●知事
皆さま、おはようございます。今日で定例会見としては今年最後になるわけでございますが、記者の皆さま、また県民の皆さまに大変にお世話になりましたことを、御礼を申し上げたいと思います。
今年はお正月の、年末から続いておりましたけども、豪雪で年が明け、漁船が260隻以上沈むという大変に打撃の多いスタートでありました。3月の東日本大震災、さらには台風12号、15号という自然の災害、本当に天災続きの厳しい年でありました。ただ、それを乗り越えようと、農業者のかたがた、水産業者のかたがた、関係者一丸となって尽力をし、新しいステージへと展開をしようという動きも出始めた年だったと思います。大変に印象に残りますのは、そういう中での[全国豊かな]海づくり大会[鳥取大会]でございまして、天皇皇后両陛下を、お迎えをして、大変に県民にも勇気と元気が湧いてきたと思いますし、被災地の水産業の復興にも弾みがつく内容となったと思います。
それから、経済の方を見てみますと、これも欧州危機であるとか、円高であるとか、タイの洪水など厳しい環境が続いております。これは本当に越年をしてやっていかざるを得ない状況でありまして、先般も大型の事業者の方で多くの退職者が出るということもございました。ぜひとも、こうした方向展開をする新しい運動、新しい動きを新年に起こしていかなければならない、そんなような感想をもっております。
いろいろとばたばたと年が暮れていく感がございます。昨日までは上京をしておりまして、国への折衝などをさせていただきましたし、また、年末に向けて仕上げなければならないことを今、急いでやっているところであります。
●知事
今年は東日本大震災で原子力災害という大きな事件が起きました。未だに解決をされていないと思います。政府は収束宣言を出されましたけれども、現実には収束をしていないというのが現場の感覚だろうと思います。原子力災害の原因究明など、政府がしっかりと福島[第一]原発[事故対策]についてやる必要があると思いますし、周辺の安全対策をしていく必要があると思います。そういう中で、地元でできることを仕上げていくことは住民に対する誠意だと思います。かねて交渉をしておりました[島根]原子力[発電所に係る]安全協定につきまして、先般、[鳥取]県議会、それから境港、米子両市議会の了承を得ながら前へ進む決断をしたところでございますが、中国電力と今なお、まだ調整中であります。ただ、大きな溝が埋まってきました。
従いまして、今年中の締結の見通しがつきつつあります。今、中国電力と最後の協議をして詰めを急いでおりますけれども、遅くとも[12月]25日までにはまとまるということになってまいりまして、[12月]25日に原子力安全協定を締結する、それに向けて最後の努力をしようと、中国電力と今、話し合いをしているところであります。一部報道にもありましたけども、正確なことを申し上げれば、今朝までにこの協定が全容固まっているわけではありません。まだ大きな溝は今朝までに埋まってきましたけれども、まだ調整が必要なことがありますし、それぞれの対応と言いますか、内部での協議、意思決定というものがまだ続いていかなければならないことでございまして、この連休にひょっとするとずれ込むかもしれない、今日中に見通しと言いますか、決着がつくかもしれない、そういう状況のぎりぎりのタイミングではありますが、今朝段階ではまだ終わっておりません。ただ、先方と率直な意見交換をいたしまして、[12月]25日に協定を結ぶことでいこうというところまではお互いの合意がとれてきました。
これは原子力安全の問題だけでないと思っています。私は議会で申し上げておりましたが、ゆるやかなエネルギー革命を起こして、未来に向けて新しい動きをしていかなければ本当の解決にはつながらないと思っております。そういう意味で、中国電力に[今年]5月、山下[隆]社長が来られたときに投げかけておりました再生可能エネルギー増産協定とでも言うべきものをお互いに結ぼうではありませんかと、鳥取県も新しいエネルギーの創出に協力をしていきますと、中国電力もその環境づくりに協力していただきたいと、こういう話し合いを原子力安全協定と並行してやってまいりました。これについては覚書を[12月]25日に締結をしようと、こちらの方については内容も固まりました。[12月]25日に原子力に代わるような再生可能エネルギーを今後、地域で作っていく、その覚書を結ぶことになりました。この覚書と安全協定と両方を同じ日時でセットしようではないかということになってきておりまして、[12月]25日に締結の運びとなりました。
それから、島根県と一緒に避難対策などをしっかりやろうと、他の地域とは異なりまして、山陰両県は協調してこの作業をしております。先般、島根県側の決定もありまして、年明けにも行われることになります今年度の原子力安全訓練、避難訓練をやる、それに鳥取県も加わるということになりました。今まで、オフサイトセンター[緊急事態応急対策拠点施設]に正式に立ち入った周辺県というのはありませんで、今回の島根県の決断を歓迎したいと思いますし、鳥取県も島根県から避難をされるかたの受け入れも含めまして、避難対策を共同で行っていく、そういう方針を持っております。
また、「スピーディー[SPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム]」という、スピード感に欠ける対応があったことで問題になっていましたけれども、シミュレーションシステム、これにつきましては、先般、民主党県連と合同で文部科学省の方に要請活動を行いました。経[済]産[業]省にも同様の活動を行ったんですけども、文[部]科[学]省の方では副大臣が「スピーディー」について、鳥取県にもそのシミュレーションデータを提供すると、予算対応も含めてやりますと明言をいただきました。これにつきまして、私どもその後、周辺状況の調査をかけさせていただきましたところ、当初予算の議論の中でスピーディーについても盛り込まれつつあるということでございます。30キロメートル圏内がUPZ[緊急防護措置区域]という新しい方針が示されていますが、そうした圏内について、情報提供を行うことを前提としたシミュレーションのやり直しと言いますか、設定を行おうと文[部]科[学]省が動いているようでございます。
従いまして、私どもの念願の要望が叶いそうな環境になってきたと、喜ばしいことだと思います。モニタリングポスト[放射線量測定器]も重要な項目でございますが、[国の]4次補正[予算]に盛り込むことも含めてお願いをしたいと、先般、東京の方を歩いてまいりました。もちろん当初予算の中でも安全対策の交付金が大幅に拡充されると思います。そうしたように、モニタリングポストについても前進をさせていくという目論見を持っています。こういうように、この年の暮れに向けまして、原子力安全、大きく前進をさせたいというふうに考えているところでございます。
●知事
また、雇用対策、経済対策も急がれることになります。来週の[12月]26日から新しい融資制度を走らすことになりました。これは金融機関のご了解もいただき、関係機関のご協力もいただくことになりましたが、三洋[CE]関連で非常に苦労されている会社などを対象とした低利融資を行うということになります。これと併せまして、[12月]26日~28日までは県とそれから国の機関、また市と合同で、共同の相談窓口を三洋[CE]離職者向けに設けるということになりました。会場は鳥取市、倉吉市、米子市の3市役所を会場としようということにいたしておりますが、三洋[CE]だけでなくて、この年の暮れ、非常に雇用など厳しい環境にあるかたの相談窓口として、合同相談窓口を開設をさせてもらおうということになります。
また、[12月]29、30の両日につきましては、鳥取県庁、それから中部、西部の総合事務所を会場にしまして、これはその他も含めた相談窓口を年末のお休みの期間にはなりますけども、特別開設をしようということにいたしております。先程申しました、新しい融資制度のことであるとか、福祉関係のご相談だとか、住宅のご相談だとかも含めまして、県としても年末の相談窓口を開設をするということにいたしました。先般、[12月]20日から募集開始しました209名の県庁職員の直接雇用、これも年明けに1月7日頃になると思いますが、試験を実施をして採用を速やかに行っていこうということにいたしております。いずれにいたしましても、総力を挙げて、地域でこの危機を克服していく必要があると考えております。
●知事
昨日は[自立と分散で日本を変える]ふるさと知事ネットワークの関係県と一緒になりまして、第1回の新たな国づくりの税制調査会を立ち上げました。そこでいろいろと議論をさせていただきまして、平成25年度の税制改正に間に合わせるように提言を行っていこうという方針を確認をしました。例えば、国内から海外へと流出する企業がある。さらに地方に分散させて、この国の企業活力、経済活力を維持すべきだと、こうしたことを促進するような税制の提案であるとか、それから、環境関係、森林の保全を国全体で応援をしていくと、それで、環境に貢献をしていくというような税制もあろうかと思います。こうした具体的な税制項目をこれから春にかけて、原案を取りまとめながら議論をして、来年行われます、平成25年度税制改正の国の議論に間に合わせるように提言を行っていこうというような方針を取りまとめたところでございます。
●知事
また、東京に上京した機会に、今世界中の話題を独占している北朝鮮の問題につきまして、松本孟さんのメッセージを拉致被害者対策本部の方へと届けさせていただき、県としても要請活動をしました。非常に緊張感のある状況が続いていると思います。政府は体制が変わったことで拉致対策が進む可能性がありますので、ぜひ、全力を挙げて政府一丸となって取組んでいただきたい、このことを強く申し入れました。また、今非常に流動的な情勢の中で拉致被害者のかたの安全ということもありましょうから、そうした不安感も訴えさせていただきました。いずれにいたしましても今までずっと凍りついたように交渉が進んでおりませんでしたので、新しい体制に変わるときに、この拉致被害者対策を進めなければ前進はないと思います。政府の対応を強く求めたいと思います。また、県としても北朝鮮関係では情報を総合する窓口を作らせていただいておりまして、国の方の情報だとか、さまざまな情報収集を行っております。今までのところ県民生活に影響を及ぼすような動きはございません。今後も注目しながら対応していきたいと考えております。
●知事
新しい年に向けて、私たちも行動を起こし始める必要があります。その意味で、1つには、まんが王国を創建するという、そういう記念すべき年を迎えることになりますので、年明け早々からイベント展開などを実施しようと考えております。1月3日から倉吉駅の施設におきまして、コナンワールドを展開をすることにいたしました。お正月休みの皆さまにも、ぜひ、お子さま連れでお楽しみをいただけると思います。また、1月3日には青山剛昌先生をお迎えをして「青山剛昌先生と話そうDAY!」という催しを北栄町の方で、北栄町等と共催で行うということにいたしております。ぜひ、新しい動きを新年には起こしていきたいと考えております。
また、年明け早々に、1月の上・中旬になろうかとは思いますけども、フーガちゃんとカリンちゃんという警察の嘱託犬が誕生したわけでございますが、議会でも議論がございましたように子どもたちの安全・安心という観点もございます。従いまして、県庁としても新しい課長職を設けて任命をしようということにいたしました。「子ども見守り課長」と「子ども安心課長」とそれぞれ任命をするということにいたしました。両犬と言いますか、それぞれのご了承もいただきまして新年に任命をしようということにいたしております。
また、これから、さまざまな年末年始行事もあります。ちょっと今週末雪が心配をされておりますけれども、さまざまな行楽客が県内を訪れるように期待をいたしております。県の施設も平常どおりお休みをさせていただくところもございますけども、基本的に開くというような対応だとか、お正月の方は開くというような対応をしているところもございます。ホームページなどをご参照いただきまして、ぜひ、健やかな年末年始のお休みを県民の皆さまにもお楽しみいただければと思います。
皆さまにとりまして、よい年が巡ってきますよう、心からお祈りを申し上げますとともに、被災地の1日も早い復興をお祈りを申し上げたいと思います。私の方からは以上でございます。
○毎日新聞 田中将隆 記者(幹事社)
それでは、各社お願いします。
○共同通信 中川亘 記者
安全協定に絡んで2点いただけますでしょうか。1点目は、現状とスケジュールの確認なんですが、今の現状の認識としては、鳥取県側が合意して回答した項目について、中国電力側が大筋でそれでOK、合意したというような認識でいいのかというのと、25日には何らかのセレモニーなり、式が開かれるのかというのが1点です。それで、2点目なんですが、まだ正式な締結ではないんですが、現時点での知事のこれまでの協議などを踏まえた意見や思いなどがあればお願いします。
●知事
非常に困難な交渉をずっとやってきております。全国どこでもやっていない、やれてないことを、中国電力も歩み寄っていただきながら進めているわけでありまして、今もって完全に折り合っているわけではありません。ただ、お互いの争点となっていた項目について、大筋折り合うことができてきてるということでございまして、先程申しましたように、今は大きな溝が埋まったという状態であります。あと、細かい調整をするということになりましたので、[12月]25日に、先程申しました再生可能エネルギーの覚書締結もございますので、同じ日に協定を結ぼうという方向になったということであります。こういうお話ができるということは、中[国]電[力]側も一定程度、内部を取りまとめる環境が整ってきたということではないかと思います。
[12月]25日はその2つの調印式を行うと、再生可能エネルギーの覚書と、それから原子力安全協定と双方を行うことにしております。米子市、境港市は、後者の原子力安全協定には関わりますので、米子市、境港市にもご足労いただいて締結をすることになろうかと思いますが、場所としては鳥取市内を予定しておりまして、連休中にはなりますが25日で、昼前ぐらいかもしれません、やろうということに今調整中でございます。これは皆さんも予定があると思いますので、整い次第ご案内を申し上げようと思います。正直、先方となかなか日程のすり合わせも難しいわけでございまして、このタイミングぐらいしかちょっとないということでございます。
今の感想をということでありますが、まだちょっと完全に調整が終わっておりません。従いまして、当日であればもう少しいろいろお話できるかと思いますが、今日のところは詳細なコメントは、まだ交渉過程であるということでお控え申し上げるべきだと思います。ただ、厚い岩盤に穴をくり抜く手応えを感じております。それで、これによって今まで完全にらちがいに置かれていた10キロメートル圏外、EPZ圏外の地域の安全対策について、当事者性が初めて生じることになります。その意味で、福島[第一]原発[事故]後の新システムを作る礎になるというふうに思っております。もちろん、その内容について立地と全く同一ではないというご意見もありましょうけれども、報道されているところによりますと、出雲市が、鳥取県と同じような協定を結びたいということで、中[国]電[力]側と話をされたという報道がございます。
これからもお分かりいただけるように、EPZ圏内の出雲市ですら、結んで意味のある協定が結ばれようとしているわけでありまして、巷間言われているような、消極的なものだけしてございません。むしろ、今まで全く情報を知らされていなかった、全く意見を言う権限が法的になかった私たち周辺地域が、その土俵に立てるという意義は大変に大きなものがあると思います。また、原発サイトに立ち入ることができる。それは今までは門前払い状態でありましたけれども、私たちはそれを求め立ち入ることができるというのは、これも法的地位として大変に前進をすることだと思います。それと、賠償制度なども併せて、住民の安全・安心には鳥取県はいち早く、境港、米子両市とともに前進することができるということは大変に評価すべきことではないかと思っております。最終的な取りまとめを、またよく見ながら、まだこれから調整ごともございますので、我々として今後の方針を考えて行きたいと思っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
その内容について、中国電力側は19項目の内15項目について回答してきたわけですよね。それで、4項目について、まだ未定の部分があったということだと、19項目の内、15項目について同意が得られたということだと思うんですが、これ以上まだ詰めなきゃいけないところはどういうところがあるんでしょうか。
●知事
19項目中15項目合意されたということであるんですけども、要は向こうは、残り4項目は「△」で返してきたと。それで、これが「○」でないもんですから、我々の要求と違う、だから未だにそこは気持ちの上で折り合ってないんですけどね。ただ、そのままほっといて時間を空費することは得策かどうかと言えば、我々としては成果を挙げて、まずは前進をしていくと、一歩一歩階段を上がっていくということだと考えております。そういう考え方で、中国電力側も階段を下りてきて、我々も階段を上がっていくという中で歩み寄ったわけであります。中国電力とまだ折り合えていないところはどこかという点でございますけども、私の感触では大きな溝は埋まったと思います。
従いまして、あとは手続き的なことであるとか、非常に細部の調整的なことが作業としては残っているということだと思います。当然ながら、中国電力さんも中でよく協議をされるわけでございまして、その内部での意思決定の手続きも当然ながらあるだろうと思います。連休を控えていますので、今日中にどこまでできるかというのが、今、焦点になっています。
○読売新聞 野口英彦 記者
大きな溝とおっしゃるのは、それは今後改定を協議するというところでしょうか。
●知事
交渉過程のことについては、あんまり深く申し上げるべきではないかなあと思います。いろいろとやりとりがございまして、厳しい折衝であったということであります。当然ながら今後の改定のことなども想定の中に入っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
県議会なり[米子、境港]両市議会から今後の改定に期待すると言いますか、それを強く求める声が多かったんですが、それは実現されそうな見通しなんでしょうか。
●知事
その溝は埋まったと思います。そういう大きな溝は埋まったんで、だいたい日程の見通しも立てようというのが、今朝段階ですね、これ、今日も刻々と動くと思います。
8 再生可能エネルギー電気導入拡大に関する覚書の締結
○日本海新聞 井上昌之 記者
再生[可能]エネルギーの増産協定を合わせて締結するというお話なんですけれども、これは[米子市]崎津[地区]に出来ますメガソーラー[大規模太陽光発電施設]と関係しての話になるんでしょうか。
●知事
私たちはその辺も念頭において、[中国電力の]山下[隆]社長が5月に来られたときに呼びかけをさせていただきました。増産というはっきりしたことになるかどうかということがちょっとございますけども、再生可能エネルギーを生産をしていく、それについての環境づくりを共同して行っていこうというようなことで覚書を交わせると思います。当然ながら、メガソーラーにも良い影響が出るだろうと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
中国電力さんは中国5県がエリアですけれども、その中でも鳥取県の中で、そういう増産体制を取ることについての覚書になるのか、あるいは中国電力さん全体で増やしていくというような中身になるんでしょうか、その辺ちょっと教えてください。
●知事
鳥取県についてです。それはもうエリアとして、私どもの行政区域の中のことしかちょっと締結権がございませんので、我々として結ばせてもらいました。ただ、今、[日本海新聞]井上[記者]さんがご指摘のように他地域でも同様の問題意識はあろうかと思いますので、そこは中国電力さんの方でお考えになられると思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
覚書の中で示される双方の努力目標と言いますか、そういうところはどういうことになるんでしょうか。
●知事
文言自体は非常に抽象的に書いてございますので、例えば、再生可能エネルギーを作ろうと思えば、系統連系[発電設備の出力を系統商用ラインに接続すること]と言われるような電源接続をしていけなきゃいけません。そうしたことを努力していくとか、そういう方向性が出るような文言になろうかと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
中国電力はそういう系統連係とかで協力をすると、鳥取県は何をするということになるんですか。
●知事
鳥取県としても、そういう再生可能エネルギーを生産をする環境づくりをしていく。
○読売新聞 野口英彦 記者
こういった覚書を結ばれるのは、全国で例がある。
●知事
ないと思います。これは、私の頭の中で表と裏だったんです。原子力安全協定を片方で結びながら、緩やかなエネルギー革命を起こしていく、そういう時代の動きを地域として協力していくと。中国電力さんの方はちょっと、いろいろ厳しい内容がどっちもあるんだと思いますけども、非常に前向きに考えていただいたことに感謝したいと思います。この再生可能エネルギーの方は、今日、どこまでちょっとお出しできるか調べて見まして、もし、お出しできるんであれば、ちょっとその項目などを後程担当課の方からお知らせをしたいと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
確認ですけど、覚書は県と中国電力の2社の協定になるんですか。
●知事
2社間です。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それは、11月の補正予算に企業局の予算で省エネルギーの調査費って言いますか、ついていますよね。あれと絡んでいることなんでしょうか。
●知事
出発はもっともっと理念的なものです。これからの時代を見据えれば、できるだけそういう再生可能エネルギーの分野を増やしていかなければなりません。従いまして、そういうことをやるときに、中国電力側もいろいろ協力してもらいたいと、我々もそういう掘り起こしを一生懸命やりますと、こういう思いを通じ合うということです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
理念的なかたちですね。具体的に買い取り価格っていうものにならないと。
●知事
そうです。例えば、[米子市]崎津[地区]のメガソーラーのために、この協定を結ぶということでありません。まして[県]企業局の問題でもありません。
○NHK 月岡信行 記者
またちょっと協定の話になって恐縮なんですが、この間の条件出したうちの2項目のうちに名称の話もありましたが、名称もやはり安全協定みたいな話になるんですか。
●知事
述語的なところは、もう、松江[市]、島根[県]と同じ述語的な部分になると思います。ですから、我々としては安全協定だと位置付けられるもんだと考えております。今後のもちろん折衝方針もありますので、そうやって、名は体を表わすというところもありますから、我々としては、そういう名称をお願いしてきました。
○NHK 月岡信行 記者
それについても、大きな溝は埋まったとお考えですか。
●知事
大きな溝は埋まっていると思います。だから、そういう意味で、今までいろんなこう、局地戦がありましたけども、それぞれの大きな溝は埋まってきたと。
○NHK 月岡信行 記者
じゃ、「なんたらかんたら安全に関する協定」みたいな名称になるんですか。
●知事
ええ。「安全確保等に関する協定」ですかね、述語的なところは。そういう島根県、松江市と同じ述語的な内容になります。
○NHK 月岡信行 記者
それについてはあれですか、向こうと折り合いがつかなかったところはあるんでしょうか。
●知事
これは、皆さんもご記憶だと思いますけれども、こちらの方に[中国電力の]山下[隆]社長が来られたときなど、皆さんも囲みで取材をされていましたけども、「ちょっと安全協定というのは」、という言い方をされていましたよね。ですから、当然ながら大きな隔たりがあった中から出発をしています。
○山陰放送 秦卓史 記者
知事、先ほど発言の中で、知事の中でも、協定と今回の覚書、裏表だというふうなことを言われましたけれども、県議会でも十分議論があったと思うんですが、そのやはり同じ会社に、その裏表の2つの交渉を進めて行くというのは、やりやすかったんでしょうか、実際やりにくくて、どっちかがブレーキになったりというふうなことはあったりしたんでしょうか。
●知事
そこは、我々としては、局面を分けて折衝をしてきました。正直な、あからさまな話を言えば、向こうも担当部局は変わりますので、こちらも違う担当部局同士でやると、それで、再生可能エネルギーの方はそうですね、今月に入るぐらいにはだいたい目途が付き始めたところです。
○山陰放送 秦卓史 記者
もう1つ、議会でも、拙速すぎるのではないか、慎重論もかなりあったと思うんですけれども、こうやってスケジュールを発表されまして、まだ、ぎりぎりの詰めを行っていると、それで、交渉一部言えないところもあってという。そうなると、どうしてもこう、何で急ぐんだというようなやっぱり批判というのはどうしても出てくるのではないかなと思うんですが、そのあたりは、どういうふうにお答えになられますでしょうか。
●知事
これについては、議会でもご承認をいただいているわけであります。やはり1日も早く、その望まれる安全の高みに住民の皆さまをお連れするのが我々執行部としての責任だと考えております。その意味で、1日も早くということであります。
○山陰放送 秦卓史 記者
議会の承認の前は、やはりなるべく早く執行部としても結びたいということだったので。結局、何で早いのかというところのその答えというのは、安心・安全を早めに確保したいからということに尽きる。
●知事
そうです。だから、それは1日も早い方が良いわけですから、1日も早くということで、いろいろとスケジューリングをしていく中で、この年内に目途をつけたいというようなスケジュール感で、これまでも作業をしてきたっていうことですね。もちろん、事情によって、越年することは、それはやむを得ない話でありますけども、早ければ早い方が良いだろうということです。
○NHK 月岡信行 記者
あと、内容なんですが、大きな溝が埋まったという表現をされていましたが、基本的に19項目の15項目と4項目が一部同意だと思うんですが、それについて大きく方針が変わるっていうことは、ちょっと考えにくいということでよろしいんでしょうか。
●知事
ええ。大筋、あとは、言えば仕上げの段階に入ったということだと思いますね。
○日本海新聞 井上昌之 記者
ちょっと確認させていただきたいのが、今まで、協議会という場で、いろいろ折衝を行ってきて、それで今回は25日に協定の準備をしておられるということで、もう、直にそういう協定調印式みたいなかたちになるのか、事前にそういう協議会みたいなものを1度開いて、文言の確認をして合意をしてから調印式みたいなかたちに持っていかれるのかという段取りを教えていただけますか。
●知事
もうここまで来ていますので、全て議会なり、県民の皆さまにオープンになっていますから、交渉内容は。あとは、結ぶ文言だけのことでございますので、それで、今、両者間で詰めているということであります。協議会を改めて開く必要性は多分ないと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
覚書の話になって恐縮なんですが、再生可能エネルギーを進めなきゃいけないと、これは日本全国で、もうそういうような、意識が高まっていると思うんですね。その中で、電力会社と覚書を交わす意味と言いますか、それを教えていただきたいと思います。
●知事
例えば、昨日も橋下[徹大阪市長]さんとか、石原[慎太郎東京都知事]さんのやり取りがあったというような話もございますけども、キーはやっぱり電力会社が握っているわけですよね。送電してもらわなければ発電しても意味がないと、それで、さらに価格の問題もあります。ですから、やはり電力会社の方で協力するマインド[意識]をぜひもっていただきたいというのが、周辺というのは、要は関係者ですね、電力事業をやろうとする人たちだとか、我々自治体だとか、そうしたところではそこに実は関心があります。このことを中国電力として基本においていただけるというのは前進につながると考えております。その意味で、これからの再生可能エネルギーを普及させていく意味では1つの大きな梃になり得るものだと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
中[国]電[力]関係はもういいですか、他のことをお聞きしても。省庁に要請いろいろ歩かれたと思うんですけれどもね、新年度予算の関係だと思うんですが、何か手応えございましたか。今日、閣議決定があるそうなんで、なかなか言えないかもしれませんが。
●知事
いろんなことを要請に上がりました。例えば、今、予算関係で直轄事業になるようなこととかも行きまして、例えば[境港の]中野岸壁の国際貨物ターミナルになりますが、こういう港湾整備、もちろん竹内のお話もさせていただきましたけども、特に今2回、選から漏れている中野岸壁は焦点だと思います。いろいろと積極的に港のポートセールスを行っていることを、主張をさせていただきました。例えば、ここ年末に来ていくつか重要な航路と言いますか、プロジェクトが決まってきております。最前より申し上げていた「コスタ・ヴィクトリア号」という2,000人近い乗客が乗れる船が6月6日に境港に入港するということが決まってきました。今までそういう多くの中国人のかたが山陰に客船で上陸をするというはございませんでしたので、これは我々にとって試金石になろうかと思います。ぜひ、これまた今後も続けていただきたいということになろうと思いますので、地元とよくホスピタリティ[もてなし]の調整をさせていただいたりしなきゃいけない。それで、このことはCIQ[税関・出入国管理・検疫などの出入国手続]にも絡むものですから、CIQ関係省庁にもお願いをしてまいりました。
また、1,000人規模になりますけれども、「ハーモニープリンセス」という船ですね、これはハーモニークルーズ社という韓国の新しい船会社が運営をしようとしているものでありますが、今だんだん数字が出てきましたけども、おそらく十数回、新年度に境港に1,000人規模の客船が寄港するということになります。これもファーストポート、最初に境港に寄るということになりますので、CIQ対策なんかも必要でございます。これも、そういう意味でCIQの要請をさせていただきまして、そういうようないろんな動きがあるんであれば、本気で考えなきゃいけませんねというような話があったり、また、港湾局の方でも、今回の予算も次の予算についても、そうした動きはやっぱりよく考慮しなきゃいけないというようなコメントはありました。そういう港のことは1つ分かりやすい焦点かと思います。
その他にも、厚[生]労[働]省関係で介護制度についての具体的なスキーム[枠組み]の話とか、例えば障がい者のための基金の話だとか、いろいろと申し上げに行きました。障がい者の基金については、設置、継続して運営できるように資金を出していくとか、そういうご回答もいただきました。
各般にわたりまして、今回要請活動をさせていただきました。特に細野原子力安全担当大臣には、我々共同して知事会の特別委員会として要請活動をさせていただきまして、私の方からは周辺自治体の思いを述べさせていただきました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
道路関係は出てないんでしょうか。高速道路。
●知事
道路関係も要請をさせていただきました。ミッシングリンク[未整備区間で途中で切れている高速道路]をぜひつなげていただきたいと、そのために1,450億[円]と言われる復活枠があるんです、この重点化枠と言われるところ。これを認めてもらいたいし、私どもの具体の山陰道などの路線、これをしっかりやっていただきたいということを申し上げました。政府側の方からは、前向きに受け止めていただけたと思います。感触は悪くなかったと思いますけどね、はい。
○山陰中央新報 太田満明 記者
箇所づけの問題になってきますよね、例えば中山道とか、鳥取西道路。
●知事
そうです。それで、25年度中に完成を目指しているところだとか、県外ではありますけど、岡山側の鳥取道だとか、そうしたところを十分個別にご説明申し上げました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
分かりました。そうするとじゃあ、期待がなかなかできるものがあるということですよね。
●知事
一進一退だと思います。今回、その重点化枠でどれだけハイウェイ関係の予算が出てくるか、これが1つのまず焦点になろうと思いますし、その次の段階としては、具体の箇所づけで山陰道を初めとした県内の高速道路整備区間がどういうふうに評価されるかだと思います。
○時事通信 小出秀 記者
話変わってしまいますが、新しい子ども向け手当についてです。新たな子ども向け手当の地方負担をめぐる問題がこの間決着しまして、地方負担分の方が全体で約2,400億円分の負担増となるということで、これは以前に厚[生]労[働]省が示していた当初案よりもかなり減額されたものになっているんですけれども、知事は以前の会見でこれについて到底受け入れられるものではないとかなり強く批判しておりましたが、今回の決着を受けての感想をお願いします。
●知事
この件も全国知事会で話し合われました。一昨日の全国知事会で知事会長の方から交渉経過についてのお話がありました。私は以前、記者会見でも申し上げておりました一般財源化といったような、自由度が高まるようなものでなければおかしいだろうということを申し上げておりました。基本的には現金給付と言われるようなこと、全国画一的なことであれば、国が重きをなすべきものだということを申し上げておりました。100%満足できるものではありませんが、国、地方の協議が行われて、そして、地方側の意見も入れた方向でまとめられたこと自体は、今後の地方制度の運用を考えれば、評価すべき点があったと思います。従いまして、やむを得ないものかなというふうに思います。
ただ、その知事会の場で、あえて発言をさせていただきましたのは、懸念はあると。その懸念は、国民健康保険につきまして、国が定率負担している内の2%分を都道府県の調整交付金に移すという内容であります。これは、国が医療保険の国の責任から撤退するということになるのであれば、おかしいと。それから、今、国民健康保険のあり方について議論を交わしている最中でありますから、その方向付けを行うということであれば、これはおかしいと。そうした重大な懸念があると。そういう懸念があるので、今後の医療保険のあり方、社会保障のあり方に影響させるものではないということを、知事会として国側に明確に言うべきだということを主張いたしました。そうしたことを申し上げたところ、山田[啓二全国]知事会長の方で私の意見を引き取られまして、そうしたことも含めて、国側には言っていきたいというお話がございました。
ですから、ほろ苦い決着ということだと思います。地方側として、国[民]保[険]の定率負担2%ずらすということは、今後への重大な懸念が残る内容も含まれていると。ただ、大枠において、地方の自由度を高める方向で以前の厚生労働大臣の原案から大きな修正を行ったこと自体は、我々としても率直に評価をさせていただくべきではないかと、こういうふうに考えております。
○読売新聞 野口英彦 記者
大阪市の橋下[徹]市長が、昨日まで上京されてさまざまな要望をされたんですが、要望内容は多岐にわたりますけれども、知事のご存じの範囲で、その要望内容については妥当とお考えなんでしょうか。
●知事
大阪都構想につきましては、私はポジティブに検討すべきだと思います。民意が示されたわけでありますから、そういう方向を重く受け止めて、政府は、言えば与野党を含めて、政府国会での検討を急いでいただきたいと思います。この点については、いろいろ反論もあると思うんです。だから、私は地域限定でやれば良いんじゃないかなと思います。そういうことを望む地域が、そういう都構想の仕組みに乗っかっていくということで決着するのが妥当ではないかなと考えております。また、教育委員会制度だとか、さまざまなご議論もございました。私は自治的にいろんなことは提案し、地域で話し合って決着していけばいいというふうに考えております。
議会で申し上げましたけれども、教育関係の条例案のすべてが現場で妥当するかどうかは、よくよく検証が必要だろうと思いますが、教育委員会制度自体は前世の遺物なところがあります。ですから、どうやって民意を反映させるかという、そういうデモクラシー制を考えるべき時期に来ているのかなと思いまして、そうした関係に一石を投じようという議論は傾聴に値するだろうと思います。ただ、現実にどういう仕組みにするかは、これからよく話し合いが必要だろうなと、細部は必要だろうなというふうに思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
前世の遺物と、ちょっと強い表現だったのかもしれませんが、具体的にどういうところがもう少し問題であるのかということと、鳥取県で似たような施策を展開する可能性はあるのかということについてお願いします。
●知事
これは、元々戦前に対する反省、アメリカの占領時代の考え方もございまして、教育に政府というか、政治が立ち入るべきでないということをやろうとして、独立行政委員会制度を作りました。その独立行政委員会制度でも、公選制をやったわけであります。つまり、ここに新しいデモクラシーを入れたわけでありますが、その公選制だけやめて、独立行政委員会制度は残ったわけですね。ただ、諸外国を見ても教育というのは、地方自治の最たるものでございまして、例えば、選挙という唯一の民意が示される契機で動かないものであるというのが、本当に正しいのかどうかですね。政治からの中立ということは、識者から言えば、要は軍事国家[化]から教育を守るんだというようなことかもしれませんけども、ただ、もう、時代も変わってきておりまして、冷静に国民が判断できるわけでありますから、教育委員会制度自体は見直しを計られてもいい時期に来ているんではないかと思います。私は今の鳥取県の実状からして、よく教育委員会ともコミュニケーションは取れております。大阪のように対立的になっていませんので、その意味で緊急に痛痒を感じているわけではございません。ただ、制度自体は国全体で見直しの議論があってもいい時期ではないかと思っています。
○日本経済新聞 青木志成 記者
原発の協定の話になりますけども、協議も最初は電力会社側もかなり頑なな態度だったと思うんですけども、最近は関[西]電[力]の方も、京都[府]、滋賀[県]との協定にちょっと態度が変化したようですけども、ここまできた、その姿勢が変化した要因というのは、どういうところにあるとみていらっしゃいますか。
●知事
やはり福島原発での事故の実勢が周辺地域に広く及ぶことが明らかだったからだと思います。従いまして、原発をこれから我が国の中で動かしていこうということを仮に考えるのであれば、周辺地域も含めた関係を作っていく必要があると思います。このことに電力会社の皆さんも、徐々に理解が進んでいるのではないかと思います。幸いなことに私どもの場合は中国電力と経済界の関係なんかもございまして、[中国電力の]山下[隆]前社長、それから福田[督]会長の体制ですね、そのトップマネジメントと私どもと親しくお話できる関係にございましたし、そういう中で山下[隆]社長の方に、これ、恐らく全国の自治体でも際立ったことだったと思いますが、直接協定締結を申し入れるということを受けてもらいました。あの辺からやっぱりターニングポイントができたと思います。
それで、協議会の場が作られまして、検討が進められたわけでありますが、その中でどこもやってないことですから、どういう協定項目にするかについて、1つ1つ丹念に議論をしていきました。それを進めている中で多分中国電力側の方でも徐々に、これはやっぱり時代の要請だという認識が強くなってきたんではないかと思います。どうしても4項目とよく言われますけども、完全に折り合えていない、つまりお互いの立場のすれ違いの部分はありますけども、それも相差を埋める努力を中国電力側もされましたので、私としてもこの辺が潮時かなと考えるに至ったわけであります。今エネルギー需給は、関西電力管内は特に全国でも逼迫しているところでありまして、そうした地域に、この中国地方における取り組みが参考になると思われます。
○読売新聞 野口英彦 記者
それに関連して、安全協定の項目を詰めてこられたということなんですけれども、当初示されたときには19項目だったと思うんですが、今日の一部報道によると、22項目ということが示されていますが、これについて、どうでしょうか。
●知事
多分それは、議会に出した資料のことじゃないですかね。数え方じゃないでしょうか。
○読売新聞 野口英彦 記者
数え方の問題ですか。
●知事
ええ。議会に出した資料でやっていますんで、交渉は。
○読売新聞 野口英彦 記者
はい。それは変わりないという。
●知事
多分全然議会の説明時と変わってないと思います。後は多分、ちょっと数え方ではないですか。ちょっと分かんないですけども、例の改定を今後やっていくだとか、そういう項目ですかね。ちょっと分かりません。
○読売新聞 野口英彦 記者
その詰めの作業をしているうちに条文がこう分かれてできたということでは。
●知事
条文の作り方は、それはもちろんいろいろあろうかと思います。それは、ただ、問題はどういう内容で合意するかでありますので、それを19に区分して議論してきて、それを具体的な文言に落とす作業をしているということです。それで、協定もありますし、協定の付属文書として要綱を結ぶわけでありますが、その要綱についても併せて、今議論をしているということです。
○読売新聞 野口英彦 記者
19項目で変わりないという理解でよろしいんでしょうか。
●知事
変わりないですね、ええ。
○毎日新聞 田中将隆 記者(幹事社)
他にありませんでしょうか。
○山陰放送 秦卓史 記者
1点、名古屋本部についてなんですけども、県議会の方からかなり見直しの声と言いますか、存続を望む声が出ているようですが、どのようにお考えでしょうか。
●知事
県議会自民党さんが視察をされて、私どもの職員の状況を聞き取っていただいたことでありますけども、そういう議会としての調査活動を重く受け止めたいと思います。これについては越年して、引き続き検討していきたいと思います。11月の議会でも申し上げましたけども、基本的には事業棚卸しの考え方、それを尊重して、私どもとしての見直しの粗々の考え方を述べさせてもらいまいた。当然ながらそれは議案で出していませんので、いろんなご意見がその後出てくることは、もとより折り込み済みでございます。県議会自民党さんが、多分その取りまとめを何かされるんですかね、申し入れに来られるのかなと思いますが、ちょっとその内容をよくよく拝見をさせていただいて、最終案を考えたいと思います。
ポイントは、無駄遣いするなという棚卸しのご意見、ですから効率性を高めていくということですね。その言い方として廃止という言い方になっているということだと思います。それで、片方で、果たすべき機能、これが県民にとって100%必要ないものかというと、そうではないと思っています。ですから、その1つの折り合いとして、前回議会のとき、別の組織のような形にして、民間の活力を大幅に取り入れて、改組はしていくというような考え方を示したんですが、この度の実地のご見聞をしていただきましたが、その結果も伺って、我々としても最終判断をして、次は議案でぶつけていきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
つまりその存続の可能性もあるということでしょうか。
●知事
今のままの存続ということは考えておりませんが、組織の在り方を大幅に見直しながら、今後どうしていくかということだと思います。ちょっと詳しい話、まだ自民党さんから聞いておりませんので、そういう議会側の考え方も今後伺ってまいりたいと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
[12月]25日の件なんですが、中国電力からはどなたが来られるということなんでしょうか。
●知事
苅田[知英]社長だと伺っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
今年1年を振り返って、再選を過去最高の得票率91%で果たされたわけですけども、その得票率の重みとですね、あと、もうすぐ1年が終わろうとしているわけですが、今県民の負託に応えられているかどうかという自己評価についてはどうでしょうか。
●知事
私は、県民の皆さまのご支援を賜りまして、今県政を再び担当させていただくことになりました。その県民の皆さまの熱いお気持ちに感謝を申し上げたいと思います。選挙戦自体ですね、震災の選挙だったと思います。これに早急に道筋をつけなければならないと、いわば敢然と走ってきたこの1年だったと思っております。その中で原子力安全対策ですね、非常に難しい問題ではありましたけども、国の方から予算を獲得しながらモニタリングポストなど進めていく方向性が出てきたり、それから安全協定という無理だろうと思われたことに取り組むことができたわけでありますし、津波のシミュレーションについても国はやってくれませんけども、我々独自で最大7メートルの溯上があるのではないかと、そういうことを基にして災害対策をやっていこうと、市町村との協議も進めつつあります。
いろんな形で震災選挙で与えられたご負託に応えることができつつあるんではないかなと思っております。ただ、この1年年末に向けて、どんどん経済状況が悪くなってきておりまして、どういうふうに活力と安心を新しい年に作ることができるのか、そういう挑戦が必要だと謙虚に受け止めたいと思っています。まだまだ任期始まったばかりでございますので、県民の皆さんとのパートナーシップを確立をして、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○毎日新聞 田中将隆 記者(幹事社)
他よろしいでしょうか。では終わります。ありがとうございました。
●知事
良いお年を。どうもありがとうございました。