●知事
皆さん、おはようございます。この度、国土交通省から連絡がありまして、今日、記者発表をするということで大変に我々も期待をしている案件があります。境港のリサイクルポート(総合静脈物流拠点港)につきまして、今日、追加の指定の発表があるということがありまして、本県としてもこれまで大変にいい感触を持っておりましたので、ぜひ、指定が受けられればいいなというふうに大いに期待をいたしております。
このリサイクルポートの指定でありますが、今まで全国で21の港が指定をされております。ただ、平成18年の12月以降、追加の指定が一切ないというままきておりましたので、もしこの指定に本県が入ることができれば、久かたぶりのリサイクルポートに鳥取県の境港が加わることになります。山陰両県の静脈物流、全国や世界と結びながらの物流が新たに生まれることになるだろうと期待をいたしております。
お蔭さまで、昨年も非常に厳しい経済状況ではありましたけれども、新規航路の開設の効果も手伝いまして、1万7千TEU(20フィートコンテナ)を超えるコンテナの貿易になりました。これは、境港としては史上最高のコンテナ貿易量だということになりまして、明るい材料だったというふうに思っております。特に韓国との間のところが1万TEUを超えるということで、これも新記録でございまして、今、最終集計をやっておりますけれども、そのように境港が世界に開かれた玄関口としての機能を果たし始めていると考えております。
その証左として、もし今日、そういうリサイクルポートの動きが出てくれば大変に地元としても歓迎をしたいというふうに考えておりますし、新しい新年度の予算の中でもそういう静脈物流を支えるようなテスト貿易、外貿も内貿も、外国との間、それから国内での間のいろんなテスト貿易と言いますか、輸出輸入というものがあっていいと思っておりまして、そんなこともこれから考えていきたいと思っております。
●知事
雪につきましては、未だ厳しい状況が続いてきておりましたけれども、とりあえず空模様の方は落ち着きを見せ始めております。大山の大山寺のあたりは、まだ観光客の皆さん、人が通れるぐらいの雪かきはできているということではありますけども、ご不便もあるということでありまして、今朝、県の担当部局の方に、そういう除雪について、県としても応援出動を考えることを指示をしたところでありますが、いずれにせよ、以前よりも落ち着きを取り戻しつつあるところであります。
それで、後に残されますのは、農産物のことでありますとか、それから観光の誘客のことだと思います。それで、観光誘客につきまして、この週末から、本格的な「元気いっぱい鳥取県」というキャンペーンを張っていこうということであります。これは、観光関係者と話し合いをしてきておりまして、正直申し上げて風評被害が悩ましいところでございましたので、それを跳ね返していこうということであります。
むしろ、雪で知名度が上がっている状況があったり、それから全国紙の中でも、渋滞に巻き込まれた人たちを助けるようなことが、全国放送でも取り上げられましたけれども、助けるようなことを山陰の琴浦[町]、それから大山[町]のあたりのかたがたが積極的にされたことが心温まるエピソードとして報道されているということもあります。地域イメージとして雪が大変だなというイメージはできてしまいましたけれども、温かみのある人情深い山陰という、そういうほっこししたイメージも片方で生まれたと思っています。
この機会に[1月]21、22、24[日]には関西地区で重点的にキャラバンを行いまして、27[日]には山陽方面でのキャラバンを行うことにいたしまして、観光関係者と一緒に県も参りたいと思っております。私自身は、24日のキャラバンの中に参加をさせていただき、夕方の大阪駅でのキャンペーンイベントでありますとか、それから、大手の旅行会社のトップのかたに面談をさせていただいたり、いろいろと、女将さんとか、[鳥取県]観光連盟の中島会長さんだとか、そうした皆さんと行動を共にしながら元気いっぱいの鳥取県をアピールしてまいりたいと思っております。
そういう意味で、ここにございますが、こういう[「元気いっぱい鳥取県キャンペーン」の]チラシをこの度、新たに作成をしました。そういうことでキャンペーンをさせていただきますが、併せて、今、観光関係者と細部を詰めておりますけども、2月から3月にかけまして、「毎週当たるぞキャンペーン」のような、そういう「食のみやこ鳥取県」をアピールできるような、鳥取県の素晴らしい産品をプレゼントするキャンペーンを、鳥取県の旅館、ホテルの方にお越しの皆さま、観光施設ご利用の皆さまにそういう当たるチャンスが毎週やって来るという、そういうキャンペーンをこの冬場から春先にかけまして、2月、3月取り組んでみたいと考えております。
これは、近々その詳細を発表させていただきたいと思いますが、「元気いっぱい鳥取県キャンペーン」で、何とかこの雪の鳥取県のダメージから脱却をして、むしろ、これを逆手に取って全国にアピールをしてまいりたいと考えております。
それから、雪の関係では、今、詳細いろいろやっておりますけども、漁船の引き揚げが進んできておりますが、これが修理にかかるという状態になってきつつあります。これについては、県の手数料を特別に免除するということを発動することにいたしましたし、それから、2月補正[予算]でも、雪害で被害を受けた農業用施設、果樹棚などで3億5,000万円程度は、例えばそうした助成事業をやろうとか、今、さらに追加でそうした雪害対策を順次実行していくということにいたしたいと思っております。
●知事
予算編成でありますが、いよいよ当初予算の編成が始まりました。ただ、これは地方自治のエチケットとして、今回は私自身、それから県議会の議員、そういう首長、議員の改選期でございますので、骨格予算で臨むことにいたしたいと考えております。ただ、当面必要なことは、先程の雪害対策、あるいは鳥インフルエンザ対策なども含めてやっていくということになります。
鳥インフルエンザでいきますと、これはこの2月とそれから当初予算でそれぞれ分けて鶏舎の網を張る、[野鳥の]防除対策をしっかりとやっていくことにしたいと考えておりまして、当初予算の中でも当然国の補助が今度できますので、それを取り組みたいと考えておりますし、それからそういう補助の対象にかからないようなところを重点的に、この2月補正でやっていくということにいたしております。
なお、実際に移動制限がかかったような、そういう養鶏業者さんなどは、すでに既定の予算などで実施対策を組んできております。このたび損失補償を鳥取県独自で行うことにいたしまして、その移動制限に協力していただいた養鶏業者さんに応えていくことにさせていただきましたけれども、これも近々、この月末までに損失補償も実行することにいたしております。こういう鳥インフルエンザ対策は、このように2月補正だとか、当初予算にも結びついてまいりますが、こういうような緊急の事業などを中心として当初予算編成を始めたところであります。
正直申し上げて財政環境は決して楽観できる状況ではありません。当初予算対比で比べますとまあまあのところもあるように見えますけども、決算対比でいきますと税収だとか、それから実質的な交付税など尻すぼみの状況にございます。
ただ、当面は今年度の当初予算と来年度との比較をある程度やりながら財政フレームを作っていくことになりますが、税収は大体420億円ぐらいかなというような見込みでございまして、昨年度の当初[予算]は上回るとは思いますが、今年度の決算見込みよりは下回ってくるというようなベースかなと見込んでおります。
それから地方交付税、また臨財債[臨時財政対策債]といったものを加えた実質的な地方交付税と言われるもの、これを見てみますと、地方交付税は1,200億円台の後半ぐらい見込めないだろうかと、今、精査をいたしておりますが、臨財債の方は3分の1ほど減るぐらい、昨年よりも大幅に減った格好になります。
この結果として、実質的な交付税と言われる額が今年度の当初予算よりも来年の当初予算編成としては小さくなる、減少に転じるという状況でございまして、当初対比で見て税収が若干伸びが見込めるかなというところを加えて、何とかトントンのところで予算組みできないだろうかというやりくり編成を迫られている状況があります。
また、国全体の予算論議が国会で始まろうとしていますけれども、今、政府として提出されておられます予算案によりますと、特に投資的経費の減少が厳しいです。加えて一括交付金が、中身が見えないままどうも年度を越年しそうだという状況でございまして、先般、一括交付金のプロジェクトチームとして、岐阜[県]の古田知事さんが代表して記者会見に臨まれたり、アピール行動をしたり、政府側とも折衝されたわけでありますけども、都道府県の方では予算編成が組めなくなっているという難しさを訴えているんですが、政府の方は、そこはなかなか理解がこないと、配分額がどうなるかっていうのは、年度を越えてみないとおそらく出てこない状況ではないかと思います。
今分かっているのは、対前年で継続事業であれば9割程度は継続事業に充てて、それから、残り1割は新規事業も含めたところで、これ、客観的費用で配分すると言っているんですが、果たしてどの事業がどういうふうに積算の根拠になっているのかというのが見えないものですから、具体的に鳥取県にいくら一括交付金が入ってくるということは読めない状況になっています。
これ、ちょっと矛盾がございまして、一括交付金は、地方で、既存の事業も含めて取捨選別をして、これは重点的にやる、これは少し進度調整をする、あるいはこれは止めるとかいうことを地方の方に任せるという話だったわけでありますが、それが事実上できなくなってしまっておりまして、これは、国の方でも、ぜひ、考えてもらいたいと思っております。
ただ、いずれにせよ、予算は組まなければなりませんので、ある程度の検討をつけながら、ということで、進めることになりますが、新年度当初予算は骨格編成になります。従いまして、こういう投資的経費については、ある程度、そういう一括交付金が不透明な状況だとかいうこともございますので、緊急性の高い継続事業を中心とした計上にならざるを得ないかなあというふうに考えております。
このように、なかなか当初予算編成、骨格[予算]とは言え、組みにくい予算編成になってきているところでありますが、できるだけ、今年度のうちの事業執行、不必要なところは不要として決算を打ってもらうことなどをしまして、この4年間、財政運営は政権を引き継ぐ前よりも好転をすると、借金の額、事実上の将来負担を減らして、そして、貯金を増やすという姿で、新年度に引き継いで、そして、その中で、なんとか肉付けも含めた当初予算編成をやっていけるようにしたいと考えております。佳境に、これから入ってきておりまして、いろんな事業を、県庁内でも議論をしていきたいと思っております。
●知事
それから、マンガサミットの関係でありますが、国際マンガサミットにつきまして、いよいよ、来年に行うことになります。それで、今年度から来年度にかけまして、関連事業をやって、盛り上げを図っていこうと考えておりますが、その皮切りとして、2月4日にとりぎん文化会館で漫画家の里中満智子先生などを交えて、新春漫画放談というのをやろうではないかと、今、関係者と話がまとまってまいりました。
この日に、国際マンガサミットの準備委員会、里中満智子先生も会長さんでいらっしゃいますので、入っていただいて行いますが、それと併せて、そういう漫画についての新春放談というような機会をとりたいと考えております。また、来月は27日にアニカルまつり零として、アニメソングの大会を行ったりするなど、[国際]マンガサミットに向けても始動させていきたいと思っております。
また、併せまして、今年は全国豊かな海づくり大会が実施をされますけれども、いよいよ鳥取県内の関係者と一緒になりまして、実施本部を設置をすることにいたしました。来週の25日にその実施本部の立ち上げを行うということにいたしておりまして、これも大事な行事になります。
新年度の一番大きな行事と言って差し支えないと思いますが、その成功に向けて、全庁的に、県民の皆さま、関係者とともに努力してまいりたいと考えております。私の方からは以上です。
○中国新聞 円山文雄 記者
国交省の記者会見は何時くらい。
●知事
今日の午後2時と伺っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
リサイクルポートに関係してなんですけれども、今、規制緩和が図られることになるんじゃないかと思うんですが、例えば48時間ビザの発行とか、そういう具体的なメニューまで中では検討しておられると思うんですけれども、そういったところが、もし今、お話しできることがあれば教えていただけませんでしょうか。
●知事
今、規制緩和につきましては、政府側の方に特区申請を行ってきているところでございまして、どこまで実現するかは正直分かりません。今回のリサイクルポートは物流のところで、従来の製品だとか、原材料だとか、こういう輸出入とかだけでなくて、国内の港間の移動も含めまして、ちょうどリサイクル産業も立地しているわけでありますから、静脈の出入りをするようにしようと。従来の物流とは違った物流を起こして、港の発展を図ろうということであります。
このリサイクルポートの指定が整いますと、このリサイクル関係の施設整備について、国の方から重点的な支援が受けられることになります。もちろん、今、おっしゃったような、外国との行き来について、緩和をする際にも、こういうリサイクルポートが、仮に今日、指定の朗報が届けば追い風になるだろうと期待をしています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
九州の北九州港と京都の舞鶴港の間の山陰、日本海方面ではリサイクルポートの指定がこれまでなかったと思うんですが、その中で、境港が指定されることの意義というか、そういったものは何かありますか。
●知事
日本海側でも例えば、酒田港は、こういうリサイクルで、港の1つの大きな要素をなしています。それは、その他の地域から船で搬入をします。これはコストの問題もありましてメリットがあると。その酒田周辺にはそうしたものを加工して、リサイクル製品として、今度は世の中の方に、むしろ逆に出していくという、そういう産業立地が集積をし始めております。
私どもの鳥取県の境港周辺でもこういうリサイクル産業は、実はございまして、今でも陸送で運ぶとか、海で運ぶとか、いろんなことで、リサイクル産業の原料となる廃棄物だとか、そうした静脈物流を引き受けてきておりました。ただ、港が正面に出てきますと、今までよりももっと使い勝手がよくなると思います。その意味で、動脈物流だけでなくて、こういう静脈物流と言われるような、もう1つの側面も、境港の玄関口としての機能を強化していくだろうと期待をいたしております。
○時事通信 京正裕之 記者
観光キャンペーンの話なんですけれども、2月から3月の食材が取れるというのは、これも先週発表した500万円の予算でやるのか、それとも追加。
●知事
一部追加になると思います。これ、観光関係者と今、話し合いをしながら、どのようにキャンペーンをするかということを順次固めてきておりまして、当初500万[円]で見積もっておりましたが、これを拡大してもやる値打ちはあるかなと、今、そんな話をしているところです。
その予備費を使いまして、先程申しましたようなキャラバンを編成するだとか、PR活動の強化に、今、入ってきたところでございますが、さらに、鳥取に旅してよかったねと、山陰に来てよかったねというふうにプレミアム的に思ってもらう、そういう仕掛けも併せてする必要があるのではないかと考えておりまして、毎週、プレゼントが当たるような、そういう元気いっぱい鳥取県キャンペーンも併せて実行していきたいと思っております。これは、概ね500万[円]と考えておりましたけれども、その予備費にさらに追加をして実施していくことも当然、あると思います。
○中国新聞 円山文雄 記者
豪雪関係で、観光の被害額みたいな何か、キャンセルとか、数字的なものは出ておりますか。
●知事
これは、関連の皆さまと、私どもの職員とでいろいろ協議をしているんですが、その辺の具体的な数字を出すよりも、こういう風評被害対策とも言えるような事業をやっていった方がいいんではないかと、こういうことで、今、進んでおります。
ただ、もちろんざっとした話を申し上げれば、主な温泉地で、年末年始で、やはり5,000件といった規模でキャンセルが起こっていると、仄聞はいたしております。ただ、そこで、数字の積み上げの調査をするよりも、もっと、今いま、こういう厳しい状況がございますので、それを跳ね返していくような誘客を図ろうではないかと、こちらの方で、今、協議をしているところです。
○日本海テレビ 馬田勉 記者
リサイクルポートのことですが、その指定に向けて以前から県は国に働きかけをしていたのか、ちょっとどの辺が評価されて、今回、指定されるというふうにお思いでしょうか。
●知事
県としては昨年度ぐらいから本格的に、このリサイクルポートの指定を目指して取組んできております。その前からかもしれませんね。リサイクルの静脈物流を興していこうという[リサイクルポート準備]協議会も関係者と一緒に境港で検討を進めていきまして、それで、その静脈物流のモデルと言いますか、ビジョンを描いてみたりもしてきました。
そういう地元の動きも合わせて国に訴えかけをしまして、この辺りでは、もちろん北九州とか大きなところはありますけども、この界隈にはないんですね。それで、リサイクルポートのミッシングゾーンになっていますから、境港で手を挙げていこうではないかと。それで、本格的に要請活動を昨年度から実施をしてきているところであります。
○日本海テレビ 馬田勉 記者
やっぱりこの近辺にリサイクルポートがないということから国も今回境港の指定に。
●知事
あとは評価をされるとしたら、ちょっと今日の午後の記者会見、どういうお話が出るか分かりませんが、評価されるとすれば、リサイクル産業の集積が一定程度見られることも、当然ながら評価の対象になっているだろうと思います。例えば、大手の製紙会社の工場が鳥取県にはありますけども、あれもRPF[廃プラスチック、紙くず、繊維くずなどから製造される固形燃料]と言われます、静脈物流を逆に原料にしてやっておられるところがございまして、こういうような今までの地道な環境産業づくりが実を結ぶのではないかと思っております。
せっかく発表されるということでありますから、当然それは指定だろうというふうに期待を膨らませているところでございまして、そういうようなことで、評価をしていただけたんではないかと、そういう環境産業づくりが評価の対象になっただろうと思います。
○共同通信 仲嶋芳浩 記者
「元気いっぱい鳥取県キャンペーン」なんですけれども、24日は知事ご自身が大阪駅でPRをされるということですね。どのようなPRを考えておられますか。
●知事
24日はそういう、今、新しいプレゼントキャンペーンも話を固めた上で、そういうことも含めて、こうチラシを持って女将さんたちとか、それから観光のトップのかたがたと駅でキャラバンをやりまして、誘客を呼び掛けるというふうなスタイルになろうかと思います。
○共同通信 仲嶋芳浩 記者
ビラ配り。
●知事
ビラなどが中心になると思いますね。前、どこまでできるかっていうのはいつも難しいところでして、前、二十世紀梨を配ったことがあるんですけども、やっぱり関西の人はすごく敏感なんですね。ただでものを配るというと。ちょっと危険を感じるような時もありますので、ちょっとやり方はいろいろ工夫をしなきゃいけないなと、いつも、駅側からも言われているところです。ビラ配りなどでキャラバン隊でのキャンペーンを呼び掛けるというスタイルだと思います。
○NHK 月岡信行 記者
関西を選んだのは、理由は。
●知事
関西と山陽方面ですね。山陽方面には27日にやろうと言っておりますが、鳥取県内への観光客は半分が関西からです。それで、残りは県内とか中国地方各県、それに続いて四国だとか、東京方面が来ますけども、一番大きな誘客対象はやっぱり関西になりますので、その関西で、ぜひ、雪が降って大変だったっていうふうに言われていますけども、元気いっぱいなんで来てくださいと、そういうところを見てもらって、多くの人に、ほんならいっぺん行ってみようかというようになればいいなと、そんな期待を込めて関西を重点エリアに選んでおります。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
24日の午後イチで、何か、デパートにも行かれるんですよね。
●知事
もう1つ、さっきちょっと言いかけていた農産物の方がございまして、これも24日に市場関係者とか、それから消費者に訴えかけをしたいと思っています。JAのトップの皆さまとも相談をさせていただいていますが、作戦を我々なりに立てました。
単に被害があって、それを復旧するということだけでなくて、ある程度攻めていこうと。今、野菜の値段が、全国的にも堅調なこともあります。ですから、ただ、投げてしまう、つまり、捨ててしまうということではなくて、実際には雪の中にいるもんですから、美味しさも出てくるんですね。氷温効果を考えていただければ、そうでありますけども、例えば、雪の中を雪割りネギのようにして、雪の中でしっかりと生きてきたネギ、あるいは、そのブロッコリー、こういう産品は、むしろ糖度の面とか、旨味の面で優位性もあるだろうということであります。
ですから、従来ですと、ネギは58cmとかという規格品を持っていまして、葉も3枚とか、そういうところの見栄えの良いところで出荷をするんですけども、今回は50cmでの特別な箱を作りまして、私も現場の方へ行きましたが、特別な箱を作りまして、それで出荷をしていこうじゃないかと。もちろん、あまりにもちょっと消費者の手にというよりはっていうことであれば、加工品用のそういうロットも作りまして、販売していこうという戦略を立てております。
ブロッコリーも同じでありまして、10~12cmぐらいのところで、早く、採ってしまうと。つまり、傷みが出始める、凍傷が出始めるということの前に、出荷をしてしまうと。従来の規格よりは小さめになりますが、それでいいじゃないかということで、言わば攻めていく、そういう雪害対策を考えていくということにいたしました。
これの支援も、当然予備費を執行してやっていくわけでありますけども、その一環として、この24日には、大阪の市場関係者とこのネギだとか、ブロッコリーについて、元気に雪の中で育って美味しいネギやブロッコリーですと。そういうことで、従来の規格とは違った規格で出していますけども、そういう雪に負けない美味しさの産品を、ぜひ、味わっていただきたいと、そういう働きかけをしていくことにいたしました。
市場だけではなくて、高級なスーパーであります大阪の千里のお店でも、実地に消費者の皆さんに、農家の皆さんと一緒になりまして、販売促進をキャンペーンで行っていきたいと考えております。24日はこういう農産物関係と観光関係と両方含めて、私自身もその双方に参画をさせていただこうと思っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
今日の発表事項じゃなくて恐縮なんですが、先日、新卒大卒者の就職内定率が非常に悪いという数字が出ました。県内でも、同様の事例が起こっているんじゃないかと推察するんですけれども、これについての知事のご所見と、あと、県として、何か対策があれば、教えていただけませんでしょうか。
●知事
これについては、年末から、我々の方でもデータ的にも察知をいたしておりまして、労働担当の役所の皆さんとか、それから、もちろん経済界のかたにもご協力をいただいて、2月に追加の就職説明会のような場を作ろうということにいたしましたし、12月~1月にかけて、高卒も含めたローラー作戦を、今実施してきたところであります。
今、全国的に就職超氷河期と言われる状況に入ってきておりまして、鳥取県でもそういう若い皆さんが、人生の最初で、困難を味わうことがないように対策を取っていきたいと思っております。あと、万が一、なかなか見つからないという場合でも、職業訓練の場を例外的に、こういう卒業したかたがたにも行っていただけるような予算的枠組みを拡充していくことにいたしております。
○日本海テレビ 馬田勉 記者
インフルエンザなんですけれども、鳥取県が昨日注意報を出したと思うんですが、昨年、新型インフルで、対策本部などを作られて対策を取られていたんですが、今年は去年と比べて、そういう改めての対策というのは取る方針というのはないんでしょうか。
●知事
対策本部の体制は、実は、いわば開きっぱなしの状態になっています。そういう中で情報共有を図ったり、それからモニタリングをしまして、県民の皆さんに注意を呼び掛けたり、そうした対応を取ってきております。
特に、今は再流行期に入ってきておりまして、注意報を発令させていただきましたが、急速に、全国よりは流行の波は若干遅めに鳥取県は入ってきましたが、それだけ予防が効いてたのかもしれませんけれども、とうとう入ってきましたので、ぜひ、県民の皆さまにもご注意いただきたいと考えております。
ワクチンの接種が軽減に役立つというふうに言われています。そういうワクチンの接種の啓発活動でありますとか、それから、もしお風邪にかかった時の対策として、注意事項、そういうパンフレットなんかも作成をしまして、市町村などと一緒にPRをしていく必要があるだろうと思っています。
去年と違いますのは、去年は、実はワクチンがない状態で流行が始まりました。それから、世界的にWHO(世界保健機関)の指導もありまして、こういう新型インフルエンザに対する警戒態勢が非常に強かったです。今年は弱毒性ということもあったもんですから、通常のインフルエンザと同じ対応で医療機関に対処していただいております。それで、特段の問題はないと考えております。
現実に県内でのモニタリングの状況からしますと、すべては遺伝子系を同定しておりませんが、県内のインフルエンザは、おそらく半分以上は新型ではないかというように思われます。これは検出をされている状況からしますと、例えば、A型陽性というふうにインフルエンザ反応が出ますが、その中でさらに遺伝子検査まで進んでいくものがございますが、そういう遺伝子検査をしていきますと新型が優勢であると。これは鳥取県に限りません、全国的にそういう傾向があります。
ですから、今はもうインフルエンザ対策自体が新型インフルエンザ対策のような様相を呈しておりまして、私どもとしても県民の健康が損なわれないように、万全の体制をこれからも取っていきたいと思っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
2月補正の額などは固まりつつあるんでしょうか。
●知事
まだ、補正も当初予算もまだ、今、聞き始めたところでございまして、額はちょっとなかなか固まってはきておりません。だだ、2月補正は中心的には雪害対策、さっき申しました農業用施設で3億5,000万円程度とか、そういうものを、今、順次積み上げているところであります。あと、どうしても年度末ですので、財務会計上の整理がかなりのウエイトが出てくると思いますが、そういう中でも緊急性の高いことを執行していきたいと考えております。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
24日の予定にちょっと話が戻るんですが、知事の週間日程の方では、大阪の中央卸売市場の方でブロッコリーの雪害の対策会議等が、ちなみに雪害の対策会議というふうに。
●知事
ええ、これは市場関係者との話し合いです。市場関係者に、我々のこういう戦略について理解をぜひしていただいて、もちろん市場関係者の方でも、どうせ出荷するならこんなのがいいよというのは、必ずご注文があるもんです。そうした協議をさせていただきたいと思っております。我々としては、こういう雪に悩んで、大変なダメージが生まれている状況でありますので、市場側でもぜひ理解をいただいて、流通に乗せてもらいたいと考えております。
実は既に一部出荷が始まりはじめておりまして、こういう戦略も、一定の手応えは出始めていると考えております。単価的にも大変厳しいような状況でもないだろうと思われます。だいぶ野菜の品薄感が市場の方にもあるようでございまして、多分市場側の方もこうした鳥取県の対策について、歓迎していただけるんではないかと思っております。
○中国新聞 円山文雄 記者
各社ないですか。それじゃあ、ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。