平成10年の鳥取県の鉱工業動向は、生産指数が対前年比▲ 9.5%と低下し、出荷指数も▲7.2%と低下した。生産は3年ぶり、出荷は2年ぶりの低下となった。一方、在庫指数は0.4%と上昇し、2年ぶりのプラスとなった。鉱工業指数を生産、出荷、在庫別で見ると、生産は、前年同期比では1.期が▲4.3%、2.期が▲10.0%、3.期が▲11.8%、4.期には▲11.9%とマイナス幅が拡大し、依然として厳しい状態が続いているといえる。しかし、前期比でみた場合には、1.期が▲5.6%、2.期が▲8.2%と低水準が続いたが、3.期に▲1.5%、4.期には1.9%のプラスとなり、回復傾向がみられる。出荷は、前年同期比では1.期が▲5.9%、2.期が▲7.1%、3.期が▲6.8%、4.期には▲8.9%と低水準が続いている。しかし、前期比でみた場合には、1.期が▲5.5%、2.期が▲3.8%、3.期が▲0.5%とマイナス幅が縮小し、4.期が0.7%とプラスに転じた。在庫は、前年同月比では、1.期が▲1.0%、2.期が▲2.1%と低下したものの、3.期が3.5%、4.期が1.2%と上昇している。一方、前期比では1.期から3.期までは、2%前後の上昇を続けたが、4.期には、▲4.0%のマイナスとなった。
以上のことから、全体としては厳しい状況にあったといえるが、下半期になり、少しずつ明るさが見えつつあるように思われる。
第1表 鉱工業指数の推移
平成7年=100 ( )内はパーセント
分類
|
平成9年
|
10年
|
1.期
(1~3月)
|
2.期
(4~6月)
|
3.期
(7~9月)
|
4.期
(10~12月)
|
生産
|
101.9
|
92.2
|
98.6
|
90.5
|
89.1
|
90.8
|
前期(年)比
|
(1.4)
|
(▲9.5)
|
(▲5.6)
|
(▲8.2)
|
(▲1.5)
|
(1.9)
|
前年同期比
|
-
|
-
|
(▲4.3)
|
(▲10.0)
|
(▲11.8)
|
(▲11.9)
|
出荷
|
103.9
|
96.4
|
99.4
|
95.6
|
95.1
|
95.8
|
前期(年)比
|
(5.4)
|
(▲7.2)
|
(▲5.5)
|
(▲3.8)
|
(▲0.5)
|
(0.7)
|
前年同期比
|
-
|
-
|
(▲5.9)
|
(▲7.1)
|
(▲6.8)
|
(▲8.9)
|
在庫
|
99.3
|
99.7
|
98
|
100.1
|
102.1
|
98
|
前期(年)比
|
(▲1.9)
|
(0.4)
|
(1.7)
|
(2.1)
|
(2.0)
|
(▲4.0)
|
前年同期比
|
-
|
-
|
(▲1.0)
|
(▲2.1)
|
(3.5)
|
(1.2)
|
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(1)生産の動き
鉱工業生産指数は、前年比▲9.5%と3年ぶりの低下となった。四半期別の推移を前期比でみると、1.期は▲5.6%の低下、2.期は▲8.2%の低下、3.期は▲1.5%の低下、4.期は1.9%の上昇となった。
生産動向を主要14業種について前年比でみると、主力の電気機械工業が▲8.4%と低下したことが主たる要因となっている。その他、一般機械工業が▲23.8%、食料品・たばこ工業が▲5.7%、繊維工業が▲10.8%、出版・印刷業が▲24.3%など全業種で低下する結果となった。
これを業種別の寄与度でみると、電気機械工業が▲3.4、一般機械工業が▲1.1、食料品・たばこ工業が▲1.0、繊維工業が▲0.9、出版・印刷業が▲0.7の順になっている。
第2表 生産寄与度
業種分類
|
8年
|
9年
|
10年
|
鉱工業
|
0.5
|
1.4
|
-9.5
|
鉄鋼業
|
-0.1
|
0
|
-0.3
|
金属製品工業
|
-0.2
|
-0.4
|
-0.5
|
一般機械工業
|
-0.4
|
0
|
-1.1
|
電気機械工業
|
1.7
|
0.6
|
-3.4
|
窯業・土石製品工業
|
0.1
|
0
|
-0.3
|
プラスチック製品工業
|
0.1
|
0.3
|
-0.1
|
パルプ・紙・紙加工品工業
|
-0.4
|
0.9
|
-0.2
|
繊維工業
|
-0.3
|
-0.1
|
-0.9
|
食料品・たばこ工業
|
0
|
-0.3
|
-1
|
輸送機械工業
|
0
|
0.1
|
-0.4
|
家具工業
|
0
|
0.1
|
-0.3
|
木材・木製品工業
|
0
|
0.1
|
-0.3
|
出版・印刷業
|
0.2
|
0
|
-0.7
|
(注) 秘匿業種及び四捨五入の関係で業種寄与度の合計は鉱工業の上昇率と一致しない。
(2) 出荷の動き
出荷指数は、前年比▲7.2%と2年ぶりの低下となった。四半期別の推移を前期比でみると、1.期は▲5.5%の低下、2.期は▲3.8%の低下、3.期は▲0.5%の低下、4.期は0.7%の上昇であった。
出荷動向を主要14業種について前年比でみると、主力の電気機械工業が▲5.7%、また、食料品・たばこ工業が▲5.8%と低下したことが主たる要因となっている。その他、一般機械工業が▲27.2%、繊維工業が▲7.8%、出版・印刷業が▲27.1%など生産と同様に全業種で低下する結果となった。
これを業種別の寄与度でみると、電気機械工業が▲2.6、食料品・たばこ工業が▲1.4、一般機械工業が▲0.9、繊維工業が▲0.4の順になっている。
第3表 出荷寄与度
業種分類
|
8年
|
9年
|
10年
|
鉱工業
|
-1.4
|
5.4
|
-7.2
|
鉄鋼業
|
-0.1
|
0
|
-0.2
|
金属製品工業
|
-0.2
|
-0.4
|
-0.2
|
一般機械工業
|
-0.4
|
0.2
|
-0.9
|
電気機械工業
|
0.5
|
3.9
|
-2.6
|
窯業・土石製品工業
|
0.2
|
0.1
|
-0.1
|
プラスチック製品工業
|
0
|
0.1
|
-0.1
|
パルプ・紙・紙加工品工業
|
-0.1
|
0.5
|
-0.1
|
繊維工業
|
-0.2
|
-0.1
|
-0.4
|
食料品・たばこ工業
|
-1.1
|
0.9
|
-1.4
|
輸送機械工業
|
0
|
0.1
|
-0.3
|
家具工業
|
0
|
0
|
-0.2
|
木材・木製品工業
|
0.1
|
0
|
-0.2
|
出版・印刷業
|
0.1
|
0
|
-0.4
|
(注) 秘匿業種及び四捨五入の関係で業種寄与度の合計は鉱工業の上昇率と一致しない。
(3) 在庫の動き
在庫指数は、前年比0.4%と2年ぶりの上昇となった。
四半期別の推移を前期比でみると、1.期は1.7%の上昇、2.期は2.1%の上昇、3.期は2.0%の上昇、4.期は▲4.0%の低下となった。在庫状況を主要12業種について前年比でみると、主力のパルプ・紙・紙加工品工業が32.4%の上昇、食料品・たばこ工業が6.4%の上昇となったことが主たる要因となっている。その他、木材・木製品工業が18.8%など5業種が上昇した。
一方、電気機械工業が▲7.4%、金属製品工業が▲32.1%など7業種が低下する結果となった。これを業種別の寄与度でみると、上昇したのは、パルプ・紙・紙加工品工業が3.1の他、食料品・たばこ工業が1.9、木材・木製品工業が0.3の順になった。
他方、低下したのは、電気機械工業が▲3.0、金属製品工業が▲1.6、プラスチック製品工業が▲0.2の順になった。
第4表 在庫寄与度
業種分類
|
8年
|
9年
|
10年
|
鉱工業
|
1.2
|
-1.9
|
0.4
|
鉄鋼業
|
0
|
0
|
0
|
金属製品工業
|
-0.6
|
0.2
|
-1.6
|
一般機械工業
|
-1.1
|
-0.9
|
0.1
|
電気機械工業
|
0.2
|
5.1
|
-3
|
窯業・土石製品工業
|
0.1
|
-0.4
|
0
|
プラスチック製品工業
|
-0.1
|
0.1
|
-0.2
|
パルプ・紙・紙加工品工業
|
1
|
-1.1
|
3.1
|
繊維工業
|
-0.6
|
0.4
|
-0.1
|
食料品・たばこ工業
|
3.5
|
-5.4
|
1.9
|
ゴム製品工業
|
0.1
|
0.1
|
0
|
家具工業
|
-0.9
|
0.2
|
0
|
木材・木製品工業
|
-0.4
|
-0.2
|
0.3
|
(注)秘匿業種及び四捨五入の関係で業種寄与度の合計は鉱工業の上昇率と一致しない。