中山間地域である日野郡3町には、それぞれ日南病院、日野病院、江尾診療所があり、地域の皆さんがいつまでも安心して暮らしていくために欠かせない医療の拠点としての役割を果たしています。
しかし、人口減少が進んでいくなど、周辺環境が変化する中で、それぞれの病院や診療所が、単独で全ての患者さんのニーズに応えたり、今ある全ての医師や医療機器を維持し続けることが将来的に困難になっていくことが予想されています。
そのような中、鳥取大学医学部付属病院と日野町3町が、住民の皆さんにとって必要な医療の提供や、日野郡での地域医療を担う人材の育成に、協力して取り組んでいくことで合意し、令和2年3月23日に、日野郡の医療連携に係る基本協定を締結しました。
(向かって左から)日野町 﨏田町長、日南町 中村町長、鳥取大学医学部附属病院 原田病院長、江府町 白石町長
鳥取大学医学部付属病院 原田病院長「日野郡3町はそれぞれ地域医療に取り組まれていますが、人口減少や高齢化の顕著な中山間地域では、今後医療資源に不足が生じます。鳥取大学附属病院としても、日野郡のバックアップを行っていきたいと思います。」
協定書を掲げる原田病院長と日野郡3町長。
協定書は、医療機関による医師等の派遣協力を含む医療体制の安定的な確保や、これからの地域医療を担う人材の育成に連携して取り組むこと、などが記されています。
日南町 中村町長「住民のため、将来的・持続的な医療の確保が町にとっての最重要課題となっています。これは3町とも同様の状況です。その中で、鳥取大学との連携は欠かせません。」
日野町 﨏田町長「日野郡において地域医療を担う人材の育成を、鳥取大学と3町で連携して進めていきたいと考えています。」
江府町 白石町長「3町合わせても人口が1万人を切る日野郡では、やはり鳥取大学の力が大きいと考えます。力を併せて地域医療に関する課題に向かっていけたら、と期待しています。」
(向かって左より)鳥取大学医学部地域医療学講座 谷口教授、日野町 﨏田町長、江尾診療所 武地所長、日南町 中村町長、鳥取大学医学部附属病院 原田病院長、江府町 白石町長、日野病院 孝田病院長、日南病院 中曽事業管理者。
原田病院長「日野郡のような中山間地域では、総合診療医を育成するニーズが特に高く、ファーストタッチであらゆる診療科を跨ぎ診断を行うことができる医師が最も求められています。日野郡は、そのような医師の医療のフィールドであると同時に、教育の場としても重要です。」
3町は、住民の皆さんに安心して暮らしていただくため、単独の町では対応が困難な問題も、地域や組織を超えて連携を進めて人口減少時代の課題解決に取り組んでいます。
日野振興局 2020/04/24