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I 概況

  

1 全国

 内閣府は、平成22年5月の「月例経済報告」で、最近の経済動向について次のように報告している。


(総論)

 景気は、着実に持ち直してきているが、なお自律性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。
・輸出は、緩やかに増加している。生産は、持ち直している。
・企業収益は、改善している。設備投資は、下げ止まりつつある。
・企業の業況判断は、改善している。ただし、中小企業では先行きに慎重な見方となっている。
・雇用情勢は、依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きがみられる。
・個人消費は、持ち直している。
・物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
 先行きについては、当面、雇用情勢に厳しさが残るものの、企業収益の改善が続くなかで、海外経済の改善や緊急経済対策を始めとする政策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、欧州を中心とした海外景気の下振れ懸念、金融資本市場の変動やデフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。また、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。
 政府は、家計の支援により、個人消費を拡大するとともに、新たな分野で産業と雇用を生み出し、日本経済を自律的な回復軌道に乗せ、内需を中心とした安定的な経済成長を実現するよう政策運営を行う。このため、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を推進し、平成22年度予算を着実に執行する。あわせて、「新成長戦略(基本方針)」の具体化を行い、その実現を図る。
 政府は、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な取組を行い、デフレの克服、景気回復を確実なものとしていくよう、政策努力を重ねていく。日本銀行に対しては、こうした政府の取組と整合的なものとなるよう、適切かつ機動的な金融政策運営によって経済を下支えするよう期待する。日本銀行は、5月10日、米ドル資金供給体制を改めて整備すること等を決定した。

(各論)

1-1 消費・投資などの需要動向
個人消費は、経済対策の効果もあって、持ち直している。消費者マインドは、改善の動きがみられる。実質雇用者所得はおおむね横ばいとなっている。設備投資は、下げ止まりつつある。住宅建設は、持ち直している。公共投資は、このところ弱含んでいる。輸出は、緩やかに増加している。輸入は、緩やかに持ち直している。貿易・サービス収支の黒字は、横ばいとなっている。

1-2 企業活動と雇用情勢
鉱工業生産は、持ち直している。先行きについては、輸出の増加傾向などから、当面、持ち直しが続くことが期待される。企業収益は、改善している。                                 
また、企業の業況判断は、改善している。ただし、中小企業では先行きに慎重な見方となっている。倒産件数は、おおむね横ばいとなっている。雇用情勢は、依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きがみられる。

1-3 物価と金融情勢
国内企業物価は、緩やかに上昇している。消費者物価は、緩やかな下落が続いている。株価(日経平均株価)は、10,900円台から11,200円台まで上昇した後、10,000円台まで下落している。対米ドル円レートは、92円台から94円台まで円安方向で推移した後、91円台まで円高方向で推移している。

2 鳥取県

 需要面の個人消費では、大型小売店販売額(3月)が、全店舗計では前年を上回ったが、店舗調整後(新規店舗等を除く)では前年を下回った。ホームセンター・家電量販店販売額(3月)、乗用車新車新規登録台数(4月)は前年を上回った。
 建設等では、新設住宅着工戸数(4月)、用途別着工建築物工事金額(4月)、公共工事請負金額(4月)ともに前年を上回った。
 産業面では、鉱工業生産指数(3月、季節調整済)が88.8で前月比0.9%上昇した。なお、大口需要電力実績(3月)は、前年を上回り、鉱工業用主要4区分全ての区分で前年を上回った。
 雇用面では、新規求人倍率(4月)は、1.06倍(前月差0.02ポイント上昇、前年同月差0.09ポイント上昇)であった。有効求人倍率(4月)は、0.55倍(前月差0.02ポイント低下、前年同月差0.09ポイント上昇)と0.5倍台となっている。
きまって支給する給与(3月)は前年を下回ったが、所定外労働時間(3月)は前年を上回った。

○需要面の動き


【個人消費】 大型小売店販売額(3月)は、全店舗計では51億1,300万円となり、前年同月比8.8%増と前年を上回り、店舗調整後では前年同月比4.6%減(全国は前年同月比4.9%減)と24か月続いて前年を下回った。なお、全店舗計の内訳では、百貨店が17億9,700万円(前年同月比2.3%減)、スーパーが33億1,600万円(前年同月比16.0%増)であった。
 ホームセンター・家電量販店販売額(3月)は38億5,800万円(前年同月比7.2%増)と7か月続けて前年を上回った。内訳ではホームセンターが17億8,700万円 (前年同月比4.0%減)、家電量販店販売額が20億7,100万円(前年同月比19.0%増)であった。
 乗用車新車新規登録台数(4月)は1,565台(前年同月比24.8%増)と11か月続いて前年を上回った。内訳では、普通車、小型車の区分が11か月続いて前年を上回り、軽自動車は3か月ぶりに前年を上回った。

【住宅建設】  新設住宅着工戸数(4月)は189戸(前年同月比22.7%増)と3か月続いて前年を上回った。内訳では、持家系(前年同月比25.0%増)、貸家系(前年同月比19.0%増)ともに前年を上回った。

【設備投資】  用途別着工建築物工事金額(4月)は21億9,500万円(前年同月比316.9%増)と前年を上回った。用途別では、医療,福祉(前年同月の22.5倍)等で前年を上回り、卸売業・小売業(前年同月比55.7%減)等で前年を下回った。

【公共工事】  公共工事請負金額(4月)は95億6,500万円(前年同月比6.9%増)と2か月続いて前年を上回った。発注者別の内訳では国(前年同月比20.9%減)は前年を下回ったが、県(前年同月比4.8%増)、市町村(前年同月比33.5%増)等で前年を上回った。


○産業面の動き


【産業活動】  鉱工業指数(3月)は生産指数(季節調整済)が88.8となり前月比は0.9%上昇し、原指数は97.2となり前年同月比では38.7%上昇した。
  内訳を前月比で見ると食料品たばこが1.3%の上昇となり2か月ぶりの上昇、電子部品デバイスが6.3%の上昇となり3か月続いての上昇、電気機械が3.5%の上昇となり2か月ぶりの上昇、一般機械が4.2%の低下となり3か月ぶりの低下となった。
  在庫指数(季節調整済)は87.7と前月比5.3%低下した。

【電力】  大口需要電力実績(3月)は133,037千kWh(前年同月比16.0%増)と4か月続いて前年を上回った。鉱工業用の大口需用電力は主要4区分のうち、パルプ・紙(前年同月比20.4%増)が6か月続いて、鉄鋼(前年同月比44.9%増)、機械(前年同月比13.7%増)が4か月続いて、その他の製造(前年同月比11.9%増)が3か月続いて前年を上回った。

【青果物卸売量】  鳥取市場の青果物卸売量(4月)は野菜が1,424t(前年同月比5.5%減)と4か月続いて前年を下回り、果実は642t(前年同月比16.4%減)と8か月続いて前年を下回った。
  鳥取市場の鳥取県産青果物卸売量(4月)は野菜が290tで市場全体に占める割合は20.4%(前年同月差1.1ポイント低下)、果実は21tで市場全体に占める割合は3.3%(前年同月差1.0ポイント低下)であった。

【漁獲量】  境港の漁獲量(4月)は9,357t(前年同月比11.5%減)と2か月続いて前年を下回った。


○雇用・金融面の動き

【雇用】  新規求人倍率(4月)は1.06倍(前月差0.02ポイント上昇前年同月差0.09ポイント上昇)であった。なお、新規求人数(4月)は3,440人(前年同月比2.0%増)と4か月続いて前年を上回った。
 有効求人倍率(4月)は0.55倍(前月差0.02ポイント低下前年同月差0.09ポイント上昇)となっており、4か月連続で0.5倍台となっている。

【賃金】  現金給与総額(3月)は238,741円(前年同月比1.3%減)と15か月続いて前年を下回った。そのうちきまって支給する給与(3月)は、237,488円(前年同月比1.6%減)で22か月続いて前年を下回った。

【労働時間】  所定外労働時間(3月)は8.6時間(前年同月比21.2%増)と4か月続いて前年を上回った。主力の製造業は113.9%増となった。〔産業別の前年同月比では、医療,福祉(前年同月比34.6%増)等で前年を上回り、建設業(前年同月比62.0%減)等で前年を下回った。〕

【預金・貸出金残高】  預金残高(3月末)は1兆9,595億円(前年同月比4.1%増)と15か月続いて前年を上回り、貸出金残高(3月末)は1兆1,553億円(前年同月比0.6%増)と11か月続いて前年を上回った。


○参考

・ 鳥取県景気動向指数(3月)は先行指数が1月68.8、2月75.0、3月75.0、一致指数が1月62.5、2月50.0、3月100.0、遅行指数が1月80.0、2月40.0、3月60.0となった。

・ 企業倒産(4月)は件数が5件で前年に比べて2件減少(前年同月比28.6%減)し、負債総額は7億4,300万円で前年に比べて2億2,200万円減少(前年同月比23.0%減)した。

・ 消費者物価指数(4月:鳥取市総合平成17年=100)は98.4(前月比0.3%低下、前年同月比1.8%低下)となった。

・ 鳥取県の推計人口(5月1日現在)588,540人で、前月と比べて163人(0.03%)増加し、前年同月と比べて3,366人(0.57%)減少した。

・ 鳥取県の企業経営者の見通し(主要300事業所年4回調査)を平成22年5月調査でみると平成22年4~6月期は平成22年1~3月期に比べると景気売上高及び経常利益のいずれもがやや不調となっている。また、平成22年7~9月期は平成22年4~6月期に比べると景気売上高及び経常利益のいずれもがやや不調となる見通しとなっている。

  

最後に本ページの担当課    鳥取県 総務部 統計課
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