3月に雪が降った後、本格的な春がやって来るのが毎年のパターンです。今回降った雪は、シーズン最後の雪でしょうか?
さて今回は、セッケイカワゲラを紹介します!
大山隠岐国立公園内の鏡ヶ成(江府町)は豪雪地帯。現在でも1メートル近くの雪があります。
まだまだ寒くて春の気配が感じられない鏡ヶ成ですが、だからこそ活動できる虫がいます。セッケイカワゲラです。
鏡ヶ成から見た烏ヶ山。
セッケイカワゲラ。
セッケイカワゲラ(クロカワゲラ科)は、北海道から本州の積雪地域に生息しており、鏡ヶ成でも2月~3月に姿を見ることができます。
主に沢沿いで孵化した幼虫は、夏の間眠って過ごし、秋に起き出して落ち葉等を食べて成虫となります。そして一番寒い時期に上陸して沢の上流をめざすのです。
セッケイカワゲラには羽がありません。どうやって上流まで行くのかというと、太陽の向きを頼りに歩いて目的に向かうのだとか。
あらかじめ雪解け水で流されることを想定して、あえて上流部で卵を生みます。
生き物の活動がほとんどない冬を活動時期に選び、太陽をコンパスに移動するセッケイカワゲラ。
賢いこの生き物の研究は、始まったばかりです。
身近な生き物もよく調べると驚くことが沢山あります。おもしろいですね。
日野振興センター 2015/03/12