防災・危機管理情報


平成21年12月28日(月)午後4時から
県庁講堂

 皆様、こんにちは。本日ここに仕事納めを行うこととなりました。皆様方それぞれ、県の職員の方々から本当に大きな貢献を県政に対してしていただいたこと、心から感謝申し上げたいと思います。

補足説明 
 仕事納め式のはじめに、業務に対する職員の意識・意欲を高めるため、平成21年に他の模範として顕著な功績、業績が認められた所属・職員に対する知事表彰を行いました。

 今も表彰が数多くありました。17の所属と7つの個人の表彰を行いましたけれども、実はこれに限りません。目立った功績として報道されたものもあれば、ごく目立たないまま終わってはいますけれども、本当に素晴らしい仕事というのは、後々残るものだと思っております。是非、それぞれの思い出の中に、今年1年いかなる仕事をしたか、また改めて胸に刻み込んでいただきまして、明年以降の仕事に役立てていただきたいと思います。例えば、ワークセンターは発足をして、障害を乗り越えて本当に県庁の中の連絡役として、明るくいつも元気よく、私たちに語りかけていただきました。素晴らしい仕事は全国の人も注目していると思います。本当におめでとうございました。それから、その他にも、いろんな出来事が私ども県庁を見舞ったことになりました。私は恐らく大変な激動の中の1年だったと思います。

壇上で挨拶をする知事の写真

 ちょうど1年前、私たちが何をやっていたかと言いますと、サブプライムローン問題が起こりまして、経済・雇用が大変な状況に追い込まれた。それで、まずは、経済雇用対策を年明け早々1月に県議会を開くという異例なことから始めたわけであります。さらに、新型インフルエンザが襲ってまいりました。そして、政権交代があり、いわゆるパラダイムシフトとでも言うべきような政策の転換が行われたわけであります。様々な波が私たちを襲ってきたわけでありますが、この1年、皆様にはいわば防波堤として、またはリード役として仕事をしていただいたわけであります。経済雇用対策も累次にわたる対策を組むことが出来ました。これは全庁挙げてのことでありまして、皆様にも大変にご苦労をおかけしたと思います。

 新型インフルエンザは、我々が予想していたのとは違った展開になりました。鳥由来の強毒性のインフルエンザを予想をしていましたけれども、H1N1の豚由来の弱毒性ということになりました。ただ、予想は1つ当たりました。それは、大変なパンデミックと言われるような流行が起こったことであります。今年1年間、これに振り回されたような状況になりました。PCR検査を特に初動においては、衛生研究所の皆さんに大変にお世話になりましたし、それから、福祉医療関係、また、防災関係を中心として各部局で力を結集していただきまして、今もそうでありますが、24時間体制で県民の安全・安心・健康のために日々闘っていただいているわけであります。お蔭様で、鳥取県はこの新型インフルエンザの流行の波は、全国からも4週間遅れてやって来ているんです。私たちは、実はそれを目指して、これまでの対策を組んできたわけです。なるべく流行の波が来るのを遅れさせよう、そして、その波の高さも低く抑えようということでありました。この両方とも、鳥取県は、まずは成功したんだと思います。それで、現在は新しいインフルエンザのワクチン注射を始めておりますけれども、全国の皆様にもうらやましがられるような、受験生の方には27日に集団接種におよびました。これは、全国でも、ニュースで報道されるぐらい良いニュースになったと思います。出てきた子どもさんの高校生の顔が輝いていました。これで、安心して受験勉強に専念しますということでありまして、本当にその通りやってくれよなという気持ちもあるわけでありますが、その成果は期待したいと、今年は多分大躍進の年になると思いますけども、そういうような良いニュースがあったりいたしました。

 それから、厳しい中ではありますけども、私たちは次の時代を開いていかなければならないわけであります。そのために、鳥取自動車道の完成を目指してやったり、スマートインターチェンジの計画を立てたり、米子空港の2,500メートル滑走路もようやく出来上がりました。先般はハワイに向けて満席の飛行機が飛び立ったわけであります。こうやって新しい時代を開く萌芽が見え始めました。それは、大交流時代と言われるものだと思いますが、その象徴と言ってもいいのが、DBSクルーズフェリーの開航でございました。この航路が出来上がることで、全世界の各地と結びつく、しかも、日本の日本海側で今までなかった航路が出来あがったわけであります。まだまだ、順風満帆とは言えないわけでありますけれども、歴史に1つの石を投ずることが、皆様のお力で出来たと思います。

 さらに新しい産業の芽を作っていこうというテーマで、グリーンニューディールの施策にも、我々はいち早く取り組んだわけであります。環境対策は元よりといたしまして、エコカーや太陽光発電といった将来の産業の芽を鳥取県内でも育てていこうではないか、こういう力強い提案をいただきました。蓋を開けてみますと、現在ですね、皆さんも驚かれるかもしれませんが、世帯当たりの太陽光発電の実施の住宅用の率など、各種の指標で鳥取県はトップを争う程、大きく抜きんでた存在に、今、なって来ています。鳥取県から自然環境の良さ、環境に対するマインドの素晴らしさを発信をしようということになり始めました。その象徴とも言えるのが鳥取砂丘の、日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例の施行であります。砂丘に行きますと、非常に気候の悪い時にでも、レンジャーの部隊が活躍をするようになっておりまして、落書きの数も減ってきたと言われています。私は、このように環境に対する取り組みというのが、行政サービスの一つの評価指標になってくる時代だと考えております。鳥取県はそのリーダーとなり得る資格を、今得つつあるのではないかというように考えております。

 さらに、関西圏との繋がりを目指そうとしたわけでございまして、近畿の知事会を青谷で開催するという画期的なことが起きました。また、新しい品種改良、先ほどは地鶏のピヨの復活の話もあるわけでありますが、その品種改良、種系の改良についての表彰がありましたけれども、そういうことなど様々ですね、果実を含めた品種改良に取り組まれて、実績も上がり始めました。高い値段での取引も行われるようになってきております。人権問題でも相談窓口を開設をするわけでありまして、これも他地域にはない温かみのあるネットワークづくりに役立ち始めたということではないかと思います。このように、総じてみますと、安全、安心、活力の増進、あるいは「日本のまつり」に代表されるような文化芸術の輝きが生まれ始めた1年だったと思います。本当に職員の皆様に改めてこの1年間のご労苦をねぎらい申し上げたい、御礼を申し上げたいと思います。

 ただ一方、私たちは、この年の瀬にもう一度考えてみたいことがあります。1つは職員の県政に対する、行政に対する、職務に対する取り組み姿勢であります。残念ながらコンプライアンスということが問われた年ともなってしまったわけであります。私は、中にいるものとして長く県庁も見てまいりましたけれども、ここ2、3年は、それまでと違って会計面でも非常に徹底して裏金を排除する取り組みが進みつつあったと思います。ただ、県民にとって、一番大切な公金を1円たりとも無駄にしないようにしてほしいという願いは強いわけでありまして、この点では私たちはまだ目標を突破してはいないわけであります。ですから、もう一度、年末年始静かにご自身の職務に対する姿勢をもう一度検証していただきたいと思います。それで、年明けからは一新したスタートを県民にお誓いを申し上げなければならないと思います。今、県庁の各部局に協力してもらいまして、県民に対する誓いの言葉を集計しているというか、作成立案の真っ最中になってきております。明年度が新しいスタートを清々しく切れるように、皆様には心静かにもう一度自分を点検していただきたいと思います。

 それから、私たちがこうして仕事納めをしている傍らで逆に仕事がない、また経済的にも厳しい状況があるとして、悩んでおられる人たちがいることも忘れてはならないと思います。明日、明後日も開庁をし、相談窓口を開設をいたします。しかし、これで終わりになるはずはありません。年明け早々から新しい経済雇用対策の作成に取り掛かろうと思っています。その辺の構想も皆様に今一度練り直していただきたいと思います。このようなことを皆様方に申し上げながら、改めてお礼を申し上げたいと思います。年末に来て、いろんな残念なニュース、交通事故も多発をしています。大山町の議会の議長さんが命を落とされることにもなりました。そうしたことに心から弔意を申し上げたいと思いますが、ぜひともご家族お揃いで、ご壮健で新年を輝かしくお迎えになられますよう、心からお祈りを申し上げます。

 また、1月4日の日、元気な顔でお互いにおめでとうと言いあって仕事をスタートしたいと思いますので、この年末年始、ぜひともごゆっくりご家族と共にお過ごしをいただきたいと思います。心安く、そして輝かしい新年を皆さまがお迎えになられますよう、お祈りを申し上げまして、私の方からの挨拶にいたします。どうもありがとうございました。

  

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