防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2011年8月4日)

平成23年8月4日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約62分) ※MPEG4形式

  

1 急激な円高 

●知事

 皆さま、おはようございます。急速に円高が進んできておりまして、大変憂慮をいたしております。[アメリカ合衆国]オバマ大統領とそれから上下両院のアメリカ議会、合意が整って、本来打開策が見えてくるこの時期に、なお円高の方向へと強いうねりが働いていることは、日本経済にとっても大変な打撃になるというふうに憂慮をいたしております。もう、アメリカの材料が出尽くしかけているわけでありますから、あとは政府、日[本]銀[行]が機敏に対応すべきだと思うんですが、どうも動きの方がはっきりと見えてこないというのは誠にじりじりする思いがいたします。

 一生懸命私どもの方で、産業政策など地域振興を一生懸命やっているわけでありますけども、そうして一生懸命地盤を固めているところに、大洪水を起こすようなところがございますので、ぜひとも、国の方の対策を求めていきたいと思います。我々としても、今指示をいたしましたけれども、今後の動向をみて、金融面での対策など、県としても独自の施策を検討するようにという方向で調整を始めたところであります。




2 県産牛・米・梨等にかかる放射性物質汚染対策 

●知事

 それと併せまして、今、我が国の農業が揺れている大きな原因が放射能問題だというふうに思います。これは本県にも少なからず影響を与えております。昨日も稲の問題で、農林[水産]省で会議が開かれたりしておりますけれども、本県としても独自の対策を組んでいく必要があると考えております。今、体制を急きょ整えているところでございますが、まず、牛肉問題ですね。これにつきましては、先週も申し上げましたけども、他の県では、実際汚染稲わらが出たところで暴落傾向があると。ある県では[価格が]6割も下がったとか、大変な状況が出てきておりますけども、本県の場合は、実は先手を打ちまして、この汚染稲わらは食べていませんよという証明を県の方で独自に発行することにいたしました。

 これがある程度、功を奏したんだと思いますが、本県産については、大きな値崩れが起きない状況にあります。ただ、市場全体が下がってきておりますので、その辺の難しさと言うのは本県も悲哀を味わっているところであります。ただ、問題は鳥取和牛のブランドイメージを守らなければなりませんし、そうした意味で、和牛に関わらず牛肉の出荷というのは、本県でございますから、農業者団体とも相談を昨日相次いで行った結果、本県としても全頭検査に踏み切ろうということにいたしました。その方法は、正直に申し上げて、稲わらの汚染わらが出た状況ではありませんので、簡便な方法も視野に入れまして、要は1次検査、2次検査ということで最終的には詳細検査もあり得ることにはしますけれども、基本的に出荷する全頭を検査できる体制を早急に整えようということにいたしました。

 今、手持ちの検査機器を総動員をしてやることで、対応策を考えるわけでありますけども、性能のいい検査機器も出来てきておりますので、予備費を900万[円]執行して、そういう新しい検査機器の導入も視野に入れて対策を打っていきたいと思います。誤解のないように申し上げますが、本県ではそうした汚染稲わらの問題は起きていません。従いまして、これは安心を確立するための本県の施策としてでございまして、農業団体などもその辺の要請をされておられまして、我々としてもやはり鳥取の牛肉を守っていく、そういう行動を起こそうということで、従来より踏み込んだ対策をとることにいたしたいと思います。

 それから、稲、また、いよいよ出荷が始まります本県のブランドイメージでもある梨、こうしたところにも対策を打つ必要があると思います。稲については、昨日の会議で農林[水産]省が指定をする、言わば汚染の疑いのある地域というか、可能性のある地域ということではございません。従いまして、兵庫[県]だとか、大阪[府]も動かれるようでありますが、それ以外の地域での、言わば安心を守るための対策として、この測定検査を行うことにいたしたいと思います。

 早速、早場米、それから、それに続いてコシヒカリといった本県の稲作も、これ、サンプリング[一部抽出]しまして、抽出方式によりまして、本県での汚染は見られませんよということを、情報発信をしていきたいと思います。また、梨につきましては、2通りあるわけでありますが、1つは、近々台湾・香港への輸出が始まります。今年は台湾の中秋節の時期が例年よりも早いということがありまして、本県産の梨が、言わば重宝される可能性がある年であります。ただ、そこに持ってきて、この日本全体のブランドイメージの低下ということがございますので、安心していただけるように、こうした梨についても、放射線という意味では安全ですよということの証明をさせていただくとか。それから、もちろん国内産のものにつきましても、こうした対策を打っていくということにいたしたいと思います。

 そういう検査結果などは、速やかに公表をしまして、検出がされていないということを表明できるものはどんどん、どんどん表明をしていくということにいたしたいと思います。牛肉で言いますと、個体識別番号がございますので、県の情報発信と組み合わせて見ていただければ、その測定結果も出荷前の段階から分かるということになります。これで安心して、本県の農産物、やっぱり鳥取[県]産は安心だねと言っていただける体制を作ってまいりたいと思います。



3 中国電力(株)に対する原発に関する申入れ 

●知事

 災害関係でございますけれども、来週の月曜日、中国電力[(株)]の方に私が代表しまして、関西広域連合として、協定を結ぶ申し入れを持って行こうということにいたしました。それから、もちろん中国電力とは引き続いて今も折衝中であります。来週も会議がございますけども、安全協定の本県としての締結について、話し合いを、来週進めることにいたしております。これは実務レベルを中心にやることになろうかと思いますが、関西広域連合でもそういう協定を結ぼうとしておりまして、関西電力の方に別途申し入れをされますし、中国電力には私が代表して持って行こうということにいたしました。

 具体的な申し入れ内容は、先般、私も提言をさせていただいて、関西広域連合の皆さんからご理解をいただいて、盛り込ませていただきましたけれども、鳥取県が行う安全協定締結を、ぜひ、推進してもらいたいということも関西広域連合の意思表明の中に入っております。言わば、後押しをしてもらうということがございます。それから、安全に関わるような情報提供などを関西広域連合としても求めていくというような趣旨の内容になっております。まだ、他地域でこういう広域的な申し入れということはやっておりませんので、そういう意味では関西広域連合が皮切りということになろうかなと思います。



4 津波対策検討委員会開催結果 

●知事

 それから、同じく安全対策の焦眉[差し迫った]の課題が津波でございます。この津波対策について、先般、専門家の皆さん、中心になりまして、市町村代表も入っていただきまして、検討委員会が始まりました。この結果として、鳥取県の近隣において、あるいは日本海の東縁部ということもございますけども、6つの断層に着目をすることや、そういう日本海東縁部の広域的な津波被害というものを想定しようではないか。そういう言わば、対策の一番元のところを話し合ったところでございます。これから、次の会合に向けまして、検討も進んでいくわけでございますけども、我々レベルの、特に河川の遡上が問題になってきます。この河川の遡上につきましては、16の河川など、ピックアップ[選び出し]を、今固めていくところでありますけども、そうした河川の遡上の調査もなお必要になります。これは具体的な避難計画にも直結をしてまいりますので、9月の補正予算で検討していく必要があるかなと、今、担当部局と話を始めているところであります。いずれにいたしましても、この秋の防災フェスタ[in琴浦]で避難訓練を行うとかですね、こうした津波対策も十分視野に入れた対応をとっていかなければいけないと思っております。



5 鳥取・広島両県知事会議 

●知事

 その中国電力への関西広域連合からの申し入れと併せまして、来週の月曜日には初めて、広島県と鳥取県との両県知事会議を開催することにいたします。今まで島根県、岡山県、兵庫県とやってきておりましたが、あともう1つ隣接で残っていたのが広島県でございます。広島[県]とも初めて2県間でのそういう協議の場を作ることにいたしました。今のこうした状況でございますので、防災安全対策とか、それから広域観光、特に海外からの誘客でありますとか、また、福祉面での連携、広島[県]もうちの「ハートフル駐車場」に当たるようなことを始めて、その連携とか、私どもの「あいサポート運動」、これを広島地域でもやりませんかとか、そうした暮らしのレベルでの連携でありますとか、いろんな連携軸が考えられようかと思います。

 また、震災後の日本の在り方ということを考えれば、日本の西に大きな拠点が必要でしょうと、首都機能を補うような存在も必要ではないかというふうに思います。その意味で、広島の知事とも率直な意見交換をしてみたいなと思っております。そうしたことで、中国電力と知事とお会いさせていただこうと、広島の方に来週は出張をさせていただくことにいたしました。



6 境港の日本海側拠点港への応募 

●知事

 また、その後、今度は[8月]10日になりますけども、鳥取県、そして島根県にまたがります境港という重要港湾がございますが、この境港の管理組合の代表といたしまして、私、上京させていただき、国の方の環日本海拠点港湾の指定に向けました審査のヒアリングに臨んでいきたいと思います。プレゼンテーションを行いまして、鳥取、島根にまたがる境港の、その重要性を問いたいと思います。例えば、海上コンテナ、国際的な海上コンテナでありますとか、また、国際フェリーや国際RORO船[車両甲板を持つ貨物船]、さらに材木、そうしたチップ[切れ端]も含めた、そういう木という貿易での大変な重要性でありますとか、いろんな切り口がございます。リサイクルの港湾[リサイクルポート(総合静脈物流拠点港)]にも指定をされたところでございます。

 そうした、境港の持つ意味合いを、ぜひとも国の方に理解をしてもらって、その環日本海拠点港の指定を勝ち取るべく全力を傾けたいと思います。ただ、正直、競争は激化しておりまして、数を数えれば、国土交通省の発表では20を超える港の間の競争になっていますし、計画では40を超える計画が出ているということでございまして、大変激烈な競争になるかと思いますけども、これから北東アジアへのゲートウェイ[入り口]としての機能、境港がしっかり果たせるようにしていきたいと思います。それと関連しまして、この度、江原道をはじめ、韓国からのご来県もいただいて、70社が参加をする国際商談会、日韓商談会を米子で開催をすることにいたしました。これは、前回の東海[(トンへ)]、江原道での開催に続きまして2回目の開催になります。この他にもいろいろと交流の促進を行ってまいりまして、ゲートウェイ構想、さらに推進をしてまいりたいと思います。



7 鳥取環境大学の受験生の動向 

●知事

 また、来週は、[新生公立]鳥取環境大学の設立に向けました協議会を行うことにいたしております。環境大学、おかげさまで2学部2学科体制の文[部]科[学]省の承認[届出受理]も取りつけました。あとは開学を待つばかりになってまいりました。これから9月の議会で県、そして[鳥取]市の議会でのご審議もいただきながら、定款などを定めていくということに向かっていくわけでございます。反響もまずまずでございまして、この週末にはオープンキャンパスを鳥取環境大学が行うことになりますが、先般、古澤[巖]学長が駆け寄ってきて、大変なことになっているというお話しでございますけども、オープンキャンパス大盛況だそうでございまして、予想を上回る来場になっています。神戸だとか、姫路方面から、あるいは岡山、高松方面から、さらに松江、米子、倉吉方面から、バスを仕立ててキャンパスを見に来られるということでございますが、満席状態であるということがございます。お問い合わせも昨年に比べると倍ほどに増えているようでございまして、そういう意味で、公立化と併せて鳥取環境大学を持続可能な大学として新しい経営にむかえること、受験生やご家族、あるいは教育関係者のご支持が得られつつあるのかなというふうに手応えも感じるようになってまいりました。ぜひ、来週、枠組みを整えまして9月県議会へ向かってまいりたいと思います。



8 今後の日程 

●知事

 その他、今日はこれから尾池工業(株)との[工場増設に伴う協定書の]調印式に臨みまして、これはリーフパウダーという微細粒子を活用しましたその表面塗工と言いますか、そうした技術、これを倉吉でやろうということでございまして、その調印式をさせていただきます。明日は、アテネで開かれましたスペシャルオリンピックスという障がい者のスポーツの世界祭典がございますが、それで見事に銀メダルを獲られた手島[阿友美]選手をお迎えをすることにいたしております。いよいよお盆のシーズン、夏休みの本格シーズンになってまいりました。花火大会が各地で開かれるとか、また、[倉吉]打吹祭りや[鳥取]しゃんしゃん祭、[江尾]十七夜など、県内の行事、目白押しになってまいります。


 鳥取県から東北の皆さまに、この夏の熱気をぜひ感じていただこうということで、ゲゲゲのふるさと鳥取県第2団の一行が、[宮城県]石巻[市]で境港の海鮮料理、これをふるまって、鬼太郎とともに賑わいを創り出しています。名古屋の中日ビルでは、鳥取県のフェアをこの週末開催をするということにいたしております。行楽シーズン、ぜひとも大勢の皆さまに、鳥取県内にお越しをいただきたいと思いますし、県民の皆さまにも思い出の多い夏休みを過ごしていただきたいと思います。私の方からは以上です。



9 県産牛・米・梨等にかかる放射性物質汚染対策 

○日本海新聞 井上昌之 記者(幹事社)

 幹事社から1問だけお願いしたいんですけども、牛の全頭検査のことを、今日言われましたけれども、これは汚染稲わらを食べた牛が見つかっていない県で実施するというのは、ちょっと珍しいことじゃないかと思うんですが、そういったことについて、なぜそれに踏み切られるのかという理由をもうちょっと詳しく教えていただきたいのと、あと、いつ頃から[実施]されるというご予定かというのと対象の頭数はどれぐらいあるのかというのも併せて。


●知事

 そうしたら、詳細はまた担当部局、今、調整中のことでございますが、改めてレクチャーのご説明をさせていただきたいと思います。これを踏み切らせていただきましたのは、やはり安心のブランドを確立するということであります。本県産は、実際、問題発生県と違いまして、価格が暴落するようなことには至ってはいないわけでありますけども、ただ、全体として牛の値段の地合[相場全体の雰囲気]があまり良くないのはまた事実でございます。鳥取県以外にも同様の考慮で検査に踏み切っている県も出始めておりまして、我々としても農業団体のご意向もございますので、踏み切ろうということにいたしました。

 この検査をするには、農業者の皆さんのご理解とご協力も当然必要になります。ですから、もう少し日にちをかけて農業者のかたの賛同も集めて、できるだけ早く始めていきたい。気持ちとしてはこのお盆がございますが、来週とか、そうしたタイミングで始めたいなという方向性で、今準備を始めているところでございます。また、いずれにせよ、こういう放射性[物質汚染]の問題、これからもいろんなかたちで出てくるかもしれませんので、予備費を執行して検査機器の導入は進めてまいりたいと考えております。


○日本海新聞 井上昌之 記者(幹事社)

 幹事社からは以上です。あと、各社、どうぞ。


○NHK 月岡信行 記者

 検査機器というのはあれですか、手持ちのイメージがわかないんですけど、何かそういう何かメーターみたいなそういう。


●知事

 これはこれからいろんなタイプの機材がありますので、比較検討して購入を進めるということになります。今、私ども、サーベイメーター[携帯用の放射線量測定装置]など一定の検査機器はございますので、それでやっていくわけでありますが、例えば同じもの15回調べなきゃいけないとか、こういう食品の検査に適しているかどうかっていうとなかなか使い難いものもございます。ですから、とにかく頭数をこなすことが必要でございますので、早く結果が出て、そして、信頼度の高い、そういうより良い機材をまずは駆け足で始めながら、導入をして充実を図っていきたいということであります。そして、これで1次スクリーニング[適格審査]をしまして、ちょっと疑いが仮にあればですけど、多分そういうことはあんまりないと期待をしておりますけども、仮にあった場合には、更に衛生環境研究所で詳細検査をする、いわゆるゲルマニウムを活用したキットがございますので、こちらの方でスクリーニングの方の2次検査ということも含めた検査体制を組んでいきたいというふうに思っております。


○NHK 月岡信行 記者

 検査機器を買うとしたら、相当な数になる。


●知事

 いや。本県の場合、実際の牛の頭数から、出荷頭数レベルからしますと、2系統とか、それぐらいでいけるかなと思っていますが。


○NHK 月岡信行 記者

 どこか1か所にまとめてこうやってやるっていう感じ。1個1個配布するとかそういうんじゃなくて、どこかそういった特定の場所に集まってやる。


●知事

 つまり、食肉の処理をする段階、そういう段階には必ず集まってきますので、そこで私どもの検査スタッフが機器を使って検査をすると。


○読売新聞 野口英彦 記者

 基本的には大山町の食肉処理場ということでいいでしょうか。


●知事

 ええ、もちろんいろんな要請があるでしょうから、ご意見を聞きながら、やりかたは細部を検討していきたいと思います。


○NHK 月岡信行 記者

 実施に踏み切ったのは、さっき知事がおっしゃられたように農業団体にやっぱり強い意向というのが一番ですか。


●知事

 あと、やっぱり、今、牛肉に対する信頼感が日本産に薄れ始めているということです。ちょっと誤解があれば恐縮でありますけども、例えば、ファミリーレストランとか行きますと、そうすると、うちはアメリカ産とオーストラリア産しか使っていませんと大きな文字で書いてある。これって、そうなんでしょうけど、これが消費者の心理をくすぐるっていうのはどうかなあと思います。正直、報道機関の皆さまもいろいろご協力いただいて、ネガティブ[中傷]キャンペーンを防止していただいているわけでありますけども、その皆さんでもご理解をいただいているのは、多分基本的には安全なんです。だから、それは信頼して食べていただければいいし、市場に出ているものは安全ですよということを認知していただかなきゃいけないわけでありますが、我々もその手段として今まで、実はこれ鳥取県全く独自でありましたけども、汚染稲わらは食べていませんという証明を県独自に発行したんです。これがある程度効果はありまして、市場での値崩れを防止することができたと思いますけども、だんだんこの全頭検査が国内に広がってきておりますので、本県としてもブランドイメージをしっかりと保つために全頭検査をして、さらに安心を得ていこうと思います。


○朝日新聞 西村圭史 記者

 その全頭検査なんですけれども、あくまで体表の外部被ばくを調べるのか、それとも肉に切り刻まれたあとの、肉の中の内部被ばくを調べるのかというのを。


●知事

 食肉処理されたレベルで調べます。従いまして、お口にされる、そのレベルです。


○朝日新聞 西村圭史 記者

 県内で捌かれる場合は全頭できると思うんですけども、牛のかたちのまま県外のと畜場に出される場合としてのはどうやってチェックをするんですか。


●知事

 そこはちょっと、これからの相談だと思いますけどね。我々の県、本県で出荷する分が当然対象となりますし、あとはご要請に応じてどういうことができるかということではないかと思います。


○時事通信 小出秀 記者

 900万円の予備費を活用していきたいということでしたが、枝野官房長官が7月28日の記者会見で、全頭検査については国費の全額負担を検討していきたいといった趣旨のことをおっしゃっていまして、今後国に対して、これにかかった費用の負担を求めるような考えはありますでしょうか。


●知事

 あります、ええ、もちろん。それはこれから財源措置がどうなるか、それを見極めながらいきたいと思いますが、とにかく早く発注しないと、これ、後手に回ってしまいますし、今、ものすごい需要が出ていますので、我々として最短距離で発注するために、予備費を活用してという表現をさせていただきました。


○読売新聞 野口英彦 記者

 稲と梨なんですけども、稲に関しては国が指定した14都県の中に入ってないわけですけども、その中であえて検査をされる意味合い、これをお願いいたします。


●知事

 これも牛と同じでございまして、ブランドイメージを助けるためであります。結局ロシアにスイカとか持って行ったりするときも、県内に要はセシウムを初めとした放射線が降り注いでいませんよというようなデータが海外でも非常に評価をされました。国内でもこれからおそらくこの刈り取りのシーズンに入ってまいりますと、各県で、うちは検査済みですよっていうようなのが踊ると思います。鳥取県も当然ながら、原発サイト[事業所]から離れていますので、普通はないわなあとみんな思っているところ、やっぱりないわなあということで安心してもらえる、その材料をつくっていかなきゃいけないと思います。ですから、本当に福島[県]だ、宮城[県]だというところとはやり方は変わっていいと思います。つまりサンプリング的にこの圃場で代表してやれば、だいたい全県の傾向は分かるだろうと。それを公表して消費者の皆さんや流通関係者に安心してもらうと、そういうやり方かなと思っておりますが、いずれにいたしましても、消費者の安心を勝ち得るために、本県のこれからのシーズンを迎えます稲や梨についても同様の検査の導入を図っていきたいと思います。


○NHK 月岡信行 記者

 梨というのもサンプリング調査ということでいいんですか。


●知事

 牛は全頭、梨と稲はいわゆるサンプルとしてやっていくと。もちろん何か問題が出てきたら、それは考えなきゃいけないかもしれませんが、当面はそれで十分じゃないかなと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 関係者の理解というのはどうなっているんですか。農協とかJAの関係。


●知事

 例えば、鳥取畜産農[業]協[同組合]とか、そうした関係農[業]協[同組合]、JA中央会だとか、幹部のかたがたには、もう既に、了解と言いますか、同意を取っております。ただ、一つ一つの出荷される農家さんがいらっしゃいますから、あんまり無用な混乱を起こさないようにということで、丁寧に話をした上でスタートを切ろうということです。


○読売新聞 野口英彦 記者

 梨に関して、放射能検査をしないと輸出に支障があるという可能性があるんでしょうか。


●知事

 これは国際的な問題でして、非常に難しいんですけども、今の我々聞いてる流れでは、どの道、台湾に陸揚げした後で、向こうで、また彼らは検査するんじゃないかなということを言っています。ただ、我々からこう輸出する計画があっても、果たして向こうできちんとそれなりの値段で流通させてもらえるかというのは、これは水ものでございますので、我々としても万全を尽くさなきゃいけないだろうと思います。その意味で、今現実に問題起こっているとは認識してはおりませんけれども、こういうふうに安心ですよという証明を付与するという必要を感じています。

 これはロシアに出荷したときも、[鳥取]県内の放射線データを持ち込みまして、先方を説得をしたという状況がございました。台湾、香港は、特に台湾は、うちの輸出の主力でございますので、十分な対策をとっていきたいと思います。


○NHK 月岡信行 記者

 梨と稲に関しては検査機器を導入とか、そういうのは考えていらっしゃいますか。


●知事

 それは現状のものを活用してということになろうかと思います。ただ、牛の全頭検査となりますと、結構な手間がかかりますし、もちろん人件費の問題もございますので、できるだけ効率良く、精度のいい機械で捌いていきたいという思いです。



10 大橋川改修着工 

○山陰中央新報 道下健弘 記者

 [島根県の]大橋川[改修]なんですけども、2年前に着工合意されて、今日からスタートしましたけど、それについて感想等、取り組みと、あと島根県側に要望があれば、お願いします。


●知事

 この大橋川[改修]の問題は、山陰両県にまたがる解きがたい課題として長く横たわってきました。しかし、歴史的な合意を経て、今、前へと動き始めました。ただ、そのときに、私ども鳥取県民として島根の皆さんに求めてきたのは、我々として最低限と考えている安全の確保であります。従いまして、大橋川[改修]の着工ということになりますけれども、先行して川幅が広がってくる、流量が多くなってくる。それに先行して、鳥取側の護岸、これの整備が進められるということは、最低条件であることは、今後もよくよく遵守をしていただきたいと思います。これまでの長い折衝の過程でこの辺は、国にも島根県にも、ご理解を得ることができたと思っておりますけども、そうした最低限の土俵だけは、しっかり守っていただきたいと思います。


○山陰中央新報 道下健弘 記者

 環境問題については、水質の問題。


●知事

 これは、中海の水質及び流動会議をお互いでやってございます。この中海の会議で水質の改善を図っていこうという具体的な方策を国も含めてとっていくようにいたしました。今、モニタリングをずっとやってきておりまして、我々としては、例えば、水門を開削するとか、それから、その他の事業も一定程度効果があったんじゃないかなと思うところがあります。現に、今、弓浜半島の周りで、きれいな水域が出始めています。ただ、正直申し上げて、水の中の酸素であるとか、そうした問題は解消されていません。あまり大きく改善されていないという状況もあります。従いまして、これは粘り強く島根県側と一緒に環境のモニタリング[監視活動]をしながら、対策を取っていく必要があると認識をいたしております。



11 子ども手当見直しの民・自・公合意 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 ちょっと話は変わりますけども、自民、公明、民主の3党の政調会長が、子ども手当の関係で、この夜、合意をしたというニュースがありました。本年度中に、いわゆる民主党がマニフェストに掲げた子ども手当が廃止になるという報道がなされていますが、これについて知事のご見解があれば教えてください。


●知事

 この子ども手当問題については、これは、国政選挙を引っ下げて主張がぶつかり合った問題でありまして、国民の選択に基づいて動き始めた事業であります。従いまして、よく国会の中で議論していただくのが、本来だと思います。ただ、私ども地方から申しますと、この子ども手当が導入される過程で地方の現場がかなり混乱をしましたし、その財源の問題も議論されました。従いまして、今回、子ども手当を事実上、児童手当にもう一度、再修正していくという動きになってまいりましたが、その過程で、地方側の意見をしっかりと聞いて再度の方向転換を果たしていただきたいと思います。

 我々からすれば、本来、現金給付をいっぱいやるよりも、サービスを現場レベルで充実する。それに、国もしっかりとサポートをする。それが、元々子どもの環境を整える、子育て環境を整える意味では、効果的ではないかなと思っていました。現金だけではスピルオーバー[流出]というか、結局、現金は配られたけども、貯蓄が増えるだけになってしまって、肝心の出生率向上だとか、女性を中心とした働く環境の向上につながらないと、子どもたちの成長につながらないということでは意味がありませんので、直截にサービス給付をやっていくことで、この子育て対策、子どもたちの教育という課題をクリアしていくのが、本来かなと思っていました。そういう意味で、我々地方側の主張もある程度取り入れながら、今後の話し合いが進めばなあというふうに期待感を持っております。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 子ども手当に移行するにあたって、市町村にはかなりシステムを新しく入れたりとか、そういった事例が鳥取県内でもあったと思います。また、地方とも協議してほしいということを、今知事おっしゃったんですが、そういう地方の自治体からも、かなりいろんな異論が出てくるんじゃないかと予想されるんですが、この点についてはどうでしょうか。


●知事

 もちろんそのシステムのことについては、国が全責任を持って方向転換をしてもらわなきゃいけないと思います。ことほど左様に、前の子ども手当導入のときも大混乱がありました。今回もまた同じことを繰り返してはなりませんから、まずは地方の意見、これ、しっかりと聞いて、そして、現実可能な方策を国としても立案をしてもらいたいと思います。昨夜、遅くはまだまだ原則合意だと思います。我々にも十分な情報はありませんで、今年度いっぱいは子ども手当をして、その後、児童手当に事実上、回帰していくのかなというイメージでありますけども、これから、例えば、法律案の条文とか、細目を詰めていかれるんだと思います。その上で、地方側との協議、早々にも始めていただきたいなというのが地方側の意見ではないでしょうか。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 知事は全国知事会でもマニフェストの委員長をされておられるという話がありましたけども、そういった知事会を通じて、何か、この件で政府に物を申すということは考えられるんでしょうか。


●知事

 [全国]知事会として、これまで、子ども手当、申し上げてきておりましたのは財源問題でございまして、国として100%、国が言い出したことであって、しかも現金給付ですから、我々、サービス給付なら、地方も一緒になってよと言うのは分からんでもないですけども、現金給付でありますので、これに対して強く反発をしてきました。その見直しを求めてきたのが[全国]知事会でございましたので、今回、これが再度修正をされてくることが、我々の主張とどういうふうに沿ってくるのか、今後、見極めなければいけないと思います。近々、代表選が行われるかもしれません。そうしたタイミングなどで、政権のトップに向かおうとされるかたや、その党に対して、我々、地方として、真意を問うていきたいと思います。



12 原発をめぐる意見誘導 

○読売新聞 野口英彦 記者

 話は変わりますけど、原発をめぐって、国や電力会社がシンポジウムなどで意見を誘導したんではないかと、あるいは、動員したんではないかという、あるいは、ある知事は、そういうことを示唆したんじゃないかということを言われています。これについて知事の見解をお願いします。


●知事

 この原子力[発電所]問題というのは、最終的には、地元の理解が得られるかどうか、この1点に集中をして議論がなされ、そして決定が下され、実行されてきた。それが、どこの原子力発電所もそうであります。従いまして、地元での説明会とか、地元の合意を得るプロセスというのは、その死命を制するところでございまして、一定程度、例えば、こういう会合がありますよとして、PRをする、もちろん行政もPRをすると思いますし、そういうPRがなされることなんかは、それは、ある程度許容される範囲かもしれませんけれども、ただ、会議の結論をコントロールしようという目的で、何か一定の動きがなされたのであれば、それは原子力発電所の立地について疑念を国民の間に植え付けざるを得ないと思います。従いまして、こういう悪しき慣行は、修正され、正されなければならないと思いますし、まして、原子力[安全・]保安院でありますとか、国の政策を立案をしたり、監視をする立場の人間が関わるなど、本末転倒なことというのは、あってはならないと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 そういった意見誘導というのは、あってはならないというお話だったと思うんですが、鳥取県の場合には、例えば、何かの政策についてシンポジウムを開いたり、説明会を開いたりすることがあり得ると思うんですね。そういう場合に、こういうことが起きないようにする担保というものは、何か考えられるんでしょうか。


●知事

 そこはモラルの問題ではないかと思いますけどね。先程申しましたように、例えば、あるシンポジウムなり、集会があって、それについてのPRをする、そして、多くのかたがたに実情を判断する機会を持ってもらったり、理解を深めてもらうということは、これは1つの行政としてもあり得ることではないかと思います。今回の問題は、そういう一線とはまたちょっと違ったところがございまして、集会を開いて、それで、そこを通して、地元として合意を与えるかどうか判断をするというときに、あらかじめ、こちらの方に結論を誘導しようというふうに決めて、そこに動員をかけたり、「やらせ」という言葉が使われておりますが、やらせの質問や意見表明がなされて、言わば総会屋的な空気を作るということでありまして、これは我々の方から見ても、ちょっとあり得ないことではないかなと思います。

 そういう意味で、今回の事例というのは、よく国の方で今、国というか電力[会社]ですか、よく調査をして真相究明されているようでありますが、それを他山の石として、我々としても、デモクラシーが円滑に無事に運営されるように、今後とも体制を取っていきたいなと思います。



13 県産牛・米・梨等にかかる放射性物質汚染対策(再質問) 

○毎日新聞 遠藤浩二 記者

 話は戻って、梨と稲のサンプリング検査のことなんですけども、そのタイミングとしましては、畑なり木になっている状態でやるのか、それとも、本当に、選果されたり収穫した後にその検査を行うのか。どのタイミングでやるのかというのを。


●知事

 後程、じゃあ、牛の話と併せて、もう少し詳しく。昨日指示をしまして、急きょ今、動き始めたところでありますので、途中経過も含めて、後程、また、ご説明申し上げたいと思いますが、早場米がこれから出てきます。この早場米の田んぼの収穫されたものを検査をすることなどで、鳥取県全域、大丈夫そうだねというような心証を消費者に持ってもらえるようなデータを出せるんじゃないかなというふうに思います。さらに、コシヒカリの収穫時期、こうした時期に検査を行うと。県としても、実験圃場だとか実証圃場など、いろんな圃場もございますので、すぐにでも活用できる、そういう検査に活用できる圃場もありますから、そうしたところを使ってやっていくのかなというイメージを持っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 知事、今、全頭検査、牛の検査と稲と梨をおっしゃいましたけども、他の農産品にも広がる恐れっていうのがありますか。


●知事

 結局ですね、地域イメージのことだと思うんですね。今、福島[県]だとか、お茶でいうと静岡[県]だとか、なんとなく消費者が買え控えてしまうということが起き始めています。これは、誤解も当然ありまして、風評被害は報道機関の皆さまにもご協力いただきながら、ネガティブな要素を排除していくということだと思います。ただ、その地域イメージとして、無用な傷を負わないように、我々としても自己防衛する必要があるだろうと、代表的なところで言えば、稲だとか、梨だとかでしょうから。そうしたところでは大丈夫でしょうと、本当は胸を張りたいという気持ちで、我々としても、検査に臨んでいきたいと思っています。当然、他の野菜だとか、いろんなところにもございますけども、稲が大丈夫であれば、例えば露地物ネギだとか、容易に想像がつくわけでありまして、鳥取は安心だねと思っていただけるようなデータが出ることを期待しております。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 稲でもって安心感を植え付けたいってことなんでしょうか。


●知事

 それは、ええ、そうですね。それが、結局、他の作物にも当然類推されていくと思います、市場ですから。市場として、マーケットとして、安心材料を与えることができれば良いかなと思いますけどね。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 韓国、ロシアにDBS[クルーズフェリー]を使って農産物の輸出をしていますけどもね、海外から見ると、鳥取も福島も1千何km離れているとしましても、同じ日本の中で、そういう意味での危機管理と言いますか、海外ではあると思うんですが、海外に出る農産物に対する安心感っていうのは、何か考えられますか、工業製品についてはやっていると思うんですが。


●知事

 ええ。それで、先程、当面梨が認められますので。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 ええ。梨はそうですね。


●知事

 梨について、これ、東部、中部、西部で、出荷に関わる圃場があります。そうした、圃場のものを、出荷対策として安心の証明を付すということをやろうではないかと、今計画をしたところです。実はロシアに既に、最中に持って行きまして、そのときも、非常に心配をしたわけでありますけども、鳥取県として、地元の方のいろんなサーベイメーターなどのデータを提供して、それで安心を得て、なるほど福島とは状況は違うんですなあということを認識してもらった上で、輸入を向こうはしたという状況にございます。本当は、これは、非関税障壁でございまして、WTO[(世界貿易機構)協定]違反ではないかという声が強いです。私も確かにそうだと思います。ですから、これはあってはならないことではあるんですけども、現実問題、国境で起きますし、それから、問題は、国境を越えて向こうに入ったとしても、値段が付かないようなことで、結局売れないというのも問題でありますので、我々としては安心材料、しっかりと出していく必要があるかなと思っています。



14 関西広域連合 

○読売新聞 野口英彦 記者

 話は変わりますけど、先週の関西広域連合委員会ですね、奈良県知事が初めて出席されまして、各県の知事などから加入してはどうかというラブコールが相次いだわけですけど、知事としてはいかがでしょうか。


●知事

 これは、奈良県がご判断されることでありますけども、お入りになることについて、制度的な障壁はないだろうと思います。従いまして、加入も選択肢に入れて、検討していただきたいなと思います。ただ、奈良県の知事ご自身は、この間力説をされていましたのは、入ってなくても活用できる広域連合であってほしいという、こういう全く別の観点での議論でおられまして、そこは噛み合わずに終わってしまったという感じがいたします。奈良県の知事としては、広域連合が受け皿になるということを邪魔しないようにしたいという思いがどうもあるみたいでして、つまり、国の方は奈良県が入ってないじゃないかと言って、広域連合に事務移譲をするのはできないという議論が出るんです。

 それで、奈良県の知事は、そこは関西広域連合と歩調を合わせて奈良県が入らずとも移譲すべきことは移譲してもらったらいいですよという論陣を張って、奈良県知事なりに政府側へ説明をしているということでございまして、ですから、冷静に話し合って打開策を見つけていけばいいんではないかなと思っております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 それともう1つ、関西広域連合の議会ですね、これで、議員の中から定例会も少ないし、全員協議会、どうやら月1回開くことになったようですけども、それに関して不満があるようなんですが、議会内のことではありますが、何か知事、思われることはありますでしょうか。


●知事

 私は、鳥取県育ちでございますから、鳥取県議会のように自由闊達に関西広域連合で議会を躍動してもらえばいいと思います。それはデモクラシーでありますし、ガバナンス[統治]を高めることにもなると思います。本県出身の山口[享]県議[会議員]も関西広域連合の議会の冒頭で自らの考えを述べられまして、関西広域連合の議会として十分執行部側を監視をしたり、我々も行動しなければならないと、そういう趣旨を述べられました。そういうことが引き金になってだと思いますけども、いくつかの府県にまたがっておりますけども、議会として活性化しようという論は非常に高まっております。私は歓迎すべきことだと思いますし、執行部側もそうした議会側の思いに、我々としても寄り添っていかなきゃいけないと思います。



15 生食用レバー等の規制 

○日本海新聞 中村宏 記者

 話変わりますけど、県が打ち出されています生食肉の規制なんですけども、今週から業者向けに説明会が始まっているようなんですが、かなり業者からは反発の声と言いますか、否定的な意見が相次いでいるようなんですが、現時点で、知事のこの方針をどのように修正するかというようなお考えはありますでしょうか


●知事

 また、来週の月曜日も引き続き説明会が続きます。これは事業者側の方に対する説明でありますけども、また片方でこういう保健行政でございますので、逆に守るべき消費者の側のご意見もございます。そうしたところをこれから総合して、我々として判断をしていくということになると思います。最前より、これ、繰り返しておりますけども、なかなか生レバーの中の菌の処理は、これはやりにくいと言いますか、現在の技術では不可能と言っていいところがございます。じゃあ、これに対してどういう規制の在り方があり、どういうような制度を関連して設けるか、これが問題になるわけでありまして、国の方は提供自粛をしろと全国に今言っているわけでございまして、我々としてもそうした意味で、このお肉はこうした提供は危険が伴うということを前提にして、制度を組んでいかざるを得ないのかなというふうに思います。

 ただ、最前より申し上げていますように、デモクラシーでありますので、県民皆で条例というものは作っていくものでありますから、これからさまざまなご意見、出ると思いますので、それを総合的に入れて、秋の県議会に何らかの成案を出していきたいということです。現実に今、パブリックコメント[意見公募]が進行中でございまして、このパブリックコメントでも意見が寄せられております。そうしたことも参考にしながら、どういう条文をするか、また、条文に関連したどういう制度設定や予算組みをするか、そうしたところを考えていきたいと思います。



16 中国電力(株)への要請 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 中[国]電[力]への申入れですけど、今回8日に行かれるのは関西広域連合の一員という形で行かれるわけですよね。鳥取県は中電に対して、安全協定の締結ということを申し入れているんですが、関西広域連合の一員と、鳥取県が申し入れをしている立場、その住み分けというのはどうなるんでしょうか。


●知事

 関西広域連合の申入れ書を今、我々の方で成案を作っているわけでありますけども、私の方で関西広域連合で発言をさせていただきまして、隣接県の安全協定を応援するということで、関西広域連合やってくれということを申し上げました。ですから、そういう一文が入っていまして、それで、我々としてもそういう項目もあるので、鳥取県との安全協定を急いでやってくれということを併せて申し上げたいと思います。それで、また関西広域連合の方は、やっぱり危険が大きいのは立地[地域]であり、隣接[地域]でありますので、そういうところよりは情報提供を中心としたようなイメージで、今、関西広域連合の中では議論がなされています。やはり大きな本丸は安全協定といっていいような協定だと思いますが、これは隣接[地域]なり、立地[地域]の方で考えてくれということになっています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 応援支援とかですか。


●知事

 応援と、あとは、いざ、なんか事故が発生したようなときの情報提供だとか、そういうところですね。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 極端な話、例えば島根原発で事故が起こったときに、関西に影響が起きますよね、何らかの形で。そのときの賠償とか何とか、そこまでは入ってないわけですか。


●知事

 そこまでは要請の中には入っていません。ただ、私たちは安全協定を目指していますので、その補償ということも検討してもらいたいと申し上げています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 補償は、やっぱり鳥取県としては補償は検討してもらうという。


●知事

 そういうことで申し入れをしております。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 まだ出ていませんよね。


●知事

 この次の会議は8月10日に、私どもですと、危機管理局長がトップになりまして、中電と折衝の場を持ちます。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 [鳥取県]西部であるんですね。西部の方だったような。


●知事

 今回、西部ですかね。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 前回の会議に、次の会議は西の方でという話がありました。


●知事

 そうですか。[8月]10日に行います、はい。



17 鳥取・広島両県知事会議 

○中国新聞 円山文雄 記者

 同じ月曜日に鳥取・広島知事会議がありますね。要するに隣接する県境で、一番しんがりになるんですかね。一番しんがりに。


●知事

 そうですね、広島は実は県境に接していまして、はい。


○中国新聞 円山文雄 記者

 その中で、いろいろな県とやっていますので、広島の地域でやられる特徴的なものがあれば。それから具体的に成案なり、そういうものの案があれば。今、防災の原発の避難計画のときに施策やったと思うんですが、それと同時に、鳥取県は地学的に中国地方というよりも、他の関西広域連合とか、そういう地学的な意味で、個々の県と連携をして地域づくりを進めてきたという、関西広域連合といった実施機関があるんですが、そういう実績をもとにして、広島県と、やっぱり広島県の場合はブロック官庁が多いところで、道州制の州都をめぐって岡山と広島がぶつかるようにして、まとまりがないようなブロックになっていますが、鳥取県は個々の県と、隣接県とそういう連携を強めてきた、個々の選択で、そういう延長の中で中国ブロックのまとまりがないブロックをまとめていくというような役割も出てくるかなという気もするんですが、そのあたりも踏まえてのちょっとお話を聞かせてもらえましたら。


●知事

 はい。湯崎[英彦広島県]知事は湯崎知事なりの思いをもって、鳥取県との会合に臨まれると思います。私の方のイメージを申し上げれば、やはり広島は中国地方の中でも中心の1つ、重要な核であることは間違いないです。従いまして、これまでも県内経済、いろんな会社が広島[市]だとか、福山[市]だとか、そうしたところとお付き合いしてきましたし、中には進出してきたような企業さんもいらっしゃいますし、経済的にも密接な関係があります。そうした意味で、一層その緊密性を高めて、これから[東日本]大震災後の日本の核をこの中国地方の中でも作っていかなければならないのではないかなと思っています。まだそうした中国地方の中に、第2の二眼レフの構造を作っていくという議論が進展しませんけども、湯崎さんともそうした思いを語りあってみたいなと思います。

 広島は、中国5県の中で最も外国人の観光客が訪れるところであります。ですから、広島とのいろんなルート化を図ることで、鳥取県内にも広域的な観光客が来訪してもらう可能性も増えてくると思うんです。そうした海外からの誘客も広島との連携の中で、我々としてはぜひ考えたいところだなと思います。福祉の意味でも、例えば、自動車に乗って障がい者が移動する、特に今おっしゃったように医務局であるとか、それから、福祉保健の系統も含めまして、ブロックでいろんなまとまりができていますし、広島はその中心になっていますから、その広島と鳥取県で福祉の政策なんかも相互乗り入れしたり、共通化できるところがあれば、やっていけばいいんじゃないかなというふうに考えております。こういうようないろんなことで、今まで連携が十分でなかった広島と鳥取県とのパイプ、太くしていきたいというふうに考えております。


○日本海新聞 井上昌之記者

 ちょっと関連してなんですけども、冒頭のご挨拶の中で、日本の西で首都機能を補うというようなお話があったんですけども、一時期大阪府の橋下知事が伊丹空港を廃止して、首都機能をもってくるというような話をして物議を醸もしたこともあったんですが、今の知事のご発言の趣旨というのは、どうなんでしょう、広島に代替機能をもってきてもいいんじゃないというようなご趣旨の発言でしょうか。


●知事

 広島というか、中国地方で、首都機能の一部をこちらでも受け皿を用意しますよというぐらいのことは我々[中国]5県で考えてもいんじゃないかと思います。広島が1つのリーダーシップを取り得るところだと思いますし、別に街中に作る必要もございませんので、鳥取県に環境省を作ってもらっても結構でございますから、そういうふうに東京一極集中でない国の在り方の提示を積極的に行っていくべきではないかなと思っています。



18 原発をめぐる意見誘導(再質問) 

○読売新聞 野口英彦 記者

 先程のちょっと確認で、先程のやらせと言いますか、意見形成の問題なんですけども、もちろん知事が自らそういうことに手をくだされるとは思わないんですが、例えば迷惑施設といわれるものを建設しなければならないときに、担当者がプレッシャーを感じて、そういった行為、賛成が行われるような行為に走る可能性もないとは言えないと思うんですね。そのあたりの何か、こう制度の整備であるとか、あるいは今の広聴機能の中で、県民参画基本条例、そういったもので検討するという可能性はあるんでしょうか。


●知事

 その辺は、県民参画基本条例、この度、新藤[宗幸]先生が委員長になられまして発足をしました。その中でぜひそうした点も含めて議論をしていただきたいと思います。新藤先生自ら報告書は自分で書くとおっしゃっていまして、役所の手を離れて、市民本意でやっていこうという姿勢がございます。頼もしいと思います。そういう意味で、その中で、ご議論いただいて結構かなと思います。


○日本海新聞 井上昌之 記者(幹事社)

 他はございませんでしょうか。では、終わります。ありがとうございました。


●知事

 ありがとうございました。


  

最後に本ページの担当課    鳥取県 政策戦略本部 政策戦略局 広報課
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