●知事
皆さま、おはようございます。先週は日本列島全体を大変な豪雨災害が襲いました。命を落とされたかた、あるいは被災されたかたに対しまして、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
鳥取県内でも[広島県]庄原[市]の方で降った雨雲が、こちらの方にも到達していたようでありまして、日南町を中心として被害が7月16日に記録をされております。大体、時間雨量で言うと、50ミリ、60ミリということは確実にあったと思われる、大変な雨が降ったということでありました。
私自身も現場の方に被災後、すぐに参りまして、現状を見させていただき、復旧方針などについて、[日南]町長と話し合いをさせていただきました。多くの被害は農地などで起こっていますし、また、道路だとか、河川でも災害が起きております。
速やかに復旧していこうということで町側と合意をいたしまして、これから子細をつめていくことになろうかと思います。国の方に災害状況を週明け早々にも報告をするとか、具体的な作業に入っていくことになります。
今、我々の方で取りかかっている状況で言えば、例えば、道路[新見日南線]で、生山のところの崖が崩れまして、一時不通箇所になりました。現在、片側交互通行という状況でありますが、これもJR側と一緒になりまして、復旧にあたることで、今、方針を話し合っているところであります。
また、河川の神戸(かど)川で橋が流されるだとか、大きな被害が出ておりますけども、これも復旧にかかるということになりますし、農地の状況も、今、確認をしておりまして、農業用水路も含めていろんなところであぜが崩れたり、そういう状況がございます。そういう意味で、今、状況調査をしておりますし、具体的な設計にこれから入っていこうという段階であります。
町の方から要請があれば、技術者の派遣をしていこうという方針でありまして、すでに、先週末は現場の方に5名、事務職員も含めて派遣をしているところであります。
今日は、[鳥取県]防災会議を開くことにいたしておりまして、その席上でも、その被災状況だとか、全国各地の豪雨の状況、総括をいたしたいと思いますし、去年の[兵庫県]佐用町の豪雨災害の教訓も活かしたいと思っておりまして、佐用町からも今日はお越しをいただき、お話を聞くことにいたしております。
具体的には、災害時要援護者対策だとか、ドクターヘリなどの活用だとか、また、地震の際の減災目標をつくる、そのアクションプランをつくる、こうしたことについて[鳥取県]地域防災計画を改定していきたいと考えているところであります。今日、その話合いをすることにいたしております。
今回の豪雨災害を受けて、私の方から早速指示をいたしましたのは、[島根県]松江[市]の落石事故がありました。あれは、雨が止んだ後に、ああいう悲惨な事故が起こってしまった。そういう教訓を受けて、急傾斜地の特に危険な箇所がないだろうか、これを点検をすることにいたしまして、私どもの県土整備[部]サイドの方で、早速検査に入るということにいたしております。
また、この度は、土砂災害警戒情報が発令をされました。これが、日南町と日野町に発令をされまして、具体的に日南町で多くの被害がその通り発生をしたということであります。これは、1キロメッシュでつくってある詳細なものでありまして、これをどういうふうに現場の方で今回生かされたのか、その辺の状況も点検をさせていただき、今後の災害対策に備えていきたいというふうに考えております。
●知事
この週末になりますが、7月24日に米子鬼太郎空港の襲名披露と言いますか、お披露目をしたいという計画を進めております。
この、米子鬼太郎空港ですね、世界中で初めて妖怪の名前を冠した空港ということでございまして、今までもシャルル・ド・ゴール空港だとか、ジョン・F・ケネディ空港などございますが、人の名前でなくて妖怪の名前をつけるということでありますから、世界的にもまた珍しい話だろうと思います。
これを多くの旅行客、ビジネス客に親しんでいただこうと考えておりまして、米子鬼太郎空港としての体裁を、きちんと整えようじゃないかと、そういう作業をしてまいりました。
当日は、水木しげる先生ご夫妻にもご来場いただくことといたしております。この際、水木しげる先生は郷土のヒーローとして、漫画を通じて我が国はもとより世界に貢献をされておられますし、民俗学などの御造詣も深いですし、現在、テレビドラマが放映中でありますが、奥様、布枝夫人の著作に基づくドラマが放映をされておりますけども、このゲゲゲの女房で、夫婦支え合って、苦しみの中、立ち上っていく姿というのは、多くの国民に勇気と希望を与えるものだというふうに思います。
先生の御生涯そのものが、ご夫妻で支え合ってということでありまして、そういうことを、我々としても敬意を表したいと考えております。
従いまして、この度、御来県いただき、米子鬼太郎空港を事実上オープニングをする、そのセレモニーに併せまして、名誉県民の顕彰をさしあげたいと考えております。名誉県民として先生にも、なお一層、郷土にも御貢献をいただきたいと思いますし、なお、お元気で御活躍をいただきたいと願っております。
これは布枝夫人と共に、受賞していただこうというふうに考えております。顕彰自体は水木しげる先生に対するものでありますが、顕彰理由の中には御夫婦の支え合いも含めて顕彰をさせていただきたいと考えております。
この米子鬼太郎空港でありますが、当日つまびらかになると思います。水木先生の方でも好意を寄せていただきまして、その盛り上げをしていこうと、認知を高めようという、そういうプレゼントと言いますか、労を考えていらっしゃるようであります。
また、もちろん鬼太郎の空港でございますので、随所に鬼太郎ファミリーが姿を見せるような、そういう仕掛けにしたいと考えております。土地柄、伯州綿で作りました[妖怪]一反木綿を展示をさせていただくとか、そういう楽しい空港にして、他じゃ味わえないような旅の感覚を提供したいと思っております。24日にそのオープニング披露をさせていただこうと考えているところであります。
●知事
また、暑さの中ではありますが、ボランティア活動も盛んになってまいります。23日からいよいよ今年度の砂丘の除草作業のボランティアを始めたいということになりました。
大勢の人、昨年は3,700人ご参加をいただきましたが、また、県民の皆様にも力を寄せ合っていただきまして、この除草作業でいい汗を流していただければと思います。9月5日まで金・土・日とやってまいります。
最近は、旅行客も、これに参加をするようになってこられまして、環境に貢献をすること自体が観光の素材になり始めているというふうに思っております。よい夏休みをお過ごしいただければと思います。私からは以上です。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者(幹事社)
各社、お願いいたします。
○日本海テレビ 馬田勉 記者
水木御夫妻に名誉県民の顕彰をされるということですけども、これは24日の対面でお渡しすると。
●知事
はい。そのセレモニーの中でお渡ししたいと。そして、水木先生のご功績を称え、布枝夫人と共に喜びを演出させていただければと思っております。顕彰自体は、一応、名誉県民ということもございまして、県ご出身の水木先生ご自身になりますけども、奥様のことも含めて、顕彰理由とさせていただきたいと思っています。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
名誉県民の顕彰理由ですね、水木先生の。先程触れました、改めてどういった点を評価してでしょうか。
●知事
はい。まず、今、ドラマにも出ておりますけども、非常に、漫画は厳しい環境の中から市民権を得て、世界に羽ばたくような日本のポップカルチャーヘ育てられていったわけであります。我が国はもとより、世界の文化芸術活動に貢献をしたということが1つであります。
それから2つ目として、まんが王国とっとりを、推進をしようとしておりますが、境港を中心として、水木先生から絶大なご支援、ご協力をいただいていること。これが2点目であります。
あと3点目として、現在、ドラマで描かれておりますけども、夫婦支え合って苦しみから立ち上がっていく、そういう生き方が、多くの県民、国民に勇気と希望を与えるものであったということでありまして、こういうようなことで、顕彰させていただきたいと思います。
○読売新聞 鷲尾有司 記者
名誉県民というのは他にも過去はおられるんですか。
●知事
今までは、外国人で今回のDBSクルーズフェリーなどに貢献されましたキム・ジンソン前江原道知事のみであります。お1人だけですね。
○読売新聞 鷲尾有司 記者
名誉県民になったことで、その水木さん、何か変化があるんですか。
●知事
それは、我々から感謝の気持ちを表明したいということであります。水木先生ご自身は、もう既に、天皇陛下からの叙勲も受けておられます。ですから、そういう改めて県民としての功績を表彰するということよりは、県に、今、実際には住んでおられませんけども、名誉県民として故郷からエールを送らせていただきたいという気持ちです。
○読売新聞 鷲尾有司 記者
これは、県出身の人でないと渡せないから、奥さんに渡らないということですか。
●知事
いや。そういうわけではありません。県民以外のかた、今、実際には、東京都民でいらっしゃいますから、そういうことで、奥さまも該当し得るとは思うんですけれども、これまで、水木先生御夫妻とも、いろいろとこのことでご相談させていただきましたが、奥さまの方は、あえてそういうことは辞退したいということでありまして、先生に代表して受け取っていただければいいかなと思っています。
○読売新聞 鷲尾有司 記者
急傾斜地の危険箇所の調査なんですけど、もう少しどんな調査されるか、具体的なことを教えていただけませんか。
●知事
これは、松江のケースですと、あれはどうも今はまだ調査中だと思いますけども、雨は止んでいたんですが、どっかからこう水が入り込んで、それで、事実上、崖の上の方が崩壊をしたということのようであります。ちょっと災害対策としてはショックな話でありまして、雨も止んでいましたし、一応防護壁も出来ていたという格好であったのに、重大な崩落事故が起こってしまったということであります。
ですから、そういう、特に危険な箇所がないかどうかを点検して歩くということであります。もちろんそれで、これは緊急に対策が必要だということが見つかれば、考えなきゃいけないと思います。
○読売新聞 鷲尾有司 記者
各地でハザードマップを作って、土砂災害の危険地とかっていうのをいっぱい出していると思うんですけども。
●知事
はい。その中で特に危険なところですね。特に、だから同じような、松江のようなケースが想定されるものはないだろうかと、そういう観点で、緊急に調べることになると思います。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
今現在、急傾斜地の調査は入っていらっしゃるんですか、これから。
●知事
どうでしょう。今、ちょっとそこは、また県土整備部の方から。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
今後の防災会議でもその辺りの。
●知事
それは、もちろん話は出ると思いますね。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
冒頭のちょっと知事の説明から外れるんですが、昨日、日吉津の方で地元の高校生が水難事故に巻き込まれるという、事故ですか、発生しておりまして、まさに今から夏休みシーズンに入ってしまった学校もあるんですが、そういうところで、教育委員会も含めて、学校現場への指示であったり、そういう注意喚起といったものは、お考えはありますでしょうか。
●知事
それは、これから水の事故が多い季節でありますから、まずは、ご家庭でも、よく気を付けていただきたい、もう休みに入ってしまっていますので。学校の方にも、そうした事故がないように、それは、注意喚起は教育委員会に話してみたいと思います。
非常に不幸なことが起こるわけでありまして、どうしても、夏休みですから、普段できないことに挑戦したくなるわけでありますが、くれぐれも、離岸流が多かったり、地域の特性もございますので、危険のことはよく認識してもらいながら、思いっきり体を動かすなり、夏休みらしい挑戦をしてもらうということだと思っています。
その意味で、学校現場やご家庭の方でも、ぜひその辺は配慮をして、注意をしていただきたいと思っています。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
参院選、国政の選挙も1つ終わって、通り過ぎた格好になりまして、統一地方選挙というのも視野に入ってくるんですけれども、平井知事ご自身の再選への気持ちというのはいかがなんでしょうか。
●知事
今はまだ、そこまで思いはいたっておりません。まずは、目の前にあるいろんな課題に向かっていこうと、それを自分として誠心誠意やっていこうという気持ちです。これから、どういうふうに選挙について考えるかというのは、これは、県民の皆さん初め、いろんなかたのお話も伺いながら、自分としても腹を固めていくことだと思っています。まだ、そういう状況ではありません。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者(幹事社)
よろしいでしょうか。
●知事
はい。どうもありがとうございました。