●知事
皆さん、おはようございます。このたび、[平成21年度普通]交付税の[交付額の]決定がまいりましたけれども、総額で1,104億円、これに臨[時]財[政対策]債を足しますと1,545億円、合わせれば昨年から2.5%増でありまして、だいたい全国水準並みは確保できたのかなと思っております。
ただ、私どもは交付税が税収のウエイトが低いものですから、かなり落ち込みが、逆に激しくなりまして、14%の減少となりました。臨財債が昨年対比で102%増という、倍ほど伸びるということになりまして、いびつな財政構造が深まりつつあるという感じを受けております。
今回、一般財源が確保されるという意味では、歓迎すべきものがありますけれども、やはり国、地方を通じた税財政制度をきちんと立て直さなければならないと思います。そういう意味で、今、政権公約を掲げてまさに総選挙が戦われようとしておりますけれども、その中でしっかりとミクロな個々の自治体の財政状況に届くような、そういう地方分権の議論をしていただきたいと念願をいたしておる次第でございます。
●知事
これとの関係で、[全国]知事会でもだいぶ三重[県]で議論をしましたけれども、我々地方団体でも襟を正さなければならないのではないか、行財政改革を自ら進めることもアピールをしなければならないという議論がありました。
そこで、幾つか論点がありましたけれども、1つは、行政委員の報酬の問題がございまして、これは、私どもの特別職の審議会の方で精力的に議論をしてもらいつつあります。見直しをするということで、まいりたいと私も考えておりまして、近々条例など、これは伺っていかなければならないだろうと思っています。
併せて、天下りされるかたの退職金を廃止すべきではないかと、これも知事会での議論の中で上がってまいりました。正確に申しますと、鳥取県は他県と違いまして、いわゆる天下りはございません。天下りというのは、国でなされているのは一定の年齢に達するまでそれぞれの人事当局が、言わば、公の側が斡旋をして保障をするような形で報酬は幾らだとか、そういうやり取りをしながらやっていくものであります。
私どもでは、これを、実は全廃しておりまして、現実問題としてはそれぞれの就職先の組織の方々、会社だとか、あるいは関連団体、もちろんございます。そういうところと、実際に辞められようとしているかた、中には、青田刈り的に定年前にひっこ抜かれる場合もありますけれども、お互いの話の中で再就職をしていくという、通常のものになっておりますので、いわゆる天下りはないというのが当県の特徴になっております。
ただ、それでも、確かに退職手当がその後も支給されると、県民感情としても公務員の時代に退職手当を受けておいて、その後もう1回、受けられることが保障されるかのようなことは疑念を招きかねないと思います。ですから、知事会でも議論がありましたし、この点は、私どもは制度が違うとは言え、類似した部分もあると思いますので、8月以降就職されるようなかたもおられます。
そういうことを念頭において、再就職先となるようなところには、我々の方から退職手当の支給を考え直してもらいたい、辞退をしたいと、こういう申し入れをすることにしようと考えております。こういうことで、我々地方団体の方も、住民の皆様、国民の皆様の理解を得ながら、地方の税財政制度の改革に乗り出していくべきでないかと考えております。
●知事
それから、医療関係で、医師不足が言われております。このたび、国立大学の医学部の定員の緩和が、国として方針が若干示されました。それを受けて、鳥取大学と協議をさせていただいておりましたが、是非、5名の定員増を目指そうではないかと。90名の現行定員でありますけれども、95名に増やそうではないか。これには県の方で奨学金を手当てをさせていただくということで、大筋の合意を得ました。
医師不足解消にはいろいろとやらなければならないことがございますけれども、こうして県に残って定着してもらえる医師の門戸を広げていくということで、今回5名分は少なくとも確保をしたいと考えております。更に、また、他県の中に立地する大学でも若干名そういう受入れが出来るかどうか、私どもから、今、働きかけを行っているところであります。
●知事
環日本海航路につきましては、先般[第14回北東アジア地域国際交流・協力地方政府]サミットが開かれまして、地方政府サミットで参加地域の、参加地域というのは、正確に言えば、ロシア[沿海地方]と韓国[江原道]と私ども鳥取[県]でございますが、3つの地域間で協議体を作り、民間のかたにも参画をしていただいて、貿易や観光の促進を図ろうという合意を得ました。
この合意をこれから具体化していこうということになります。緊急プロジェクトチーム[環日本海航路活性化プロジェクトチーム]は、当面、いったん閉じるというかたちになりますけれども、その後で、貿易だとか、観光だとかの情報を総括してマッチング機能を働かす機関の設置を目指したいと思っています。
これには、江原道やロシアの沿海地方の方からもご協力を得ながら、今、[環日本海航路活性化]プロジェクトチームでやっているそういうマッチング機能を引き継いでいく体制を目指したいと考えています。いわば、環日本海貿易観光情報センターとでもいうべきものの設置を考えていきたいと思います。
この構想については江原道の金振兟(キムジンソン)知事、ロシアのダリキン知事にも申し上げました。特段、異論はありませんでしたけども、こうした仕組みの詳細、これから8月に実務者で協議をし、9月に首長レベルでも集まって協議をしようということにいたしましたので、その中で話し合いを進めてまいりたいと考えております。
いずれにせよ、これからプロジェクトチームは一旦閉めるにしても、その後の体制を庁内的にも、また、環日本海貿易促進協議会のような組織もございますが、そういうところも含めて体制を整えて向かってまいりたいと考えております。
●知事
それから、近々の行事でまいりますと、今日はコカ・コーラウエスト系列のコカ・コーラウエスト大山プロダクツ株式会社と[協定を]締結をさせていただき、倉庫の増築とか、あと飲料水の生産工程などについて合意をさせていただこうと考えております。雇用の確保を進めていこうということです。
それから、8月1日、週末には、大腸がんの撲滅促進キャンペーンを行いたいと考えております。これには、ブレイブサークル[運営委員]という、極めてまだ新しい年浅い感じではありますけれども、昨年度ぐらいから、熱心に活動を強化しておられます、そういう非営利組織がございまして、ここと提携してキャンペーンを行おうと考えております。俳優の黒沢年雄さんにもおいでをいただこうと考えております。
黒沢さんは大腸がんのご経験がございます。そういう意味で貴重な体験を聞かせていただけるのではないかと思います。早期発見をすることで、完治することは当然可能でありますし、オストメイトなど、そうした一定の方策を講じながら人生を享受できることは可能でございますので、そういうことを、是非、広く県民の皆さまにも知っていただきたいと考えております。
また、別途公表が今日あるというふうに伺っておりますけれども、米子空港の滑走路でございますが、2,500メートル化を12月の17日に供用する運びとなります。国土交通省の方で精力的に事業を進めていただきましたし、私どもも地元として県道の整備はもちろんのこと、いろいろと境港市、米子市と共に協力して事業を進めてまいりました。現実に完成を見るということは大変に喜ばしいことだと思いますし、環日本海大交流時代の一つのシンボルにもなることではないかと思っております。
この供用を記念をして、チャーター便を飛ばす構想を、今、最終調整に入りました。具体的には、2,500メートル化しますと、それで初めてノンストップで飛べるようになる地域があります。例えば、ボーイング767であれば、モスクワとか、あるいはムンバイとか、ホノルルとか、アンカレッジとか、そうした都市がノンストップで飛ぶ射程に入ります。
ですから、この際ハワイ向けのチャーター便ツアーを組んではどうだろうかと。これで県内の旅行業者会の皆さんと、今、精力的な最終的な詰めを行っているところであります。我々としては12月の供用開始のすぐ後ぐらい、年内にその第1段のハワイ行きチャーターというのを目指してみたいと考えているところです。私の方からは以上です。
○朝日新聞 井石栄司 記者(幹事社)
各社、質問がありましたら、どうぞ。
○朝日新聞 井石栄司 記者
先程の退職金の話なんですけども、これは、天下りというか、天下り先に退職金を支給しないように県からお願いするみたいな形をとることになるんですけど、強制力はあるんですか。
●知事
これが法的には、強制力は正直なところ難しいと思います。と申しますのも、わが県の場合は相手方と契約をして、いわば、契約をして話し合いをしてこの人を受け取ってくださいとやって送り出してないんです。ですから、その先の勤務条件は最終的には先方の決定権はあると思います。
ただ、我々としては、[全国]知事会での議論もございましたし、退職金が既に県段階で支給されているではないかという県民世論を、是非考慮してもらいたいと、そういう申し入れをしていきたいと思います。ご了解を得られるところは、私は多いのではないかと思っております。
○朝日新聞 井石栄司 記者
実際に支給したか支給してないかっていうのを把握するのは、なかなか難しいかと思うんですけれども。
●知事
それは、我々、今でも、そこの辺の調査は協力していただいていますので、信頼関係はございますから、現実に退職手当はその後支給されているかどうかは把握していきたいと思っています。
○朝日新聞 井石栄司 記者
その支給した企業、支給しない企業というのは、当然、出発点からすると、県民向けに広報されていかれるということなんですか。県民が疑念をいだかないように、そういう支給をしないとか、するとかという情報に関しては、広報される予定は。
●知事
そうですね、それは、もちろん、先方の内部問題でございますから、内部規律の問題もございます。先方の理解を得ながら、それについては進めて、公表出来れば公表させていただくべきものだと思っております。目的は、県民の皆様から、地方の方も行財政改革の努力をすべきではないかという声に応える必要があるだろうということでありますので、そうした問題関心に合うように運用していきたいと思います。
念のため申し上げれば、国のように何千万[円]も退職金をもらうということは、うちの県は一切ありません。何ヶ月分か、もらうぐらいが精々でございまして、そういう意味ではだいぶレベルの違う話でありますけれども、襟は正すべきではないかという観点です。
○朝日新聞 井石栄司 記者
天下り先が退職金を支給しないことと、行財政改革というものがどうリンクしていくんですか。
●知事
現実の就職先には、県からの補助金だとか、あるいは以前、県を経由して、原資が入っているとか、そういうところも多数あります。ですから、そういう意味では、広い意味で、行財政の改革にも、我々としても努力をする意味で、退職金も一定の効果があるだろうと思っております。
○朝日新聞 井石栄司 記者
退職金を支給しないような、関連の団体等については、その支給しない部分についての補助金等の削減もあり得るということになるんでしょうか。
●知事
それは、抽象論としてはあり得ると思います。ただ、現実に、その補助金の支給形態は、例えば、こういう事業をやったら幾らということで払っていますから、退職金分で幾らということでは一切払っていませんので、抽象論としては、先方の経営と関連する部分がありますので、ある程度は削減効果が出てくるだろうと。他県でも、そうした退職手当に手をつける県も出始めていると伺っております。我々も、大都市部と比べると僅かな額だろうと思いますが、そうした努力をする必要があると思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
これは、対象の団体というのはどういうとこですか。それと、あくまでご本人が支給を辞退するっていう形を取るんですか。
●知事
それは、我々、団体の方にも県の考え方のお話をしようと考えております。実効性があるのは、今から就職をされるかた、今年度末とか、その辺が、やはり最初に就職をする時に気持ちよくということがあるかもしれませんから、実際には、そういう運用になるかなと思っております。8月以降、やりかたを変えていこうということです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
対象団体というのは、どういう団体になりますか。
●知事
いろいろですね、それは沢山あります。
○山陰中央新報太田満明 記者
民間企業も含めてですか。
●記者
民間企業もなかにはありますね。ただ、民間企業さんは中の職員の序列だとか、いろいろございますから、我々の要請とはまた別の考え方を持たれるかもしれません。
○読売新聞 北島夏記 記者
対象の団体ですが、だいたいどういった、民間企業を含めて、どういったイメージで考えたらいいのか、そのことを。それから、辞退を求める人、もしくは天下り先での就業期間とか、そういうのは何か制限、一定の制限といいますか、そういうことはあるんですか。
●知事
現実問題は、今は、そういう制限が、期間の制限とか、そういう話し合いもなく鳥取県の場合は再就職をするように変えています。以前は確かに、だいたい64歳まで働けるように配慮をしようといった時期もございました。ただ、現在はそれを止めておりますので、その辺は他県と違って決めがないです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
これ、対象は職員の方の対象ですけれども、管理職以上になるんですか。あるいは、一般職員の場合も。
●知事
現実問題は管理職以上の人しか、ちょっと我々も把握しきれていないという実情があります。
○山陰中央新報太田満明 記者
管理職はどのくらいからですか、課長以上。
●知事
そうですね、課長級のかたもおられますよね。
○朝日新聞 井石栄司 記者
退職金は支給しないということは、もう月々の月給にその分、上乗せするっていう方式もあるかと思うんですけれども、そういうことも合わせてしないようにっていうのは、同時に依頼されるんでしょうか。
●知事
我々の主旨をご説明すれば、ご理解いただけるのではないかと思っています。詳細、もしよろしければまた、職員当局の方からご説明をさせていただきたいと思います。
○朝日新聞 井石栄司 記者
医師不足の関係ですけれども、他県に立地する大学でも受け入れ出来るかどうか、働きかけとおっしゃった、他県っていうのは、具体的にはイメージされた、どういうところをイメージすればいいのでしょうか。
●知事
今、そこは視野を広くあたろうとしております。結局、大学ですので受入のキャパシティの問題がどうしてもあります。ですから、全ての大学で引き受けてくださる状況ではないと、割り切らなければならないと思いますので、先方との話し合いの中で、もう2名以内ぐらいは、何処か引き受け手はないかなという、交渉したいと思っています。とりあえず、鳥取大学で、今、5名の枠取りをさせていただいたということです。
○朝日新聞 井石栄司 記者
他県というのは隣県と置き換えてよろしいんでしょうか。
●知事
隣県、隣県プラスアルファですね。そうした中で、交渉していきたいと思います。
○NHK 宮本知幸 記者
環日本海のプロジェクトチームのその後のマッチング機関の設置ということなんですけれども、具体的なイメージとしてはもうちょっと、どういったものかっていう。
●知事
これは、8月にまず、江原道とそれから沿海地方と鳥取[県]とで実務者で協議をすることになります。その後、9月に、連合体を立ち上げようではないかという、今、構想で向かっております。そこの協議の具合を見ながら、我々も鳥取県独自のやりかたとして、そういう貿易観光情報センターの立地について、議論を固めていきたいと思っています。
関係地域の協力も一定程度、得ながらやるべきだと思っていますので、今、具体化までは、完全には持ち込めないと思います。プロジェクトチームは閉じますけれども、そうした実務者協議の準備だとか、それからそうした情報センターの開設に向けた構想、推進など我々としては、事業を継続していく必要があると思っています。
○読売新聞 北島夏記 記者
環日本海は、どういったメリットがあるのか。それから、似たような窓口機関というのは、今までは日本ではなかったと思うんですけれども。
●知事
今は、緊急プロジェクトチームを、我々あえて作りました。そこで、そういうマッチング機能だとか、情報収集を精力的にやったつもりです。そうした経験を活かして、情報センターを鳥取側の方で立地出来ないかなと思っているところであります。
韓国側だとか、ロシア側でもいろいろとやりたいことはあると思いますが、そういうところと連携していけるのではないかと期待をしておりまして、私たちとしては、これまでいろいろと情報を集めて来た成果もありますので、それを引き継ぎながらやっていきたいと思っています。
○読売新聞 北島夏記 記者
鳥取側というのは鳥取県、鳥取県庁にというようなイメージですか。
●知事
あるいは境港(さかいみなと)かもしれませんしね。私どもの県庁自体か、あるいはちょっと独立した外郭的な機関の中でやるがいいか。この辺は、議論してみたいと思います。
○朝日新聞 井石栄司 記者
緊急プロジェクトチームは、一旦、閉じるということなんですけれども、実際招集してやってみて、知事としてどう総括されておられるのか。
●知事
現実に、こうして多くの観光客が韓国からやって来るようになりました。それから、あと、積荷としても、まだ到底十分とは言えないとは思いますけれども、スイカを出荷をしたり、あるいは、防犯用の砂利とか、そういう貿易に結び付いてきております。この辺は、おそらく従来の県庁のやり方ではできなかった成果だと思いますので、私はこういうやり方、折に触れて使ってみたいと思いました。評価をいたしております。
ただ、それぞれの持ち場を離れて、今、動いてもらっていますので、職員の体制は元にある程度戻さなければならないと思っています。ただ、それぞれの部局を束ねながらも、これからも副知事を中心として、そういう環日本海貿易観光の推進の体制は作っていきたいと思います。
○山陰放送 山本収 記者
積荷の関係なんですけども、先ほど言われたスイカなどに関しても持って行くのについて、なかなかいろんな苦労があったというような話も聞いておりますけれども、この間のサミットの中で、そういった荷を入れたり、持って来たりそういうときに、もうちょっと柔軟な、それぞれが柔軟に歩み寄ろうというような話とかというのはサミットの中でありましたでしょうか。
●知事
3地域で協議をしたとき、日韓ロの協議の際にダリキンさんがそれをおっしゃっていました。皆、それは同意見だと思います。通関手続きだとか、あるいは入国手続きに結構時間がかかっています。これはそれぞれ国状もありますけれども、地方政府としても働きかけをしなければいけないだろうと、こういう気持ちは一緒だと思いました。
今回、スイカはちょっと向こうに着いてから1日くらい結局入関手続きに時間がかかりました。検疫の問題もありますので、いたしかたないことはあるかもしれませんけれども、ぎりぎりで向こうのスーパーマーケットでの展示即売会に間に合ったというのが実状でした。
また、韓国からも、今、お客さんが来ておりますけども、大山(だいせん)に登りたい皆さんですが、入国時に待たされてしまうという状況もございまして、法務当局に改善を要請していかなければならないと思っています。
○NHK 宮本知幸 記者
韓国からの観光客の話で、ちょっと地元にお金が落ちないんじゃないかっていう話があるんですけど、それについてはどうお考えでしょうか。
●知事
それでも、例えば大山寺で、この間話し合いをしたとき、ソフトクリームを買うお客さんがいたとか、やはり段々と出てくると思いますし、それは地元も努力していかなければいけないと思います。昨日もJTBの田川社長が来られた際に、このDBSクルーズのお話もさせていただきましたけども、いろんな旅行客のタイプがございますから、滞在型のタイプを発掘を更にしていくということも大切だと思います。
地元の方の努力も必要ですし、韓国側での旅客層を拡げていく、韓国側の協力も得て進めていかなければならないと思っています。現在は確かに登山だけというように見えますけども、それでもやはりお土産とか、効果は出つつあるとは思っています。
○山陰中央テレビ 松本英樹 記者
米子空港の滑走路2,500メートル化ということで、先ほどおっしゃられた幾つかの土地にノンストップで行けるということなんですけど、これは簡単に説明すると、それだけ機体が大きなものが使われることになって、航続距離が延びるということということなんでしょうが、それと、それによって鳥取県としてどういったプラスな部分があるのでしょうか。
●知事
幾つかその2,500メートル化での効果はあります。我々は実は雪が降る地域ですから、滑走路が長いと、車もそうですが、ある程度滑っても止まれる距離というのは、制動距離ですね。これは長ければ長いほど良いわけでありまして、雪や寒さ対策には滑走路が延びることは効果がまずあります。欠航率が減るということです。
それと、あと、航続距離は、機体に満タンにエネルギーを入れますと、それだけ重くなります。旅客に加えて燃料を積んだ分だけ高く飛び上がるためには長い距離、テイクオフには長い距離が必要になります。遠くへ飛ぼうと思いますと、燃料をたくさん積むことになりますので、先ほど申し上しました767は県内でももちろん国内線、飛んでいますけども、もし満タンにして飛べば、そうした、先ほど申し上げたような、ホノルルなどの地域にも行けるようになると、そういう効果があるということです。
ですから、当面は、もちろんそういう寒さ、雪対策で活用できますし、航続距離が延びる可能性が出てきたということで、長距離便も視野に入ってくるだろうと思います。まずはそのチャーター便などの利用を促進をさせていただいて、その状況で、いずれ、将来の話になるかも知れませんが、定期的な長距離路線というのも可能になってくるということだと思います。
○朝日新聞 井石栄司 記者
民主党のマニフェスト、詳細はこれから再編成されていかれるのだと思うのですけども、ざっとご覧になって、どう思われましたか。
●知事
今、拝見させていただいて、まだちょっと私どもも理解が難しいところがありまして、今度8月の7日ですか、討論会をやるということになっていますので、それに、今、私も参加する方向で調整しています、聞きたいこともいろいろございます。その上でマニフェストの評価をさせていただきたいと思っています。
民主党のちょっと分かりにくいところは、マニフェスト本体と、あとインデックスと書いて、何か各論政策のペーパーとが別々にありまして、それをどう読ませていただいたらいいのか、やや分かりにくいところがあります。だから、橋下[大阪府]知事が、国と地方との協議機関を法定化するということで、朝には民主党けしからんと言い、夜には大丈夫だと言っているっていうのは、そこのところじゃあないかなと思うんです。
インデックスの方にそこ書いてありまして、マニフェストとの関係がちょっと読みにくいところがあります。民主党さんの政策について、マニフェストをざっと読んだ感じで申し上げれば、そういう分かりにくさはありますけれども、地域主権を明確に謳っておられる点は評価できると思います。
ただ、問題はそれを果たして中身がきちんと出てくるかどうか、我々現場の者には見えにくいところもあります。例えば、国庫負担金を解消しようということは明解に書いてあるわけでありますけども、じゃあ、税財政について、どういう保障をしてくれるかというところは、確実な記載がないわけです。消費税を上げることについては議論を控えるという姿勢がありますので、どうしても限界があるんだと思いますが、その辺の不安があります。
国庫補助金を、紐つきは束ねて一括交付金にすると書いてあります。これは評価できると思いますが、じゃあ、一括交付金の額が、どれほどの額になるのかと。それで、片方で財源対策として、無駄な補助金だとか、事業を減らして5兆円減らすとか、そういう数字も踊っているわけでありまして、三位一体改革と同じように、地域主権の美名の元に、ひょっとすると、地方の財源が結果的になくなってしまうんではないかという、そういう本能的な恐れもいだいたりします。ですから、この辺は、民主党さんに真意を正していかなければいけない、分からないところだろうと思っています。
今、マニフェスト出ているのは、公明党さんも出ています。公明党さんのマニフェストは、そういう意味では、結構明快に書いてありまして、我々としては、理解しやすいところが多かったかなと思っています。大体、公明党さんも民主党さんも、その民主党さんのインデックスをプラスすれば同じぐらいの程度で、その地方分権に対する理解を示しておられるかなと思っています。残り自民党がこれからですので、それを待って公開討論会に臨んでいくということだと思っています。
○山陰中央テレビ 松本英樹 記者
先週、鳥取市が計画しています、賑わいまちづくり実証実験、これは県警さんと意見がまとまって、9月からの実験が実行されることになりました。これについて知事のお考えをお聞かせください。
●知事
協議を正常化させるべきだと、私も以前申しましたので、その意味では、是非、胸襟を開いて規制すべきところもありますし、緩和すべきところもありますので、議論をした上で結論を出していただきたい。今回9月が前に進んだことは喜ばしいことだと思っています。
残り11月の課題が残されています。立場に若干の開きがあるという印象もありますので、4者で、国、県、警察、市で議論をして、法的な規制面での整理を片方でやりながら、片方でそのまちおこしの観点、市全体で、住民を巻き込んで議論をしていただきたいと思っています。一定程度、9月のが片付きましたので、喉骨がとれたかなとそういう印象を持っています。
○朝日新聞 井石栄司 記者(幹事社)
他、質問ありますか。なければこれで、ありがとうございました。
●知事
はい。どうもありがとうございました。