防災・危機管理情報

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I 概況

  

1 全国

 内閣府は、平成21年11月の「月例経済報告」で、最近の経済動向について次のように報告している。


(総論)

 景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。
・輸出は、アジア向けを中心に、増加している。生産は、持ち直している。
・企業収益は、大幅な減少が続いているが、そのテンポは緩やかになっている。設備投資は、下げ止まりつつある。
・企業の業況判断は、依然として厳しい状況にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている。ただし、中小企業ではそのテンポは遅い。
・雇用情勢は、依然として厳しい。
・個人消費は、持ち直しの動きが続いている。
・物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
 先行きについては、当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレや金融資本市場の変動の影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。
 政府は、家計の支援により、個人消費を拡大するとともに、新たな分野で産業と雇用を生み出し、日本経済を自律的な回復軌道に乗せ、内需を中心とした安定的な経済成長を実現するよう政策運営を行う。また、「緊急雇用対策」を推進するとともに、雇用・環境等について迅速かつ重点的な取組を行い、景気の下支えを図るための経済対策をとりまとめる。
 日本銀行に対しては、我が国経済が、物価安定の下での持続的成長路線に復帰するため、引き続き政府との緊密な連携の下で、適切かつ機動的な金融政策運営を期待する。

(各論)

○消費・投資などの需要動向
 個人消費は、経済政策の効果もあって、持ち直しの動きが続いている。消費者マインドは、持ち直している。実質雇用者所得は緩やかな減少傾向にある。設備投資は、下げ止まりつつある。住宅建設は、緩やかに減少している。公共投資は、堅調に推移している。輸出は、アジア向けを中心に、増加している。輸入は、持ち直している。貿易・サービス収支の黒字は、増加している。

○企業活動と雇用情勢
 鉱工業生産は、持ち直している。先行きについては、輸出の増加傾向などから、当面、持ち直しが続くことが期待される。企業収益は、大幅な減少が続いているが、そのテンポは緩やかになっている。また、企業の業況判断は、依然として厳しい状況にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている。ただし、中小企業ではそのテンポは遅い。倒産件数は、緩やかに減少している。雇用情勢は、依然として厳しい。

○物価と金融情勢
 国内企業物価は、横ばいとなっている。消費者物価は、緩やかな下落が続いている。株価(日経平均株価)は、10,200円台から10,300円台まで上昇した後、9,600円台まで下落している。対米ドル円レートは、90円台から92円台まで円安方向で推移した後、89円台まで円高方向で推移している。

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2 鳥取県

 需要面の個人消費では、大型小売店販売額(9月)が、全店舗計では前年を上回ったが、店舗調整後(新規店舗等を除く)では前年を下回った。ホームセンター・家電量販店販売額(9月)、乗用車新車新規登録台数(10月)は前年を上回った。
 建設等では、新設住宅着工戸数(10月)、公共工事請負金額(10月)は前年を上回ったが、用途別着工建築物工事金額(10月)は前年を下回った。

 産業面では、鉱工業生産指数(9月、季節調整済)が99.8で前月比3.7%上昇した。なお、大口需要電力実績(9月)は、鉱工業用主要4区分全てで前年を下回った。

 雇用面では、新規求人倍率(10月)は、0.93倍(前月差0.05ポイント上昇、前年同月差0.05ポイント低下)であった。有効求人倍率(10月)は、0.51倍(前月差0.03ポイント上昇、前年同月差0.12ポイント低下)と9か月ぶりに0.5倍を上回った。
 きまって支給する給与(9月)、所定外労働時間(9月)とも前年を下回った。


○需要面の動き


【個人消費】
 大型小売店販売額
(9月)は、全店舗計では50億8,700万円となり、前年同月比12.0%増と3か月続いて前年を上回ったが、店舗調整後では前年同月比1.8%減(全国は前年同月比5.6%減)と18か月続いて前年を下回った。なお、全店舗計の内訳では、百貨店が15億1,600万円(前年同月比13.1%減)、スーパーが35億7,100万円(前年同月比27.6%増)であった。
 ホームセンター・家電量販店販売額(9月)は31億5,300万円(前年同月比2.7%増)と4か月ぶりに前年を上回った。内訳ではホームセンターが17億4,800万円(前年同月比1.3%減)、家電量販店販売額が14億500万円(前年同月比8.1%増)であった。
 乗用車新車新規登録台数(10月)は1,876台(前年同月比22.3%増)と5か月続いて前年を上回った。内訳では、普通車、小型車及び軽自動車全ての区分で前年を上回った。

【住宅建設】
 新設住宅着工戸数
(10月)は257戸(前年同月比11.3%増)と10か月ぶりに前年を上回った。内訳では、持家系(前年同月比4.1%増)、貸家系(前年同月比19.1%増)とも前年を上回った。

【設備投資】
 用途別着工建築物工事金額
(10月)は3億6,400万円(前年同月比72.7%減)と前年を下回った。用途別では、製造業(前年同月比89.6%減)、医療,福祉(前年同月比77.8%減)等で前年を下回り、卸売業,小売業(前年同月比135.3%増)で前年を上回った。

【公共工事】
 公共工事請負金額
(10月)は103億1,800万円(前年同月比10.5%増)と3か月続いて前年を上回った。発注者別内訳では、国(前年同月比28.5%増)、県(前年同月比28.6%増)等で前年を上回った。


○産業面の動き


【産業活動】
 鉱工業指数
(9月)は生産指数(季節調整済)が99.8となり前月比は3.7%上昇、原指数は94.9となり前年同月比では2.0%上昇した。
 内訳を前月比で見ると、食料品・たばこが10.3%低下となり3か月ぶりの低下、電子部品・デバイスが4.5%の上昇となり6か月続いて上昇、電気機械が9.5%の低下となり3か月ぶりの低下、一般機械が19.2%の上昇となり2か月ぶりの上昇となった。
 在庫指数(季節調整済)は96.5と前月比3.1%上昇した。

【電力】
 大口需要電力実績
(9月)は126,018千kWh(前年同月比7.0%減)と14か月続いて前年を下回り、鉱工業用電力も主要4区分の全てで前年を下回った。

【青果物卸売量】
 
鳥取市場の青果物卸売量(10月)は野菜が1,864t(前年同月比6.3%増)と2か月続いて前年を上回り、果実は1,078t(前年同月比2.1%減)と前年を下回った。
  鳥取市場の青果物販売量(10月)のうち鳥取県産の卸売量は野菜が712tで市場全体に占める割合は38.2%(前年同月差3.0ポイント上昇)、果実は393tで市場全体に占める割合は36.5%(前年同月差2.3ポイント上昇)であった。

【漁獲量】
 境港の漁獲量
(10月)は16,999t(前年同月比49.4%増)と5か月続いて前年を上回った。


○雇用・金融面の動き

【雇用】
 新規求人倍率
(10月)は0.93倍(前月差0.05ポイント上昇、前年同月差0.05ポイント低下)であった。なお、新規求人数(10月)は3,730人で前年同月比4.1%の減であった。
 有効求人倍率(10月)は0.51倍(前月差0.03ポイント上昇、前年同月差0.12ポイント低下)と9か月ぶりに0.5倍を上回った。

【賃金】
 現金給与総額
(9月)は243,615円(前年同月比1.8%減)と9か月続いて前年を下回った。そのうち、きまって支給する給与(9月)は、242,394円(前年同月比1.7%減)で16か月続いて前年を下回った。

【労働時間】
 所定外労働時間
(9月)は7.7時間(前年同月比16.1%減)と14か月続いて前年を下回った。主力の製造業は19.1%減となった。〔産業別の前年同月比では、電気ガス水道業(前年同月比26.9%増)等で前年を上回り、卸売業,小売業(前年同月比40.6%減)等で前年を下回った。〕

【預金・貸出金残高】
 預金残高
(9月末)は1兆9,324億円(前年同月比4.6%増)と9か月続いて前年を上回り、貸出金残高(9月末)は1兆1,310億円(前年同月比0.7%増)と5か月続いて前年を上回った。


○参考

・ 鳥取県景気動向指数(9月)は先行指数が7月87.5、8月87.5、9月75.0、一致指数が7月87.5、8月100.0、9月62.5、遅行指数が7月40.0、8月40.0、9月20.0となった。

・ 企業倒産(10月)は件数が5件で前年に比べて3件増加(前年同月比150.0%増)し、負債総額は5億5,600万円で前年に比べて4億2,600万円増加(前年同月比327.7%増))した。

・ 消費者物価指数(10月:鳥取市、総合、平成17年=100)は99.5(前月比0.3%低下、前年同月比2.3%低下)となった。

 ・ 鳥取県の推計人口(11月1日現在)591,156人で、前月と比べて6人(0.00%)増加し、前年同月と比べて3,607人(0.61%)減少した。

・ 鳥取県の企業経営者の見通し(主要300事業所、年4回調査)を平成21年11月調査でみると、平成21年10~12月期は平成21年7~9月期に比べると、景気、売上高及び経常利益のいずれもがやや好調となっている。

  

最後に本ページの担当課    鳥取県 総務部 統計課
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