知事定例記者会見(2011年5月26日)

平成23年5月26日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約41分) ※MPEG4形式

  

1 6月県議会 

●知事

 皆さん、おはようございます。来週から6月県議会招集をさせていただくことになりました。先週申し上げましたが、110億9,500万円の補正予算を編成いたすとともに、それから条例改正として組織改正も提案していくことにいたしております。危機管理局を設置する、未来づくり推進局を設置する、子育て王国推進局、さらには健康医療局といった、そうした組織をこのたび、整備をさせていただき、まんが王国のための課室も設けさせてもらいたいといふうに考えております。最初の新しい県会議員との論戦の場でございますので、静々粛々と論戦に臨んでまいりたいと思いますし、これから4年間の任期を全うする、その第一歩として、まずは、県民の皆さまの前に、オープンにその議論を展開してまいりたいと考えております。



2 自然エネルギーを普及促進する協議会の設立 

●知事

 昨日、東京の方で自然エネルギーについての自治体を交えた協議会を設立しようという記者会見がありました。孫正義社長さん、ソフトバンクの社長さんだとか、また、埼玉県知事をはじめとした知事の面々が集まりまして、そうした発表をされたところであります。鳥取県からも出席をさせていただきまして、昨日はオブザーバー的な立場でおりましたけれども、ただ、これから来月に向けてきちんとした設立の準備に入っていくわけでございまして、私は、孫正義さんのおっしゃっている自然エネルギーの推進に賛同をするものであります。今日も関西広域連合[委員会]がこの後、開催をされまして、私はテレビ会議方式で参加をさせていただきます。その中でも発言をさせていただきたいと思っておりますけれども、鳥取県として孫正義さん、20メガワットのメガソーラー[大規模太陽光]発電を全国で展開しようという、そういう構想をこれまでも打ち出されてきておられます。鳥取県として、20メガワットのメガソーラー発電を、用地を提供をし、そして事業に一緒になって着手していく用意がありますよと、そのことを孫正義さんに申し伝えたいと思いますし、関西広域連合の中でも同様の議論が展開されるのではないかと思います。

 具体的にも鳥取県の場合ですと、すぐにでも着手できる場所があります。米子[市]の崎津にあります、[米子崎津地区]工業団地や住宅団地の用地として整備されたところなどがございます。こうしたところは日陰もございませんので、すでに造成済みでありますし、いつでも設置をすることは可能だということでございます。これらでざっと30ヘクタール以上のものがございますし、当然ながらその周囲には空地がございます。こうしたことで言えば、鳥取県は具体的に提案できるスペースがありますし、それから、米子を中心としてスマートグリッド[次世代送電網]のメッカにしようと動き始めたところであります。国に対する特区の構想も進めているところでございまして、ぜひ、孫正義さんがかねておっしゃっているメガソーラー発電の構想に鳥取県としても手を挙げさせていただきたいと考えております。もちろん、これから、いろんな具体的な仕組みの交渉なり協議、それで実際に立地可能かどうかというようなことがあろうかと思います。まずはスタートを切ってみてはどうかなあというふうに考えておりまして、今日はそうした話もさせていただきたいなと思っております。



3 東日本大震災に係る取組み 

●知事

 東日本大震災につきましては、鳥取県としては全国でもいち早く取組を始めたところであります。ただ、他山の石として県内でもいろんな動きをしなければならないし、経済的な影響の問題もございます。[5月]31日に市町村長を集めての行政懇談会を開催をいたしますが、そのメインテーマとして危機管理を取り上げたいということにしておりまして、従来の市町村長との意見交換に留まらず、危機管理のトップセミナーを併催するかたちで、今回の震災を踏まえた市町村との協調体制を作り上げていきたいと考えております。

 また、[5月]30日には中小企業向けの自立サポートの融資がございますが、この枠を倍増させてもらいたいと思っています。ある融資ですと1億円の融資枠がある、これを2億円へ倍増しようとかですね、それから、条件も緩和しまして、借りやすくしよう、そうやって県内の経済影響に備えてまいりたいと思います。[5月]30日からは、具体的な、非常に困難な状況にあると、なんとかこれを打破しようじゃないですかという企業さん向けに、そういう相談窓口を東部、中部、西部、そして日野の4か所に設置をすることにいたしたいと考えております。こういうようなことを通じまして、新しい動きを始めていきたいと思います。

 来週の[5月]30日には、島根県知事との両県知事会議、新しい2期目が始まって就任後初めての両県[知事]会議になりますが、これも実施をし、中国地方の知事会も同じ日に松江[市]で開催をされます。私は、そういう場で原子力安全の問題など、そうした防災面の課題について議論を提起したいと思いますし、ぜひ、山陰両県でまとまって、原子力安全に向けた動きを進めていきたいなと考えております。先日は実務者レベルでの話も始まりまして、今、30キロメートル圏内をターゲットとして、その中でのいろんな人々の状況などの調査をまとめるところから始めましょうという話合いをさせていただきました。国の方の動きは相変わらず緩慢でございまして、福島原[子力]発[電所]をまず何とかしなければならないということでありますから、それを優先していただいても結構でありますが、地元としてできる限りの動きを始める必要があるだろうと考えております。




4 環日本海拠点化をめぐる動き 

●知事

 その他、環日本海時代をにらみまして、このたび[5月]24日にロシアのウラジオストクでビジネスサポートセンターを作らせていただきました。ロシアと日本との交流を鳥取県を窓口として行っていただく、山陰を窓口として行っていただく、そうした事務所の開設がなりました。従来のものと違いまして、港の中に立地をするスタイルでスタートをさせていただきまして、ここにはリパエフさんという[ロシア]連邦の産業貿易省の沿海地方代表のかた、さらには、サプルィキンさん[ウラジオストク市国際関係観光局長]だとか、フルショフさん[沿海地方行政府産業運輸局長]だとか、ウラジオストク市や沿海地方の国際関係や産業貿易を担当する局長さん、こういうかたがたにも来ていただきまして、地元のメディアでも報道がされました。そういうようなことでスタートを切らさせていただきました。

 韓国ではハナツアーの主催をいたします旅行博[2011 HANA TOUR 旅行博覧会]に参加をしまして、4万5,400人の来場者があり、[韓国ドラマ]アテナなどが大変に好評であったという手応えも感じたところであります。ハード面の整備が、これから課題になると思います。近々、環日本海の拠点港の募集が国の方でなされると伺っておりますが、境港をぜひ、採択いただくように運動を始めてまいりたいと思います。それの一環として、現在、[境港市]中野で、国の直轄で岸壁整備が始まろうとしておりますけれども、国際フェリーターミナルの整備の手法についても国との、ぜひ協議なり、要望に入っていきたいと思います。これは国の方と今後話合いも必要かとは思いますけれども、国の直轄事業として、そういうターミナルの整備を行うことも選択肢の1つにして、国と早急に協議をし、片方で、環日本海拠点港の手を挙げながら、もう片方で、予算編成に向けた国直轄の採択も含めた新しい港整備の動きを起してまいりたいと考えております。

 


5 近畿・中国・四国B-1グランプリの2012年鳥取市開催 

●知事

 その他、これからのことになりますけども、ついこの間開かれました西日本でのB級グルメの大会[近畿・中国・四国B-1グランプリ]で、鳥取県の鳥取市が次期開催地に選ばれたことは大変に嬉しいお知らせであったと思います。鳥取には素晴らしいB級グルメもございますので、県もその実行委員会、組織されるのであればその一角に加わって、積極的にこうした動きを支援をさせていただきたいなというふうに考えております。いろいろとこれから議会が始まりまして、議論も起きてくるかと思います。鳥取県を地方自治のモデルとしていくように全力を挙げて、これからの季節を過ごしてまいりたいと思います。私からは以上でございます。


○産経新聞 服部幸一 記者(幹事社)

 それでは、各社質問があればどうぞ。




6 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置候補地 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 メガソーラーの話なんですけれども、米子[市]の崎津の工業団地を1つ、候補地として、今挙げられたということでよろしいんでしょうか。


●知事

 ええ。これはいろんな構想があります。例えば、鳥取砂丘はどうだろうかという構想もありますし、今、全国で適地を探しているわけですね、鳥取砂丘の場合は景観上の問題だとか、いろんな課題もあるかもしれません。ただ、それ以外にも、[米子市]崎津のようなすぐにでも使える土地があるわけであります。鳥取県として、具体的な提案をソフトバンク向けにしていってはどうかと思っておりまして、今日は孫正義さんも関西広域連合の会合に顔を出されるそうでありますので、テレビ会議方式にはなりますけれども、鳥取の提案をぶつけてみたいと思います。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 崎津の団地は、その企業局が持つ工業団地と、あと、住宅公社の住宅団地、どちらも今、まったく売れずに、言い方は悪いですけど、塩漬けの土地になっていると思うんですけども、それがこういう資源エネルギーの関係で、解消できるというか、有効活用できるとすれば県にとっても一石二鳥のような気がするんですが、その点について、強くその工業団地で推進するというようなお考えではないですか。


●知事

 ええ。ぜひ、押してみたいと思います。孫正義さんがかねて主張されているのが、かなり急ピッチで、こういうメガソーラー発電を全国で整備しなければならないということでありました。昨日もその協議会の中で遊休の農地を活用してという構想があったわけでありまして、これももちろん賛同するわけでありますが、スペース的なロットの問題からすれば企業効率を考えれば一段のまとまった土地が魅力があるんではないかなというふうに思います。もちろんこれにはクリアすべき課題はいろいろあります。昨日の協議会の中でも議論がなされてはいますけども、まず、国の全量買取制度ですね、例えばドイツだとか、そうしたヨーロッパの先進地域を見習えば、日本もこれを導入をしていかなければならない。これ、まだ、国の方の議論の真っ最中でありますけども、そうした課題を克服しながら次の時代の最先端としてメガソーラーのようなものを、鳥取のような自然環境に溢れたところでどうかなあというふうに思っています。

 幸い、遮るものがない立地条件でありますので、仮に砂丘という議論が起こったとしても、遮るものはありませんので、他のところに比べますと、例えば、遊休農地であれば、遊休農地の中には木陰もあって、いろいろと遮るものが出てきますけども、全くそういうのはないですから。確かに日照時間の問題で、常に山陰はああだ、こうだということを関係者から言われるわけでありますけども、トータルで見ていただければ、競争性はあると思います。もちろんこれは、お見合いみたいなものでありましょうから、今後鳥取県に本当に立地ができるかどうかということは十分協議をしていきたいと思います。もちろん崎津の工業団地や住宅団地、このメガソーラーの立地がならずとも、その他の企業誘致だとか、これも今でも進めておりますので、そうした活動は続けていきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 それを提案される手続きとしては、今日の関西広域連合での会議で提案するということになるんでしょうか。それとも、協議会の方に申し出るっていうかたちになるんでしょうか。


●知事

 分かりません。まだ動き始めたばかりの話でありまして、まずはこういういいところがありますよという訴えかけを関係者の皆さまに提案をしていきたいというところであります。


○読売新聞 野口英彦 記者

 30ヘクタールというのは全国でも有数の規模ということが言えますでしょうか。


●知事

 なかなかないでしょうね。それで、実はその他の周りの土地も含めれば、孫正義さんがかねて構想されているような50ヘクタールだとか、大きな土地の可能性も十分にある立地でございますので、面白い話になるんじゃないかなと思います。もちろん、ビジネスはビジネスですので、それに地元も共同経営というかたちで参画をするとか、いろんなことこれまでもおっしゃっていて、まだはっきりしませんけれども、その辺よく見定めながら県としても提案を具体的にしていきたいというところであります。もちろん、まだ海のものとも山のものともということかもしれませんが、自然エネルギーの1つのメッカとして、これまでも風力発電の立地など、かなり急ピッチで進んできましたけれども、それ以外のエネルギーの活用も図ってまいりたいなと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 50ヘクタールということは、米子市にも声掛けるんですか。


●知事

 まずは、これから協議はしてみないといけないと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 [米子]市の所有の部分がありますよね。あれも使ってくるのかな。


●知事

 先程塩漬けという表現が適当かどうか分かりませんけれども、かなり過去の国の事業のつけ回しで地元が苦労してきた部分が、一団の土地があるということだと思います。





7 境港フェリーターミナル 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 先程、中野国際フェリーターミナルの話が出ましたけれども。


●知事

 竹内[地区]です。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 中野地区。


●知事

 中野地区が、今、直轄の調査対象になりました。竹内[地区]がまだ決まってないんですけれども、これをどうするか、非常に今、この震災後の状況ですから、ハードルは高いわけでありますので、いろいろと工夫をして、国に働きかけなきゃいけないなと思っております。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 時間的にはまだ始まってないんですよね、調査費がついただけで。


●知事

 調査費もついてないです。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 付かなかったでしたっけ。


●知事

 これは県として必要な、いろんな今、船回しの問題だとか、そういう下調べをしている、そういう予算があるのみでして、国として採択をして作りましょうという状態には、今、なってないです。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 今のその竹内の[フェリー]ターミナルですけども、これまでは境港管理組合さんが主体になって、国の補助事業としての採択を求めておられたと思うんですが、先程、知事が直轄事業として行うのも、選択肢の1つとおっしゃったんですけども、これ、国に直轄やってくれと要望するという意味でいいんですか。


●知事

 そうですね。ただ、これ、ちょっと国のご当局と言いますか、関係者とも考え方をすり合わせをしなければいけないと思います。今、社会資本整備の関係が非常に予算が変動しておりまして、今回の6月補正の中でも、議会側からも多分、恐らく、議論が沸騰する部分があるだろうと思います。補助採択だとか、そういうところの枠が、ぎゅっと絞られてきております。どうやるのが早く整備できる道なのかということで、国側とも協議に入りたいなと思っています。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 今、そのシンガポールの客船の話がありまして、ACTA[アジア・クルーズ・ターミナル協会]ですかね、そういうのに境港も加盟するという話が出ていますけども、そういう大型豪華客船なんかもですね、誘致するのにあたって、やっぱりフェリーターミナルがないと、どうしても難しいかなという気がするんですが、その辺やっぱり、その必要性が高まってきているということなんでしょうか。


●知事

 ええ。今、DBSクルーズフェリーが就航し始めましたし、それで、日本海側では、一番旅客が乗り降りする、国際旅客が乗り降りする港になったわけであります。ただ、それに相応しい実態がまだ、建物とか、施設整備として出来上がっていないですから、そこを解消しなければならないと思っております。その意味で、竹内にフェリーターミナルを作るって、きちんとした玄関を、外国のかた向けにも作る必要があると思います。もちろん、内航船[内国航路を航行する船舶]だとかにも使えますし、今でも「飛鳥」、「飛鳥2」など、境港にやってきている船もございますし、今、おっしゃったACTAと言われる、クルーズフェリーのターミナルの協同組合をアジア全体で作ろうという動きがございます。

 これも、秋頃にその設立の具体的な会をやろうということに、今なりつつありまして、早ければ、新年度とか、そうした時期に船はやってくるかもしれないと、かなり急ぐことでございます。もちろんすぐに、港というものは出来るものではありませんので、できるだけ早く、そうした事業が着手できるような環境を模索していきたいという考え方です。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 現時点では、確か500[万円]の調査費が国でついたのではなかったかなと思いますけど。


●知事

 それは、中野[地区]の方に、そうです。それも、厳密な普通の調査費よりも、少し可能性調査的な色彩にはなっていますが、中野の方の国際ターミナルの整備ですね。これは、こないだも市村政務官が来られまして、現場を見ていただきました。進めたいという政府の意思かなというふうに思いましたので、これはぜひ、今の調査を活用して進めてもらいたいと思っております。竹内[地区]がまだ白地になっているんです。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 具体的な計画っていうのは進んでないわけですね、それを見ると。具体的なっていうのは、可能性の調査を今、やっておるということだから、可能性があるかないかを見極めた上で。


●知事

 そう、中野[地区]についてはそういう段階です。





8 県・市町村行政懇談会 

○NHK 月岡信行 記者


 [5月]31日の行政懇談会なんですが、危機管理がテーマということですが、これはあれですかね、県の防災計画とか、そういった絡みとか、そういう話になるんでしょうか。津波とか。



●知事


 ええ。もちろんその見直し問題も含めて、議論をしたいと思います。専門の先生にも来ていただいて、津波の問題だとか、地震の問題だとか、そうしたことを念頭においた議論をしなければいけないと思っています。



○NHK 月岡信行 記者


 そこで、原発っていうのはテーマになりますか。



●知事

 原発も当然、今の動きについて、県側からも報告したいと思います。この[5月]27日には、中国電力の山下社長にもお越しをいただく、今段取りにしております。それから、来週は、中国[地方]知事会も[5月]30日にございまして、島根県知事とも協議をする場がございます。それらで、ある程度、我々の考え方を訴えかけた感触も出てくるかなと思いますので、その辺も踏まえた議論をしたいと思います。





9 橋下大阪府知事発言 

○日本海テレビ 山本愛 記者

 大阪[府]の橋下知事の議員定数の発言なんですけども、昨日も会見で反論をされたみたいなんですが、平井知事の考えを改めてお願いいたします。


●知事

 それはもう、さんざんやり取りもございますので、あんまり、ええかなと思いますけども、今日、これから、関西広域連合[委員会会議]の機会もございますので、テレビ会議方式でどこまで話ができるかはありますけれども、可能であれば意見交換というか、してみたいというふうに考えております。私の基本的な考え方は、今、大阪府の中の問題があると思うんです。それは大阪府の自治の問題でありますから、私の方でどうこう言うものでもないと思いますし、むしろエールを送るべき話かもしれません。人口10万人を1つのメルクマール[指標]として、そして新しい議員定数を設定しようということであります。

 ただ、これを地方の全ての都道府県に適用して、その議員、県議をどうこうという議論が提起をされたわけでありますけども、それぞれの、自治体にはそれぞれの事情があるわけですよね。市町村で言えば、大阪市みたいなでかい所もあれば、鳥取県の日吉津村みたいな小さな所もある。そこで同じ人口基準で議員の設定ができるかと言ったら、それは無理であります。同じことは都道府県についてもあるわけでありまして、従来から、それぞれの地域ごとの自治を育ててきた。その背景としての議員の数というものが設定をされてきました。これがあって、それを下敷きにして、それぞれの県が議員数を設定しているわけであります。大都会と違いまして、私たちのところは中山間地を多く抱えたり、なかなか出たくても出られない高齢者の数が多いとかいうことがあります。

 鳥取県だとか島根県、そうした山陰両県には山陰両県なりの自治のスタイルが育ってきています。そういう現実を全て捨象して、ただ単に人口だけで一刀両断で割り切れるかと言うと、それはそうじゃないんじゃないかなというふうに思います。なぜ、鳥取県だけに矮小化した議論をされるのか、それはちょっと得心がいきません。もしされるのであれば、和歌山県とか、滋賀県だとか、近隣の県だってあるわけでありますから、それで、鳥取県が云々かんぬんということで議論するのでなくて、むしろ、これは地方制度全体の問題として、どういう自治制度のあり方が良いのかという議論を正々堂々と提起すべきだと思うんですね。

 それを、わざわざ鳥取県を引き合いに出して、そして、そこのやり方おかしいと、さらには市町村の議員の数がどうだ、こうだとかいうことまで言うと、それは自分のところの議論ではないでしょと。我々は我々なりのスタイルでやってきていますし、この間も、4月には定数是正をして、3名の定数削減をやったわけであります。片山県政のとき、8年掛かってできなかったわけでありますけども、この4年間で結論を出して、今回、改めて久方ぶりの定数削減にも踏み込んだわけですよね。そういう現実を、たぶん認識されてないんじゃないかと思います。そういうようなことの議論でございますので、私としては、主張すべきは主張していかなきゃならないことになったということでございます。


○日本海テレビ 山本愛 記者

 テレビ会議の場では、お話はできそうなんでしょうか。


●知事

 それはちょっと分かりません。司会者もいらっしゃいますし、どうしても、隣に座っていて、ちょいちょいとつつくわけにはまいりませんので、どういうかたちで進められるのか、初めての経験でありますので、関西広域連合でテレビ会議をやるのは。ちょっと、どうなるかなと思います。


○山陰放送 秦卓史 記者

 橋下知事が鳥取県を引き合いに出されたのは、全国[人口]最少の県であって、ある意味、象徴的な存在であるから鳥取県というふうな、関西広域連合のメンバーでもありますし、出されたと思うんですが、そういう意味でも、全国的にも鳥取県というのは注目されている存在だとは思うんですが、この論争を橋下知事が続ける限り受けて立たれるおつもりでしょうか。


●知事

 本来は、地方制度論、地方自治論として議論の土俵を設定されるべきではないかなと思います。1県の問題として、鳥取県の問題として議論をするのは筋違いだろうと思います。





10 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置候補地(再質問) 

○読売新聞 野口英彦 記者

 先程のメガソーラーの関係なんですが、発電した電気をどこに、どうやって送るかということになると、送電の問題が出てくると思うんですね。そうしますと、鳥取県としてもソフトバンクなどと共同して電力の自由化を求めていくということになるんでしょうか。


●知事

 それは、送電の受諾ということがありますので、そうしたことも当然ながら今後の電力需給の調整の中で考えなければならないと思います。これからどうなるか、ちょっとまだ読めません。この度、政府で、向こう10年間で自然エネルギー[をエネルギー全体の中の構成比を]20%に持っていきましょうというような議論をされていますけども、そういう中で、当然ながら電力需給を今後再調整するために、そういう電力の発電をしたところの引受けの義務ですとか、それから、そのための売買電の単価設定、そういう義務設定だとか、その辺をどうするかということに議論がなると思います。その辺と絡み合わせながら、こういうメガソーラーだとか、あるいはこの他にも風力発電や小水力発電だとか、鳥取県内の取組もやっていくわけでありますが、そうしたものの動きが今後出てくるはずであると思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 この売電の話って、明日の中[国]電[力]の社長との話で出てまいりますかね。


●知事

 明日、ちょっと、基本は原発の話だと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 実務の話、じゃ、あまり出ないというふうに思っておられるんですか。


●知事

 私は、実は、これから自然エネルギーの課題もありまして、せっかく[中国電力]社長さん来られるので、自然エネルギーを増産をしていくと、そういう中で鳥取県は役割を果たしたいというお話をしようと思っていましたけども、ちょっと今は、議題の設定自体は原子力安全に基本的には絞ったかたちで、明日来ていただきます。明日にならないとちょっと、どういう話になるかは、分かりません。


○読売新聞 野口英彦 記者

 例えば、以前、知事は原子力発電というのはやや抑制的であるべきだと、今後ですね、というふうに発言されたんですけど、そのことと、つまり中国電力に対して安全性をしっかりしてくださいという、運転はね、だから、慎重にしてくださいということ、その代わりに太陽光で鳥取県としてエネルギーを確保しますよという話なのか、その辺り、リンクするんでしょうか。


●知事

 それはもちろんリンクします。全体として、パッケージとして、国の中で産業だとか、生活の活力や豊かさを維持しながら、そして、エネルギー政策をシフトさせていかなきゃいけないと思うんです。そういうときに、恐らく国が主導的役割をやっぱり果たしてもらう必要があると思いますけども、地域としても積極的に時代を先取りした動きを起こしていっていいのではないかなと思っております。ただ、もちろん、鳥取県というのはそんなに大きな財政力はあるわけではございませんし、今回、全国規模で、そういうメガソーラー発電のような構想が飛び出していますので、我々としても、そういう議論の中に提起をしていく必要があるだろうと考えておるところです。


○山陰中央新報 道下健弘 記者

 確保なんですけども、50ヘクタールは確保できそうなんですか。


●知事

 今、これはまだ仮定の議論なんですよね。つまり、これからが、いろんな交渉だとか協議、そして具体化できるプロジェクトは何かということになってくるわけでありまして、まだ卵ないしシーズ、種の段階だと思います。その可能性の中で、我々は50ヘクタールの可能性は十分あると思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 50ヘクタールでどれくらいの電力量が確保できそうでしょうか。


●知事

 20メガワットを目標にされているんですよね。これまでの孫正義さんのおっしゃり、報道でしかちょっと我々も聞き及ばないところでございますけども。





11 県内への観光客入込対策 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 話は変わるんですけども、6月に高速道路の料金上限1,000円が廃止になって、米子道でも無料化の社会実験が行われるということだったんですが、これが先送りになりました。これで県内の観光地にもマイカーで来られる観光客のかたに、ちょっと影響が出そうな感じがあるんですが、これに対して県として何か、対応策を打っていかれるお考えってないですか。


●知事

 実は、これは今、やはりこういう機会に、また改めてテコ入れをするという必要が生じると思うんですね。皮肉なことかもしれませんけれども、実はこう無料化の社会実験が米子道にも及んでくるような、6月ぐらいのタイミングを見越して、我々の方では、かねて鳥取をぐるっと、いろいろ回ってもらおうという、そういうキャンペーンを展開することで、当初予算編成段階から準備をしてきました。それを投入して、ぜひ観光客の目減りを最小限に食い止めていきたいと思います。観光事業者、関係者のかたも危機感を持っておられると思いますので、機動的に動いていきたいと思います。...





12 第5回新生公立鳥取環境大学設立協議会 

○読売新聞 野口英彦 記者

 昨日、鳥取環境大の協議会[第5回新生公立鳥取環境大学設立協議会]がありまして、運営方針が、概ね了承されたということなんですが、これで6月議会の方で、知事の方としては理解が得られるというお考えでしょうか。


●知事

 これは議会ですから、議会で議論していただいて、もんでもらうという、今、御膳の上に出した状態ですね。これをどういうふうに食べてもらおうかということでないでしょうか。議論は粛々と受け止めて、これからの[鳥取]環境大学の在り方に反映させていく必要はあるだろうと思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 運営方針は決まりましたけど、まださらに変わる余地もあるということですか。


●知事

 いや。大枠はこれで臨めるんではないかと、それだけの内容のものができたというふうには思っております。一定の自信もあります。現に3月、蓋を開けてみて、入学の状況も非常に良かったですから、これが新年度、本当に新しい大学になれば、まさにその効果は出てくるだろうと期待をいたしております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 これについて以前から、経営の先行きに対して懸念、議員のかたからも懸念があったわけですけど、それに対する回答としては法定協議会であったり、あるいは外部委員の登用であったりということになるんでしょうか。


●知事

 これは、実は昨日その中で、私の方からも議論を提起させていただきまして、そういう方向になったと思いますが、中期的な財政見通し、これを例えば秋とか、遅くとも冬までには、やはり示していく必要があるだろうと、これは県と[鳥取]市の共同作業ということがあります。また、昨日、大学の法人の方からも表明がありましたけれども、そういう平井の発言を捉まえて、大学としてのそういう経営の方針、数字的な方針を出していかなければいけないだろうと、こういうお話がございました。そういう具体性のある経営改革の道筋をさらに付けていく必要はあるだろうと思っています。

 また、経営を論議する審議会も改革と同時設置することになりますが、その人選も進めたり、事務局の中に、私学テイストが分かる人、大学経営の分かる人も入っていただけるような、そういう事務方の体制づくりも急がなければならない、この辺を昨日申し上げました。これで、昨日、協議会としては受け入れていただいたんじゃないかなと思いますので、その辺を加味しながら、今後の[公立]大学設立の準備にあたっていくもんだと思っています。


○山陰放送 秦卓史 記者

 昨日、教授陣の人選、15人のリストもあがりましたけれども、この経営に関して言うと、学長が理事長を兼ねるというふうなスタイルになるということで、そこの責任というのは非常に重いと思うんですが、その学長の人選については、目途は立っているんでしょうか。


●知事

 これは、今は、もちろん白紙であります。これからいろんなかたの議論を聞いて、県と[鳥取]市で協議をしていくということだと思います。


○山陰放送 秦卓史 記者


 どういった分野、先程も私学テイストというような言葉もありましたけれども、どういった分野のかた、あるいはどういった素養が必要だとかというのはありますでしょうか。



●知事


 今のこの[鳥取]環境大学について問題意識はしっかりしているかたでないと、私はいけないだろうと思っています。環境大学、どうやって、これから改革の実をとっていくか。今までの経緯も含めて、その辺をさばける人でまずはスタートするのかなと思っています。具体的な人選はまだ白紙でございまして、これから昨日の協議会で、実はそこも書いてあったんですけども、県と[鳥取]市で共同で任命をしていくというふうな作業になるようです。

 



13 鳥取市役所庁舎建替問題 

○読売新聞 野口英彦 記者
 先週の記者会見で鳥取市役所の住民投票の関係で発言されたんですが、何か反響はございましたでしょうか。



●知事


 私もちょっと最近、事情が事情で、あまり大勢のかたに接触してないもんで、直接はあんまり大きな反響ということではないと思います。はい。



○読売新聞 野口英彦 記者


 昨日、竹内[鳥取]市長とお会いになられたようですが、何か、そこで何か話が出ましたでしょうか。



●知事


 大学のこととか、いろんなざっくばらんな、私の健康状態のことだとか、いろんな話をさせていただきました。



○読売新聞 野口英彦 記者


 じゃあ、市役所問題はでなかったということですか。



●知事


 市役所問題については、こういう発言だったですねと、そんなようなやり取りはさせてもらいました。というのは、あのとき申し上げましたけれども、基本的には、これは大阪から鳥取で余計なお世話と一緒なことでございまして、これは自治的に解決を、本来、住民の皆さんと対話の中でしていただくべき課題だと思っています。特に、これだけヒートアップしたイシュー[論点]になっていますからね。それだけにやはり自治が問われる場面だと思いまして、私としては、コメントを基本的には差し控えるべき立場だろうと思っています。ただ、その中で、ざっくばらんなやり取りもさせてもらって、こんなようなやり取りだったですなというような話はありました。



○読売新聞 野口英彦 記者


 こういうやり取り発言されましたが、いかがなものかということですか、それは。



●知事


 いかがなものかということではないですけどね。要は、[鳥取]市としてもいろんな悩みを持ちながら、今この問題に向き合っているところだと思います。



○読売新聞 野口英彦 記者


 先程、そのヒートアップされたとおっしゃっていましたけども、知事も鳥取市民であられると思うんですが、何か、そういう署名活動に署名をされるような、投票条例を設定する署名活動に署名されるような、一市民として署名されるようなお考えはお持ちでしょうか。



●知事


 一市民として署名するということは、多分世間はそう見てくれないと思いますので、私はあえて、この点は適正な距離を保った方がいいかなという感覚です。もちろんまだ署名運動も始まっていませんので、これから考えることかもしれません。





14 鳥取西高等学校整備のあり方検討会の結果 

○読売新聞 野口英彦 記者

鳥取西高の問題なんですけども、直接には教育委員会の問題だと思うんですが、いろんな会合がありまして、結局あまり進展がなかったように思うんですが、生徒の安全を守るという立場から、これはやっぱり喫緊の課題だと思うんですが、どうでしょうか。


●知事


 これはちょっと教育委員会からまた、詳細の報告も聞かなきゃいけないかなと思いますし、恐らく、今議会で、テーマとしても論戦はあると思います。そうしたことをいろいろと聞きながら執行部側として、どういうスタンスでいくかを考えていきたいなと思っています。基本的には、これ、子どもたちが最優先の課題だと思いますので、子どもたちの安全がやはり少しでも早く図られる、そういう解決策を考えるべきかなあという感想はあります。いずれにせよ、これから新しい議会も始まるタイミングでありますので、それをまずは私は聞いてみる必要があるかなと思います。



○産経新聞 服部幸一 記者


 どうもありがとうございました。



●知事


 ありがとうございました。


  

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