防災・危機管理情報


平成20年度版 鳥取県環境白書

鳥取県の環境の現状

6 二酸化炭素などの温室効果ガスの削減状況

  

【1 現状と課題】

<地球温暖化とは>

 地球は、太陽から届く日射が大気を素通りして地表面で吸収され、加熱された地表面から赤外線の形で熱が放射され、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄など)がこの熱を吸収し、その一部を再び下向きに放射し地表面や下層大気を加熱するという仕組みにより生物の生存に適した気温に保たれている。この温室効果ガスの大気中濃度が増加すると、地表の気温が上昇することになり、ひいては地球規模で気温が上昇することを地球温暖化と呼んでいる。

 地球温暖化が進むと、海水の膨張や氷河などの融解により海面が上昇したり、気候メカニズムの変化により異常気象が頻発する恐れがあり、ひいては自然生態系や生活環境、農業等に深刻な影響が出ると言われている。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書(2007年)では、世界の平均気温の上昇、海面上昇などから地球温暖化が起こっていると断定するとともに、人類起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因とほぼ断定されている。また、過去100年間(1906年~2005年)に世界平均気温が長期的に0.74℃上昇。最近50年間の長期傾向は、過去100年間のほぼ2倍になったと報告している。

<日本及び鳥取県の現状>

 鳥取県内における平成17年(2005年)度のCO2排出量は4,826千t-CO2で、1990年に比べて24.2%増加(日本全体では12.5%増加)したと推計されている。


 各部門の増減動向は次の通りである。

○産業部門(工場、農林水産業、建設業など)の排出量は、微増傾向
○運輸部門(自動車など)の排出量は、自家用車が増加傾向
○家庭部門(自家用車を除く家庭生活)の排出量は、増加傾向
○業務部門(オフィス、商業、サービス施設、公共団体など)の排出量は、増加傾向

鳥取県のCO2排出量の現状 (千t-CO2)

 

1990年

2000年度

2005年度

排出量

排出量
(90年比)

(参考値)

排出量
(90年比)

合計

3,887

4,623
(118.9%)

4,464

4,826
(124.2%)

エネルギー転換部門

2

2

1,756

1,889

産業部門

1,288

1,443

運輸部門

1,140

1,373

353

427

民生部門(家庭)

705

915

1,086

1,186

民生部門(業務)

580

681

1,269

1,360

廃棄物部門

161

199

その他

11

10

※従来の計算に使用していた統計の中には廃止された統計もあるため、2005年度における排出量は「都道府県別エネルギー消費統計」から算出したため、3箇年を単純に比較することはできない。
※「都道府県別エネルギー消費統計」は、「総合エネルギー統計」のうち地域分割可能部門(産業、民生業務、家計乗用車)のみ都道府県に分割したものであり、エネルギー転換、運輸部門のうち貨物等の部門は、消費と排出の帰属性に問題があり地域分割が困難として算定から除外しているという特色を持つ。
※「2000年(参考値)」は、2005年と同じ計算方法で2000年の排出量を算出したものであり、この参考値を使用し排出量の増減動向を推計した(1990年と2000年、2000年(参考値)と2005年数値を比較)。
  

【2 県の取り組み】

 鳥取県では、環境立県アクションプログラムにおいて、CO2等温室効果ガスの削減に関する数値目標を、「2010(平成22)年度の電力・石油の使用量を、2000(平成12年)年度に比べて16%削減する」ことと定めた。また県の率先行動として職員の服装及び効率的な冷暖房を工夫し、夏の冷房温度を28℃、冬の暖房温度を18±1℃に設定し、クールビズ・ウォームビズを推進するなど、従来から実施している省エネ取組みを強化し、CO2削減に努めている。

 さらに京都議定書の発効一年を機に定めた、地球温暖化防止に向けたアクションプログラム(平成18年2月)により、県の組織のみならず、県内で暮らし、働く皆さんに呼びかけを行っている。このプログラムでは、省資源・省エネルギー活動を「我慢」や「押しつけ」と考えるのではなく、これまで慣れ親しんだライフスタイルを見直し、未来を創造する鳥取県らしい新しいライフスタイルを構築する活動とすることを提案している。

  
  

【3 今後の課題】

 地球温暖化防止に向けて確実な成果を上げるため、温暖化防止につながる活動を県庁自らが率先して行うとともに、県内のCO2排出量の約6割を占める家庭・業務部門の排出量削減のため、今後も引き続き家庭・事業所でのCO2削減に向けた取組みが行われるよう、省エネ・省資源など新しいライフスタイルへの転換や、具体的行動についてわかりやすい普及啓発を行っていく必要がある。

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