●知事
皆様、あけましておめでとうございます。記者クラブの皆様、それから県民の皆様におかれましては輝かしい新春をお迎えのこととお喜びを申し上げたいと思います。
冒頭、このたびの雪害によりまして、尊い命を落されました江府町の[町営奥大山スキー場]ゲレンデを視察に行かれた4名の皆様がた、また、大山町で雪の下敷きになられたかたに対しまして、心から哀悼の意を表させていただきたいと思います。
また、このたびの雪害で甚大な被害が広がってきております。その被害を受けられた皆様に対しまして、お見舞いを申し上げたいと思いますし、県として最大限の皆様の復興への支援をしていくことをお誓い申し上げたいと思います。
●知事
今年は鳥取県政にとりまして、ターニングポイント、土台づくりとなるような年にしていきたいと思っています。未来に向かっての土台づくり、これを今年心がけてやってまいりたいと考えております。
その1つには、全国豊かな海づくり大会がございます。これに象徴されますように、鳥取のすばらしい環境を活かしてやっていけることがたくさんあると思います。また、食に関わる農林水産業、なかんずく、このたび甚大な被害を受けている水産業の振興、これを通じて日本の食文化に対して貢献をしていく、そういう「食のみやこ」の在り方も発信できるんではないだろうかというふうに考えております。
こういうことに加えまして、県内で様々な交通の利便性が変わってくると思います。東伯-中山道路が開通をすることになりますと、県内での山陰自動車道が50パーセント以上開通をするという時代に入ってまいります。私が就任したころは微々たるものでありましたので、だいぶこの4年間で進捗が進んできたかなと、更に次に対する布石も着々と生まれてきていると思います。北条-湯原道路、駟馳山バイパスなど、こちらの方でも進捗が図られつつあると考えています。また、空の便、それから海の便についても充実やその力強さを醸し出していかなければ土台づくりにはならないだろうと考えております。
併せまして、人づくり、なかんずく子育て王国鳥取県の実を作っていく年にしたいと思っております。[小児]医療費の助成を大幅に拡充をしたり、また、認定こども園といった制度を鳥取県内でも作り出していったり、併せて、わらべ館もリニューアルオープンすることになります。マンガ王国とっとりのテイストを新しいわらべ館の中に作り出そうといたしているわけであります。こんなような人づくり関係も重要な土台づくりになるんではないかと思います。
また、交流の基盤となる交通基盤、また、人づくり、そして産業基盤づくり、これも重要なテーマだと思っておりまして、バイオフロンティア鳥取がオープンをしたり、電気自動車工場という新しい事業が実質上スタートする年になろうかと期待をしております。片方で[鳥取県]東部の方で電器産業の将来がかかる年でもございまして、私としては、むしろ、この厳しい経営構造の転換期を捉えて、逆に鳥取のこれからの、人が働く雇用の場をしっかりと土台を踏み固める年にもしなければならないと思っております。
更に、観光面などでもターニングポイントになろうかと思います。国際リゾート化をぜひ進めていく必要があり、それは鳥取県には可能な射程の範囲内だと思っております。ただ、今まで交通基盤の問題だとか、県民の皆様や関係者の人たちの意思統一が図り難いこともありましたけれども、ここにきて、韓国ドラマ「アテナ」が韓国で放映をされております。そういうことで、お客さんも増え始める予兆が生まれてきております。また、山陰海岸ジオパークの[世界ジオパークネットワーク加盟]認定後、[関西]広域連合に鳥取県もチャーターメンバーとして加入をしました。これで、各府県で連携をして山陰海岸のゾーニングをして国際的にも観光客を呼び込んでこれるような地域にしていきたいと考えております。
その他、いろいろとテーマはあろうかと思いますが、鳥取県としてのこれからの未来の土台をしっかりと作っていく年にしていきたいと念願をいたしているところであります。それに向けて全身全霊を捧げてやってまいりたいと思います。
●知事
ただ、現下の状況から申し上げますと、今の雪害対策ですね、これは県庁を挙げて取組むべきことを、ただ今、年頭訓示の中で指示をさせていただきました。午後2時には幹部会[議]を招集しております。この中で、現在の雪害の状況について把握しているところを、報告をし合ったり、また、これからどういう対策に乗り出していくべきか、その率直な話し合いをしてみたいと思います。
国に対しても要求すべきことはいろいろと出てくるだろうと考えておりまして、整理をした上でその雪害対策に国としても支援すべきところを支援してもらえるように働きかけも強めてまいりたいと思っております。
昨日は、現場の方にも出向かせていただきました。国道431号線の沿線は白砂青松の松原として大変きれいな景勝地でありましたけれども、無残な程に300本、その松が途中から倒壊をしております。こういう惨状を見るにつけまして、この度の雪の重みというものを感じざるを得ません。
海の方に参りますと、264隻[1月3日時点]の漁船が転覆、沈没をしているという事態になりました。こういう厳しさの中から、漁業に携わるかたがたで、これから続けていけるだろうかという悲痛なまでの叫びが上がっております。
また、丘の方でも当然ながら、雪が降り積もっているわけでございまして、これから果樹園を中心とした被害が広がるのではないかと心配されています。現在は、除雪は生活圏域を中心にして、まず入ってきておりますので、実際に果樹があるところまでは届いていません。ですから、これからその雪が解ける、あるいは除雪が進むことと併せて被害が見えてくるんではないかと思います。そうした準備も進めていかなければなりませんし、ビニールハウス、これも50棟ぐらい、現在でも倒壊したという報告がございます。まだ、調査中であります。
牛舎も昨晩訪ねました。牛舎がへしゃげていまして、その下敷きになって2頭の牛が死んでしまったという悲しい話を伺いました。県庁職員も出まして、皆で協力して昨日はその牛ですね、倒壊した牛舎の牛を別の安全な所に移す、そういう作業も行ったところであります。そういうような状況をなんとか立ち直らせていかなければならないと思っております。
例えば、ビニールハウスだとか、畜舎関係でその復興をしようと、再建をしようという場合の支援を県も行っていくとか、それから、漁協の景山組合長からは、水産業の立ち直りのためにやる気を出す、もう一度やっていこうと、ここで放り投げないような、そういう今後の施策を求めたいというお話がありました。
当面、引き揚げが必要でありまして、ダイバーの手配だとか、クレーンの手配が求められますが、この辺は漁協との協調の中で、漁協がイニシアチブを取られるんではないかと思いますが、早急に進めていこうと、今動いているところであります。今日、関係者が集まりまして境港で会議を開いているところであります。そういう関係者の意見交換の状況も聞き取らせていただいて、今日の午後に対策会議となる幹部会議の中で話し合っていきたいと思っております。
非常に厳しい状況の中ではありますけれども、ただ、順調に交通などが回復をしてきております。ぜひ、メディアの皆さんにもご理解をいただきたいと思いますけれども、正月休み、全国的に鳥取は雪深いところだという、そういう報道がなされまして客足が止まってきております。我々としては、一生懸命雪害対策をやりまして、夜を徹して道路を開通をさせたりということをやってきておりますけれども、残念ながらお客さんの方からは、観光客のキャンセルなどが出てきているという、そういう声も上がってきておりまして、やむを得ないところもございますが、今では観光地として、例えば温泉に入って楽しんでいただけるとか、そうしたことには支障がございません。
もちろんスキー場もだいせんホワイトリゾートは、今年オープンをしました。奥大山[スキー場]の方は止めておりますが、紛らわしい名前でありますけども、だいせんホワイトリゾートという一番大きなところだとか、そうしたところは営業もしております。
そうしたことを考えていただいて、ぜひ多くの皆様にせっかく交通も戻ってきておりますので、ぜひ冬の山陰を楽しみに来ていただければというふうに思っております。そういうようなことで、何とか立ち直らせていくように我々としても最大限の努力をしていきたいと思います。
●知事
これから予算編成作業を進めてまいりますけれども、具体的な政策テーマについては、年末に話し合ったことを土台としてやっていきたいと思っております。そういう中で財源確保に非常に苦しんでいたところでございますけれども、これについて、このたび、(株)鳥取銀行とコカ・コーラウエスト(株)との契約が整ってきておりまして、改めて3年間ネーミングライツをやっていく、継続していくことが決まってきました。
いずれ調印式をさせていただきたいと思っておりますが、ここのとりぎん文化会館につきましては1,500万円、それからコカ・コーラウエストスポーツパークにつきましては1,000万円の契約金額で妥決をするという運びになりました。
我々としても、財源かん養の努力をこれからも図ってまいりたいと思いますし、ご協力いただいた企業さんには感謝申し上げたいと思っております。
●知事
また、資金調達の意味で、地方債を発行するわけでありますけども、昨年「ゲゲゲの~」が流行語大賞になりました。その流行語大賞に選ばれた「ゲゲゲの~」という言葉を使わせていただきまして、「ゲゲゲのふるさと」とっとり県民債という地方債を起こさせていただくことにいたしました。
5億円の規模で募集をしようというふうに考えておりますけれども、当然ながら、そのキャラクターにもお手伝いをいただきますが、証書も県産材を活用した特徴あるふるさと県民債に相応しいものにしようと考えております。子どもたちのための学校整備といったような用途に充てていこうと考えております。
今年1年、非常に雪深い正月ということにはなりましたけれども、ぜひ、いい年にしていきたいというふうに考えております。県民の皆様がたにおかれましても、ご家族揃って地域で素晴らしい年となりますように、心からお祈りを申し上げたいと思います。私からは以上です。
○共同通信 仲嶋芳浩 記者(幹事社)
それでは、質問ありましたら、どうぞ。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
このたびの豪雪なんですけれど、県の方も対策本部を立ち上げられて、知事も初動をしっかりしてほしいということを言っておられたと思うんですけれど、国道9号の大渋滞、国道9号は国の管理なんですけれど、振り返られて、知事はその初動がどういうふうに思われたか。
また、国の国交省の職員のかたも年末年始で休暇で人数が少なかったということで、今後、国に対する要望、先程もちょっと要望、これからどうするかということを言われましたけれど、それについてちょっとお聞かせ願えませんか。
●知事
今は、毎日毎日追われるように、雪害対策を全庁挙げてやっているということでありまして、反省は、また後でしっかりとしていきたいと思います。ただ、第一印象と言いますか、十分な分析をしたわけではありませんが、今回20kmを上回る大渋滞が国道9号線で発生したことは、いろんな要因が重なってまして、相手は自然ですからやむを得ない面はぜひ割り引いて考えていく必要はあると思いますが、私ども、現場で働いている者としては、もっと改善の余地があるのではないかという印象もあります。
今回、国[土]交[通]省さんの方でも、年末年始でふるさとに帰られたかたがいらっしゃったわけでありまして、それで、[河川国道]事務所の方がきれいに回ったかどうかということは検証されなければいけないかなと思います。
我々としては、こうした山陰なんかは雪が降る所でありますから、だいたい、なぜか正月は降るんですね。大伴家持が悪いのかよく分かりませんが、なぜか正月は結構降る年が多いです。ですから、そうした雪が降った時の体制ですね。もちろん、正月休みを取るなということではなくて、我々県の現場もあるわけでありますから、そうしたところの協調体制なんかも、本当は考えてもいいんじゃないかなという印象を持ちました。
我々も慌てて、雪がだいぶ降り始めましたので、12月31日の[午後]5時にみんなで集まりまして、体制整備について手配を早速始めたわけでありますけども、そういう段階から国交省さんの方でも、本当は動いていただきたかったです。
だいぶ事態がのっぴきならない状態になって、夜半前ぐらいですかね、自衛隊の出動を求めたいという状況が出てきまして、私も、中の話し合いを早速した上で、すぐに自衛隊の方に[災害派遣を]申し入れしました。自衛隊の出動が[1月1日の午前]4時だとかいうことで言われていますけども、実際には夜半前ぐらいから、自衛隊ともコミュニケーションを取っていまして、実質上は出動要請をしていた状況でありましたけれども、なかなか現場に入れないですよね。だから、なるべく早いタイミングで、危なくなりそうだったら、地元の町村だとか巻き込んでやってもらってもよかったんではないかなという気がいたします。
夜は暗かったわけでありまして、翌朝になって、本格的に人海戦術も取れるようになりまして、県職員もだいぶ出ましたし、地元の町からも消防団を中心として出ていただきました。そうして1日がかりで、夜半過ぎに結局はなりましたけれども、その[車両や雪の]撤去作業だとか進めていったわけですね。もっとそうした初動でこういう雪のような状況にどういうふうに対処すべきなのかということを、国交省とか、政府の方でも考えていただく必要はあると思います。
実は、私どもが初めてではなくて、福島[県]でも同様な事例が起こっているわけであります。そういう時の体制について、これは国交省だけに全てを負わせても難しい面があるのであれば、当然ながら地元も相身互いで考えていけばいいと思います。そうした、体制作りを政府の方に求めていきたいと思います。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
想定の範囲を越えた大雪が一気に降って、今回の甚大な災害が起こったということは、ちょっと言い訳に過ぎず、理由にならないと思うんですけれど、今後は、県として危機管理の意識とかというのは、今まで鳥取県はかなりきっかり全国でも屈指でやっておられると思うんですが、これからまた、寒波がまたやってきて、同じようなことが起こり得る可能性もあると思うんですね。その辺の危機管理の意識というのは、今後どういうふうに保っていかれるんでしょうか。
●知事
今回、危機管理として初動から結構職員も動いていまして、精一杯のことをやってきているということは、実は、ご理解いただきたいと思います。問題は国道9号のところが、これは国交省さんがやっているはずのところが上手くできていなかったということから騒ぎが大きくなったというのが実態かなと思っています。今回のことを教訓にして、早い段階から地域も巻き込んで、政府の方も、政府の管理している国道についても動いていけるような体制を作ってもらいたいと思いますね。
結構、[河川国道]事務所の方からすればトップがなかなか現場に入ってこられなかったとか。ただ、我々、県の職員からしますと、やっぱりそれは実際にそこで大渋滞が起きているんであれば、業者任せにせずに、そこに職員も国も出すべきじゃないかとか、そういう思いはあります。だから、やっぱり県の方で、日頃、こうした除雪作業などで最前線で動いている、我々からするとちょっと、もっと頑張ってもらいたいなという思いはどうしても残る状況だと思います。
今回は想定外の雪が降ったということは事実でありまして、まず、大型のタンクローリーが横になってしまったと、これを何とか縦にして、実際動かし始めると、そうすると、今度またその前後で事故が起こると、そうやって事故の連鎖がどんどん続くわけですね。そのたびに交通を止めたりしなきゃいけなくなると。だから、想定以上に雪が邪魔していると、更に言えば正月休みということもあるのかもしれませんが、ノーマルタイヤで入って来ている車も決して少なくなかったです。
それから、陸運の関係者のかたにもご理解を求めたいと思いますが、高速道路だとか、山陽方面にもありますよね、東西の大動脈を使うんであれば、わざわざ雪が降っている山陰を使わなくても良いわけでありまして、その辺、PRの問題もあるのかもしれませんが、もっとクレバーに、賢明にこう、雪に対処していく術を社会全体として持つ必要もあるんではないかなというふうに思います。
これから、我々の方でも雪害の復興に向けて全力を投入していきたいと思いますし、時間的余裕を取りながら、今回の雪害対策の反省点もいずれまとめさせていただきまして、国に求めていくべきことは求めていったり、我々の方でもマニュアルとして共有していくべきものはあろうかと思いますので、そういうものも考えていきたいと思います。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
国道が国の管理ということで、県の方で主体性が一部持てなかったんじゃないかっていう声も聞かれているんですけれど、県の職員のかたも一生懸命夜中から、未明からずっと一生懸命やられていると思うんですが、それについて、国の管理だということで知事は、何かおっしゃりたいことはありますか。
●知事
ですから、私も今回、経験して思いましたけども、こういう除雪の仕事など、こういう維持管理的なやつですね、高速道路の建設のようなことと、こういう維持管理的なこととあると思うんですけども、ある程度は地元の方に丸ごと移譲してもらっておいた方がいいのかなという気がいたしております。
これはよく検証してみないといけませんけれども、もっと別のシステムの方が動きやすいんではないかなという感じがいたします。今回もコミュケーションを取ろうにも、[河川]国道事務所が捕まらないわけですよね。だから、うちの職員もだいぶ、正直疲労困憊しました。
私は、危機管理の現場のトップに当たるわけでありますから、地域が求めているのは、この国管理である国道9号の問題も入っていると、だからそれには県庁職員、あるいは地元の市町村にも協力してもらって、もちろん自衛隊にも[災害派遣]出動要請をしましたけれども、総がかりでこれをやって何とか正月には、1日には、道が通れるように頑張ろうじゃないかと、何度聞いても目途がない、目途がないという話ばかりじゃらちがあかないと。そこは、我々が、むしろ正面に乗り出して行ってやろうじゃないかと、こういうような話も中でだいぶさせていただいたんです。
なかなかこれは戦争みたいなもんでして、雪との戦いは。ここの領分は私がきっちりやりますと、この領分はあなたがきっちりやってくださいと、こうやってそれぞれ分担してやってきておりますのでね。それで、自分のところを一生懸命やることでなんとか今まで乗り切ってきたわけでありますのが、今回はこの国道9号という前線が崩れちゃったわけですよね。
今までであれば、国がそれなりにやってくれていたんですけれども、今回のようにだいぶ豪雪がひどかったわけでありまして、ここが崩れてしまったら、そうしたら他の部隊も応援にすぐに入れるような体制がないといけないですよね、この辺が今の実は仕組みの中にないんです。
国の制度から言えば、国道9号の管理は、これは国が責任を持ってやりますということであります。ここに県費を出すとか、県の職員を投入するということは、これは今の制度上ないんです。だから、今回はその掟はある程度破って、途中から参入をしていったというような状況になってしまったわけでありまして、それだったら最初からそのルールを変えて、地元の人間であればそれなりに人集めもやり易いですから、地元の方にある程度、任せてもらってもいい部分がもっとあるんじゃないかなと思いました。
○山陰中央テレビ 松本英樹 記者
それに関連しまして、ある県の知事さんは、国道っていうのは国の管轄だということをおっしゃられたわけですけれど、その垣根を越えてそういう対応をされたというのは誰のために、どういう思いでされたかっていうのを改めておっしゃっていただきたい。
●知事
それはもう、そこに雪があるからです。そこに雪があって、そこでスタック、閉じ込められた状態になっている。年末年始、ご家族と一緒に思い出づくりをしようと、あるいはとにかくこれを運んでお正月に楽しんでもらおうとしているそういう思いが全部無駄になってしまいますし、精神的にも肉体的にも負担がどんどん高まっていく状況だったんです。放っとけなかったですね。
だから、対岸の火事だと思って見ているのではなくて、その火事場に自ら入っていって火を消しに行かなきゃいけないだろうと。それで、職員もイジイジして見ていましたんで、そういうふうに動き始めたら、また一気呵成にいきました。
それで、山陰の良いところだと思いますが、始まってみたら翌朝、正月1日明けてみたら、心配した近所のお母さんたちが出て、炊き出しをしておにぎりを配られる、こんなことはおそらく他の地域ではないと思います。
こうやってやっぱりみんなで助け合ってでも状況を打開していこうというようなことになったから、あの程度の時間で収まったのかなと思います。放っといたら、例えば国交省だけで、とにかく全部やってくれということだったら、いつまで経ってもなかなか開かなかったと思いますね。
○読売新聞 野口英彦 記者
それに関連しまして、知事は国交省とおっしゃるけれども、県の方にも、例えば警察であるとか、消防の方にもかなり110番、119番あったと思うんですね。そういう情報は把握されてなかったんでしょうか。
●知事
それは、私のところも含めて、大変な苦情が来ております。それは、だからこそ、とにかく早く、これ開けなきゃいけないというような態勢で、臨もうということに、だいぶ早い段階から展開していったわけですね。そういうふうにしていかないと、放っとくとこのままではどんどん悪くなってしまうんではないかという恐れがありました。
かなり厳しい状況が、その実際、渋滞の列の中にいた人たち、今、携帯電話がございますから、いろんな形で入ってきます。私のところにもプライベートなメールにですら入ってきます。そうやって悲痛な声がどんどん挙がっていましたんで、これはもう誰がやるんだということではなくて、とにかくやろうやというようなことにせざるを得なかったという状況があります。
○読売新聞 野口英彦 記者
と申しますのは、私の車もその立ち往生って言いますか、スタックした渋滞の中の1台でありまして、結局、午後2時頃には[旧]中山町で全く車が動かなくなってるわけです。それで、対策本部会議が開かれたのが夜中の日付も変わろうかという時ではこれは迅速な対応とは言えないと思います。
それで、県外ナンバーのかたが非常に多かった。私は地元ですからいいですけれど、県外のかたは見知らぬ土地で不安な思いで一夜を過ごされるわけですから、少なくとも日没前には何らかの対策を打たれるべきだったと思いますが、どうでしょうか。
●知事
午後5時に打っているんです。実はその前から対策動いていましたけども、県は、これ、ちょっとホームページを見ていただければいいと思いますが、午後5時には集まって、それで、これからどうやって対策していこうかと、もちろん除雪対策も話し合っています。
ただ、その午後5時の段階で、その国道9号線の状況について国交省側からきちんとした我々に対するメッセージはなかったですね。それで、その段階で、もし分かっていれば、もっと別の動きも取れたかもしれません。
その後、いろいろとうちの職員も動いていますし、各地で除雪[作業]も入っていました。それで、休日休んでいた職員も出て来てやっておりました。その中で国道9号線の状況がどんどん悪くなっているんじゃないかという話が生まれてきて、そのうち国交省との連絡も取れたんでしょう。それで、[自衛隊災害派遣]出動要請とか、そういうことになったわけです。
夜中も動いていました。それで、だから夜中の12時頃とか、1時、2時も、いろんなかたちで連絡を、私も含めて、ここの対策本部、みんな不眠不休で入っていましたから、午後5時からずっと開いていますんで、動いていまして、それで連絡を取りながらやっていたんですが、自衛隊に除雪させればいいじゃないかと簡単におっしゃるんですが、その自衛隊もなかなか入れないって言うんですね。
[陸上自衛隊第8普通科]連隊長の豊留さんとも夜半ぐらいでしたか、話し合ったんですけども、入れる状況をまず作ってくださいと、部隊が。警察の先導だとか、いろんなことも必要になります。そういうことをひとつひとつ解いていきながら対策を進めていかざるを得なかったという面があります。
○読売新聞 野口英彦 記者
もう1つ、知事は地域の助け合いということをおっしゃいました。それはそれで尊い行為だと思いますけども、当日現場におった人たちからしますと、家から、もう出られないという状態なんです、猛吹雪で。ご存じの通り、少子高齢化が進んでおりますから、おじいちゃん、おばあちゃんに出て来て助けろというのは無理な話だと思います。これはやはり県の責任でやるべきではないでしょうか。
●知事
私としては、先程申しましたように、国道9号など、急に国の管理になってしまうということよりも、また別のシステムが本来はあるんではないかなというような思いがあります。これはよく検証してみなきゃいけませんけれども、別のシステムを地方分権の中で考えていくのも、一方策ではないかなと思います。
もし国の管理ということであっても、例えば、こういうような事態が生じた場合には、地域も含めて、これは、国管理、県管理ということでなくて、乗り越えてやっていくような、そういうシステムをビルトインしてもいいんじゃないかなというふうに思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
同じ雪害のことなんですけども、今度は、農作物への被害について、まだ、これは被害総額とかが明らかになっていないような状況なわけですね。今おっしゃった牛舎の倒壊によって牛2頭が死んじゃったのと、あと、ビニールハウスが50棟ですか、倒壊したという情報が入っているということでしたけれども、具体的に被害総額みたいなのはないのか。
●知事
これは時間がかかると思いますね。と申しますのも、みんな今、雪の下にいるんですね、現実は。例えば、容易に想像がつきますは、梨の枝がこういう形で茂っていますので、これが折れてしまって、それでどうしようもなくなるという形の被害は、こういう雪が降ったときには、往々にして発生しています。
今回も、これだけの豪雪でありますから、山の中でどういう状況が起こっているかということが想定されるものがあると思います。今、ただちに、例えば、全部除雪をして、木の上の雪を全部除けて見てみるというわけにはなりませんので、これから徐々に被害が分かってくるだろうと思います。
ただ、我々としては、そういう被害が生じた場合の対策を、予め、2月[県]議会に向けて作っておくべきかなと、私はそういうふうに考えております。牛舎も、牛が2頭死んだだけではなくて、他にも倒壊した牛舎、畜舎が4棟ぐらいあったですかね、ちょっと、それ、今調査中でありますけども、だんだんこれも、被害の状況が見えてくるだろうと思います。
今日もとりあえず、午後2時閉めで農林水産被害を報告してもらうようにしていますけども、恐らく完全ではないです。全部まだ雪の中に現実がありますから。その辺が見えてきて、初めて被害総額というのが分かってくるかなと思いますけれども、被害総額が見えなければ対策をしないということではなくて、被害総額というか、被害状況を調べながら、走りながら、その復旧対策にも県として関係者と話し合って、フレームを作っていきたいと思っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
それに関連しまして、観光の面なんですけども、県内の観光地は年末、年始が言わば、かき入れ時だと思うんですが、この場合、多くのかたが目的地に辿りつけずにキャンセルをされていると。こういう状況では旅館の方もなかなかキャンセル料も請求しにくいと思いますしね、相当な経済的な損失が生じていると思います。また、この時期を利用して、同窓会などをやるというケースも多く、それも恐らくキャンセルとなっていると思います。その辺の集約はされているんでしょうか。
●知事
今、順次、レポートが出て来ております。これはいろいろまだら模様になっておりまして、例えば、県の東部のある旅館さんの話なんかも聞き取りが入ってきているんですけども、キャンセルも出たけれども、片方で、西部との交通が途絶されたもんですから、むしろ泊り客も出たと。だから、差し引きでプラスマイナスゼロだ、みたいなそういうようなところがあったり、また、観光地では、当然ながらこれだけの雪でありますのでお客さんが来ないと。水木しげるロードも、人の入りは、正月はかなり少なかったというような、そういうレポートも出て来ております。
こうやって、今、だんだんと情報を集約しているところでありまして、そうした被害に対する対策が求められるのではないかなと思っております。例えば、今までも、こういうときには、融資とか、そうしたことを用意をして対処したことはございましたので、そうした例も参考にして、対策を考えていきたいなと思っております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
漁船のことなんですけども、260数隻が沈没してしまったということなんですが、これについて、業者のかたから知事の方に支援を求められると思うんですけども、まだ、具体的な支援策は、これから検討していかれるんじゃないかなと思うんですが、今の時点で、県なり、国なりに、こういう災害のときに、漁船に対する制度みたいなのはあるのかないのかということと、あと、今の時点で考えておられる支援策というのがあれば、ちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。
●知事
はい。264隻が、今確認されていますけども、もう少し、拡がるかもしれません。これも、今、調査中であります。普通じゃ考えられないことが起きたと思います。と申しますのも、雪の重みに耐えかねて転覆をしてしまうわけでありまして、実はこういうことは今までもないわけじゃないんです。ですから、雪かきに入るとかいうことをしています。
例えば、県の持っている船もありますけども、当然ながら、今回雪かきをしていまして、それで、何とか沈まずに済んだわけでありますが、今回は港の方に行こうにも、雪が阻んじゃって、なかなか行けないと。1日の夜半頃ですかね、状況が少し出てきたようでありまして、連絡が漁業者の間で回り始めたと。ただ、成す術がないというのが、その時の状況であります。だから、これも想定外の雪の速さから、こういう被害になってしまったと思います。
今、正に真最中かなと思いますが、境港の県の水産事務所に関係者のかたに集まっていただきまして、どうやって、この漁船対策をやるか、話し合いを始めております。
それで、まずは、引き揚げることだとか、それから、修理の費用も掛かります。また、漁船がもう一度漁に出て、生活とか、水産業を再開しなきゃいけない、この再開に向けたどういう支援なり、協力体制が組めるかということだと思います。
今、もうすでに動き始めているところは動き始めておりまして、例えば、岸壁からクレーンで揚げようと思えば、除雪をしておかないといけない。その除雪の車両というか、それを、県も協力して優先的に回すとかいうことをしたりして、今、少しずつその体制を作り始めているという状況ですね。
引き揚げてみて、あと、使えるかどうかということもございます。船のことなので、当然ながら保険に加入されているということもあると思います。ただ、それでも、どれだけの負担が漁業者のかたに残って、その中でやむを得ないもので、地域としても支援しなきゃならないものはどういうものがあるかなと、この辺を見極めながら対策を組んでいく必要があるかなと思います。今、正に、関係者と話し合いを始めたところでありまして、具体的なフレームを急いで作りたいと思います。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
知事はずっと昔から、山陰は高速道路がないということで、早く整備してほしいということを国に対して要望を、ずっとし続けていまして、先程の年頭のご挨拶の中で、東伯-中山道路が開通して、山陰道も50パーセントぐらい、やっと繋がるというようなことを言っておられましたが、今回の大雪で、国道9号は横に繋がる大動脈なんですけれど、正に高速道路が、私も早く出来てほしいなという1人なんですけれど、その辺、なんか高速道路が、例えば繋がっていた場合、緊急用道路としても活用できますし、今後、国に対して、知事は予算の関係もあると思うんですけれど、早く繋げてほしいというような要望、たぶん持っておられると思うんですが、その辺、何か感じておられますか。
●知事
これは、「たら、れば」だと思いますが、もし山陰道が、東伯-中山間、中山-名和間で繋がっていたら、ああいう、要は、木の根神社のところの坂とか、赤碕から中山に入るところの坂、普段であれば何でもない坂のように見えますけども、雪が降ってしまうと、そこがボトルネックになってしまうと。もし、高速道路が繋がっていたらば、比較的平たい路盤があったと思います。
もちろん除雪だとか、対策は取らなきゃいけないでしょうけども、あの日は、除雪に入った後でも、また滑って横になってしまうというような車が続出をしているわけでございまして、そういう、次から次へと降ってくる状況に対処しようとした場合に、やっぱり坂っていうのは、たいへんなボトルネックになり得るんです。
それが解消されるという意味で、こういう高速道路がなかったことが災いしているんではないかなと、そういう思いもあります。国に対しては、今回のこの厳しい状況が起こったことを改めて訴えていきたいと思います。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
漁船と言いましょうか、漁業者への支援なんですが、保険プラス、さらに県として上乗せっていうんでしょうか、漁業者自身の負担が少なくなるような支援策も、検討の余地にはあるということでしょうか。
●知事
今、オープンにして検討している最中でありまして、そうしたことも含めて考えていきたいと思います。例えば、漁船では実は、今まで、こういう支援とか、そういう例はございません。全国的にもあるかどうか分かりません。
ただ、ビニールハウスだとか、畜舎が倒壊をしたとかいうような場合に、県としても3分の1補助ですか、支援をしてきたりしている例もありまして、今回、漁船のケースについて、どういうふうに考えたらいいか、早速にフレームを作っていきたいと思っております。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
それから、もう1点、国道9号の維持管理の権限というふうになるんでしょうが、地方に任せてほしいということですが、これも、ただ、法律の問題とか、制度上の問題、クリアすべき壁、いくつか出てこようと思うんですが、本当にやろうと思ったら、どういったふうな手続になるとか、どういったような問題が、協議が必要になってくるとかっていうのは、仮定かもしれません、ありますでしょうか。
●知事
これは、今、道路法から始まる一連の法令体系の中で、どの部分は国管理、例えば、国直轄管理国道と言われるような、県内では29号線だとか、9号線という、こういう管理国道がございます。これは法令で決まっておりますので、そこの問題に帰着すると思います。
今、国と地方との間で協議をして分権の議論をしていますけども、それにも、道路の問題も入っております。今回は、こういうような事態の引き金を引いた面があります。そこで、どういうようにして、実際、目の前で、こういう積雪が起こったときの対処をしていくのか、それも想定を越えるようなことがえてして起こるもんですから、その想定外のことが起こった場合には、例えばこういう緊急避難的な措置を考えるんだとかあると思います。
彼らの世界の中でもあるんですね。元々これは、倉吉河川国道事務所の管轄の所でありますから、他の所は、最初は手伝いに行かないんですよね、当然ながら。それで、我々も対策本部の中で議論をしている中で鳥取の河川道路事務所の人たちには来ていただきまして、もっと台数を出すべきだと、県も出すし、みんなでやろうじゃないかというような話をして、それで、台数が2台から4台と、こう増えてきたりしています。
いろいろと、本当は同じ雪に立ち向かっていくわけでありますから、共同戦線らしい戦線が張れるような体制がほしいなという感想は持っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
今回に限ったことじゃないんですけれども、だいたい、この鳥取の除雪作業というのは、建設業界のかたが、言わば、ボランティアみたいな形でやっておられる所もあると思います。それで、ただ、今公共工事も減って、なかなか倒産してしまわれる業者さんも多くて、さらに、機材がなかなか自前で確保できないところもあって、除雪作業に支障をきたしているっていう話もあるんですよね。
それで、今回米子市、私もちょっと昨日米子に行ってきたんですけれども、まだ道路の半分ぐらいが除雪が済んでいないという、こっちじゃあ、ちょっと考えられない状況にあって、国道とか大きな所は除雪が進んでいるんですが、小さな生活道路がまだ全然除雪ができていない。
それで、建設業者のかたに聞いてみると、もう手が回らないっておっしゃるんですよね。こういう状況についてどういう考えがあるのかっていうのをお聞かせいただけますか。
●知事
その辺も、今はとにかくみんなで総がかりでやっていかなきゃいけない時期だと思いますが、一通り落ち着いてきたら、反省してみて、改善すべきところを協議して洗い出していく必要があるかなと思っています。私も、この真最中のとき、境港の市長さんと電話でやり取りをしておりました。
例えば、境港市の場合であれば、あれだけ雪が降ったわけでありますけども、普段は降らないです。そういうこともあるんでしょうけれども、今、建設業者の方も重機を放したり、除雪の経験が減ってきているんですね。それで、市内で除雪の能力をきちんと持っている所は1社しかないっていうんです。だから、委託をしてもそういう状況がございまして、特に米子もそうでありますけども、西部は、あまり雪を想定した状況が今ひとつない、東部に比べると。
東部はわりとそこは、年がら年中あるという意識があるもんですから、西部の方は、そこの辺の対応が、元々ちょっと体力が弱いところがあるのかもしれません。その辺もよく検証をして、いざというときに、こういう体制で行こうやっていう、そういう仕組みを作っていかないといけないかなと思います。
今おっしゃるように、重機を放している会社も今の経営状況の中で、だんだん出てきておりまして、そうしたことも、これからの課題になろうかなと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
県から国に要望されることはどういうことがあれですか。激甚災害等の指定が含まれるんでしょうか。
●知事
今、議論がありました直轄道路の管理の在り方だとかも、それも当然、含まれるだろうと思います。それから激甚[災害への指定]については、今、被害状況を調査しないと向こうも受け付けてくれないところもありますので、被害状況を調査しながら、場合によっては激甚災害の適用も求めることも想定できるかなと思います。
この間春ですかね、日南町で庄原と同じ雨が降りました。あれも農業被害で激甚[災害]指定を受けました。今回も雪が溶けてみると、その下は結構、大変なことになっているんじゃないかなと思います。ですから、その辺も視野に入れて、被害状況調査を進めていきたいと思います。
また、今回、水産業で他じゃ考えられないような被害が起きています。こうしたことは今までの支援メニューにはありませんけども、国の方の。我々としては、こうしたところにも適切に国として応援してもらいたいということも申し上げていこうと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
雪関連のことですが、自衛隊への[災害]派遣要請ですけども、これについては内容としては、食糧あるいはガソリンの補給をしてほしいということだったんでしょうか。それとも国の道路をこれも除雪をしてほしいというようなことが入っているんでしょうか。どういった内容でしょうか。
●知事
これ、いろんなやり取りをしています。それで、最終的に整理をされて、油を配るという仕事になりましたけども、もちろん災害応援を求める時は、除雪だとかいろんな可能性を含めて協議に入ったわけであります。その中で、今、当面、自衛隊としてできるところという観点で、自衛隊の皆さんには、ガソリンを配布をすることが中心になりました。
ただ、その後、もちろん除雪もやってもらいたいという気持ちもありましたので、人力除雪に自衛隊もその後、加わってもらうようになりました。そういう意味で、福島の場合を想定して、当然ながらその除雪ができるんであれば除雪もやってもらいたいというような気持ちで、こちらは協議に入るわけでありますが、現場の状況なんかもございますので、できることで入ってきたというような状況だったと思います。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
雪害からちょっと外れるんですけれど、全日空の米子―中部[名古屋]便の方がいよいよと申しましょうか、一時運休といった格好になるんですけれども、その運行再開に向けての取組み、どういった進め方になるのかという意気込みも含めてお願いいたします。
●知事
私どもとしては、搭乗率を確保しようと年末までぎりぎりの努力をしてまいりました。その結果もみていただいて、全日空には地域のローカルコミューターとしての足を回復していただきたいなと思います。これまでも、運行再開をぜひやるようにということで、要請活動を続けてきております。
これからも、そうした働きかけを具体的な中部国際空港ですね、セントレアと米子[鬼太郎空港]を結ぶ航空事業、ビジネス事業だとか観光事業、こういうのが掘り起こせますよというような具体的な提案も含めて、今後も活動をしていく必要があるかなと思っております。
ただ、もちろんこれ、最終的には地元の[米子空港]利用促進懇話会の皆さんとかとよく協議をしながら、作戦を練っていく必要があると思っています。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
その中で、米子―東京便の方ですね、こういったところの搭乗率増加とか、利用増加というのは間接的にもつながってこようとも思うんですけれども。
●知事
東京便も、羽田便の増便を我々は求めてきております。これも全日空さん的にはビジネス客も比較的多い路線でありますから、ぜひ考えていただきたいなというところがございまして、これも併せて要請活動を強めていきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
知事としては、米子-名古屋便の運休からまたさらに復活するというプランと言いますか、それはかなり確かなものと言いますか、それともかなりいいもんだとお考えでしょうか。
●知事
状況はそんなに甘くないとみています。全日空ともこれまで、要望活動をしていますけども、ポイントとなるのは、年末にかけて、どういう搭乗率になるかというのを向こうは見ていたと思います。それで、地域の皆様にも呼びかけをして、そして、米子―名古屋便を残すためには乗ってもらわなければいけませんよということで働きかけをしてきましたけれども、その結果を全日空側がどういうふうに捉えるかということが大きな部分になるかなと思います。
そこは残念ながら地域の方でも十分な協力を得られきったという状況ではないと思います。県職員など利用促進しまして、ノルマを果たしてまいりましたけども、地域での実際の搭乗率につながったかというと、企業さんなども含めて協力が十分とはいえないかもしれません。
その辺を全日空がどういうふうに捉えるかというのがございまして、決して楽観視できる状況ではないだろうと思っています。ですから、[米子空港]利用[促進]懇話会の皆さんとかとよく作戦を練って、これから、じゃあどういうふうにアプローチをしていくのかというところから始めていかなければいけないかなと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
年始に片山総務大臣と一緒に[年賀郵便元旦配達]出発式に臨まれましたけれども、その際に久しぶりということもあって、最近の地方分権についてもご意見などいろいろな場でみられると思いますけども、2人でそういう意見交換などはあったんでしょうか。
●知事
いや、あの日は、もう早朝から雪害対策もございまして、その合間をぬって、その時間帯だけ私は行きました。ですから、防災服姿だったんですけども、ですから、そういうちょっとあまり濃密な話をする時間的余裕はなかったです。今の雪の状況については、お話をしました。国交省ももっと、さっさと対応してもらいたいななんて、そういう愚痴もこぼしたりしたんですけども、そういう雪についての話はしましたけども、[地方]分権については確かちょっと話す、やり取りする時間がなかったと思いますね。
○共同通信 仲嶋芳浩 記者(幹事社)
それではよろしいですか。ありがとうございました。
●知事
はい。どうもありがとうございました。