防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2012年2月17日)

平成24年2月17日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約50分) ※MPEG4形式

  

1 2月県議会 

●知事

 おはようございます。いよいよ来週から2月議会が開催をされることになります。3,302億円の予算、この中に未来づくり発進の項目をだいぶん盛り込ませていただきました。そうした予算の審議でありますとか、あるいは情報公開の新しいステージを拓く条例でありますとか、さまざまな議案を提出をさせていただきまして、デモクラシーの世界でありますので活発な意見交換を議会とやって、住民の皆さまの付託に応えてまいりたいと考えております。



2 島根原発防災訓練の結果など 

●知事

 昨日は[原子力発電所]周辺地域として初めて本格的な原子力安全対策の訓練に参加をすることとなりました。私どもの方からもオフサイトセンター[緊急事態応急対策拠点施設]に内田[義則 危機対策・情報課]参事が直接入りました。実際にことが起こったときは統轄監を派遣するということも検討しているところでございます。西部[総合事務所]の方には副知事を派遣をしました。現実にもそういうような体制をとるべきではないかと思います。鳥取のサイトがあり、それから現場に近いサイトがあり、そしてオフサイトセンター、こうしたところである程度分散をすることになりますけれども、連絡をしっかりと取りあって住民の安全を図っていきたいと思います。

 昨日は初動におきます連絡だとか、あるいはスクリーニング、また除染の準備とか、それから運び込む救急搬入、また安定ヨウ素剤の服用訓練などを実施をしたわけでございます。いろいろと課題もございますのでそういうところを、至急総括をしていきたいと思います。今日はこの後、市町村の皆さんに集まっていただきまして、地域防災計画を原子力安全でやっていく、それを盛り込んでいくことになりますので、その説明会を行うことにいたしております。ここには国の方からも担当者に来ていただきまして、原子力安全対策について知見を述べていただくことにしておりますし、当然ながら昨日の訓練結果もこれからの地域防災計画に反映をしてもらうということになろうかと思います。

 また、来週に、中部とか西部で訓練に参加した職員なども交えまして、今回の訓練を総括をし、さらに原子力安全対策に何が必要であるか、次はどういうような訓練を考えたらいいか、この辺を話し合う原子力安全のプロジェクトチームを、来週招集をすることにいたしたいと考えております。
 また、東日本大震災はいくつもの爪痕を残しました。1つは漁業被害でございまして、ギンザケの養殖場が壊滅的な被害を受けるということになりました。今、宮城県から4名のかたがこちらの方に来られていまして、境港でギンザケ養殖の復活を図ろうとされています。明日は私もそうした皆さんと話合いをさせていただきたいというふうに思います。いずれ故郷に錦を飾る日を夢見ておられるかたがたもいらっしゃいますので、地域としてもそういう動きに応援をさせていただきたいと思います。

 東日本大震災で医療関係でのさまざまな初動の動きが必要であると、また避難所の設営にあたりましても、そういう医療関係のニーズがあるということが分かってきております。それで、震災後、実は[社団法人鳥取県]薬剤師会と話をしてまいりました。その薬剤師会はお医者さんではありませんので、自ら薬を処方することはできませんけれども、一般薬と言われます普通のお薬ですね、例えば風邪薬、あるいは胃薬、お医者さんに行きますとPL顆粒と呼ばれるようなこういう総合感冒薬をたいがい処方されるものです。あれは、お医者さまがいないと出せないものです。しかし、皆さんもご案内のようにお店に行けばいろんな感冒薬を売っていまして代替ができるわけですね。ですから、お医者さんの数が足らんということであっても薬を供給をするということはできるのではないかということで、薬剤師会と話をしてまいりました。来月にも協定を結びまして、いざというとき、発災時に応援をいただくという段取りを考えているところでございます。3月の半ばぐらいに協定を締結する準備に入りました。



3 ソフトバンク(株)との協調 

●知事

 2月に入りまして、緑色の制服を着たトリンドル玲奈さんが脚光を浴びておりまして、「鳥取の羽合[はわい]だで、」という言葉もだんだんと行き渡るようになってきました。来週くらいにでも孫[正義 ソフトバンク]社長の方にお礼に上がろうかなということで、今、日程の調整をしておりまして、湯梨浜の[宮脇正道]町長も一緒に行きたいということをおっしゃっています。正直申し上げて、メガソーラー[大規模太陽光発電施設]のこともございますので、そうしたことも含めて面談を今、させていただこうとお願いをしているところでありますが、せっかくこういう動きが出てきておりますので、いくつかこれからできることをソフトバンク側とも相談しながらやっていきたいというふうに動いておりました。

 それで、今日までにソフトバンク側とも了解が得られまして、県のホームページのフロントページに例の看板[羽合温泉の案内看板]を大写しで出させてもらいまして、「鳥取の羽合だで、」と我々も勝手に応援団をさせていただこうかなというふうに思っております。私の気持ちとしては、また続編を期待をしておりますので、ぜひ鳥取県のいろんなところが出てくるといいなと思っていますが、その辺は願いが叶うかどうかはよく分かりません。ただ、今もうすでに「鳥取の羽合だで」は出ていますので、この辺もアピール材料に使えるかなと思っております。現にいろんな問い合わせも観光サイドで入ってきておりますので、面白いかなと思っております。

 そして、ソフトバンクの方にお願いをしておりましたところ、ソフトバンク側のそのCMのサイトでも鳥取県の観光サイトとリンクを張ってくださるということになりました。できるだけ早くということで、今、動いておりますけども、こういうように今回のCMを機会にして、鳥取県のPRもさせていただきたいと思っておりますし、ソフトバンク側とこれからいろんな関係もございますので、協調体制を作っていきたいなと思っております。



4 春秋航空によるチャーター便  

●知事

 環日本海交流時代を拓く意味でいろいろとプロジェクトを走らせようと、セカンドステージに向けてという思いでやっております。そういう中、1月に[春秋グループ]王[正華]会長とお会いをしたときに、ぜひ飛ばしてみようという話をいろいろとしておりましたけれども、春秋航空として3月の末に飛ばすということで、今、動きが出てきました。最終的な調整が実はまだできておりませんで、今、調整中ということではございますけれども、イメージとして、今、お互いの間で了解を作りつつありますのは、夕方の4時とかいうタイミングで米子に入ってきて、また[夕方]5時半とかいうタイミングで米子から出ていくと。それで、米子鬼太郎空港と上海浦東(プードン)空港と言いますが、浦東空港との間の1回チャーターを飛ばしてみようと。いわばテストチャーターという色彩かと思いますが、この機会に春秋[航空]側の方では、要は上海でしっかりPRもして鳥取の知名度を上げてもらいたいということは言っています。

 そうした今後につながるようなキャンペーンも併せて向こうでも展開をしながら、チャーター便を1回飛ばしてみるということであります。中国のお客さんのイメージとしては[香川県の]高松空港とのペアリングがございますし、あと、お互いで、今、話をしておりますのは、茨城空港とのペアリングもあってもいいんじゃないかと。いくつかの旅のかたちを提案をしながら、県内では、例えば[名探偵]コナンの青山剛昌ふるさと館とか、水木しげるロードだとか、[鳥取]砂丘だとか、そうしたところをいろいろと歩いてもらったらいいんじゃないかと。[とっとり]花回廊も向こうとしてはメニューに、素晴らしいところだというふうに考えておられるみたいでありまして、いくつかそういうようなスポットを入れながらやっていこうということであります。

 県としては、今回はそういう、1回限りのことでございますので、通常の支援制度でいくということを考えております。着陸料などの4分の3の支援という従来のチャーター支援がございます。こういうものを適用していくことになりますし、それから、泊まっていただくということになった場合に、そうしたお客様お一人当たり5,000円だとか、そういうインバウンドチャーターの支援策がございます。併せて米子空港の利用促進という観点で官民一体となった支援についても、今、検討を始めているというところが正確なところでございまして、そうしたことで、ぜひ、今回のチャーター、成功させて今後につなげていければなという願いを持っています。正直申し上げて、中国の空港の発着枠の問題などがあって、日中間の航空協定が絡むもんですから、一足飛びに定期便がどうというのは、なかなか環境づくり、制度的な困難も多いようであります。まずはチャーターをやってみて、知名度を上げて、中国のお客さんにとって鳥取が観光地となるということを目指したいと思います。

 同様の観点で、関西の大阪商工会議所と一緒になりまして、佐藤[茂雄]会頭とは年末に話をさせていただきました。その後、大阪の方でも応援するという話がございまして、中国の美食家の団体が鳥取の食だとか、観光地を見てもらうということで数日、4月に滞在をするというツアーを組むことになりました。関西との連携によるこういうツアー造成ということでございまして、非常に珍しい、今までとしては珍しいケースが実現したかなというふうに思います。また、台湾からこちらの方にお見えになる旅行社の皆さまとも来週お会いをして、ぜひPRをさせていただきたいというふうに考えているところでございます。



5 まんが王国関連の動き 

●知事

 まんが関係では、まんが王国、先般、汐留の方[(水木しげるロードin汐留)]をオープンをするということで、今、やってきております。実は2月の15日からまんがをモチーフにした観光キャンペーンをやっていまして、「[とっとり]おやつラリー」というのをやっています。これは観光地に行きますと、鳥取砂丘の方に行きますと鳥取砂丘のおやつとか、水木しげるロードのおやつとかいうのがありまして、携帯のGPS機能を活用して、キャラクターをゲットすると。そのおやつキャラクターを3つ集めるとプレゼントが抽選で当たると、オレイン55[鳥取和牛のブランド]など提供しましょうという、そういうスタンプラリーを始めたところでございます。3月に入りますと青山剛昌ふるさと館の5周年記念月間が始まります。いろんなイベントを多彩に繰り広げまして、大いに盛り上げていこうということでございます。

 今からは[(株)ガイナックスの]赤井孝美先生とそれからガイナーレ[鳥取]の塚野[真樹(株)SC鳥取]社長がお見えになりますが、私もちょっと実物を見てみたいなと思いますけども、赤井先生が描かれたクラブマスコットが今日ご披露されるということでございます。新しいヒーローがまんが王国にふさわしく、赤井先生の手によって誕生するということになろうかなというふうに期待をいたしております。


6 今後のイベント・行事  

●知事

 これから議会が始まりますが、いろんな行事もございます。アジア太平洋地域での環境を考える廃棄物の学会[(第10回アジア太平洋廃棄物専門家会議)]が、鳥取環境大学で2月の20日から開かれるということになっております。さまざま、いろんなイベントなど行事もございます。明日はスポレク[(第12回鳥取県民スポーツ・レクリエーション祭)]の冬季のものが始まりますし、そうした動きがいろいろ出てきます。実は、今日明日雪が心配をされておりますし、インフルエンザも警報が発令中でございます。県民の皆さまにはご自愛いただきまして、健やかにこのウインターシーズン楽しんでいただければなというふうに考えております。私の方からは以上でございます。


〇TSK作野俊介 記者(幹事社)

 では各社、質問があればお願いします。



7 春秋航空によるチャーター便 

〇時事通信 小出秀 記者
 
 春秋航空に関してお願いします。まず、これと3月末の1回のみを現在のところ予定しているのかどうかという確認とですね、現在のところ上海と鳥取で、それぞれ1度鳥取に来て、また上海に戻るということですが、それぞれ相互に現地に行く観光客を今募集している段階なのでしょうか。


●知事

 今まだ、そのプランを作っている段階でございまして、できるだけ早く募集かけていくということだと思います。既定の予算もございますので、上海で鳥取の観光のPRを、向こうのさまざまなメディアなどもございます。これ、今、春秋[航空]側とどういうのが効果的かという、今、調整をしているところであります。飛行機自体は、A320[エアバス320]、180人乗りでございまして、向こう側としては日本から向こうに行くお客さんも入るような、相互チャーター的なものにしたいというようなご意向もあるようでございまして、当方の旅行業者とも、今、調整を始めているという段階でございます。3月29日だったと思いますが、1回今飛ばそうということでございますけれども、先程も申しましたように、いろいろ日中間の航空の取り決めなどのいろんな縛りもございまして、簡単にその定期化はできないというのが、今の正直な状況のようであります。一番、多分ネックになるのは鳥取の知名度がまだ中国側で薄いということでございますので、この機会にPRもして、実際にツアーで来てもらって、鳥取の面白さということを知っていただこうという狙いがございます。


○時事通信 小出秀 記者

 確認ですが、一番の狙いは、あくまでも向こう側に鳥取の知名度を上げるために、鳥取をもっと知ってもらうための1回の、1回限りのチャーター便というふうに捉えればいいんですか。

 
●知事

 もちろん、春秋[航空]とは今までいろんな話もしておりまして、春秋航空の王会長としても、私も直接お願いをしましたけれども、やはり飛ばしてみないといかんなという向こうの決断もあったと思います。うちの方の魅力の説明を受けて、やはり社としても飛ばしてみたいということがあって、あのテストチャーターという趣旨ではないかと思います。テストチャーターと言っても普通のチャーター便でありますので、普通のチャーター便として、我々としてはきちんとお迎えをさせていただく必要があると思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 それに関連しまして、上海から来られた中国人観光客は、高松[空港]なり茨城[空港]からまた帰られるというイメージなんでしょうか。


●知事

 両方あると思います。先に入って、それで米子[空港]から出ていくということもあります。だから、その両方を今念頭に置いて、どういうツアー造成ができるかという、今調整をしています。東の方からずっとやってきて、あるいは高松からやってきてというときに鳥取を使っていただくと、泊まっていただくと、それは我々の方で1人5,000円とか、そういうツアー造成補助も、従来のルールに則ってやっていくと、そんな応援ができるかなと思っています。鳥取というのが、まだやっぱり確かに知られていないというのが向こうのネックのようでございまして、来ていただければ良さは、春秋の旅行社の方のトップも来ておっしゃっていますけども、良さは必ずあるというふうに我々も思っていますので、まずは来ていただくことかなと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 それで、中国のかたからとっても、鳥取というところは魅力的な観光地として選ばれなければならないということだと思うんですが、チャーター便に乗って知事が上海に行ってPRされるというか、そういうご予定はあるんでしょうか。


●知事

 それは、今はちょっと計画はしていません。これから関係者と話をしていくことになろうかと思います。席数はかなり限られていますのでね、そういう中でどういうことができるかっていうのはこれから考えていこうと思います。


○NHK 杉山大樹 記者

 すいません。関連してなんですけども、上海でもPRされるというのは、これは県として直接行って何かしらのかたちでPRするということ考えられて。


●知事

 その辺は今、実は調整をしながら、向こうと相談をしています。イメージ的は、向こうのいろんな雑誌だとか、メディア媒体があります。それで、そういうところに我々もPRを打っていくと、パブリケーション[発表すること]を打っていくというのは1つあろうかと思います。あと、イベント的なPRをやるかどうかというところまで時間的余裕があるかどうかちょっとこれから考えながら検討していきたいと思っています。



8 災害時における鳥取県薬剤師会との協定締結 

○読売新聞 野口英彦 記者

 すいません。薬剤師の関係の協定なんですが、これは全国では他に例があるんでしょうか。


●知事

 そうですね、まだ10県もないと思いますけども、何県か、今、例は出てきています。他県の例ということで言えば、先程の申し上げた、今日市町村集めて原[子]発[電所]の説明会、地域防災計画の説明会がありますけども、これを周辺地域でやるのは本県が初めてですね。今までは茨城[県]、宮城[県]が説明会をやっていると伺っています。うちが3県目ですが、[原子力発電所]立地[地域]以外では初めてのケースになるかと思いますね。


○山陰中央新報 道下健弘 記者

 想定というのは、何かことが起きたときに集まってもらうという約束をとりつけるようなイメージなんでしょうか。


●知事

 薬ですね、薬を提供してもらうと。だから、医者の処方箋がなくても使える薬が出てくるということですね。やはりその方が考えてみればね、我々の感覚にも近いし、今までは要はお医者さんと看護師が行ってという、こういうやや固定観念がありましたけども、薬剤師さんの世界で協力していただくでも十分医療ニーズに対応できるんじゃないかと期待しています。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 昨日の防災訓練で安定ヨウ素剤の投与の仕方ということも課題として大きくクローズアップされましたが、そのあたりのことは今回の協定で薬剤師さんとの何か協力ということも盛り込まれてくるんでしょうか。また今後も求めていくんでしょうか。


●知事

 そこは多分、ちょっと別のことを考えています。昨日のいくつか課題、見えてきたのがあります。1つは、今おっしゃった安定ヨウ素剤というのは、我々周辺地域にとってあまり馴染みがないです。それで、実は福島原発のときも服用のタイミングだとか、方法だとか、普段から飲んでいるもんじゃありませんので、課題があるということは言われました。それで、昨日来られていた[独立行政法人放射線医学総合研究所]の山田[裕司]先生という、これ放射線医学の方ですかね、そちらの専門の先生にもお伺いをしたんですけども、やはり今、そこをやっぱり詰めなきゃいけないと、全国的な医学的アプローチとしても。だから、我々としては国側の方にその服用のマニュアルと言いますか、標準と言いますか、あるいは正直啓発用のパンフレットなり、そうしたものを作るべきではないかと、これは国全体の問題として申し上げる必要があるなと昨日思いました。

 昨日の訓練から見えた課題は、1つは通信なんだと思います。いろいろと実は訓練前にして、オフサイトセンターとうちのヘッドクオーター[本部]を、テレビ会議でもつなげる、そういう回線を、確認をして、実際昨日使ってみたわけでありますけども、それ以外のところ、例えば県の西部総合事務所であるとか、それから米子市や境港市とモニタリングのデータなどを瞬時にして共有をするということができないんですね、今の通信回線では。こうしたところは早急に体制をつくる必要があるなというのは、昨日の訓練から見えてきたと思います。この辺は来年度の予算の中で、ぜひ、整備するように関係機関とよく協議していきたいと思っております。



9 「中国美食協会」の鳥取県訪問ツアー 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 すいません。先程、大阪商工会議所の佐藤会頭からご紹介のあった美食家倶楽部のかたですかね、4月に滞在をするツアーを組むというお話がありましたが、どれくらいの規模でいらっしゃるのかっていう話は聞いていますか。


●知事

 これ、今、ちょっと走りながら今、調整しているわけでございまして、関西の方に入られて、それで2、3日鳥取の中で滞在をしようということを考えておられます。先週だったですかね、担当されます大阪商工会議所の関係者のかたも来県をしまして、県内のいろんな食のスポット、鳥取砂丘なども含めて視察をして帰られました。それに基づいて、今、ツアー造成の具体化をしています。4月の上旬から中旬にかけてのタイミングで、こちらの方に来られるということで伺っております。数十名規模だと思うんですけどね。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 非常に富裕層のかたがたではないかというふうに思うんですけど、富裕層のかたに食を紹介するようなかたなのかなというイメージもあるんですが、すごく「食のみやこ鳥取県」をPRするのに絶好の機会ではないかなと思うんですけども、このあたりやっぱり美味しいものを食べていただこうと。


●知事

 実際に大阪商工会議所の関係者、こちら来られまして、鳥取のいろんなもの食べられたそうでありますが、これはいけるというふうに見られたようです。従いまして、ちょっと関西を離れて関西広域連合の中である鳥取県の方にサイトを設けて、「日本海コース」というようなコースを作ってみようかということであります。来られるかたがたは食のオーソリティー[専門家]の関係者というのが主たるメンバーではないかなというふうに考えております。今後もそういうきっかけをつくりながら、鳥取を訪ねる中国の旅のテーマができてくるとありがたいなと思っています。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 関西広域連合でも広域観光というのが1つのテーマになっていまして、知事もよくおっしゃるのが鳥取も関西の一部だということで海外の観光客のかたからも認識してもらって、観光ルートに鳥取も組み入れてもらうと、これが1つの重要な課題じゃないかなと思うんですけども、その1つのモデルケースになりそうだと思われますか。


●知事

 ええ、そうですね。我々の目指しているところ、特に富裕層だとか、食ということが世界的にも中華食というのは、世界三大食学的にも選ばれるわけでございまして、そういうものであろうかと思います。ただ、何と言いますか、その高いだけではなくて美味しいものってやっぱりあるわけですね。例えば、ベニズワイガニを活用した料理であるとか、そうした世界を中国の人にも体験してもらうということもプログラムの中に織り込まれておりまして、今までとはちょっと違った、まだ未開拓の旅客層にアプローチできればなと思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 その関連で、中国人観光客だけではなくて、県の特産で中国人美食家集団が太鼓判を押した何とか、そういうかたちで日本人にもPRできるという、そのようなお考えはおありでしょうか。


●知事

 それはぜひちょっと見てみたいと思います。来られるかたがたの中には著名な料理家なども入っておられると伺っておりまして、そうしたかたがたと、来県されれば、いろいろと意見交換してみたいなと思っています。



10 春秋航空によるチャーター便(再質問) 

○NHK 杉山大樹 記者

 すみません。春秋航空の、今、乗入というのは、県の側に支援を要するなどの観点から、定期チャーター便を運航したいという申入れが県の方にあったと言うのか、感じなんですか。


●知事

 我々の方で、要は定期的なチャーター便のようなものをやってほしいと、かねてからお願いをしてきております。それで、高松[空港]とか、佐賀[空港]とか、続いてきておりますけども、その次の乗入先に選んでもらいたいという要望をしてきました。それで、そういう話の中で、今回まずは米子鬼太郎空港に緑色の春秋航空の機体を乗り入れてみようじゃないかということになったというのが今回のところであります。我々の方の要請に応えるかたちでチャーターをまず1回飛ばしてみようというのが、今回のプランであります。


11 三洋電機(株)への訪問 

○毎日新聞 遠藤浩二 記者

 この後、大阪の三洋電機[株式会社]に行かれると思うんですけれども、社長が変わったということで、今回また新しく何か要望することってあるんでしょうか、今までと違って。


●知事

 伊藤正人[三洋電機]社長の方には、私どもで従来三洋側に申入れをしてきたことを、まだ新任でございますので、改めてお話をしたいと。特に三洋電機コンシューマエレクトロニクスがビジネスユニット(事業部)化されて、三洋電機の中に組み込まれました。だから直接の社長ということになりますので、地元に占める、経済上のウェイトの高さ、あるいは雇用の大きさ、こうしたことを理解してもらいたいと思います。また、経済とか、雇用に対して、ぜひ貢献をしてもらいたいということをお願いをして、伊藤社長ご自身がエネルギー部門の社長を兼ねておられますので、パナ[ソニックグループ]全体での話もあろうかと思います。そういう中で、私どもの鳥取の事業場を活用してもらいたいということをお願いしようと思います。

 鳥取市側と今、その要望内容を調整してきたんですけども、そういう中で、いくつか空くスポットがあると、要は事業所が[鳥取市]岩倉の方に集約の関係がございまして、[鳥取市]吉方とか、今後事業が継続されないところが、場所が出てくると。その場所の活用について、これもその申入れの内容に今回は加えようということを申し上げております。


12 ソフトバンク(株)孫社長との面談 

○NHK 杉山大樹 記者

 すみません。ソフトバンクの社長と会われるということで、CMのお礼の件がメインなのかもしれないですけど、メガソーラーの誘致に向けて、いろいろ、以前お会いしたときから状況等も変わっている部分があると思いますが、改めてどういったことを孫社長にアピールしようというふうに考えられていますか。


●知事

 私ども、その環境イニシアティブを作成をして、これから再生可能エネルギーを大きく鳥取県の中で起こしていきたいと考えていることを訴えたいと思います。できるだけ早いタイミングで、このプロジェクトを成功裏に実現していただきたいということを申し上げたいと思います。米子市と今までも共同で訴えかけをしてまいりました。今、具体的にどういうような送配電のルートを考えるかとか、そういう調整を県も仲立ちをしながら進めております。そういう意味で実現に向けてのステージは高まりつつあると考えておりまして、孫社長に最終的なご決断、いずれそういう時期が来ると思われますけども、お願いをしていきたいと思っております。



13 大阪維新の会の「船中八策」への評価 

○読売新聞 野口英彦 記者

 すみません。話は変わりますけども、橋下[徹 大阪]市長率いる大阪維新の会が政策の叩き台、「船中八策」を発表しましたけども、それについての知事の評価をお願いします。


●知事

 これは政治的議論を呼び起こそうという橋下市長一流のやり方かなというふうに思います。かなり、ハードルの高いボールを投げている感じがします。ただ、その中には、例えば首相公選制だとか、一国民として私も考えてみれば、あっても良いなあというような、そういう提案もあって、その大胆さというか、清新さというのは魅力を感じます。ただ、これを、じゃあ実現するために、例えば憲法改正が必要であるとか、TPP[環太平洋戦略的経済連携協定]は単純に導入せよというふうになっていますけども、そういう単純な話なのかなと、そういう議論当然あると思います。

 従いまして、乗り越えなければならないハードルだとか、いろんな多様な意見ですね、このことを考えたときに、果たしてこれがマニフェストとして、国民みんなに受け入れられるものかどうかというのは、評価が分かれるだろうなと思います。これは、1つの政治のやり方として、あえてそういう玉を投げてみたということではないかと思っていますが、これから、[大阪]維新の会の中で、さらに議論をして最終的なマニフェストを詰められるんではないかなと思っておりますので、行方を見守っていきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 全体的には、すぐに実現するものではないというような趣旨だったかと思うんですが、政策的に見て、知事が共感される部分というのはどういうところにあるんでしょうか。


●知事

 やはり政治が決定力を欠いているという、橋下市長のメッセージは私は正しいなと思っています。そのことは、私も同じように思っていまして、今、国会でいろんな議論がある、あるいは政府もあるわけでありますけどね、首相が次々とこう変わっていくということでございまして、こういうような状況の中で、日本が難しい時代を乗り切っていく時期などに決定力を欠いていると、政治的な意味でのですね、そこが問題だという認識は、私は共感します。

 その意味で、首相公選制のような、ある程度思い切った改革というのはあっても良いのかなと思います。ただ、これ憲法改正など大きな議論がありますし、内閣と国会との関係ですね、こういうこともございまして、憲法の中でも国権の最高機関としての国会の地位というのが認められている中で、大統領的なものを、首相公選制で作ることが果してその憲法の構造上どうなのかと、いろんな議論があろうかと思います。従いまして、クリアすべき課題はあると思いますけども、問題意識は、ある程度共感できるものがあると思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 すいません。それと少しまた関連するんですが、今日の全国紙のアンケートで、「教育目標は首長が設定する」に対して、知事は賛成だとおしゃっているんですが、それの説明をお願いいたします。


●知事

 これは、かねてから申し上げていますけども、教育委員会制度というのは、もう、かなり古くなってきた制度であることは間違いないと思います。戦後の混乱の中で、アメリカの占領下の思想もあったと思いますが、教育が行政べったりで、翼賛的な教育が行われたんじゃないかという問題意識だったと思うんです。ただ、現代のこの市民社会の成熟度からしますと、ややアナクロニズムと言いますか、時代錯誤的な感じがいたします。従いまして、もうそろそろ教育委員会制度も、衣を着替えた方が良いのではないかなという思いであります。その中で、ただ現行法もございますので、可能なことを考えた場合に、教育はこういうふうに引っ張っていきましょうという理念だとか、手法だとかを教育委員会と共有をして、私だとか、議会だとか、民主的に県民から選ばれた者で、いろんな話し合いをして、そういう目標を設定するということは、当然1つの考え方としてあり得るだろうと思います。

 私自身も当選して以来、教育委員会の方にいろんな、言わば、石を投げるようなことをしてきておりまして、この度の少人数学級もそうでありますし、それから、かつては、学力テストの公開問題もそうでありましたけれども、自分なりに教育についても、ややちょっと出過ぎたかなと思いながらも発言をしてきたということであります。本来であれば、例えば、子どもたちの不登校をどういうふうにしていくかとか、それから、学校の教科としてこういうものを、ぜひ考えるべきではないかとか、それから、子どもたちの人間力だとか、学力・体力、こういう目標でやってくれとか、そうした目標を設定して提示をしていくということはあっていいんじゃないかなと思っています。

 ただ、それを条例で、すぐに作るのがいいのかどうかとか、緩やかに今もやっていますけども、教育委員会と随時、意思を統一しながら進めていくというようなやり方もあるでしょうし、手法については、これからよく検討して考えていけばいいんじゃないかなと思っています。ただ、大阪市の条例がどういう条例の内容であるか、また、その条例についての法律的な問題についてのさまざまな議論もあります。そうした分析は、我々としても冷静に始めていいんじゃないかなと思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 中立性であるとか、あるいは、目標設定はいかがという議論がある一方で、知事は今回の知事選で少人数学級の導入拡大とか、あるいは、大学等への進学率を50%以上、これ、目標ですよね、これ、掲げて当選されたという経緯があって、現実はもっと先に進んでいるんじゃないかなという気がするんですが、それについてはどうでしょうか。


●知事

 どちらかというと、教育の目標設定のところは、たぶん大阪市の条例の中で理念的な部分だろうと思うんですね。現実に、先程申しましたように条例というアプローチがいいのか、あるいはその目標を共有しながら、今もそうやっていますけども、教育委員会の教育行政をデモクラシーの立場でも引っ張っていくやり方がいいのか、いろいろと選択肢はあるだろうと思っています。投げかけた問題意識ですね、教育委員会制度自体がどうなのかというのは、たぶん革新だと思いますので、その部分については、私もそろそろ衣を着替えてもいい時期だろうと思っています。



14 ソフトバンクのCMに対する反響  

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 ソフトバンクのCMで、すいません。いろんな問い合わせが入ってきているということでおっしゃっていましたけども、どういったかたからどのような問い合わせというのが、もし知事、把握されていたら。


●知事

 先日、はわい温泉の施設のトップのかたからも伺いましたけども、あのCMが流れるようになって、当然お客さんの予約ということもあるわけでありますが、どこにあの看板があるのかというのを教えてくれと、そういうお問い合わせが非常に増えたというふうに伺いました。実際にあの看板のところで、写真を撮ったりしている人が出てきていますので、新しい名所が誕生したのかなと思います。湯梨浜町の方もいろいろとお問い合わせがあるもんですから、自分たちでも少し盛り上げを考えたいというような動きも出ているようでありまして、波及効果が出始めたなと思っています。少なくとも鳥取県に羽合[はわい]という場所があるんだというのは、だいぶ認知度が上がったんじゃないかなと思っています。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 一般のかた、観光客からの問い合わせということで、県庁にも直接あったりはしているんですかね。


●知事

 県庁の方でもあると思いますが、私が聞いたのは地元の方から問い合わせがきているという話は聞きました。



15 震災がれきの受け入れ  

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 ちょっと話は変わりますが、震災の瓦礫の受け入れについて、今日、毎日新聞さんの一面でも載っておりまして、鳥取県は検討せずということで書いてありましたが、関西広域連合の方で受け入れのルール化みたいなものを国に求めるというような話も確かあったと思うんですが、そのあたりで鳥取県としての震災の瓦礫についての考え方、改めてちょっと聞かせていただきたいんですが。


●知事

 これはいろんな考慮を要することであります。非常に関心も高くて、しかもセンシティブ[(微妙な)]、どちらかというといろんな感情が混ざる問題でもあろうかと思っています。個人的な気持ちとしては、そうした[東日本大]震災の瓦礫が安全であるということが証明をされて、国としても責任を持ってそこをやると、そうした保証をしながら、またフォローをしていくんだというようなことがしっかりしてきたような段階で、こうした震災瓦礫について前向きに考えていく、そういう時期もくるのではないかというふうには思います。ただ、今の、国全体の国民感情からしますと、まだそこまで安心感と言いますか、確証を多くの人がまだ共有しきれてないというようなことがあると思います。

 ですから、まだまだ政府の方で対応するべきことがあるだろうと思っています。本県として検討せずというような単純なことではなくて、1つは、実は鳥取県の場合は、神奈川県などと違いまして、廃棄物の処分場を持っていませんので、我々としてできるすべがないということはあります。県内の市町村が持っておられますけども、そこは地方自治でございますので、市町村が最終判断をされるべきところでありますから、我々として、それをちょっと申し上げる立場にないというのは正確なところかなと思います。ただ、今後、この震災復興をいかに進めていくかというときに、この瓦礫の問題というのは難しいセンシティブな課題ではありますが、議論されなければならないというふうに認識しております。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 現段階で積極的に県から手を挙げたりということはないということですね。


●知事

 法的な問題として鳥取県が手を挙げられる権限がないと。それは我々の方で瓦礫の処分場を持っていません。そのことがまず第1であります。あと、県内の市町村とのいろんなコミュニケーションを今までも取ってきておりますけども、現段階として市町村が十分納得できる材料があるというふうにご当局の方で、それぞれ考えておられる状況にはないということであります。



16 大阪維新の会の「船中八策」への評価(再質問) 

○読売新聞 野口英彦 記者

 すいません。ちょっと先程の船中八策の話に戻るんですが、地方に影響が及ぶと考えられているのが、地方交付税の廃止とですね、地方共有税を作って地方同士で財源を分け合うんだということがありますけど、このアイデアについてはどうでしょうか。


●知事

 これはまだ僕も正直細かいところまで見せてもらってなくて、気になっています。そこはぜひミスリード(人を誤った方向に導く)のないように、マニフェストを作られるのであれば[大阪]維新の会の方で考えていただきたいなと思っているところであります。地方交付税を廃止ということが最初ぽんとこう報道されまして、これはちょっとどうかなと思っていました。結局何が問題かと言うと、大都市部に税源が偏在しているわけです。従いまして、例えば法人税もそうでありますし、消費税だって多かれ少なかれ偏在性があります。そういうことを考えていただければお分かりいただけるように、どんどん大都市部の方に、この国がいびつに歪んでしまう構造になると。地方交付税はそれを是正する意味で財源保障を、必要な行政サービスについて日本全国の国民に対して保証するという機能を持っているわけですね。だから、この地方交付税を廃止するということだけであれば、これは正直正面から反対しなきゃいけないなと思っていました。

 ただ、最近の報道を見ておりますと、地方共有税という話が出てきておりまして、その中身をぜひ分析させていただく必要はあるだろうと思います。ただ、留意していただかなければならないのは、例えば、これから地方共有税化するというようになったとして、今現段階で、地方の税収と歳出のことを考えますと、歳入面では国6に対して地方4である。それで、歳出面では国4に対して地方6であるということでございまして、ここに財源のギャップがあるんですね。ですから、今このままの状態で地方共有税化したということになると、今の財源の4の部分で分け合うということになりますから、とてもじゃないですけど、これでは国がもたない、我々地方がもたないということになります。あんまり現実的ではないということになりますので、本当は、これと、あと税源をどうするかと、国と地方の税源配分を。その辺の議論とセットで地方共有税のあり方を考えるということにしないと、ミスリードするんではないかなというふうに危惧をしております。この辺はまだふわふわとしたアバウト(大まか)な話だと思いますので、事態の推移を見守りながら発言していきたいと思っています。


○TSK作野俊介 記者(幹事社)

 よろしいでしょうか。じゃあ、今日はありがとうございました。


●知事

 ありがとうございました。


  

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