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2022年9月29日

クレパス、クレパス、クレパス! 日南町美術館

みなさん、こんにちは。

 そろそろ吹く風が涼しくなってきた今日このごろ、日南町美術館でコレクション展が開かれているというので、おじゃましてきました。

●開催期間 92日~109日(日)※月祝休館 電話:0859771113

●入場料:一般200円、高校生100円、中学生以下無料

 

 日南町美術館は、日野郡唯一の公設美術館として、日南町総合文化センター内にあります。

 (生山駅から徒歩25分。駅からはコミュニティバスも出ています)

 同館は、事前申し込み不要で訪問することができます。

 (日野郡に限らず、地域の小規模な美術館は、管理の都合上、予約必須だったり、土日祝は休みだったりするところも多いです)

 

 それでは、さっそく見ていきましょう。

 

 展示は3室に分かれて行われています。

 

 第1展示室は、小早川秋聲の「国之楯」のみが展示されています。

 小早川秋聲は、今年の2月に県立博物館でも特別展が行われ、好評を博しましたが、「国の楯」はこちらの所蔵品だったのですね。

 国の楯

 

 第2展示室は、日南町出身の芸術家、足羽俊夫の特集展示です。

 青の色使いが印象的な名品の数々が第1展示室とはまったく違う世界へいざなってくれます。

 日南町美術館の名誉館長でもある故・足羽俊夫は、町内の中学で教師を勤めた後、画家をめざして上京し、その後はフランスに渡って目覚ましい活躍をされた人です。 

 6年前、日南町に凱旋し、特別展が開かれています。その時の模様はこちらの記事をお読みください(作品の写真もあります)。

 

 第3展示室の展示内容は、日南町美術館の第二の目玉といえるでしょう。

それは、クレパス画のコレクションです。

 

 日南町は、サクラクレパスの創業者、佐武林蔵氏の出身地です。その縁から、クレパス画のコレクションを18年にわたり収集し、その数すでに60点近くに達しています。

 でも、クレパスって、子供が使うものではなかったの? そんなもので、いわゆる芸術品が生み出せるの?と思われる方も多いでしょう。

 

 そう思われた方は、きっとこのコレクションを見て、驚かれるでしょう。

 クレパスなのに、ここまでできる、というより、クレパスだから、ここまでできるという技法を用いた名品ばかりです。

 

 ラフさを活かしつつ、クレパスの一般的なイメージとは反対の暗い色使いによる、モダーンな「金魚」

 金魚

 たくさんの色の上を黒いクレパスで覆い、ひっかいて下の色を浮かび上がらせた技法の「クリスタル」。この技法、保育園の時にしませんでしたか!?

                  クリスタル

 

 そして、この「赤べこ」。どう見ても絵具で描いたようにしか見えませんでしたが、日南町美術館の淺田学芸員によると、どうやらクレパスを溶かして制作したのではないか、ということです。

       赤べこ

 サクラクレパス社は、クレパスの新たな可能性を探るべく日本画家、洋画家を問わずに「サクラクレパス スペシャリスト(85色・88本のセット)」を渡し、クレパス画の制作を依頼する試みを行ってきました。

 それで生まれたのがこの作品群です。

 おそらくサクラクレパスの美術館、サクラアートミュージアム(大阪市中央区森之宮)を除けば、これほどのコレクションを所蔵しているのは、この日南町美術館だけではないでしょうか。

(余談ですが、クレパス画は素材が安価であるため、同じ画家の作品でもかなり手頃に購入できるそうです)

 

 また、日南町美術館では、画商を通して画家にクレパス画の制作依頼をし、いい作品を選定し購入するという積極的な姿勢も持っています。

 地域の美術館の存在意義をしっかり発揮しつつ、それでいて、なんとも軽やかに感じるのは、クレパスの温かみのおかげでしょうか。

 

 小規模な美術館ですが、作品選定に力を入れて収集し、体系立てて展示されているのが伝わってきます。

 自然が豊かと思われている日南町の、こちらは「街の楽しみ」ですね。

 

【メモ1】クレパス画に興味がある方は…

11月にも特別展が行われます。『現代作家のクレパス画展』(115日~1211日)

 

【メモ2】大人のクレパス画教室が開催されます。

初級と上級の2つに分かれ、本格的な材料費込みとはいえ、なかなかの参加料と時間を要します。心してご参加ください。ですが、それだけの結果はあります…!

 ・初参加コース 10月2日(日)13時00分~16時00分 参加料7,000円

 ・マスターコース 10月15日 13時00分~17時00分 16日 9時30分~15時30分 の連続2日間 

          参加料5,500円

 

【おまけ】日南町役場の中央待合室の天井。こちらも美術館みたいですね。

 日南町役場の天井

 

【問い合わせ先】日南町美術館(クリックすると公式ホームページにジャンプします) 電話 0859‐77‐1113   

日野振興局 2022/09/29

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