●知事
皆さま、おはようございます。この度、4月10日に行われました[鳥取県]知事選挙におきまして、2期目の選出をされましたことに対しまして、県民の皆さまの厚いご支援に心から感謝を申し上げたいと思います。大変高い得票率をいただきまして、その期待の重さに私もひしひしと責任を感じております。ぜひとも県民の皆さまと一丸になりまして、未来づくりに向けて私自身、この一身を捧げ、4年間を全うしてまいりたいと考えております。ぜひ多くの県民の皆さまのご理解とご支援、ご協力をいただきたいと思います。
今、我が国は、地方分権がかすみかけていたり、相次ぐ災害があったり、そして、少子高齢化だとか、さまざまな課題が見え隠れしています。そういううごめくような時代の流れの中で、もう一度、鳥取県をきちんとした成長過程と言いますか、発展過程へと導いていかなければならないと思います。この営みは県庁1つでできるものではありません。住民の皆さま、市町村だとか、あるいは各種団体、企業さん、いろんなセクターと一緒になりまして、力を合わせて未来づくりを果たして、日本の中での責任を果たしていきたいと思います。
今、東日本の大震災で大変に厳しい状況が県内経済はもとよりとして、国全体に出てきています。この国難を乗り越えていくために、鳥取県が役割を果たしていかなきゃならない、責任を果たしていかなければならないと思います。そのために全力を傾ける決意でございますので、どうか、多くの皆さまのご支援とご協力を賜りたいと思います。
産業の未来を開くような経済成長戦略の実施や第1次産業の成長、あるいは医療福祉など、そうした事業を拡大をしていきまして、そして、雇用を実現をしていきたい、[雇用創造]1万人を目指していきたいと考えておりますし、暮らしに安心を築くための防災対策、高齢者対策、障がい者対策、そうした各般に亘る施策を進め、活力と安心を県内の中に作り上げていきたいと思います。
「人財とっとり」のために、私は小中学校、あるいは高校も含めた教育改革に挑戦をしていきたいと思いますし、鳥取環境大学をはじめとした高等教育機関や試験研究施設の拡充や改革にも精力を傾けてまいりたいと思います。ぜひとも県民の皆さまと一緒になりまして、誇りある鳥取を作り上げてまいりたいと考えております。
●知事
折しも今、全国知事会で会長選挙が実施されております。候補者の締め切りが来週の19日、そして知事会長選挙が26日という日付の設定が決まりました。私は、今の東日本大震災の国難を乗り越えていく、それに相応しい体制を全国知事会の中で作らなければならないと思いますし、さらに地方分権がかすみかけているようにも思います。今、地方出先機関の整理、統合、そして、事務事業の移譲を地方側に積極的に進める、そういうことが国全体の将来像、財政も含めて必要だと考えております。その意味で強力なリーダーシップと行動力が必要ではないかと考えております。
私たち、若手の知事がございまして、その若手の知事でお互いに意見交換を選挙後、精力的に進めてまいりました。その結論として、若手の知事で一致団結をして京都府の山田啓二知事を我々でご推挙申し上げようと、こういう結論を得ました。今日以降、それぞれの6人の知事がいるわけでございますが、6人の知事で団結をして山田[京都府知事]さんにぜひ知事会長に出馬していただき、そして、これからの地方分権を取りまとめる総責任者になっていただきたい。それを我々、若手でも支えていきたい、そういう気持ちを取りまとめたところであります。昨夜まで、いろんなやり取りをしまして、仲間を集めました。実は、知事会長選挙は5人の推薦者が必要でございまして、6人集まったということは推薦の権利が出てきたというに等しいことがございますので、新しい流れを全国知事会の中でも起こしていきたいと考えております。
今、我々若手で名前を揃えましたのは、宮城県の村井知事、それから長野県の阿部知事、また広島県の湯崎知事、徳島県の飯泉(いいずみ)知事、また高知県の尾﨑知事、それに私で計6名名前を連ねることにさせていただきました。もちろん、47都道府県がある知事会でありますので、これからどういうふうに賛同者が広がってくるのか、それはこれからもよく分かりませんけれども、我々としては、若手の若大将格である山田啓二知事をご推挙申し上げて、皆で今の国難を打破し、そして地方分権を実現する、そういう強力な体制を作っていこうと、そういう申し合わせをさせていただきました。
山田啓二知事は、鳥インフルエンザが我が国で最初に起こり始めた頃に、自衛隊の協力もままならない状況の中で、見事にリーダーシップを発揮されて、それを乗り切られました。自衛隊も投入するということも自らの力で政府側に働き掛けて実現をさせたという、そういう実績がございますし、地方分権では、今、全国知事会の中の地方分権のリーダー格で取りまとめをし、政府側との折衝にも当たっておられます。従いまして、若手として我々6人は適任者でないかというふうに考えまして、今日から、その全国知事会の会長推挙に向けて動いていこうということにさせていただいたところでございます。私たち若手は、まだ、多分一の矢だと思います。これから、賛同されるかた、だんだんと波が広がってくることを期待したいなというふうに考えております。
●知事
全国の動きはともかくといたしまして、県内のことで言えば、昨日も災害支援[東日本大震災]対策本部[会議]を開催をいたしました。その話し合いの結果に基づきまして、来週の18日に、この災害の県内影響を克服するための会議を早速に開催しようということにさせていただきました。商工関係とか、観光関係、また、農林水産関係、金融関係、こういうものにも影響しますので、国の労働局だとか、そうしたところにもご出席いただいて、来週の月曜日に開催をすることにさせていただきました。
また、同じ日の18日に災害ボランティア隊を新たに派遣をすることでこれも決めさせていただきまして、県社[会]協[議会]が実際の事業主体にはなりますが、県も当然協力をしてこの災害ボランティアを派遣していこうということであります。この間、第1隊が帰って来られましたけれども、大変に意義深い事業であるし、ぜひこれは継続しなければならないと、そういう強いお考えが示されました。その場で県社協と相談をさせていただきまして、ぜひ第2隊をすぐにでも派遣しようということにさせていただいた次第でございます。
それから、国の方への要望活動でありますが、来週の20日前後に、私自身も上京して災害関連などの要請行動を起こそうかというふうに考えております。原子力安全の問題がクローズアップされておりまして、それも当然要請活動の中に入れていきたいと、今調整を始めたところであります。また、これは近々に実現したいなと思っておりますが、広島の方になるかもしれませんけれども、中国電力のトップの方々にも、ぜひ隣接地域、周辺地域としての気持ち等要請をさせていただきたいというふうに考えております。今のEPZ(緊急時計画区域)防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲]をはじめとした、原子力安全の国の制度には私は重大な欠陥があると思っていますので、それを正すべきだと思います。また、中国電力をはじめとした、ご当局におかれても地元との協力関係、協定などもあると思います。そうした協力関係をさらに明確にする必要があろうかと思います。そういうさまざまな要請活動を今後展開していくことにいたしたいと思います。
1つ、心から感謝しなきゃいけないなと思いますのは、昨日の会議の結果を受けて、早速、避難されてる方々に最高30万円の支援金を、民間の寄付と合わせてやっていくという方針を出させていただきましたけれども、新日本海新聞社とその販売店の皆さまから、ちょっとこれから受け取ってみないと分かりませんが、おそらく1,000万円見当のそのためのご寄付をいただけるという連絡が、昨日、新日本海新聞社の[常務取締役 鳥取本社]本城代表からお話がございました。この他にも、数社、数団体これに共鳴して寄付をしたいというところもございます。額の多寡はいろいろあるかとは思いますけども、そういうまとまったご寄付をいただいて、被災者の支援体制が充実することは真に喜ばしいことでありますし、こういう県内のさまざまな団体のご協力に感謝を申し上げたいと思います。
●知事
これから、鳥取県の未来づくりに向けて乗り出していくわけでありますが、未来づくりの推進本部を県庁の中に設置をすることにさせていただきます。今、最終調整をしておりますが、今月の下旬、連休前に、4月25日前後に設置をしたいと考えております。これは全庁的な横断組織で発足をさせたいと思っておりますが、それと併せて、この推進本部と関連して、例えば、パートナー県政を進めるための条例づくりなど検討する専門家の検討委員会を発足させる必要があると思いますし、いろんなプロジェクトチームを作っていく必要があるかなと思っています。食のみやこのプロジェクトチーム、ここで、農林水産業の就業ですとか、それから打って出るような農林水産業ですとか、付加価値を高めるような形態とか、そうした推進体制を民間のかたにも入っていただいて、そうしたプロジェクトチームを作っていく必要があるかなと考えております。
移住でも、2,000人の移住を4年間で目指そうという大目標を盛り込ませていただきました。これを達成させるためのプロジェクトをやはり同様な形で立ち上げていく必要があるかなと思います。雇用1万人というのは、なかなか大変な目標でございまして、これも庁内横断的な別途のプロジェクトチームを作りたいと考えております。
こうしたものを[4月]25日前後に設置をいたします未来づくり推進本部と連動させながらやっていきたいというふうに考えております。また、夏までにこの未来づくり推進を実施する庁内の組織も編制替えをして設置をしていきたいというふうに考えております。危機管理局と併せてそういう推進体制を庁内でも明確化させたいというふうに考えております。
●知事
あと、もう1点、これはイベント系でございますけども、来週の18日に「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」という国全体の会議がございます。これはタレントさんですとか、あるいは学者さんですとか、音楽関係者とか、出版関係者等いろんなかたがたが入っています。中には里中満智子先生のような漫画家も加入されておられますけども、この大がかりなイベントを県内で実施できないかという調整をしてまいりました。結果として、鳥取市がリーダー役になって推進してやっていこうという方針になってまいりまして、市内の若手の方々もそうした動きの中で役割を果たそうという方針が段々出てきました。
来週の18日に、このエンジン01の関係者でいらっしゃいます作曲家の三枝[成彰]先生と、それから、作家の林真理子先生、それから、精神科医の和田秀樹先生、さらに、雑誌のぴあの矢内[廣]社長、こうしたかたがたが来県をして、鳥取市内で、どういう候補地、適地が具体的にあるか、それを視察されて方針を出されようと、そういうことになってきました。私としては、今、[県内で]実施する方向で動いておりますけども、きちんとした格好で、このエンジン01のオープンカレッジという大きなイベントの県内実施がこの機会に決定されてくることをぜひ期待したいというふうに考えております。年度内の実施を目指したいということで、鳥取市と県ももちろん協議にあずかっておりますけども、今、話し合いをしているところでありまして、来週のご来県を心待ちにしたいと考えております。私の方からは以上です。
○産経新聞 服部幸一 記者 (幹事社)
各社、質問がありましたらどうぞ。
○中国新聞 円山文雄 記者
知事会で、若手で擁立するのは珍しい動きなんですか。それから、その地方分権もかけあわせてそれをもう少し具体的に。
●知事
全国知事会、今まで麻生会長がずっと務めてこられました。そのあと誰にするかということで、今まで統一地方選挙だったので議論のしようがなかったと思うんですが、これで知事の顔ぶれが揃ったというタイミングで、月曜日からお互いに若手同士でやり取りを始めました。
それで、もちろん我々の中から出すべきでないかというような声もありましたけれども、むしろ、経験だとか、実績だとか、それから政府との折衝の能力だとか、いろんなことを考えて、京都府の山田啓二知事にお願いしたいという気持ちをみんなで固めていったということであります。こうやって若手でとりあえず一の矢を放つ、のろしを上げるというのは、今までの全国知事会の中では確かに珍しいと言えば珍しいと思います。今までも過去に、改革派の知事が声をあげて、候補者を擁立したということがございます。それ以来ということかもしれません、そういう意味では。我々としては、やっぱり今の地方分権の状態に焦燥感を持っています。民主党政権に変わりまして、一丁目一番地と言われていた地域主権改革も先になかなか進んでいないと。もちろん大震災がありますので、その状況を、まず克服するということは当然大切なことでありますけども、その地域主権ないし地方分権という課題がしっかりと実現をされなければいけないと思います。
国のかたちとして、都道府県だとか、市町村に内政のこと、国内行政のことは基本的に任せるぐらいのそういう決断をすればもっと効率的で、借金体質でない中央政府が作れると思いますし、地方の方も自分たちの仕事を合理的に住民の意思決定に基づいてやれる現場主義の体制が取れるようになると確信をいたしております。
そういう理想像に向けてやはり確実に踏み出していかなきゃいけないと思いますので、知事会長選挙という場も大切な場ではないかというふうに考えております。若手同士で話をして、京都[府知事]の山田さんでいかがだろうかということでございます。当然ながら、こういう勝手連的な展開でありますので、ご本人からはっきりとした話をいただいているわけではない部分もございますけども、私自身も昨日ですね、山田知事の方に昨晩お断りをさせていただきました。こういうことで我々若手は勝手に動きますけどよろしくお願いしますねと、そういうお話をさせていただいたところであります。こういうあくまでね、これはやっぱり選挙のことではございますので、今後どうなるかっていうのは情勢によって変わってくるかもしれません。
○読売新聞 野口英彦 記者
それに関連しまして、推薦するのは、もう6人で決まっているんでしようか、それとも今後さらに仲間を増やしていかれるのか。
●知事
我々はまず、のろしを上げるという役割を果たそうということであります。今のその地方分権がかすみかけているような動きだとかは、何としても変えなきゃいけないと。流れをもう一度変えていく元気を全国知事会の中で出していかなきゃいけないと思います。それから、あと東日本大震災というこの国難を乗り切る、そのための地方の団結を求められると思うんですね。そうした意味でのリーダーシップ、それも必要だというふうに思います。いろいろ考えた上で我々としては、まず、のろしを上げようということであります。
私たちとしては、幅広いご賛同やご共鳴がいただけるんではないかというような期待をいたしておりまして、我々が全て仕切るわけでもないでしょうから、ことは、民主的な選挙でございますので、今後の動きを起こしていくのろしを上げるという役割を果たそうということで、まずは一致しました。
○読売新聞 野口英彦 記者
一番の発起人と言いますか、それは平井知事になるんでしょうか。
●知事
いや、6人です。今申し上げた、宮城、長野、広島、徳島、高知、そして平井、この6人です。
○読売新聞 野口英彦 記者
正式に要請をされたということでいいんでしょうか。
●知事
昨日ですね、直接、徳島[県知事]の飯泉さんとか、あと、私の方からも電話をさせていただいています。正直、ことはことですから、よし、俺はこれで立候補を決めたというふうにおっしゃるもんではないと思います。それはそういう性質なものだと思いますので、勝手連的に我々動きますけど、お断りしますよと、こういう申し入れを昨日、我々同志6人からさせていただきました。
○読売新聞 野口英彦 記者
山田知事は具体的に、何とお返事されたんでしょうか。
●知事
あまり明確にはおっしゃらなかったですね、いろいろ政務にお忙しくされている最中でしたから。ただ、我々としては、当然私自身もそうですけども、こういう商売でありますので、やっぱり「義を見てせざるは勇無きなり」という志を持っておられると思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
その6人のかたのネットワークはどういうネットワークと言えばいいんでしょうか。
●知事
若手ですね、知事会の中の若手です、はい。列島横断的な若手の意思疎通を図りまして、はい。
○読売新聞 野口英彦 記者
日頃から何かいろいろと政策について、話し合ったりされる間柄でしょうか。
●知事
はい。日頃から、若手の知事会として、我々で協働して活動してきております。そのメンバーとだいたい一致しているかなと思いますが、今回は、もちろん統一[地方]選の後ですので、フレッシュな気持ちでお互いに声掛けあったというのが真相です。
○NHK 月岡信行 記者
話は変わるんですが、来週の中[国]電[力]とか、国への申し入れなんですが、中電に対しては今までも本県でいろいろ文章とか、そういった申し入れをしたと思うんですが、知事がちょっと行くっていうと、また性質が違うと思うんですけど、内容とか。
●知事
そうですね、国も中[国]電[力]もおっしゃるように、これまでも申し入れをしてきております。ただ、やはり局面が変わっておりますし、実は私自身が聞きったかんですけども、さすがに公務とは言え、東京や広島にいくのも気が引けましたので見送っていたと、選挙期間中はですね。選挙も終わりましたので、できるだけ早いタイミングで行きたいと考えております。もちろん意思表示はこれまでもしてきておりますので、ご理解いただけているかと思いますが、その選挙戦を通じても、地元の市長さんたちだとか、あるいは住民のかたがた、いろんなお声をいただきました、原子力安全については。私は県民代表の立場でございますので、しっかりと申し上げていかなければいけないと思います。
○NHK 月岡信行 記者
内容が、これまでEPZの話とかは結構メイン。あと情報ですか、そこで、さらに何かつけてなにかやるというのはありますか。
●知事
申し入れ内容は、具体的に検討したいと思いますが、今までも申し上げてきたように、国の原子力安全政策のゾーニングを切って、地域限定でやるやりかた、これはおかしいと思いますので、そこを申し上げたいと思います。また、地元で、我々でも、避難計画とか立て始めてもいいと思っているんです。そういう体制を組むにしても、モニタリングポストの設置だとか、財政的な負担を伴うようなものは、当然出てきてしまうわけでありますが、そういうところは、ゾーニングの中と外で、全然、天と地ほどの違いがある。
これは今の福島原発の状況からしておかしいわけでありまして、我々はできる準備を始めたいと思っていますけども、その片方で制度改正も願って、強力に安全対策を進めることができる地元の環境づくりをしていきたいと思います。そのために、国だとか、当事者である中国電力さんとか、そうしたかたがたへの改めての申し入れが必要だと考えました。
○日本海新聞 井上昌之 記者
先程のお話の中で、未来づくり推進本部を近く立ち上げたいというお話がありました。そのほかにも食のみやこのプロジェクトチームですとか、1万人雇用のプロジェクトチームというお話もありましたけども、イメージとしては未来づくり推進本部で今回のマニフェストの統括的な部分を担当して、その下に細かいPTが来るというようなイメージをしておられるんでしょうか。
●知事
そうですね、未来づくり推進本部で統括的にやります。それで、マニフェストの実施状況なんかをフォローしたり、それから、推進役になってもらわなきゃいけないと考えております。それで、だいたいのことは、それぞれの部局で、部や課で所掌できるものが多いとは思うんですけども、民間の皆さんと力を合わせてやらなきゃいけないことだとか、あるいは、どうしても組織横断的に設定した方がいいようなテーマについては、プロジェクトチームだとか、検討委員会だとか、別組織を関連付けて設けていきたいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
今回のマニフェスト[を]読ませていただくと、やはり部局を横断して取り掛からないと対応できないような、1万人雇用もそうですけれども、そういった問題もありますが、そういったものについては基本的にPTを立ち上げるというような。
●知事
プロジェクトチームとか、ワーキンググループだとか、集まるレベルは考えて、費用対効果もありますので、いたずらに手間を取ることが目的ではございませんので、結果を出すための効率的なやり方を部局横断的に作っていきたいと思います。その中には、今おっしゃった1万人の雇用だとかいう分野では、部局横断的なプロジェクトチームを設置したいと考えております。
○日本海新聞 中村宏 記者
話は変わるんですけども、マニフェストの中に[鳥取]環境大学の抜本改革がありまして、これは昨年からおっしゃったわけなんですけども、今後の改革の見通しと、あと、課題が、どのようなものであるとお考えなのかを2つ。
●知事
青写真はすでに昨年度で出しておりまして、選挙の1つの争点になったかもしれませんけども、私の方では、今書いている青写真を下敷きにして訴えをさせていただきました。それに基づいた大学当局からの申請が5月だったと思いますが、この春、国の方に出されます。どうしてもここは許認可行政の部分がございまして、それの了承だとか、認証を受けなければ前に進まないわけでありますが、今、それを得るべく最大限の努力をしているということであります。これが整えば、あとは具体的に人を雇ったり、それから、サテライトキャンパスのようなことを考えようという話もあるんですけども、そういう場所の確保とか、具体的な動きを進めて、来年度の開学を目指すということであります。当然、学生募集もございますし、それから、こういう公立大学法人という法人を作らなければなりません。これも鳥取市との共同設置で行きたいと思いますが、これは秋だとか、冬だとか、そういうタイミングになってこようかと思います。ぜひ、ちょっとスケジュール的には一杯いっぱいなスケジュールでありますので、適切に推進を図っていきたいと思います。
○日本海新聞 中村宏 記者
1つ、同じく学力向上っていったことも1つ掲げていただいたと思うんですけども、その中に、大学等の進学率を50%に引き上げるというくだりがありましたけども、それと、この[鳥取]環境大学の改革というのはリンクしているというふうに考えていいんでしょうか。
●知事
ええ。それはもちろんリンクしています。50%[に]引き上げるための大学進学の受け皿が県内になかったわけであります。あるにはあったんですけども、なかなか利用されなかった。それを魅力あるかたちにし、さらに、公立化によって授業料を引き下げることも可能になりますので、遥かに開かれたかたちで、大学進学の受け皿になると期待しています。
○日本海新聞 中村宏 記者
あと、県の必要区分ですけども。鳥取市と同額でということで、昨年会議で決められたと思うんですけども、だいたい、幾らぐらいになるのか。
●知事
そこはまだ見積もりができていません。ただ、年々の支出につきましては、[地方]交付税というかたちで、国から支弁されるその額の範囲内に収めようという方針を持っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
6月の補正予算の関係なんですが、以前知事は、今年度の予算編成に当たって、骨格予算にして、その後、6月の補正予算で肉付け、政策的な部分をしたいというふうにおっしゃっていたんですが、その後震災がありまして、政策面と財政面で、どのような影響があるのか教えていただきたいと思います。
●知事
実は、今日の午後、6月補正予算のキックオフであります政策戦略会議を実施しまして、まず、ざっくばらんな庁内の意見交換を始めたいと思っております。そこでも議論をしようと思っておりましたけれども、やや不透明感が出てきました。昨年度に骨格予算を編成したときに見込んでいたとおりにはなかなかならない部分があります。
例えば、公共投資につきまして、さらに5%絞り込むという方針が国からその後、東日本大震災の関連で示されまして、これは県内の公共投資にも大きく影響をすると思われます。現実に、社会資本整備交付金だとか、厳しい見通しもございまして、楽観的ではない、むしろ厳しいというふうに認識せざるを得ないと思います。国全体の問題なので、ある程度は甘んじて受け入れなければいけないところもありますが、ただ、さはさりながら、どういう手当てを県として考えるかっていうのは難しい選択だと思っております。その他の地方交付税だとか、そうしたところについては、だいたい財政フレームどおりのものが来るかなあと思っておりまして、地方交付税では30億円ほど留保したつもりでおりますが、その程度は期待できるかなあというふうに思っておりますので、淡々と予算編成作業に入っていきたいと考えております。
あと、もちろん歳出面の方でいえば、東日本大震災を念頭において、地域リスクを考えて、そしてリスク分散を図ろうとする企業向けの支援措置でありますとか、一定程度新しい、震災後必要となった施策を積極的に計上していきたいと考えております。
○日本海テレビ 山本愛 記者
震災の関係なんですけども、来週の県内の影響の会議はまず情報収集ということになるんでしょうか。
●知事
経済影響ですね。それは、施策論議も当然入ります。それで、何が必要な対策かというのを現場からも提案をしてもらって、可能なものからどんどん実行していこうというつもりです。現在、既に他県も始めておられますけども、融資制度など、一定のもの滑り出しをさせていただいておりますが、それ以外のことですね、観光関係だとか、農林水産関係だとか、昨日も問題意識で示されましたけども、現場の生の声を早いうちに出していただこうと考えております。
○NHK 月岡信行 記者
さっきの話にちょっと戻ってしまうんですが、未来づくりの関係なんですが、まず、推進本部を立ち上げてそれとともに民間のかたも入っていただく、その専門部会でしたっけ、検討委員会ですか、発足させると。それで、そういったものを含めて夏までに組織編制替えということですか。それとも新たに何かつくるということですか。
●知事
ちょっと言葉足らずで、恐縮でした。夏までにと申しましたのは、庁内の何々部、何々課というようなイメージのものですね。そうしたところで、未来づくり推進を行う担当部局をしっかりと確立をしていきたいと、もちろんそれに絡めて組織編成も行っていきたいと考えております。
○NHK 月岡信行 記者
危機管理局みたいに新たに何かできるというふうに考えていいわけですか。
●知事
そうです。
○NHK 月岡信行 記者
なるほど。それと、その先程の推進本部が連携をするみたいな、同じような感じ。
●知事
ええ。それの事務局役も果たすことになります。どういうふうにしたら機動力が出せるかなあというのがあるんで、組織としてのあり方も検討してみて、ちょっとすぐに組織編成まで難しいものですから、今4月始まったばっかりなんで、夏頃かなあと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
その組織はマニフェストを実行するための推進力と言いますか、そういうところになるという理解でいいわけですね。
●知事
はい。それと、それからあとはその中でも非常に重要なパートナー県政ですね、しっかりとした未来づくりの土台をつくるようなところだとか、そうしたあたりを含めて部局編制替えかなあというイメージをもっていますけども、今、改めて考えていきたいと思います。
○時事通信 京正裕之 記者
この未来づくり推進本部というのは昨年度まであった次世代改革推進本部に取って代わるものという理解でいいですか。
●知事
ええ。次世代改革[推進本部]の方は4年前の公約を実現するためにやった機関でありますので、これは一旦解散をいたします。それと替えて今回、未来づくり推進本部をつくりたいということでありますが、前はかなり網羅的にいろんな部局横断組織をつくったりしましたけれども、効率も考えて実効性のある組織で立ち上げていきたいと思っています。前回とは違って、外部のかたの登用も必要なところはやるべきだと考えておりまして、パートナー県政のようなところは県庁の一人芝居ではまずいと思いますから、県庁の外のかたがたも入っていただいて検討委員会をつくるとか、そうした特別な組織も併せて立ち上げていきたいということであります。
ただ、どうしてもそういう外部が絡んだものは4月中というのはなかなか難しいところがありますので、まずは庁内組織的な未来づくり推進本部を4月25日前後には立ち上げさせていただいて、そうした検討委員会だとか、いろんなプロジェクトチームだとか、それを、追っかけながらでも、つくっていこうと思っています。
○読売新聞 野口英彦 記者
話は変わりますが、関西広域連合ですね、奈良県知事選で広域連合への参加を訴えられた候補が大量の得票をされたということについて、知事の受け止めをお願いします。
●知事
そこは両面性があると思うんですけど。結局、現職が勝たれたわけでありまして、その現職との争点の関西広域連合でございましたけれども、かなり票が多かったなという見方もあれば、これで民意は決着したという見方もあると思うんです。そこは両面性があるのかなと思いますんで、私は冷静に受け止めるべきだろうと思います。これで少なくとも奈良県が関西広域連合に加わる芽は当面なくなったというふうに判断するしかないと思います。
関西広域連合の中では、奈良県の参加を呼び掛けるということは、これまでも話をしてきましたけれども、これが一つの決着かなと思います。私はどちらかというと、メリット、デメリットを考えて、入るべきところに部分加入しているという立場でございますので、我々としては関西広域連合という場を活用して東日本大震災から立ち上がっていく、そういう糧にさせていただきたいと思っていまして、観光だとか、そうした活用を今後も図っていきたいと思います。奈良県については、これは民意の判断だと受け止めるべきかなあと冷静に考えております。
○読売新聞 野口英彦 記者
井戸兵庫県知事や京都府の山田知事は、ある程度の民意が示されたということで、参加を促すような発言をされてる。
●知事
そうですか。そこは両面性がありますんで、どちらということになるかというのは、それぞれ見方があるかと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
話は戻りますけども、さっき、未来づくり推進本部に向けて、庁外のかたという話がありましたけども、どういったかたを想定しておられますか。
●知事
例えば食のみやこ関係でいえば、農林水産業の就業だとか、あるいは打って出ていくと、これから東日本大震災後、食のみやこというのは重要な全国に対するメッセージになると思うんですね。そういうものを訴えかけていくために、農業関係団体とか、林業とか、あるいは水産関係だとか、そうした現場の人たちにもやっぱり入ってもらうべきかなあと、代表者にそういうイメージを持っています。ことほど左様な感じでございまして、パートナーシップの検討であれば、NPOの活動されている、精力的に活動されているかたにも入ってもらうとか、あるいは学者さん、学術的なアプローチも必要でありますので、学者さんにも入ってもらうとか、そんなことで、単なる庁内組織ではないものを考えるべきかなあと思っています。
○読売新聞 野口英彦 記者
そうすると本部は、例えば県庁の部長級だけで構成するわけでなくて、本部自体にいろいろなかたが入ってこられると、県民会議のような感じでしょうか。
●知事
未来づくり推進本部は、これはマニフェストの推進でありますので、そこは庁内のモチベーションを高めるというところでいいかなと思っていますが、具体のトピックスを仕上げていくには、住民の皆さん、民間の皆さんとの協調体制も必要だと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
先程、プロジェクトチームを取りまわすようなものを作って、そこに庁外のかたに入ってもらう、そういうことですよね。
●知事
はい。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それと部局の編成替えといった話がありましたけれども、これは具体的に、なんか今、お考えですか。
●知事
当選して数日のことなので、まだ今から詰めていこうということです。現場の職員の意見も聞かないと、効率的で実行力のある組織ということにならないと思いますので、よくそこは意見も聞きながら詰めていきたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
1つの事業というか、例えば電気自動車でもそうですけれども、やる時にいろいろな部局をまたがってやっていると思うんですけれども、それを、例えば1つにまとめるとか、そういった意図があるんでしょうか。
●知事
今回は、例えば、雇用1万人と言っても、商工関係だけではなくて農林関係があったり、福祉関係があったり、教育があったりしますので、全体を横断的に見ていかなきゃいけないかなというような意図でございます。大きなテーマですね、もちろんその電気自動車を進めるために、これは必要だというのも、ワーキングチームとか考えてみてもいいかなと思います。民間の方の今、動きを見ながら考えていきたいと思います。
例えば、環境イニシアティブは、これはプロジェクトチームを作るべきだと思っていまして、私はエネルギーシフトを考えるべきだと思っているんです。今の原子力とか、化石燃料一辺倒でない姿を日本は目指していくべきだと思うんです。その際に、鳥取県がリードする役割を果たし得ると思うんです。現実に、今、風力発電だとか、小水力[発電]の実験とか、進めてきておりまして、そうした環境のイニシアティブを鳥取県から起こしていくと、そういう運動も兼ねた議論を展開したいなと思っておりますが、これは部局横断的にもなりますし、民間のかたも入ってもらって議論をわかしてもらった方がいいと思いますんで、そういうプロジェクトを考えていきたいと思います。その中で、当然ながら電気自動車の問題も扱うことになるかなと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
マニフェストに危機管理局の新設ということをおっしゃっていましたけども、その中には当然原子力災害への対応ということも含まれるわけですね。
●知事
今、庁内で原子力安全の知見がある、職員がいるか、今、徹底調査をしているところでございまして、もしいなければ新規に全国から募集をすることも考えたいと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
知事もご存じのとおり、福井県ですと原子力安全対策課というのがありまして、大学の理系を出られた専門家で、電力会社と対等に太刀打ちできる知識を持ったかたがいらっしゃるわけですけど、そういうかたを採用するというようなイメージでしょうか。
●知事
そうですね、庁内登用ができればそうしたいと思いますし、庁内で無理であれば、庁外と言いますか、新規採用の中に含めていきたいと考えております。いずれにしても島根県とは違うのは、うちは立地ではありませんので、立地の議論まで踏み込んでする必要は、コストパフォーマンス的でないかもしれません。ですから、周辺としての安全対策を議論できれば、差配できればいいと思いますので、そういう知見で十分だと思いますし、組織の規模も1つの課を設ける程ではないと思います。担当レベルでもいいかなと思っていますが、それを危機管理機能の中にきちんと位置づけていく必要があると思います。
○産経新聞 服部幸一 記者 (幹事社)
各社、よろしいでしょうか。はい、どうもありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。よろしくお願いします。