●知事
皆さまおはようございます。原子力発電所につきまして、その防災対策を進める必要があります。これにつきましては昨日私自身、大山町の方でモニタリングポスト〔放射能自動観測装置〕の視察をさせていただきました。今、まあまあ順調に県内のモニタリングポストの設置が進捗しつつあります。国の方からの交付金なりを取ってきてやるということでございました。昨日、実際に現場を見ましたけれども、もうすでにモニタリングポスト自体は設置をされていますが、それがデータベースにつながらないと実際の活用には効果が減殺されるものではありますから、そこはこれから来月中ぐらいに接続をするということであります。これによりまして県内のモニタリングポストが順次起動し始めるということになります。
先般、国の方にこの関係では要請活動もしておりまして、その返答が返ってきておりますが、従来国の方では、例えば米子、境港に設置する交付金によるものと、それからあと昨日見た大山によるもの〔モニタリングポスト〕など、幾つか系統があるんですが、こういうものを接続をしながら鳥取県の方で一括してデータとして活用すると、そういうデータの接続をすることについて了承が取れました。従いまして、そういう接続をする方向でより使いやすいモニタリングポストにしていきたいというふうに思います。この情報につきましては、例えば米子市だとか境港市、また、昨日の大山町もそうでありますけども、そういう関係先なども県の方で1つにまとめ上げた、そういうデータを見られるようにしていきたいと思います。これは、願わくば隣の島根県とも接続をしながらデータベースとして皆で情報を瞬時に共有できる体制をつくる必要があると思います。
こうした両県の共働をしながら原子力安全対策を進めていくということにはなりますけれども、鳥取県として住民の皆さまが原子力安全に対する関心が非常に深いということでございます。私自身も東日本大震災の発災、そして福島〔第一〕原子力発電所事故の状況を見るにつけまして、全国で最初に中国電力との安全協定を締結するなど、我々としてやはりできることはスピーディにしていかなきゃならないだろうと、こういう考え方でおります。今世上、〔福井県〕大飯原発が議論をされるようになってきました。これは先週の記者会見のときなど、これまでも随時いろんなやり取りを記者の皆さんともさせていただいておりますけれども、基本的なスタンスとしては、先般福島県に滋賀県知事が行かれまして、京都府知事と共同で出した国への提言書の説明をされたということでございますが、私も京都や滋賀の知事と、文面拝見させていただきましたけれども、基本的な考え方としては賛同するものであります。やはり透明性のある分析をしたり、それから中立的な検討をしたり、また、何よりも安全を第一義に考えていくと。将来的な原子力安全のこともございますけども、原子力発電所のあり方も含めてどういうふうに再生可能エネルギーなどでこの国のエネルギー政策を再構築していくか、その工程表のような今後の推移というものがやはり重要ではないかと考えております。
そういう意味で、今の大飯原発の今後の動き、検討に注視をさせていただきたいと考えております。ひるがえって、私ども鳥取県としては島根原発が隣接地域としてございます。この島根原発の実情を、やはり私自身、それから防災の任に当たる職員と一緒に実地に見聞する必要があるだろうと考えております。そうしたことから中国電力さんやそれから島根県さんと調整をしてまいりましたけれども、この週末〔4月〕21日土曜日に〔午後〕1時15分から約3時間かけまして原子力発電所、それから島根県の原子力環境センター、さらにオフサイトセンター、この3つのサイトを相次いで訪問をさせていただき、いろいろと実情を見ていきたいというふうに考えております。今段階では大飯原発とは違いまして、島根原発についてすぐに再稼働をするなど動きが急ピッチで進んでいるわけではございませんけれども、今の段階からしっかりとした状況認識をさせていただく必要があると考えておりまして、関係者の協力も得て視察をさせていただくということにいたしております。
具体的には島根原子力発電所にまず行きまして、それから島根県の原子力環境センター、これはそうしたデータなどが集積をされてくる、また分析をするところでございます。鳥取県では衛生環境研究所がございますけれども、ここなど鳥取県全体での機能アップを図らなければなりませんが、そういう意味で島根県の状況も拝見をさせていただこうということであります。また、オフサイトセンターは、いざことが起こったときに、その中心的役割を果たすサイトでございまして、そこの成り立ちや状況につきましても私どもとして共通認識を持つ必要があると考えております。これらに先立ちまして原子力発電所を見させていただきまして、ここでだいたい2時間ぐらい見ることになろうかと思いますけども、それが中心でございますので、原子力発電所を実地に見させていただきたいと考えております。
中国電力側からは、中国電力としての説明の機会もほしいということでございまして、中国電力側の説明も拝聴させていただくとともに、実地に現場の状況も見させていただきたいと考えております。これから慎重に政府としては地域の安全を第一義として検討していただきたいと思います。また、具体的な動きは見えませんが、周辺地域の意見というものもしっかりと踏まえた慎重な判断が必要であろうと考えております。いずれにいたしましても、我々は我々として、今から準備作業に入っていくという気構えで視察をさせていただくことにしております。