先日、境水道の定置網にハタハタが入網したことをお知らせしましたが、美保関の定置網からも「ハタハタなら、時々入るで~」という情報をいただきました。サンプルを持ってきていただいたのは1月19日、20日、22日に1尾ずつです。どれも卵でおなかをパンパンにした産卵直前の雌でした。22日の1尾は手にとった瞬間放卵したそうです。
解剖前
解剖後
沖合底びき網漁業でも、今漁期の漁期初めは近年稀にみる不漁でしたが、昨年12月から一転、好漁となっています。1月現在、「海中、どこもかしこもハタハタ。獲らないようにするのが大変なくらい」とのことです。
ここで、それぞれのハタハタの生殖腺の発達具合を見てみましょう。下に示したグラフは、ハタハタの雌の月ごとの生殖腺の発達具合を示したものです。沖合底びき網漁業で漁獲されるハタハタは、5月以降、徐々に生殖腺の発達した個体が見られ始めますが、11月になると生殖腺の未発達な個体の割合が増加し、12月になると、生殖腺の未発達な個体のみとなります。
今年の1月を見てみると、沖合底びきで漁獲されたハタハタはすべて生殖腺が未発達なのに対し、境水道と美保関で漁獲されたハタハタの生殖腺は非常に高いレベルに達しています。ということは、やはり沖合底びきで漁獲されているハタハタは産卵を終えたハタハタということになります。境水道、美保関で産卵直前のハタハタが今回漁獲されたものの数匹のレベルです。これだけたくさんのハタハタがどこかで産卵してきたということは、そのハタハタが順調育てばたくさんのハタハタが山陰の沖合へとやってきてくれることでしょう。