。
(9)食料品・たばこ工業
食料品・たばこ工業の前年比は、生産が▲3.2%、出荷が▲4.1%とそれぞれ低下が続いた。在庫も▲23.4%と大幅な低下となった。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷は平成14年に低下した後、概ね横這い傾向であり、平成15年は、生産がⅡ期に1.1%と僅かに上昇した以外はやや低下。出荷もⅡ期が4.8%、Ⅳ期が6.7%とそれぞれ上昇したが、Ⅰ期、Ⅲ期は低下している。在庫は、Ⅰ期、Ⅳ期は横這いであったが、Ⅱ期が ▲14.1%、Ⅲ期が▲8.3%と低下している。
品目別生産の動きは、水産缶詰が35.2%、生菓子が8.1%とそれぞれ上昇したが、冷凍水産食品が▲18.1%、めん類が▲10.1%、惣菜が▲7.1%、清酒が▲6.7%など、多くの品目が低下した。
(10)その他工業
その他工業の前年比は、生産が12.1%、出荷が18.9%とそれぞれ上昇した。一方、在庫は▲3.6%で2年連続の低下となっている。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷とも平成13年以降は横這い傾向であり、生産は平成15年Ⅰ期に11.8%と上昇し、Ⅱ期以降は概ね横這いとなっている。出荷は平成14年Ⅳ期に続いて平成15年Ⅰ期は9.2%と上昇し、Ⅱ期以降も高い水準が続いている。在庫は平成15年Ⅰ期、Ⅱ期で上昇したがⅢ期、Ⅳ期は低下し、年間では平成14年を下回った。長期的には低下傾向が続いている。
細分類業種の生産の動きは、輸送機械工業が13.2%と上昇し、ゴム製品工業は▲ 4.2%、家具工業は▲11.4%とそれぞれ低下した。木材・木製品工業は▲0.9%とほぼ横這いで、これらは平成14年と概ね同様の傾向であった。
(ア) 輸送機械工業
輸送機械工業の前年比は、生産が13.2%、出荷が13.1%とそれぞれ5年連続の上昇となった。
四半期別の推移を前期比でみると、生産、出荷とも、平成15年Ⅰ期は生産が6.0%、出荷が6.7%、Ⅱ期は生産が4.9%、出荷が4.3%と、平成14年に引き続き上昇している。Ⅲ期でやや低下しているが、Ⅳ期は再び上昇しており、若干の増減はあるものの、長期的には上昇傾向が続いている。
品目別生産の動きは、自動車部品が13.8%と上昇した。
(イ)ゴム製品工業
ゴム製品工業の前年比は、生産が▲4.2%、出荷が▲4.6%となり、生産は3年連続、出荷は4年連続の低下となった。在庫も▲5.7%と低下している。
四半期別の推移を前期比でみると、生産はⅠ期で9.9%と上昇し、Ⅱ期、Ⅲ期も上昇したものの、Ⅳ期でやや低下している。出荷はⅠ期で11.7%と上昇した後、Ⅱ期、Ⅲ期は低下し、Ⅳ期は横這いであった。在庫は、Ⅰ期が▲12.4%、Ⅱ期が▲2.9%とそれぞれ低下し、その後、Ⅲ期、Ⅳ期と上昇したが、年間では平成14年を下回った。
品目別生産では、工業用ゴム製品が▲28.8%と大幅に低下している。
(ウ)家具工業
家具工業の前年比は、生産が▲11.4%、出荷が▲8.3%、在庫も▲10.2%と、いずれも平成14年に引き続き減となった。
四半期別の推移を前期比でみると、平成13年に大幅に低下して以降の低い水準が続いており、平成15年も生産、出荷は、Ⅰ期~Ⅲ期は低下傾向である。Ⅳ 期で生産が42.6%、在庫が34.2%と増加したが年間では依然として低い水準となっている。在庫も、Ⅰ期で9.0%と上昇したが、その後Ⅱ期~Ⅳ期は低下傾向が続いている。
品目別生産の動きは、木製机・テーブルが16.6%の上昇であったが、たんすは▲27.3%と低下した。
(エ)木材・木製品工業
木材・木製品工業の前年比は、生産が▲0.9%とほぼ横這い、出荷は▲3.0%で2年ぶりの低下となった。在庫は▲0.8%とほぼ横這いであった。
四半期別の推移を前期比でみると、生産は、平成15年Ⅰ期、Ⅱ期はほぼ横這い、Ⅲ期で▲ 5.1%と低下したものの、Ⅳ期は2.7%とやや上昇した。出荷は、平成14年Ⅳ期で上昇し、平成15年Ⅰ期は▲9.2%と低下している。Ⅱ期で3.1%と上昇したものの、Ⅲ期は低下、Ⅳ期はほぼ横這いであった。在庫は平成15年Ⅰ期、Ⅱ期は上昇したが、Ⅲ期、Ⅳ期で低下し、年間では平成14年とほぼ同水準となっている。
品目別生産の動きは、一般製材が横這いであった。
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