みなさんは、和室の各部分の名称がどれだけあるかご存知ですか?
ご存じのとおり和室といえば、畳が敷かれて柱が見える部屋のことです。
床の間や鴨居、敷居は何となく耳にすることも多いと思います。
今回の「和室編」では、その他にも色々な部分に付けられた名前が出てきますので、写真を見ながら紹介します!
まずは鴨居の取り付けです。
柱に鴨居を取り付けるための穴「ほぞ穴」を掘ります。
柱と鴨居は凹凸で組み合わされ、凸の差し込む側は「ほぞ」凹側は「ほぞ穴」と言います。
大工では「光り込み」といって、お互いが隙間なく付くように柱の癖(当たり面の様子)を鴨居に移しこみます。
鴨居が取り付けられました!!
写真の左側の鴨居は、「溝鴨居」で建具が通る溝を付けてあります。
写真の手前側の鴨居は、溝がないため「無目鴨居(むめかもい)」といいます。
そして、和室の中には鴨居と並行に取り付けられている、「付け鴨居(つけがもい)」というものもあります。
装飾としての意味がある付け鴨居は、有ると無いとでは部屋の印象が違ってきます。
今回は床(とこ)も施工しました。床板(とこいた)は買うと高価なものですので、手づくりした作品です。
それらしく見せるために塗装も行いました。
床の間を飾る床柱は、焼いて黒くし、みがきあげました。
なかなかリアルですね!!
次に天井の部分。
部屋の天井の縁に取り付けているのが「廻り縁」と呼ばれます。
今回は「竿縁天井」です。
廻り縁に「竿縁」という木材をかけ渡し、
板を乗せていくと、竿縁天井になります。
(天井の完成)
洋室は「打ち上げ天井」と言って、下から天井の板を固定しますが、基本的に和室の天井は隠れた部分(上)から釘を打ち付ける(かくし釘)ため、釘が見えず見た目がきれいに仕上がります。
狭い場所での作業は大変そうでした。
そして、作業もいよいよ終盤!
壁全体に、左官塗り壁の下地材であるラスボードを取り付けていきます。
最後に押入れを仕上げます。
押入れ内部に張る板は、柱の側面に合うように、カンナで削って少しづつ幅を調整します。
押入れの壁と床(ゆか)が合わさる隙間には雑巾摺(ぞうきんずり)を打ち付けます。雑巾で床を拭いた時に壁を汚さないように入れる細い角材です。
天井と中棚を取り付ければ完成です!!
押入れの天井には、屋根裏に入れる「点検口」があります。
家が完成した後でも、屋内の配線などの点検工事するため、どんな家にも設けている部分です。
これで和室の施工は終了!!
でも何かが足りません?
和室と言えば…
畳ですね!!
今回は念願の畳を仕入れることになりました!!!!
畳店さんに、六帖間の畳を作っていただきました。
畳の裏には番付があり、敷く場所も決まっているようです。
壁と畳の部分には「畳寄せ」と言う部材が取り付けられます。壁と畳の隙間を埋めるために設けられます。
畳は地域によってその大きさが違っています。
本京間(ほんきょうま)、中京間(ちゅうきょうま)、関東間(かんとうま)等、色々な種類があり、今回実習で施工した和室は「関東間」です。
床柱が少し出たところもにぴったり収まるように調整していただきました。
さすがプロの職人さんです!
新しい畳はとっても気持がいいですね!!
これで「和室編」は終わり。次回は住まいの完成から家屋の解体までを紹介します。
お楽しみに!!