●知事
皆さん、おはようございます。この連休で私たち鳥取県におきまして、「日本のまつり・2009鳥取」が開催をされました。高円宮妃殿下初め、県外海外からご来場いただきましたお客様、さらに実際にパフォーマンスを披露していただきました3,700人あまりの出演者の皆様、200人を数えるボランティアの方々、本当に多くの皆様のご協力をいただきました。感謝を申し上げたいと思います。
13万3,000人という予想を大きく上回る来場者に恵まれまして、参加者も観覧されたかたも大変に満足して帰っていただけたことに、私どもとしては喜びを感じております。幸いこの手のイベントは、最近県内でもございますけれども、駐車場などの混乱がなかったことは良かったと思います。
連休ということもありまして、鳥取大学の附属[中学校]さんに[駐車場の]場所を提供していただき、バス会社からもシャトルバスを柔軟に出していただいたりしたこともございまして、いろいろ予備の駐車場も用意していたんですけども、用意していた範囲内で駐車場問題も片付きまして、あんまり大きな混乱もなかったと思っております。
出場したかたのご意見を賜りますと、ぜひこういうことを今後も何か続けていけないだろうかという声も多かったわけでありまして、東部・中部・西部とそれぞれ別々のところでお祭りを従来やっていますが、そうしたお祭り同士の交流だとか、日を決めて、この日に行けば鳥取県のお祭りが見られるというような、そういうアイデアだとか、今後、関係者と相談しながら考えていってはどうかと思いました。
今週末には、今度は「全国万葉フェスティバル[in鳥取」]を鳥取県鳥取市の旧国府町で行うことになりました。これも万葉集の、「新たしき年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事」をという大伴家持の歌が1250年前に詠まれたわけでございまして、これを記念してその周年事業という意味合いを込めて全国のかたに参加を呼びかけております。
学者さんの万葉集の関係者も来られますし、愛好者の方々も来られます。さらに、呼びかけに応じて初めて鳥取県に[平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター]せんとくんもやってきてくださることになりまして、せんとくんとトリピーの夢の競演も実現をするということでございます。また、新しいイベントを今週末にも用意をさせていただいておりますので、ご来場ご協力を賜りたいと思います。
●知事
このたび、大型の補正予算140億[円]あまりが県議会で可決成立したわけでございます。この補正予算を基にして、これから地域の経済、あるいは生活の立て直しのために役立ててまいりたいと考えております。その意味で、非常に気になりますのは、今日締め切りを迎えます概算要求の当初予算編成が国で進められていること、さらに補正予算の見直しが進められていることであります。
私どもとしては、こうした補正予算に盛り込まれていることなどの執行をぜひやっていきたいという気持ちでおりますので、地方に迷惑がかからないように、そうした作業を進めてもらいたいと思っております。
例えば、原口[総務]大臣が、私もその要望にお伺いをしたわけでありますが、交付税を1兆円、来年は増やそうという概算要求をするんだと発表をされておられます。歓迎すべきことだと思います。ぜひ、三位一体改革で失われた地方の財源について、国として見直しを本気でやってもらいたいと思います。それこそ地域主権への第1歩になると期待をいたしております。
ただ、片方で厚生労働大臣が急に新型インフルエンザ[のワクチン接種]について、生活保護などの受給世帯に国は2分の1しか出さないと、残りの2分の1は地方で出してくれと言い始めて、これはもう決まってしまったようであります。これは[全国]知事会でも厳重に抗議をしてきたところであります。
さらに、今度、子ども手当で同じような話を画策されておられるようでございますが、子ども手当は民主党さんが国の財源でやるような、そういうニュアンスで訴えてこられたわけじゃないかなと思っております。だからこそ、選挙の争点で、そうした財源を本当に国で用意できるのかというように、現在野党になった自民党や公明党から攻撃を受けていたわけであります。そういう論争を展開していたわけであります。
それがここにきて、国の政府内の都合で地方の方に負担を求めるという話が急浮上してきました。非常に残念な流れだと思いますし、注目をしなければならない、この動きをよく注視していかなければならないなと思っております。
財源の議論と併せて、規模の議論が当然あるわけでございまして、財務大臣は児童手当の財源が参考になるというふうにおっしゃってます。しかし、児童手当というのは、県内で言ったらだいたい40億[円]ぐらいのものでございまして、これは、現在県も、それから市町村もだいたい4分の1程度出しているというのが実態かと思います。
今、議論されている子ども手当は、県内ベースで270億[円]ぐらい上るんじゃないか、約8倍になるわけです。それを児童手当が参考になるとおっしゃって、それをそのまま適応してしまうと、とんでもない財政負担になってくるわけであります。うなぎの蒲焼を国民が注文したんでしょうけれども、出てきてみたらマムシが生で噛みつきに来たというような感じがいたしまして、少々驚いております。
さらに、今度は肝炎の対策についても、やはり地方負担を前提とするのかなという話が急に飛び出して来ておりまして、特に厚生労働省など安易に地方財源に依存しないように考えるべきだと思います。本来、脱官僚依存を唱えて鳩山政権が動いておられるわけでありまして、それには私は大賛成でありますし、地方団体も望んでいるところが非常に多いと思います。
しかし、厚生労働省は、以前から財務省依存体質でございまして、財務省に何か言われたら全部呑み込んで地方の方に付けを回すということを繰り返してきておりまして、新政権になってもこの旧弊が変わらないというのは、大臣のリーダーシップ、ぜひ、本当の意味での発揮をすべきではないかと思います。
これでは昔と一向に変わらないし、なお悪くなっている面もある。上意下達の中央集権が厚生労働行政に続いているんじゃないかという感じもいたします。ぜひ、これから冷静な議論を地方側と中央政府との間で行うべきであると思います。
とりあえずは、概算要求の取りまとめなどを、今行っておられるのだと思いますから、今後速やかにそれを具体化させるために、地方の専門家の知事だとか、首長だとか、いろんなかたがおられますので、話し合いを開いていただく必要があると思います。
税の問題でも租税特別措置に切り込んでいくと、地方税についてもやるということでありまして、これはいろいろ検討してもらったらいいことだと思いますが、ただ、地方税の租税特別措置が、例えば住宅対策などでやっているものが大部分じゃないかと思いますが、額的には。そういう意味で、地方の税を専門としているような知事等と、私もなんだったら出て行ってもいいですから、いろんな協議をして、実際にプラクティカルな、現実的な案というものを作っていくべきであると思います。
今、始まったばかりでありますので、恐らく政権側の方では地方側との協議をしようと考えてくださっていると思います。それにぜひ、期待をしたいと思います。
昨日も麻生[全国]知事会長が国土交通大臣と話し合いをされて、来年度から維持管理関係の国直轄事業負担金を廃止をすることなど、方向性として合意をしたというように聞いておりますが、こういう流れがいろいろ出てくることを、ぜひ期待をさせていただきたいと思う次第であります。
●知事
それから、その他でありますが、国の方ではいろいろ今見直しをしておりますが、その状況を集約をして明日持っている範囲の情報を集めて、第2回の予算対策会議[第2回新政権予算対応等戦略会議]を招集をさせていただきます。
ここでは、本県の当初予算編成に向けた議論もさせていただこうと思っております。国で今、事業の見直しをやろうとしておられますが、鳥取県でも鳥取県独自の事業の棚卸をこの際、緊急に実施してはどうかと思います。
かつて、DBSクルーズフェリーの話とか、グリーンニューディール対策で編成をしました緊急プロジェクトチームも庁内に結成をして、向こう1月ぐらいかけて短期間で事業の棚卸ということをやってみようかと思います。これは、コンセプトとしては、その課の中の見直しが従来のサマーレビューでありましたけれども、もっと課を飛び越えた感じで第三者的にも見ていこうということで、事業を点検していこうという試みであります。
自治体によっては、いわゆる事業仕分けと呼ばれるようになった手法がありますが、まず、県庁内の人材でやってみると同時に、今度立ち上げようと思っていますが、地域主権の研究会のメンバーにもその状況をスーパーバイズしてもらう形で外部の目も入れながら、事業の棚卸を緊急にやっていく必要があるだろうと思います。と申しますのも、財源問題が非常に不透明なものですから、我々としても、鳥取県としてさらなる無駄、無理の追放運動を徹底していこうと考えている次第であります。
●知事
それから、来週は国に対して要望活動をしようと考えておりまして、市町村とも、そのコンセプトについて話をいたしております。今のところ、来週の水曜日に県選出の国会議員さんに要望したり、それから、各省庁に水曜日などで要望することを、今、検討を始めているところであります。
また、中国地方知事会が来週火曜日にございますので、そこで中国地方で共通の課題、今回の予算対策など話し合いたいと思いますし、鳥取県からも先日の新型インフルエンザ問題など、そうしたことなどを議題として提起をしてまいりたいと考えております。
それから、あと、イベント関係で申しますと、来週の21日になりますが、東京国際映画祭が開催されます。その機会を利用して、この度封切られる予定の「銀色の雨」のPRと、鳥取県のPRとを兼ねて六本木でキャンペーンをさせていただこうかと思っておりまして、私もそこに参りたいと思っております。
例えば、鳥取県出身のアーティストで、先般「となりの芝生」というドラマがありまして、泉ピン子さんとかが出たということでありますが、そのテーマ音楽を演奏されてました門藤にもご出演いただくとか、いろいろと手を尽くして、鳥取県の魅力をPRをしてまいりたいと思います。「銀色の雨」の応援という意味合いも兼ねてやってこようかと思っております。
今週末は倉吉[市]でKAMIあかりなどのイベント、また、多彩に繰り広げられます。賑やかな秋を県民の皆様に、ぜひ、ご堪能いただければと考えております。
あと、もう1点、[旧]岡崎邸の保存についてでございますが、民間団体で[旧]岡崎邸を買い上げられたということ、大変に喜ばしいことだと思いましたし、大きな感慨を持って、私もそのニュースに接しさせていただきました。
このように民間の皆様が力を込めてされること、それを応援しながら地域づくりを推進していくべきだと思っております。そのモデルになり得るのではないかと期待をいたしております。実は、その団体からは、地方自治法に基づく審決の請求がきておりますが、団体側の方で口頭陳述をしたいという要望がありまして、その期日を先方の方から、今、ご希望を聞こうとしている段階だったわけであります。口頭陳述、恐らくこれからの事業の行方について陳述をされるのでありましょう。それから、鳥取市に対して、審決請求でございますので、おっしゃりたいこともあるんでありましょう。
そういうことをお伺いしながら、我々として審決に対する答えを法律に従って誠実に出していきたいと考えておりますが、そういう場などでいろんなご意見も当該団体からお聞きをして、こうしたケース、他にも例えば、若桜町とか、琴浦町とか、いろんな所に類似のケースもあり得るかと思いますが、そうしたまちづくりを応援する施策も、この際、考えてもいいのかなというように思います。一義的には今回の場合、鳥取市が是非その対応をご考慮いただきたいと思っております。私の方からは以上です。
○共同通信 広江滋規 記者(幹事社)
それでは各社、質問をお願いします。
○毎日新聞 宇多川はるか 記者
その事業を点検する緊急プロジェクトチームなんですけど、事業っていうのは今年度の事業について点検して、見直すような作業になるんですか。
●知事
当初予算編成の準備作業としてやろうと思ってます。明日、当初予算編成の要求のキックオフをしようと思ってるわけです。その当初予算要求と合わせて、各部局のいろんな事業の中に無理や無駄がないだろうかということを点検したいと思ってます。
そのためのチームを、若手とか、あるいは我々の組織担当者だとか、財政担当者だとか、企画担当者、いろいろ入ってもらって、仕分けをしていこうと。事業の棚卸をさせていただいて、これはもう、例えば、他の事業に統合したらどうかとか、廃止したらどうかとか、その辺を点検をしていこうと思ってます。
そこに外部の研究会委員にもご発言をいただく機会を作ったりして、それで、従来からも、そうした事業見直しをやっているんですけども、担当部局主導でやってる嫌いがありますので、第三者的な見直しをしようと思ってます。
先般、職員組合とも意見交換したんですけども、庁内でいいから第三者的な目も入れて、無理や無駄の点検をすべきだというお話もありました。私もその通りだと思いますので、そうした鳥取県版の事業棚卸を、緊急プロジェクトチームを結成してやろうと考えた次第です。
○毎日新聞 宇多川はるか 記者
部局をまたいで、
●知事
はい、そうです。
○毎日新聞 宇多川はるか 記者
第三者も入れてっていうのが、
●知事
そうです。
○毎日新聞 宇多川はるか 記者
従来と違うとこですか。
●知事
違うとこです、はい。
○中国新聞 円山文雄 記者
地域主権プロジェクトチームとの組織的な関係っていうのはどういうふうに整理されるんですか。
●知事
地域主権のプロジェクトチーム自体は、いろんな事業をこう、多分分掌します。それと関係づけながらやっていくことにはなると思いますけれども、独立した存在として、これは1月で結論出さないと、予算編成ができませんので、緊急プロジェクトチームとして、別途、こしらえようということです。
ただ、実は、地域主権研究会で外部有識者を入れようと思っていますし、ここで県とか、市町村とか、国のいわば事業の構造を改めようと提言をしようということをやっていただこうとしておりますので、県の来年度に向けた、そうした見直し作業、事業棚卸作業にも、スーパーバイザー的にアドバイスをいただくようにしてはどうかと思っています。そういうかたちで外部の目も入れていければと思っています。
○中国新聞 円山文雄 記者
アドバイザーは、オブザーバーみたいなかたちですか。
●知事
そうですね。オブザーバーみたいなかたちで、その緊急プロジェクトチームの事業を、アドバイスしていただく、コーディネートしていただこうと思っています。
○中国新聞 円山文雄記者
緊急短期のものと、長期の分との仕分けみたいなところは。
●知事
そうですね、地域主権研究会自体は、もう恒久的な制度として、国から地方出先機関全部都道府県に来るという前提になった場合、それをどうやって今後、国・県・市町村で、実際、効率的な、自治的な制度を作っていくか、これを勉強しようという組織であります。
今やろうとしているのは、そのうちの県の部分の来年度に向けた緊急の点検であります。ですから、これは、本来の地域主権研究会のミッションではないんですけども、関係する面もありますので、スーパーバイザー的に議論にも関わっていただこうと思っています。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
プロジェクトチームの規模、人数の目途とですね、発足時期というのはどういったかたちで考えておられますか。
●知事
明日、話し合いたいと思っています。昨日指示したばかりでして、今、構想を取りまとめてるところです。明日、その規模だとか、スケジュールなど、幹部職員を集めて話し合いたいと思っています。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
地域主権の地域主権研究会と、地域主権のプロジェクトチーム。
●知事
ではないです。
○山陰中央新報錦織拓郎 記者
全然別のものを作って、メンバーは重複は全くないですか。
●知事
ないです。
○日本海新聞 田村彰彦 記者
若手を積極的に入れようというその狙いというのは、どうお考えでしょうか。
●知事
現場職員の方が、無理や無駄に対する意識が強いと思います。管理職でありますと、前年踏襲的な感じになったり、それから、実際自分で担当してませんので、これはいらんなあという問題意識はやや希薄になります。ですから、現場職員も積極的に入れて、そういう緊急プロジェクトチームを編成して、庁内世直しをやってもらおうということです。
○中国新聞円山文雄記者
事務の見直しは今までもやっていましたけど、質的にずいぶん変わるとかいうのはありますか。
●知事
従来は、本県の場合、4・5年くらい前から、本県はかなりスリム化を図ってきている方だと思うんですが、サマーレビュー方式を取り入れてまして、夏場に各部局の担当部局と、それから、いわば査定部局に当たるようなところで意見交換をして、事業見直しのタマ出しのようなことをやると。ただ、どうしても、対立的になりますので、思いが出てこない面もあるのではないかと思います。
今、世情やられているような事業仕分けの手法がありますが、外部のかたを入れて華々しくやるのも、1つのやり方だと思うんですけれども、むしろ、現場感覚に則して、直していった方が効率良く見直しができるんではないかと思いますので、そうした、鳥取県方式の事業棚卸を試みてはどうかと考えました。
もちろん、試行的なものでありますので、今後どうするかということはありますが、国も今、事業仕分けをしようとしてますけれども、県としても、そういう事業の重点化に乗り出すべきだと考えております。
○時事通信 京正祐之 記者
昨年この時期に、事業のコンペというのを庁内でやったかと思うんですけど、そんなのって、改めて今年も導入する予定はありますか。
●知事
それは、やってもいいでしょうね。と思います。それも併せて内発的な提案になりますけども、それも実施すべきだと思います。それは去年もやりましたんで、それで、実際に優秀な提案にはボーナスをつけたということであります。
○山陰中央新報太田満明 記者
うなぎの蒲焼を注文したのに、マムシの生が出てきたようなことって、きっと、今度の新政権でもたくさんあると思います。そういうことに対して、知事は新政権に対してどういう対応をされていかれますか。
●知事
まずは、私も公平に見て、いろいろ考えなきゃいけないかなあと思いますのは、まだ出来上がって間もないところであって、政治主導で予算編成っていうのをやったことがないと思うんです。今回、まさにそれをやっておられますので、鳩山総理[大臣]も就任早々おっしゃっていましたが、試行錯誤的なことはあるだろうと、迷惑が掛かることはいろいろあるだろうけども、それは、ご理解を願いたいという表現をされたと思うんですよね。
だから、それは、我々もある程度割り引いて考えなければならないと思います。ただ、中央政府だけで行政が成り立っているわけではなくて、むしろ、この国の行政の6割は地方が執行しているわけですから、いろんな施策で地方をかませようということを考えられるのは、不自然ではないと思いますが、事前の調整がやはり必要だと思うんです。
特に、財政負担が大きいようなものなどは、地方の首を絞めることにもなりかねないわけであります。ですから、私は、例えば何人かの知事で専門家集団を作って、政治主導でやろうとおっしゃっていますので。そうした知事だとか、首長集団と政務三役と言われるような各省の政治家の皆さんとで協議をしながら、予算編成の最終調整をやっていくとか、新しいシステムが必要ではないかと思うんです。
橋下[大阪府]知事がおっしゃるように、確かに、法定の協議機関が必要だというのも、もちろんそうでありますけども、それを待ってると大変なことになるんではないかなと思うんです。今回も、結局、相談相手もいないもんですから、財務省とだけ話をして、いわゆる財務省に言われたということですよね。
財務省に言われて、子ども手当を作るにしたって、こんなに大きな予算になるんだから、それは、どっか削らなきゃいけないんじゃないかといって、子ども特別応援手当を削りにかかったんです。これも、もう、市町村は執行しかけてるわけですよね。実際に利用者のかたもおられて、迷惑が掛かる話であります。
こういうのも、決めた後でアナウンスをされるわけでありますが、本当は、地方側とよく協議をされるべきだと思います。その辺が、まだシステムができてないので、システム作りを、まずは政府に考えてもらいたい。これは呼びかけていく必要があると思います。
私自身も先般、原口[総務]大臣に申し上げたんですけども、[全国]知事会も、先般、協議をしたんです。そこでも、大体私と同じようなコンセプトのことを、皆さんで話し合いをされました。これから、政府側と折衝をすることになると思います。協議の場がないことが最大の問題ではないかと思いますね。
○山陰中央新報太田満明 記者
政治主導というのは、実際の生活している生活者の視点から抜けているのかなという感じがしてるんですけども、どうでしょうか。
●知事
そうですね、結局、私も議会答弁の時も申し上げましたけれども、政治主導を国民が望んでいるんではなくて、地域主導や住民主導ということを望んでいるんだと思うんです。ですから、現場感覚というのは大切にしてもらいたい。
そのためには、地方自治体というのを話し相手にいい存在だと思いますので、協議をしてもらいたい。これを再々訴えてきました。これからも、これを求めていく必要があるだろうと思います。今後、子ども手当のことなんかは、地方側でも、ワーキングチームを作って、政府と当たっていかないといけない局面に入ってくるんじゃないかと思います。
○山陰中央新報太田満明 記者
その専門家知事とか、ワーキングチームとかおっしゃいますけども、具体的にそれは働きかけというのは何かありますか。
●知事
私は、原口[総務]大臣とお会いしたときに、税について、自分は[全国]知事会の中で担当なものですから、税についてそういうワーキングやりませんかというお話を申し上げました。それで、考えてみたいと大臣はおっしゃっていました。だから、だんだんそういうふうになってくると思うんですけどね。
私は、地方と対話する意思は、新政権は持っておられると思いますので、それに行く前に、今、財務省と各省が、財務省とか、あるいは、行政刷新会議と各省がやりとりして、非常にラフな動きをしてるんじゃないかなという印象を受けます。
○中国新聞円山文雄 記者
中国知事会の具体的な国への要望みたいなものはどんなものが具体的に挙げられていますか、今回。
●知事
そうした対話の機会とか、補正予算の見直しなどで、地方の実情を考慮せい、ということを言う必要があるだろうと思います。それから、先般の新型インフルエンザ受験生対策とか、その辺も声を共同で挙げていってはどうかと思いますし、その辺も提案をしていきたいと思います。
ちょっとこれは、今、文案とか、中国地方知事会の事務局とやりとりをしなきゃいけないとは思いますが、そういう考えでおります。
○日本海新聞 河崎誠 記者
今年度の概算要求に関して、県の方にどれぐらいの情報が入ってきていて、知事としては、繰り返しになるかもしれませんが、どの点に主に注目されているのか。
●知事
今、まだ確たる情報がないんです、正直あんまり入ってこない。従来と違って、行政組織同士で情報とるのがとっても難しくなってます。それは、国の中央官庁の中でも情報が流れないからだと思うんです。そういう難しさがありまして、あまり、はかばかしく入ってません。今晩、締め切ったとこで、概算要求はこんな状況だというのが発表になるのだと思っております。
今我々で、細々と入って来る中で聞いておりますと、補正予算関係の影響は、心配された程には大きくはないかもしれないなとは思っています。ただ、一定程度、やはり見直しを迫られるようなものもあるかもしれません。例えば、医療再生基金の扱いなんかも注目をしているんですけども、報道されているところでは、これを大幅に見直すと言ってますが、県内には2つの医療基金のベースを想定してきました。これまで予算化されていません。
本県で予算化しておりませんけども、25億円掛ける2ヶ所の50億円分、25億円かな、それを、今要求しているって言いますか、想定して動こうとしているんですけども、まだ予算化していませんが、この扱いなんかは、非常に気になります。
厚生労働省から漏れ伝わってくる感じでは、各県のその最低限の2地域のとこまで手を付けるかどうかというのは、必ずしもはっきりしないようでありまして、そうした情報、これからも取って行く必要があるだろうと思います。
あと、JSTですね、科学技術振興機構の鳥取大学内で設置しようとおりますバイオフロンティア事業、これはマウスの実用化事業でございますけれども、これが、恐らく危険信号、注意信号ではないかと思っています。こうしたことは、もし、そういうふうに方針が出されるのであれば、国の方に見直しを求める必要があるだろうと思います。
各県、この事業には手を上げて来ているのは、目玉事業ばかりでありまして、非常に財源的にも良いものであって、各県に応募を募ったもんですから、とっておきの事業が各県出て来ているんです。それを、全部こう、ただやめてしまうというのは乱暴すぎるんじゃないかと思います。
それに代わる事業を用意するというのなら、まだ話は分かるわけでございまして、この辺はその文部科学大臣の方に、我々の考え方を伝えなきゃいけないのではないかと思っております。そうした幾つかの、我々として注目している事業はありますけども、まだ十分な情報がある段階ではありません。
○日本海新聞 田村彰彦 記者
先程、その国と地方の協議の話が出ましたけども、その全国知事会の対応ですね、国と地方の協議の場の法制化について、静岡県知事がその対応を批判して、脱退も検討をされておられます。地方分権をどのようにするのか議論がないまま、法制化するのはいかがなものかということですけども、この全国知事会の対応について、平井知事はどのように考えておられるのでしょうか。
●知事
まだ、今、法制化の案を作ろうとしている段階だったと思います。ちょっと前回、出てないんですけども、藤井副知事に代わりに出席していただきました。私は、法制化は必要だと思います。法制的にも可能だと思います。ただ、憲法も片方でありますので、憲法論的にどこまで強力な規定が出来るかどうか、それは分からないところが多いだろうと思います。
ただ、例えば、国の提示している考え方に不満があれば、地方から再び協議を求めるとか、いわば、再議権のようなことだとか、憲法に抵触しない範囲で、一方可能なものもあるんじゃないかと思っています。私は、研究すれば良いと思います。
全国知事会の方に、総務大臣の方からボールが投げられて、案を作ってくださいと言われていると聞いておりまして、それに従った作業を共同でやっていけば良いと思います。これは地方自治にプラスになりますし、あんまりその問題だとは思っておりません。
○NHK 宮本知幸 記者
DBSの地方政府で作る協議会の鳥取県で第1回目というお話がありますけども、目途としてはどうでしょうか。
●知事
これ今、日程調整がどうしてもそれぞれ3地域ありまして、日程調整に正直手間取っています。ひょっとすると、年明けるかもしれないですね。ただ、今、準備作業は進めておりまして、整え次第、開きたいと考えております。
○山陰中央新報錦織拓郎 記者
別件で、「銀色の雨」のPRですね、東京に行かれるというふうにおっしゃいましたが、映画を活かした地域振興というのは、全国ですね、お隣の島根県ですと、県内の出身の映画監督さんがいらっしゃるという関係もあって、最近、立て続けに上映されておられますが、それに対しまして映画、ドラマ等のメディアも含まれるかもしれないんですが、そういった映像を通した、ビジュアルを通した地域振興の在り方、施策というのは、何か、ビジョンというか方針をお持ちでしょうか。
●知事
私は、漫画とか、映画だとかそういう大衆文化って言われるような、ポップカルチャーがPR力、訴求力として高いと思います。ですから、そうした運動をやっぱり支えていくと言いますか、支援していくべきだろうと思います。
現在、鳥取県内には、そういう映画関係ではとっとりフィルムコミッションがNPOでございまして、そこと一緒に映画ロケ地マップを作ったり、素材を掘り起こしをやったり、誘致運動をしたりしております。また、有形無形のいろんなお誘いの仕方はあると思いますので、今回の「銀色の雨」のPRもそうでありますけれども、鳥取県のPRも兼ねて「銀色の雨」を応援しようということでいこうというふうにしました。
「銀色の雨」につきましては、ロケ地マップを作成してはどうかということで、そのロケ地マップの作成とか、それから、東京でのPRの機会に特産品を配布するなどして宣伝してはどうかとか、この辺、今回9月補正[予算]だったと思いますけど、予算の中でも、予算上一部措置をもいたしております。映画とタイアップした広報、宣伝活動をやっていきたいと思います。
○中国新聞円山文雄記者
中国5県の一角なんで聞きますが、広島市が2020年のオリンピックの立候補地に名乗りを上げましたけど、東京の立候補というのは、東京の1局集中を進めるんじゃないかという、またそれでそういうんで、地方の首を傾げる面があるというように聞きましたけども、中国地方からの立候補ということで、鳥取県の知事としての、広島の立候補の名乗りについて、何か考えられることが、意見がありましたら。
●知事
私もアメリカで勤務をしていたことがありますが、メイヤー・アキバさん、秋葉[広島]市長ですね、メイヤー・アキバは非常に有名人でしたね、市長さんの間で。それだけ世界で通用する顔という感じも思ってました。それで、今回、広島[市]・長崎[市]で共催ということでオリンピックに名乗りを上げたわけでありますが、その勇気を、私はサポートしたいなと思います。
現実論としては、共催がオリンピックで、オリンピックというのは非常に、何と言いますか、国際的な格式の高い行事でありますから、いろんな取り決めがありますので、共催ということなど、本当は、問題は多いだろうと思います。
それから、実際に事業化しようと思いますと、PR経費だとかで、早速、壁があるのだと思います。ですから、そのことは、よく地元の方でも、市民の皆さんとお話し合いをしていただきながら、この運動に本当に乗り出していくかどうか、よく議論されたらいいじゃないかと思います。
広島県と上手に協議ができてないという声も聞こえてきておりますので、まずは、地元でよく基盤づくりをしながら向かうべきだと思います。その上で、中国地方全体で応援していこうとか、そうした運動展開は、私は支持できると思います。今後の動きに注目して、中国地方全体で何ができるか、それも考えていく選択肢に入れていくべきではないかなと思います。
○朝日新聞 井石栄司 記者
21日の前原大臣の要望なんですけども、山形の方から聞こえてくる話だと、鳥取県が中心になって、高速道路網が整備率が低い地域を、まとめて要望していくという話も聞こえてきたんですが、具体的にはどういうかたちで、地方6団体を代表して要望されるんでしょうか。
●知事
今回は、市町村と話し合って、今、要望の枠組みを考えているんですけども、鳥取県と県内市町村とで、共同で要望するようなかたちが良いかなと、そういうように考えております。ただ、今、お話もありましたけれども、政策でこれから議論していかないと難しいんじゃないかと思ってるんです。
今の全国の世論の流れを見てますと、道路とか公共投資は無駄だから見直せばいいじゃないかという話が、非常に風としては強いんじゃないかと思うんです。ただ、同じ高速道路を要望していると言っても事情が異なるんです。
特に、第1次的なミッシングリンク、ミッシングリンクにもいろいろあるんですけども、第1次的なミッシングリンク、まず繋げてほしいと、何もない、現在何もないので、繋げてほしいと言っている所は、だいたい共通して事業費も安いです。それから、地域間格差に悩んでいます。
それを解消する手立てとして、まずは第1次的なパイプを通してもらいたい。それで、全国のネットワークと繋がっていくことを国の責任でやるべきではないですかという、政策論があると思うんです。この点で一緒に話をしていける自治体は、私はあると思ってまして、今、同じ志、同じような状況の所と、今、ネットワークと言いますか、我々のスクラム組める仲間が作れないかなということで話し合いを始めているところです。
いずれ、そうしたメンバーで、国土交通省や政府の方に、まず第1次的な高速ネットワークのことを考えてほしいと、そうした政策論の運動展開をやっていきたいと思ってます。今まだ、準備作業中であります。それで、今回、前原[国土交通]大臣のところにお伺いするのは、県内の市町村との共同での申し入れに行こうと、今、考えております。
○朝日新聞 井石栄司 記者
あと、先の県議会で、従来の国とのパイプは失われたっていうのを強調されていたんですけれども、一方で、行政刷新会議の方に片山前知事が入られて、いろいろ事情はあろうかと思うんですが、パイプとして活用できるように働き掛けていくようなことはお考えではないでしょうか。
●知事
行政刷新会議自体は定性的な事業仕分けをすることになろうかと思います。ですから、個別の県の事情を背負って、各省大臣や各省副大臣政務官のように、この事業は採択します。この事業は採択しませんという、そういうお立場ではないと思いますので、政策的に我々の方からお手伝いをさせていただくことは、それはぜひさせていただきたいと思いますけども、個別の要望などは、むしろ各省とのパイプを作っていきたいと思います。
パイプが失われたと申しましたのは、さっきもお話いたしましたけども、従来は官僚機構が、ある程度情報を流してたんです。それで、各省庁から、マスコミのかたもそうだと思うんですけども、各省の記者クラブの方で取材に行けば、だいたい各省の担当官や担当課長の方で、今度は来年こういうふうにやるんですよという話をいろいろ聞けたと思うんです。今、それがないんですよね。
それで、我々の方もそういう意味で情報が入ってこない。そういう意味で、パイプが失われたというふうに申しあげました。ただ、そういう時代には、今度は新しいパイプを作らなきゃいけないわけでありまして、政務三役と言われるような各省の担当の政治家の方々と如何にコミュニケーションを図っていくか。これを工夫していかなければいけないと思っています。そういうことに、これから重点をおくべきだと思っています。
○日本海新聞 田村彰彦 記者
不正経理のことで伺いたいんですが、鳥取県でも2,500万円が明らかになりました。大半は片山県政時代のこととはいえ、平井県政時代でも実際あったのは事実なんですが、コンプライアンスを掲げた知事として、この不正経理どう受け止めて、今後失った県民の信頼を、どう回復していくのか、具体的なお考えがあれば。
●知事
非常に残念なことでありまして、遺憾に存じます。そうしたことの再発を何としても防止することで、県民の皆様の信頼を回復していかなければいけないと思います。2,500万[円]位の内、平成19年ですか、私の代になってから100万円ほどで、ウエイトとしては、だいぶん小さいことは小さいわけでありますが、それは今まで経理改革をやってきたことが、ある程度有効になってるんじゃないかなという感じはあるんです。
ただ、まだ十分でないと。ですから、今、会計部局に指示をいたしておりますのは、再度点検をしてくれと、それでもう一度問題点の洗い出しをしようじゃないかと。それで、その結果を踏まえて、今後のまた抜本的な改善策を皆で考える必要があると思います。
正直、特に最近のものは、会計検査院と認識の差のようなものが多いように思います。例えば、コピーのトナーの使用量に応じたお金の経理を従来していたんですけども、これはその通りにトナーがなくなってきているわけですね。それを枚数で整理すべきじゃないかというのが、会[計]検[査院]の主張だったわけでありまして、そこで結局ずれが出て、彼らの分類としては不適切な経理方法ではないかという分類になったりしてる面があります。
これは、実は我々の方も、枚数カウントの方に改めました。そういうように少しずつ私どもの方でも、防止策をさらに強化をしてきているところであります。ただ、いずれにせよ、まだ十分でないと思いますので、コンプライアンスの組織を、もう一度作り直す必要があるんじゃないかと思います。
それから経理のチェック体制についても考える必要があると思いますし、民間の実際に受注される業者さんの方からの、何と言いますか、申し立てというか、ヘルプラインのような情報提供を還元するとか、いろいろ我々の方でも対策をもう一度作り直す必要があるだろうと、それは真剣に考えています。
今、再調査を命じておるところでありまして、その結果を取りまとめた上で、改善策を県民の皆様にお図りをさせていただきたいと思っています。
○日本海新聞 田村彰彦記者
物品の不正購入の件に関しますと、結局、集中業務課を通さない面で全部起ったわけじゃないですか。本庁舎であれば、1万円以下であったり、出先であれば20万円以下という基準があって、その中で起きてしまったということなので、今回もう少し、すべての物品購入に対して集中業務課を通すだとか、マンパワーの問題もあると思いますが、もしくはそのハードルをもう少し金額を下げるとか、そういう構造的な対策を考えるようなお考えはありませんか。
●知事
それは、もちろんあります。その辺を点検しようと思っておりまして、今、再調査を命じさせていただいたところです。鳥取県としては、庶務集中を進めてきておりますし、それをなんだったたら、アウトソーシングしていくこともあってもいいと思いますので、いろいろ私は更なる防止策は可能ではないかと思ってますので、今ご指摘のようなアイデアも、当然視野に入れて考えていきたいと思います。
○山陰中央新報太田満明 記者
不正経理に関しては、これまで県は調査を何度もして、ないということだったので、安心していたんですが、会計検査院の調査で出てきまして、県の調査って何だったんだと不信感が生まれちゃうんですよね。例えば、今回の内容、じゃあどうですかと聞いた時に、なかなかおっしゃっていただけないんですよ、中身が。最初に県がやった調査ではないと言いながら、会計検査院の調査には答えてもらえないということをどうしてなんかなって思うんですが、県民の間に生まれる不信感というものに対してどういうふうに対応されますか。
●知事
だから、そういうことは起こらないようにしなきゃいけないということだと思うんです。実は平成15、16年とか古い話に、今回だいぶん混じってまして、当時は確かにどうかなと思うのもありますね、正直ありました。そういうのも今回会計検査院の中で見えたわけでありますが、そこまで多分、当時調査もできてなかったんじゃないかと思います。
調査漏れの部分だとか、それから、さっき申しましたように、我々はこれ別に、経理として問題ではないと思って、別に悪い意味ではなくてやっていたことが、ちょっと別の角度から見ると、もっとこういうふうに経理した方がいいんじゃないのというのも、実は見解の相違のような形でありまして、その辺は今回改めて出てきたという形になったものもあります。
ですから、会[計]検[査院]の方もそういうふうにおっしゃってるそうでありますが、会検の指摘なんかもぜひ都道府県の方でも取り入れて、それで、チェック方法を確立してもらいたいというお話もありますので、我々としてもそういうふうにさせていただきたいと思います。
念のために申しますと、千葉県とかで発見されたような、ああいう預けといわれる裏金的なものはございませんでした。それはなかったんです。だから、裏金的な経理方法ということは、ここにかなり重点を置いて、過去調査を繰り返してましたので、この点はさすがに発見されてないんです。
ただ、その手前のところで、法律に照らして、あるいは決算書類に照らしてどうかというそういう、事務処理上の問題というのが出てきたということだと思います。この辺は、やはり襟を正さなければいけないと思いますので、県民の不信を招かないように、改めて再調査の上で、新しいコンプライアンスの確立方策を作った上で徹底してまいりたいと思います。
○山陰中央新報太田満明 記者
今回の調査というのは、国交省と農水省の担当の補助金だと思うんですけれども、それと確かに考え方、見方の違いというのがあると思うんですよ。人件費なんていうのは、もろそうなのかなという感じがするんですけど、1人の人間がいろんな仕事をしてますから、どれがその補助金対象かなんてなかなか分かりにくいところってありますよね。それを不正経理っていうふうに、目的外使用だって言われたときに首をかしげる部分もあるんですけれどもね。ただ、こういうふうに指摘されるっていうと、国交省と農水省の補助金以外にもそういうものってあるのかな。それで、会計検査院が指摘したものっていうのを、ものにしたというのが、それは違うよっていう部分もきっとあるんだと思うんですよ。だから、他の農水省、国交省以外のものも含めて、こういうふうにきっと国は言うんだろうけれども、県はそうは思ってないよっていうふうな答弁みたいなもの含めて、全点検するっていうようなことってございませんか。
●知事
それは、実は背景がいろいろあるんです。検証面で今、会計検査の結果が出てきてますけども、背景を申し上げれば、これは国には失礼でありますけれども、1月くらいに、国[土]交[通]省とか農[林]水[産]省のこうした公共事業関係ですね、数字を決めちゃうわけです。これで決算を打ちなさいと。
それで、変えるなと言われるもんですから、どうしてもどこかでつじつま合わせが出てきてしまったという面もあると思うんです。私は国が、例えば1月とかそういう段階で、あと数字を動かすなということを止めれば、つまり使い切りをしなくていいよということをちゃんとやってくれれば、それだけでおそらく各県のこうした、今回会検に出ているような問題というのは、大きく解消されると思います。
だから、そういうように国の方のシステム改革も求めなきゃいけない面も当然あるだろうと思います。現象面では、その結果としてこういうところの経理区分がおかしいとかいうことはどうしても出てきてしまっているわけでありますが、根本は国の方の使いきれというか、要は数字を決めて、それを集計してしまう、決算をうってしまうっていうやり方だと思います。
○山陰中央新報太田満明 記者
要は、返還を認めろということですよね。
●知事
返還を認めてはいいです。そうしたら別に、実は単県事業なんかも全部やりますんでね、使い切りということは避けるようになってますから。
○山陰中央新報太田満明 記者
新政権になって政治姿勢で。
●知事
おそらくそれは、それこそさっきお話もありましたけれども、片山委員が行政刷新会議の中で主張されていると思います、使い切りの問題は。
○山陰中央新報太田満明 記者
片山委員に、じゃあ期待しましょう。
○共同通信 広江滋規 記者(幹事社)
他にありませんか。なければこれで終わらせていただきます。
●知事
どうもありがとうございました。