皆さんは「マンテマ」という植物ご存知でしょうか?春から初夏にかけて可愛らしい花をつけるヨーロッパ原産の植物で、この時期、道ばたや土手などでよく見かけます。
マンテマの花
鳥取砂丘で最も観光客の方が訪れるスポット「馬の背」の下あたりにも、先月から、このマンテマの花が目立ち始めました。
本来砂丘には生育していない植物も、近年、砂丘内に増えてきているのですが、マンテマがこんなに多いのは、今年が初めて。
その原因を調査すると、馬の背を含む第2砂丘列を超えた海に近いエリアにマンテマの群生地を発見。どうもここが種子の供給源となっているようです。ここから北からの風に乗って種が砂丘内に飛散し、定着している模様。
マンテマの群生地(茶色っぽく見えるのがマンテマ)
群生するマンテマをひとつひとつ見ると、高さ50cm程度の大きな株も多く、どれもみな種子をたっぷりとつけています。
持ち帰り、「ひぃふうみぃ・・・」と数えてみると、ひとつの花に70個もの種子が入っています。ひと株に多いもので500個以上の花がついていますので、大きな株は数万個の種子をばら撒く可能性があります。
この群生地から飛ばされる種子はいったいどれだけの数にのぼるのか!と考えると、とても「可愛い花」などと言ってはいられません。
マンテマの種
そこで、鳥取砂丘再生会議が呼びかけて「緊急ボランティア除草」が6月19日(土)に実施されました。急な募集にも関わらず、60人以上のボランティアの方が朝早くから集まり、マンテマを中心に、砂丘へ移入する植物を抜き取りました。
気温30度、湿度80%という過酷な状況下でボランティアの皆さんが奮闘してくださったお陰で、約1時間半の作業を終えた頃には、その一帯からマンテマの姿が随分と減りました。
「緊急ボランティア除草」は、来週6月26日(土)にも行われます。集合時間は午前7時から、集合場所は鳥取砂丘市営駐車場です。お近くにお住まいの方、砂丘へ観光に来られた方、「マンテマ」との闘いにぜひご参加ください。 (山村レンジャー)
斜面で腰をかがめて除草をするボランティアの皆さん
十分な紫外線対策をして除草に励む女性ボランティア
砂丘事務所 2010/06/19