防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2009年9月2日)

平成21年9月2日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約39分) ※MPEG4形式

  

1 9月補正予算案について 

●知事

 皆様、おはようございます。9月の議会が迫ってまいりまして、9月の補正予算を編成をいたしております。今回の9月補正予算ですが、規模としては140億[円]から150億[円]くらいを念頭において、今、最終的な調整をさせていただいております。

 その中には、喫緊の課題を盛り込んでいきたいと思いますし、当面、国の方から示されております基金事業などもございまして、昨晩までの報道を拝見しておる限りでは、当座は執行凍結をするぐらいで、補正の組み替えまでは10月の国会でやらないというような報道もございます。そういう状況もございますので、粛々と予定される見込み得る事業を計上していきたいと考えております。

 例えば、今、急がれるような事業として、クラゲの駆除でございますが、小型の底引き船で6ヶ統やっていただく予算でありますとか、また定置網で、クラゲを駆除するそういう事業などを入れております。

 それから、今考えておりますのは、新型インフルエンザにつきまして、新型インフルエンザ対策は、状況をみて柔軟に我々は動きたいと思っておりますが、9月補正[予算]の中でも、従来の対策に加えまして、各種必要とされるものを盛り込んでいこうと。

 15の陰圧室と呼んでいますが、こういう部屋の中に、圧力をマイナスにかけることで、菌が外へ出ていかない、そういう特殊な部屋の装置でございますが、陰圧室を15室分用意するとか、あるいは人工透析を受けておられる患者さんがいらっしゃいますが、人工透析の患者さんが、新型インフルエンザにかかりますと、免疫が弱いために重篤化する可能性があると。ただ、そういう可能性がある患者が、当然県内にもおられるわけでございます。

 東部、中部、西部にそれぞれ、そうした透析患者に対応できるように、移動式の、要は動かせることができる、すなわち陰圧室に持っていくことができる人工透析機、これを設置をしようではないか、こういう予算など、各種、新型インフルエンザ対策を盛り込むことにいたしております。

 また、環境関係で言えば、鳥取方式の芝[生化]ということが言われていますが、そういうものを推進していく予算でありますとか、あるいは、太陽光発電がございますけれども、太陽光発電は直流で発電されるんです。

 その直流で発電されるものにそのまま使えるような家電製品を開発する、そういうプロジェクトがございまして、こういうものを支援していこうとか、そういう環境関係もグリーンニューディールを今回まとめますが、その中に盛り込まれている事業で、可能なものを計上していきたいと考えております。

 その他、現在の経済雇用対策で、産業を活性化していく必要がございますけれども、バイオフロンティア事業ですね、これは人の遺伝子をマウスに入れるなどして、薬品開発を簡単に行えるようにしようと、そういうプロジェクトでございますが、いよいよそれの整備にかかっていこうといたしております。

 安全安心対策で申し上げれば、このあいだの山口県の災害で心配されておりました、土石流の被害で、特に要援護者、お年寄りの施設、ずっとそこに住んでおられるような、そういう施設があるところ、要援護者がおられるような施設があるところを重点的に調査をかけました。

 その結果、21のそういう土石流危険箇所の要援護施設があって、それについて必要な対策をさらに調査する必要があるだろうと。それで、速やかにハード面の対策が可能であれば、そういうことに取りかかっていうこうと、そういう経費も、今回、組まさせていただいております。諸々ございますが、これから、よく部内で、庁内で検討した上で、9月議会に提案をしていきたいと考えております。




2 日程等について 

●知事

 それから、世界ジオパークネットワークへの加盟関係でありますけども、いよいよ世界ジオパークネットワーク委員会が調査視察に入って来られることが分かりました。9月の10日、11日と山陰[海岸]ジオパークの視察をされることになりまして、10日は京都府内、兵庫県内をご覧になるそうであります。

 今回は[東京]都立大学の名誉教授の町田先生、それから東京大学の教授でいらっしゃいます中田先生、このお二方の日本ジオパーク委員会の委員が来県をすることになりました。11日が鳥取県内の視察に入るわけでございまして、浦富(うらどめ)[海岸]だとか、鳥取砂丘などをご覧いただき、概要など、説明や意見交換を行うことになりました。

 私も鳥取砂丘の視察など、可能なら同行させてもらいたいなと思っております。世界ジオパークネットワークへの加盟は、我々にとって大切な課題でございまして、何とか今回実現に結びつけたいと意欲を燃やしております。

 我々の方で出来る学術的調査などの準備は整えてきましたし、今回の9月補正予算にも入れようと思っていますが、鴨ヶ磯(かもがいそ)のところの岩石崩落の現場がありまして、遊歩道を迂回させる、そういうことも県単独事業で思い切ってやろうじゃないかとか、ハード面ソフト面、双方でアプローチをしていきたいと考えております。

 この世界ジオパークネットワーク委員会の加盟問題については、韓国で開かれるEATOF(東アジア地方政府観光フォーラム)でも議題にしていただきたいと思っております。

 9月の4日から出張をさせていただくことにいたしておりますが、9月の4日には、アシアナ航空本社を訪れまして、尹永斗(ユン・ヨンド)社長に面談を求めております。アシアナの米子ソウル便の安定的な運航をお願いをしたいと思っております。

 現在のところ、まだウインタースケジュールですね、確たる情報は示されておりませんが、我々としては、継続運航をお願いをしてきているところでありまして、近々その答えがでると期待をしておりますが、いずれにせよ今回のウインタースケジュールに限らず、その後も安定的な運航をお願いしなければいけませんので、お会いしていろんな方策を話し合ってまいりたいと思います。

 それから、今度は韓国経由でロシアの方に入りまして、9月の5日には、多分ダリキン知事とお会いできると思いますし、現地のマスコミ対応などをしたいと思っておりますが、6日から「鳥取週間」の行事を始めることにしております。

 ウラジオストクでは米子西高[校]のパフォーマンスであるとか、観光だとか、産業関係の情報発信をしたいと思っていますし、梨の通関手続きを終えた段階で店頭で販売促進を図っていこうと思っております。そういう、いろんな活動をロシアでさせていただき、韓国にまたもう一度、米子に帰る途中で戻りまして、EATOFに参加をしていきたいと思っております。

 今回のEATOFは、江原道の金振兟(キム・ジンソン)知事に最後の機会になりますので、その感謝の気持ちも込めて出席をしようと考えておりますが、その場では、是非そうしたクルーズ船を活用した観光も話の中に入れていただきたいと思いますし、先程も申し上げた山陰[海岸]ジオパークの世界ジオパークネットワークへの加盟をEATOFでも後押しをしていただきたいと、こういう思いでおります。

 それから、併せて航路活性化推進協議会を設置に向けて合意を得ていきたいと思っています。今、原則的な枠組みについて、ロシア側、韓国側との了解は取れていると理解いたしておりますが、正式に、このロシア訪問、それから韓国訪問の機会にまとめられればと思っております。

 可能であれば調印をそれぞれ行なえればと思っておりますが、ともかく、とりまとめをすることが大事だと思いますので、意思統一を図り、正式な合意に至って帰って来られればと期待をいたしております。

 また、当面のいろんな日程でございますけれども、今日はIJUターンの皆さん、我々の農業開発公社の方で受け入れをしていた15人のメンバーがございますが、その方々と面談をいたしたいと思います。これは、募集をいたしましたら結構好評でございまして、移住、農業を活用した移住、これについて興味が深いということが分かりました。今回は県外から9名入っておりまして、県内からも6名入っておるという感じでございます。

 それから、東京で「クラウディアの祈り」という、そういう劇が上演されることになります。今日がそのこけら落としに、初演になります。蜂谷(はちや)さんという鳥取県のかたでございますが、ロシアに行きクラウディアさんと苦しい生活の末に、愛し合ったかたでございますが、日本の方に残された家族がいることから、あえてまた離れ離れの生活をしていると、そういう現実の物語、戦争の悲惨さが背景にございます。

 それを劇にしたものが今日から上演されることになりまして、県としてもその機会に鳥取県のPRをしようと、会場で観光のパネル展示をしたり、先着のかたに梨をお配りしたり、そうしたこともさせていただきたいと思っております。

 あとは、東京[鳥取]県人会とか、それから東京で今度[東京]ビジネスオフィスを[移転]オープンします。今ある1、2階のアンテナショップの上にオープンをすることにしておりまして、明日、その開所式を行うことにいたしております。

 それから、あと、金融関係者と意見交換を9月11日に行うとか、様々なスケジュールも組ませていただいております。いずれにせよ、これから9月議会も始まりますので、最終的な9月補正予算の準備にかかりたいと思っております。私からは以上です。


○朝日新聞 井石栄司 記者(幹事社)

 各社、質問がございましたらどうぞ。




3 新政権について 

○朝日新聞 井石栄司 記者

 先日の緊急幹部会議、一昨日も、急きょぶらさがり取材に応じていただいて、いろいろ新政権に対する話し合いをしているところもあるかと思うんですけれども、その中で、昨日、一昨日おっしゃっておられた中で、陳情型政治はかなりシフトチェンジをしていくんではないかということをおっしゃっておられたんですけれども、知事としては今後どういう形に変わっていくと予想されていらっしゃいますか。


●知事

 陳情型政治が変容するかどうかは、結局地方分権がこう実現してくるか、このことにかかっていると思います。民主党は地域主権を掲げて選挙を戦われたわけでありまして、是非、霞が関に行かずともことが済むような、地方が必要とすることは地方で解決出来るような、そういう行政スタイルを作っていただきたいと思います。

 そういう意味で、地方分権が進展する度合に応じて、陳情型政治が変容してくるだろうと思います。ただ、この年末に直ちにそうなるかというと、恐らくそれは難しいわけでありまして、これから、国会議員、県選出の与野党含めておられます。そうした方々だとか、あるいは政府機関だとか、我々としては、言うべきことは申し上げて、提言をしていく必要があると思います。

 今朝がたも、新しく当選をされた[民主党の]湯原俊二さんがお見えになりまして、このたび当選人になられたわけでございますが、その代議士にも、是非県のために力を尽くしていただきたいと。我々からも申し上げるべきことは申し上げていきたいと、山陰道とかそういう課題もあるというのは、簡単なやり取りもさせていただきました。

 これから、いろんな意味で、変化があると思いますし、その変化は国民が望んだものでありますから、望んだものを是非、民主党には、言葉に違わず実現をしていただきたいと思います。その際、地方にしわ寄せが来ないように、十分な配慮をして、そのために地方との協議機関を設けるなど、工夫をしていただく必要があると思います。


○毎日新聞 宇多川はるか 記者

 地方分権の実現とは、別に近い課題としては、暫定税率の廃止なり、道路整備予算の縮小がされかねないと思うんですけれども、一県でやっぱり声を挙げてもなかなか影響力がどこまであるか分からない中で、他県との連携であったりとか、今段階で考えてらっしゃることはありますか。


●知事

 選挙が終わったばかりで、多分どこの都道府県も、頭の整理と言いますか、状況の把握に追われているのが実情だと思いますが、落ち着いてくれば、同じような志の県もあるでしょうから、その境遇を訴えていきたいと思います。実際、自民党さんが小選挙区で全勝した県は、鳥取、島根、高知、福井というところでありまして、地域間格差で取り残されているという意識が強いだろうと思います。

 そういうところに県民の投票行動が出ているのかなと、そんな感じもいたします。ですから、同じように、何とか公共投資のパイは、これは公約ですからしぼむだろうと思います。ただ、その際に、本当に今つながってなくて、必要な公共投資があると。

 これを優先的にやることで、パイはしぼむけれども、国土全体の体系的であり、統一的なビジョンに基づく整備が行われる、そういう国を作っていただきたいと思います。その願いを共有しているところはあるでしょうから、今後、他県、他地域と連携の可能性はあると思います。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 自民党が勝利した4県の各知事には、特に今の段階で連携を打診したりをしてはないんですか。


●知事

 今の段階ではありませんが、島根[県]の溝口知事とは、かねてからこうした問題について、話し合いはしてまいりましたので。ただ、ただちに、じゃあ、両県で動こうかっていうようなことでもないのかなというふうな、そういう感触も持ちました。いろいろ模索していかなればならないと思います。

 当面は、状況を把握しながら我々として、声を挙げていくと。それはそれで大事だと思いますのでやっていきたいと思います。同志を募っていくことは、時期が来たら考えようと思います。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 先程のお話の続きになるんですが、やっぱり過疎地域というか、いわゆるへき地と呼ばれる地域とその投票行動ですね、やはり因果関係というか、関連性というのはやはり現れたというふうに見ていらっしゃっいますでしょうか。


●知事

 それはいろんな見かたあるでしょうね。ただ、私は、そういうことで有権者を悩ませた、みえたような気がしたんです。比例代表で民主党が第1党です、本県でも。鳥取県でも民主党が第1党なんですが、小選挙区では、自民党さんが2議席を取っておられると。これのギャップがありますから、これを解釈しようと思えば、要は相反する2つの思いがないまぜになっているのが、県民の姿ではないかなと、私は解釈しました。

 今回、大きな変革をやる必要があると考えておられる方々がおられるんですが、同時にそうした方々でも、じゃあ、中身で地方にしわ寄せが来るんじゃないかとか、そういう心配も持ち合わせていると。だから、両方に言わば投票したかたが、必ず、一定割合おられたようでありますので、そういう投票行動もあったのかなと思いました。




4 航路活性化推進協議会について 

○NHK 宮本知幸 記者

 改めてなんですけれども、航路の活性化推進協議会に関してですけれども、どういうイメージで捉えればいいかということ、改めて、お聞きしたいんですが。


●知事

 これ、今まだ、最終的な調整が3地域の間でまだ続いております。それぞれの、やっぱり、思いがあるようでございまして、まだまとめきれてはいないんですが、我々が、今やってるとこでコアになるのは、1つは、情報を集約をしたりして、貨物を使う、それから、観光客として観光に出る。これ、いずれも出発地と受地と両方ありますので、この両方がマッチングしないとうまくいかないわけです。

 この橋渡しのために、例えば、情報センターのようなデータベースを作るとか、そういう必要があるという認識では一致しているんだと思います。それを実務者レベルで、きちんとできる体制を作ろうではないか、あるいは、制度的に隘路(あいろ)があると、通関手続きだとかいろいろと難しい課題があって、そういう時間が掛かるとかいう要素を、それぞれの地域で政府機関なんかに働き掛けていきましょうとか、そういうのも一致していると思います。

 我々の方では、とりあえず、そうした協議会が徐々に進展していくと思いますが、それを横睨みしながら、今回の9月補正予算の中でも、情報のマッチングができるようなデータベースを、韓国、ロシアの協力も得ながら作っていきたいと思っています。そういう予算も、今回、計上しておりますし。

 また、我々独自に、ロシアの国際交流員の増員をするとか、ウラジオストクで、ビジネスサポートセンターを立ち上げるとか、これは、要は、向こう側の窓口となってくれるような組織と契約をするという意味でありますが、そういう手立ては、我々としても独自にやっていきたいと思います。協議会が万能でもないかもしれません。ですから、協議会と併せて県独自の努力もしてみたいと思います。


○NHK 宮本知幸 記者
 
 組織としては、3カ国の職員のかたとかが参加されて、事務局みたいなものを設置するという理解でいいですか。


●知事

 事務局は、今、持ち回りという話し合いになってると思います。会議を定期的に開こうと。その第1回の会合、正式会合を鳥取[県]で開こうという方向で、今、調整中です。その会議開催の担当地域が事務局をやると。現在の[北東アジア地域国際交流・強力]地方政府サミットと同じ方式になろうと思います。




5 ガイナーレ鳥取の支援について 

○山陰放送 秦卓史 記者

 昨日、鳥取市の竹内市長が、ガイナーレ鳥取に関する支援、7,000万円の基金の拠出を、議会の方にする意向を打診されましたけれども、鳥取県としては、どのようにお考えでしょうか。


●知事

 我々も、正直、同じ思いです。手続き的に、まずはきちんと話し合う機会が、時間がありませんで、まだ、竹内市長さんと、そうしようと、まだ、手を握ったわけじゃないんですけども、気持ちは一緒ですから、自ずからそうなると思います。私は、さっきのジオパークとこのガイナーレには、今年2つ大きな願を掛けてますので、J2昇格、応援したいと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 改めて問いますけれども、税金をガイナーレに、税金ですよね、そのことの是非というのはどうなんですか。


●知事

 それは、議論はあるかもしれません。ただ、スポーツ基金を積んだ経緯や趣旨もあります。この地域で、サッカー場のための基金ですから、ああいうサッカー施設を造って、そのまま後は放ったらかしでは値打ちがありませんので、そういう、ガイナーレという広く県民が応援するような、そういうチームが実際に活躍する後押しをすることは、一定程度許されるんじゃないかと思います。

 もちろん、全額、それに丸ごと使うということでもないと思いますし、一定の節度は考える必要があると思いますが、こちらからその基金に補助した目的に違うものではないと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 節度っていうのは、1回限りという意味ですか。


●知事

 そうですね。基本はそうだと思います。もちろん、今後のことは状況を見ないと分かりませんが、1回限りというのが原則でしょうね。


○山陰放送 秦卓史 記者

 昨日も、竹内市長も議員の方から、J2に上がった後、赤字経営になった場合についてはどうするんだということも聞かれましたけれども、それからもう1つ、基本的には市民の球団なんだというところを念押しして拠出すべきだというような意見も付帯した方がいいんじゃないかというご意見も議員の方から出ました。知事は、その辺りはどういうふうにお考えでしょうか。


●知事

 そこは、まだちょっと想定するのもどうかなと思いますので、そういう具体的な状況で判断する以外はないと思います。現実に、私はフロントの皆さんですか、会社の皆さんも経営努力をしてきておりまして、去年よりは格段に円滑に動き始めていると思います。そういうことで、今後は、安定的な運営に持っていっていただきたいと。それは、我々はそれを願うのがまずは筋だと思います。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 ただ、基金の取り崩しも、最終的な知事、市長の同意ということですが。市の方は全員協議会という場で説明がありました。議員の皆様にも何かちょっと説明の場というか、ガイナーレに関しての状況説明の場というのは必要になってこようかと思うんですが、この辺りはいかがでしょうか。


●知事

 執行段階のことですので、通常ですと、議会だと委員会とか、そういう場での説明かなあと思いますが。まだちょっと正式に、実は、話し合いは市とまだ出来ていませんので、また段取りは考えていく必要はあると思います。




6 鳥取方式の芝生化について 

○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 1週間前ですけど、芝生化のプロジェクト会議ですね、初会合がありました。グリーンスポーツのニール代表もおみえになって意見交換されておられました。先ほどのお話、9月補正の方にも関連予算が計上されるということですが、その芝生化を広める意義、鳥取方式という名前がついていますが、その辺りを推進、県として推進していくメリットというか、効果というのは、どのようにお考えでしょうか。


●知事

 特に、子どもたちの利用を中心に、今回補正予算をお願いをしようと思っています。その趣旨はやっぱり、体力の低下が言われるわけでありますが、芝生化することによって、自然に外で遊ぶようになると。例えば、比較的中で籠っていた女の子たちが外に出て行って、芝生の上で駆けまわるようになったという、そういうレポートがあったりしております。

 ですから、そういう体力増進だとか、子どもたちの健全な成長に対して与える影響というのは十分あると思いますので、そうした検証もやりながら、この芝生化を広げていけばいいと思います。ただ、問題は経費の問題がどうしても出るわけでありまして、鳥取方式の良いところは経費がかからないことであります。

 そういう鳥取方式バージョンでの芝生化もありましょうし。あと、いわゆる鳥取方式でなくて、ちゃんとした和芝(わしば)を使った、そういう芝でやってみたいという学校だとか、保育園もあるでしょうから、そうした所は、そういう鳥取方式でない芝生化もあっていいと思います。

 そこは縛る必要はないと思いますが。我々は、グリーンニューディールの一環として、これからは、環境と親しみながら子どもも成長することが望ましいと思いますので、私たちもその一助となりたいと思っています。




7 米子空港の滑走路延長について 

○山陰中央テレビ 松本英樹 記者

 12月19日から米子空港からハワイのチャーター便が運航されることが正式に決まったわけですけれども、県民にとっては、それに留まらず、定期便とか他の海外へのチャーター便や定期便を期待するわけですけど、その辺の知事のお考えを教えてください。


●知事

 これは、時代がどんどん変わっていって、需要が出てくれば定期便化も、当然視野に入ってくると思います。ただ、いきなりそこまで行くのは関係者のお話を聞きますと難しかろうと。今回、9月の補正予算で入れようとしておりますのは、チャーター便を応援する枠組みを、まずは作っていこうかと思っていまして、そういうチャーター便で試みながら、需要テストして、それから、需要喚起して、いずれは定期便化にもっていくようにならないだろうかということです。

 米子ソウル便も、鳥取空港や米子空港を利用したいろんなチャーターが、飛んだ後、初めて実現したものでございますので、現実的な対応としては、チャーター便対策から始めるのかなと思います。


○山陰中央テレビ 松本英樹 記者

 それは、何度かやっているうちに、定期便ということも視野に入れた形になると。


●知事

 ええ、それは、是非目指していきたいと思います。ただ、空港は2,500メートルになったので、すぐできるっていうことではないものですから、まずは、ビジネスとして成立する環境を作んなきゃいけませんので、それには相当な期間はどうしてもかかると思います。ただ、何もやらないでは進みませんので、チャーター便の支援から始めたいと思います。




8 新政権について(再質問) 

○毎日新聞 宇多川はるか 記者

 新政権の対応で伺いますけど、政府の基金事業を使った事業は6月補正で予算を組んでいると思うんですが、今、粛々と遂行されるしかないというお話だったんですけども、仮に白紙になった場合なんかを、現段階でどのように考えていらっしゃるのか。


●知事

 地方の現場の率直な感想から言えば、白紙化はとんでもないと言わざるを得ないですよね。現に執行している予算もございますので。ただ、未執行というふうにおっしゃってるので、そういった意味での白紙化では多分ないんだろうと思います。

 今、これもちょっと私も、皆さんの方がお詳しいんでしょう、報道でしかちょっと政権情報が掴めないんですけども、報道では、今朝段階まできますと、少しニュアンスが変わってて、まずは、執行停止をするけども、本当に補正予算組み替えるのは、その後の臨時国会、10月じゃない臨時国会だと。

 そういう報道が始まっておりまして、その間に、これは困るよとか、ここは、仕方ないかなと、そういう整理を地方側とよくやっていただきたいと思います。今、ただ単にやめると、全部やめるって言われたら、どこの自治体もひっくり返っちゃうと思いますので、民主党には、是非、政権党として、現実的な対応を求めたいと思います。


○日本海新聞 川口耕 記者

 その凍結の話で、今日の新聞を見てみますと、緊急人材育成就職支援基金と農地集積加速化基金っていう、この2つの名前が具体的に出ているんですけれども、これが、もし分かれば、鳥取県に及ぼす影響みたいなものが、もし分かれば教えていただきたいんですけれども。


●知事

 ちょっと今、にわかには、分析してみないと分からないのですけれども、いろいろとこれからいろんな情報が飛び交うと思うんです。ただ、連立政権の1つの特徴としては、それを構成する主体が合意をして初めて正式決定になると思うんです。

 これを政府の中でやるか、政府の外でやるかで、鳩山代表と社民党で意見が、今、割れてるようでありますけども、いずれにせよ、関係者が合意をして初めて決まるということだと思うんです。それまで、いろんな意見や構想があっても、すぐそれで決まることにはならないと思うんですね。

 特に、これからまだ政権の草創期だと思いますので、いろんな情報は出る中で、何が最後決まってくるかっていうのは、慎重に見ながら対応していく以外にやりようはないだろうと踏んでおります。ですから、我々としては、現在与えられた予算で使える予算を粛々と執行していくというのが姿かなと思っております。


○読売新聞 北島夏記 記者

 予算の凍結であるとか、未執行分で、影響が鳥取県でどれぐらいの額のところで影響を受けるのか、どの事業が影響を受けるかっていうのは整理されていますか。


●知事

 そこは、ちょっと誰も多分、恐らく民主党の人でも掴みきれていないと思います。とりあえず、3兆円という数字が独り歩きしておりますが、これは財務省かどこかが流したとしか思えないですね。決まった数字では、多分ないだろうと思っています。

 そういう意味で、冷静にこれからやっていく必要があると思いますし、先ほども、当選人の湯原さんに申し上げましたけれども、大混乱になりますから、よく地方と話し合っていただきたいというような趣旨は申し上げましたけども、こういうことは多分、あちこちで、そういう民主党さんにアプローチが来ているだろうと思います。

 そういうのを集約していって政権党の中で、この問題を整理していくんじゃないでしょうか。だからこそ、凍結と言っているのは、そこまでしかよう判断せんということになるんじゃないでしょうかね。


○山陰放送 秦卓史 記者

 全国から様々なアプローチが民主党に来る中で、野党の自民を選んだ鳥取県が不利になるというような懸念というのはお持ちでしょうか。それから、もう1つ、昨日、島根県の溝口知事はやはり、国への要望にしても、自民党のパイプを今後使いたいんだというようなことも表明されておりました。知事のこれまでの政治的なスタンスも含めてですね、その辺りはどういうふうにお考えかというのをお聞かせください。


●知事

 県民は、県民の代表として、石破農林水産大臣と赤沢代議士を選んだわけでありますから、代表には違いないわけであります。ですから、その代表を通じて国とのパイプを作っていく。それは、ある意味当然だと思います。

 今までも、[民主党の]川上参議院議員は野党にはおられましたけれども、国会議員への説明会など、鳥取県としてはもちろん川上議員にも行ってまいりました。そういうように、我々は行政執行体でありますので、県民の代弁者として、そうした国会議員、与野党問わず、提言をしたり動いていただくように働きかけをしたりしていく必要があると思っています。


○朝日新聞 井石栄司 記者(幹事社)

 ほか、質問はありますか。なければ。ありがとうございました。


●知事

 はい。どうもありがとうございました。



  

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