●知事
はい。皆さんおはようございます。連休もまずまずの県内の人出でございました。鳥取砂丘、それからまた西の方では水木しげるロードが2,000万人に達するというような朗報も入りました。そういう中で、例えば青山剛昌ふるさと館、これがこれまで昨年の5割増しにお客さんが増えるとか、漫画効果も出始めたかなというように思います。そういう連休の賑わいの中で、さくらジャパン〔女子ホッケー日本代表〕が見事に〔ロンドン〕オリンピックの出場権を獲得されたわけでございます。これは山陰両県の選手が大活躍をされておられます。鳥取県からも大家〔涼子〕選手、佐藤〔雅子〕選手がこの決定戦と言いますか、出場決定リーグに登場するということになりました。これからメンバーの選考が行われるわけでございますが、そうした鳥取県の両選手を含めて、ぜひ山陰からオリンピックの代表が生まれることを期待して止みません。
2 茨城・栃木での突風等被害への対応と竜巻注意情報等情報提供の強化
●知事
さて、そういう中で大変な暴風被害もございました。竜巻が茨城県そして栃木県を、おそらく3つの流れで襲いかかったというような分析がなされています。こうした暴風被害に対して私たちとしても備えをしていく必要があるかと思いますが、今回の被害に当たりまして、茨城県そして栃木県をはじめとした被災されたかたがたに心からお見舞いを申し上げたいと思います。この件につきましては、県としても、鳥取県としても早速、災害見舞金を出させていただくことを決めさせていただきました。栃木、茨城両県に対しまして贈らせていただきたいと思います。実は現地と連絡を取り合っておるわけでございますが、我々の方からは職員災害応援隊の派遣を打診をさせていただきましたが、先方からは今のところ当方の手配で間に合うんではないかと、こういうことでございまして、見合わせているところであります。
また、県民のボランティアの派遣についてでございますけども、これも地元を中心として今、集められているということでございます。ただ、今後どういうように推移するか分かりません。2,000棟を超える被害があったということでございまして、膨大な量であろうかと思います。〔鳥取〕県の社会福祉協議会のホームページのサイトの方には、今回の竜巻被害の状況も掲載をさせていただきまして、災害ボランティアの登録を募っているところであります。今後、状況によりましてはそうした県の職員災害応援隊は必要ないということでございますが、民間レベルでのボランティアの派遣など、協力できるかどうか今後も検討させていただきたいと思います。
竜巻についてはやはりなかなか避けがたい災害であります。備えをしていればそれで竜巻が来ないかというと、これはそういうわけにもなりませんで、要は、情報の伝達などが重要になってくるかなと思います。鳥取県としては情報伝達のやり方を今回、再検討させていただきまして改めさせていただこうと考えております。気象庁とよく事情を、意見を交換させていただいたんですが、気象台の方から竜巻被害の確率について〔竜巻発生確度〕ナウキャスト〔防災気象情報〕という、そういうメッセージが出されます。この一連の情報を活用して県民の皆さまにも情報伝達の仕方を、強化をしようではないかというふうに考えております。まず、雷だとか、そうした異常気象が発生するという予兆が数日前ぐらいから現れるということになります。そうした情報が出されることになりますと、市町村の方にも我々の方で注意喚起を改めてさせていただいて、竜巻の危険性があるとかいうようなことを住民の皆さまに然るべきときにはお伝えをしてもらいたいと、そのようなメッセージも出させていただこうと考えております。
また、雷注意報が出されるわけでありますが、積乱雲が発達してきますと雷の可能性がありますが、同時にこれは竜巻が発生する可能性もあるわけです。また、集中豪雨的な豪雨災害の可能性もあります。こうした複合的な予兆になります。それが出されるのが1日とかそういうような範囲内で出されるわけでございますが、この情報も県民の皆さまの方に「あんしんトリピーメール」などでお伝えをすることにさせていただいておりますが、内容も強化をさせていただこうとしております。さらに竜巻の注意報〔竜巻注意情報〕が出されます。この注意報が出されるころに、先程申し上げましたナウキャストという情報も出されるわけでございまして、このナウキャスト情報についても住民の皆さまに周知をさせていただく、そういう「あんしんトリピーメール」や「とりったー」〔ツィッター鳥取県公式ポータルサイト〕などの工夫を今後はさせていただこうと思っております。
さらに、竜巻が襲いかかってくるようなときの注意情報ですね、堅固な建物の中にいていただいた方がいいとか、建物の中心にいた方がいいとか、そういうさまざまな注意事項があろうかと思いますが、それも示させていただこうと思います。こういう竜巻の発生確率について〔予測的中率〕1%~5%の段階とさらに5%~10%といったような段階など、段階の差があります。その程度に応じまして、私どもとしても状況を把握をして、その発生が予想されているような市町村への連絡を強化させていただくなど、我々の方の組織体制も今後はさらに一層、強化をさせていただこうと考えております。こういうように竜巻についての注意喚起のあり方、伝達のあり方について見直しをさせていただき、我が方の危機管理組織の体制の強化もさせていただくことにいたしたいと思っております。
併せて、これは竜巻が直接入ってくるわけではないんですけれども、大津波警報とか、本当に緊急を要するような事態が発生した場合に、エリアメールと一般に言われる手法があります。これは具体的にはNTTドコモさんとか、KDDIさんとか、それからソフトバンクさんとか、そうした携帯電話会社の協力を得て出させていただく緊急情報であります。これは強制的にそのエリアの人たちにメールが届く仕組みでありまして、これに鳥取県としても登録をすることにいたしました。6月1日からこのエリアメールを提供させていただくというようにいたしたいと考えております。いずれにいたしましても、こういうようなさまざまな備えで住民の皆さまの安心をできるだけ確保をしていきたいと考えております。また、かねての4月21日、22日などの暴風災害が鳥取県内でも多数発生をしました。農業被害だけでも1億8,900万〔円〕というような状況でございまして、施設災害であるとか、いろんな被害がその他にも発生をしたところであります。
先般、私どもの方で懸念を表明していたこともございまして、〔鳥取〕県警とそれから道路管理者である国土交通省の方で話し合いを持たれまして、東伯・中山道路だとか、あるいは淀江から大山、名和にかけての道路について取扱いの協議がなされまして、従来よりも強化をしようということになったわけであります。今回の暴風災害で言えば、「大山おろし」が発生したというふうに我々は見ているわけでありますが、実際に路側に停車をして難を逃れようとしていた車もひっくり返っているということがございまして、何か、スピードを出していたのでひっくり返ったというような誤解がどうも、当初あったような気がいたしますけれども、そういうことではどうもないわけでございます。従いまして、やはり対策の強化が必要なわけでございまして、今回の国土交通省と県警の措置、それを県としても連携して支援していきたいというふうに考えております。
その被害対策につきましては、とりあえず予備費を執行していくのがおおむね4,000万〔円〕程度に上るというように見込まれますが、これはやらせていただきたいと思います。事業費ベースでは1億2,000万〔円〕ほどでございます。その他、6月補正〔予算〕でも検討をさせていただきたいと思っていますが、そういうものも合わせますと事業費ベースでだいたい3億円強ぐらい、さらに県費ベースで7,000万円ぐらい、つまり6月補正段階で3,000万円ぐらいの補正規模が今回の災害に伴いまして必要になると見込んでおります。具体的には県営住宅などの施設災害でありますとか、それから農業関係では裏作をやるときの支援ですね、実際にスイカなど作付けができなくなるということがございます。そういうような支援であるとか、また文化財、大神山神社あるいは河本家住宅といったような災害が出ました。そういうような文化財関係でも事業費ベースで200万円強、また県費ベースで100万円強のそういう補正が必要ではないかというふうに考えております。こういうようなことも緊急に講じさせていただきまして、この度の災害を乗り越えてまいりたいと考えております。
●知事
まんが王国関係では、昨日、里中満智子先生、倉田よしみ先生、土山〔しげる〕先生がお見えになりまして、それで〔第13回国際マンガサミット鳥取大会〕幹事会を開いたり、私も意見交換に参加をさせていただいて、今後の方針を話し合ったところでございます。韓国からもキム・ビョンホン〔国際マンガサミット(ICC)〕事務局長がお越しになりまして、いろんな調整をさせていただきました。向こうの方でもぜひ世界的なネットワークで協力をしていきたいというようなお話がございました。この国際マンガサミットにつきましては、昨日、ボランティアセンターを立ち上げましたが、新しい〔イメージ〕キャラクターができてきたわけでありまして、今、この名称を募集したところでございますが、210件、県内外から寄せられました。具体的な名前は最終的には実行委員会などで決めていくことになろうかと思いますが、だんだんと関心が高まってきたというふうに思います。
それで、国際まんが博のこともございますので、海外での呼びかけもしようじゃないかということで、昨日、10日から上海での旅行博覧会に鳥取県と島根県が協調して出展をしましてPR活動を始めました。また、来週の14日には北京で旅行説明会を鳥取県として行って、まんが王国についてのPRをさせていただこうと考えておりますし、また、鳥取県と友好関係にあります河北省石家荘市でも、これもやはり説明会を行うということにいたしております。海外での呼びかけもこのように始めさせていただくわけでありますが、国内での認知度の効用も図る必要があると考えております。それで、来週の17日に東京におきまして、この国際まんが博の内容についての発表会を行うと同時に、鳥取県にゆかりがございますトリンドル玲奈さんによりまして、トリンドル玲奈さん、これはソフトバンクのCMに出ておられるかたでございますけれども、自らCMの中で「鳥取の羽合(ハワイ)だでえ」と、羽合出身を名乗っておられます。それから、糸電話というようなCMもございましたけれども、鳥取のPRもこれまでされておられるかたでございます。
トリンドル玲奈さんには孫〔正義ソフトバンク〕社長と一緒に私も面談をさせていただいたときに、〔とっとり〕ふるさと大使になってもらえませんか、鳥取のお手伝いしてくれませんかということを呼びかけておりました。この度、ご承諾いただきまして、正式にご承諾がございまして、ふるさと大使にご就任いただくことになります。ただ、ふるさと大使ということは、それはそれとして、していただきたいと思うんですけれども、今回、こういうまんが王国で国際まんが博などをやりますので、それにもぜひコミット〔関係する〕していただきたいというようなお願いをしてきたところでございまして、調整をしてまいりました。17日にトリンドル玲奈さんには「まんが王国とっとり」の王女に就任をしてもらうと、即位をしてもらうと。それを東京の品川にありますグランドプリンスホテル新高輪におきまして即位式典を行います。王女としての正装を身にまとっていただきまして、ティアラをされた鳥取のまんが王国の王女が静々と登場するということになります。そして、そのトリンドル玲奈さんには、「トットリンドル王女」という名前の王女に就任をしてもらうというようなストーリーでお願いをしております。
玲奈さんの方からも鳥取のイベントのPRを自らしていただきまして、王国建国の口火を切っていただくと、ぜひ多くのかたがたにもそうしたストーリーも見ていただきまして、鳥取に足を運んでいただく、山陰のさまざまなキャンペーンに来ていただいて楽しんでいただく、そんなような夏から秋にかけてのシーズンを迎えていきたいというふうに考えております。
●知事
また、来年は〔全国〕植樹祭などのイベントがございますが、〔5月〕20日にはプレイベントを行うことになります。全国植樹祭のプレイベントとして南部町の〔とっとり〕花回廊において、同じ会場で式典、本番さながらのプレ大会を鳥取県植樹祭として実施をさせていただこうと考えております。ぜひ多くの県民の皆さまにご参加をいただければありがたいと思います。当日は花の苗など配布するような、そういう趣向もございます。また、明日は〔第30回全国〕都市緑化フェアの方のプレイベントとしてポール・スミザーさんにご来県いただきまして、とりぎん文化会館で講演を行っていただくということになっております。こちらの「水と緑のオアシスとっとり2013」につきましては、新しいテーマソングを募集をすることになりまして、来週から募集に入ることになります。ぜひ、我と思わんかたはテーマソングを寄せていただきたいというふうに思います。こういうようなさまざまなイベントをこれから目白押しになろうかと思いますけれども、賑わいを作ってまいりたいと思います。
来週は相次いで岡山県におきまして、岡山県知事と2年ぶりの知事会談を行うことにさせていただいておりまして、共通の課題について話し合うことにいたしております。また、〔5月〕18日には全国知事会が召集をされております。そこで、例えば地方分権に向けて出先機関の改革のことなど、多くのテーマが話し合われることになろうかと思います。私の方では政権公約評価の特別委員会の委員長をさせていただいております。そちらの委員会も召集をしておりまして、これから、どのように政治が流動化してくるか分かりません。我々としてまだその辺を議論する時期ではございませんけれども、ただ、準備を我々としても始めていく必要があるかなと思います。これまでの通例ですと、解散総選挙とか、参議院議員選挙と言ったようなタイミングで各政党に政権を問うというような活動を知事会全体でやっております。これからどういうふうになるか分かりませんが、我々としての準備活動は始めさせていただこうというような趣旨でございます。
それから来週には、山下産業〔株式会社〕さんという、これは久方ぶりでありますが縫製工場、制服を作る工場でありますが、その誘致が実りまして調印式を行うことにいたしております。最終的には100人規模の雇用をという計画をお伺いをしておりまして、まずは30人規模から始めるということだと思いますが、鳥取市の方で進出するという計画がございます。また、これは来週末になりますが〔5月〕19日に食のみやこのレシピのイベントをしようということでございます。今回はJAグループだとか、鳥取県はもとよりといたしまして、全国的なこの点での大手でございます味の素さんとのタイアップキャンペーンが初めて行われることになります。従いまして、鳥取県の食材を使ったレシピが月に100万人のかたがご覧になる味の素のサイトでも伝えられるということになります。もちろん味の素の方のさまざまなプロモーションもあろうかと思いますが、鳥取県の食材を使って、いろいろなかたがそれを使った料理を楽しんでいただく。例えば、ねばりっこ〔長芋〕のような鳥取県独特の食材があります。そのようなものをレシピ集として味の素の方でも掲載をしてもらえるということになりました。19日にそのお披露目のイベントすることになっております。
●知事
今、原子力発電所について、いろいろと議論が賑やかになってきておりますが、相変わらず〔電力〕需要がどうだという議論が先行しているように見えます。福井県の〔西川一誠〕知事が東京の方を訪れまして懸念を表明されたというのはもっともなことではないかと思います。政府におかれては何が安全対策として必要なことなのか、それをきちんと確立をして、そこから議論を説いていくという正常化を図っていただく必要があるのではないかなというふうに思います。いずれにいたしましても、我々鳥取県でもこの度〔原子力安全対策〕プロジェクトチームを動かしまして原子力災害に備える動きを始めた、本格化させたところでございます。多くの県民の皆さまのご意見も伺いながらあるべき方向性を今後とも探ってまいりたいと思います。私の方からは以上であります。
○共同通信 田島沙羅 記者(幹事社)
各社質問がありましたらどうぞ。
○NHK 月岡信行 記者
すみません。気象災害の情報の対応強化ということですが、これいつから、もうすぐやるということですか。
●知事
ええ。気象災害についての情報提供のあり方は見直しをしてすぐにでも始めるということにいたしました。この間、気象庁とよく情報関係の整理をさせていただいたり、それから、我々としてもできることを話合ってきました。市町村の方にも協力を求めていく必要があるというふうに考えておりますが、県としては情報提供のあり方は早速改善をさせていただきたいと、見直しをさせていただきたいと思います。併せて、この度、我々で登録をさせていただいたエリアメールにつきましての供用開始時期は6月1日ということになります。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
原発の再稼働と震災がれきの受け入れのことについて2つ質問をさせてください。連休中の5月3日だったんですけども、日本海新聞様の県民アンケートをした結果を載せておられまして、それを見させてもらうと、原発再稼働については半分以上の人が反対であると。それから震災がれきについては9割ぐらいの人が容認というような結果が出ておりましたけれども、言ってみれば、それをご覧になって、どういうご感想をお持ちになりましたかというのが1つです。もう1点目は、鳥取県さんは県民アンケート的なことはこの2つテーマでお考えになりませんかというのをちょっと聞いてみたいんですけども。
●知事
今回一部報道で、そういう調査がなされて公表されました。私としては良心的に受け止めさせていただきたいと思っております。それで、先程申し上げましたとおり、原子力安全については未だ懸念が払拭されていないというのが最大の課題だと思うんです。その前提として、事故原因分析が十分になされてない、どういうわけかこの結果が出てこないんですね、いつまでたっても。それと呼応する、連動する話だと思いますが、じゃ、その安全対策、これをやれば十分ですよというところが、納得のいくかたちで示されていないわけです。これまで3つの基準を暫定的に示したということでありますが、暫定的という言葉も付いていますし、新たに付け加えられた3つ目の基準も、計画を作ればいいというものでありまして、十分納得が得られるものかどうかというのは、やはり県民の皆さまの受け止め方もまだ十分でない、不十分であると言うかたが多数派なんだというのが、今回のアンケート結果なのかなと冷静に見させていただいております。ですから、立地県ですら、そういう安全対策などについて、総理が先頭に立ってやるべきだというようなことを言い始めているわけでございまして、この状況を政府としても深刻に捉えるべきではないかと思います。
がれき処理については、前向きなご意見が多いというのは、私も普段接しているご意見だと、同じかなというふうに思いました。ただ、これは米子市さんが、今具体的な受け入れを表明されておられます。我々としても、政府との仲立ちをさせていただくなどして、環境づくりに努めているわけでございますが、これもそういうふうなご意見もありますので、従来どおりのスタンスで我々もコミットさせていただくのかなと思っております。具体的には、今月の〔5月〕24日頃になると思いますが、米子市さんともちろん鳥取県もでありますが、現地の方、宮城県の方に視察に行くということを改めて、今、計画をしているところでございます。これも、まずは粛々と我々で今できるところを進めていくことではないかと思いますが、最終処分地の問題といったようなコアな課題がまだ解決されておりませんので、すぐにこれ前に動き出すということではないのかなとは思っています。ただ、そうした県民の思いも、我々としてもきちんと受け止めながら行動してまいりたいと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
鳥取県さんとして、アンケート的なことをやられるのは。
●知事
それについては、今は考えておりません。こうして、他のところもそうだと思いますけども、例えば大阪〔府〕にしても、あるいは滋賀〔県〕や京都〔府〕にしても、この問題についてはいろんなかたちでリサーチがなされるでありましょうから、今我々として、取り急ぎ調査をする必要性はあまり感じておりません。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。まんが王国関連で質問をさせていただきます。まんが王国については、これから半年でかなりイベントを中心にいろいろ盛り上がっていくと思うんですけども、県の施策として、その後に控えた人づくりであるとか、企業づくりであるとか、そういうような育成に力を注ぐ方面もあると思うんですが、そのあたりは、今現時点でとういうふうな手を打っておられるのかというのをお伺いしたいんですが。
●知事
今取りあえず、私どもの方では、今度5月27日に里中満智子先生が来県をされて、鳥取環境大学で教鞭を振るわれることに象徴されますように、いろんなかたちで、その漫画を活かした人づくりということを進めていこうとしております。また、高校生など、応援団を結成をするというような動きもございますが、そうした非常にクリエイティブなところに興味のあるお子さんたちが多いですし、発展可能性があると思いますので、そうしたところも支えていきたいと思っております。こういう中で、今これは民間ベースで交渉事が進められているところでございますが、〔デジタル〕ハリウッド大学ですね、こうした漫画、アニメ系の養成機関、これを山陰で立地させようじゃないかというような動きも出てきておりまして、歓迎を申し上げたいと思います。我々としても当然ながらその支援のスキーム〔枠組み〕を今後適用していくことになろうかと思います。
併せて企業的なことでは、すでにラ・コミック〔米子市のまんが制作会社〕さんを初めとして機能しているところがございますが、山陰コンテンツビジネスパーク協議会の活動支援とか、これは6月補正で計上させていただこうと考えているところでございます。この6月補正の関係で言いますと、我々も非常に想定外に多いなと思ったんですが、今回、実は地域でのイベント募集をしました。これ当然人材育成のことも入っているものもございますし、まちづくりイコール人づくりでございますので、そういうまちづくりとして漫画を生かして、今回こういうことをやってみたいという提案を寄せてもらいましたところ、圧倒的多数の応募が寄せられまして、ちょっと今後どうするのかなという思いがございます。それで、場合によっては北栄町とか、境港市といったようなコア〔中核〕な地域のものにつきましては、こうした一般募集のこととはまた別に、我々として追加的な支援策を考える必要があるかなというように思っておりますし、これ6月補正の中で検討しようと思っております。いずれにいたしましても、まだ、もう半年切っていると言えば切っているわけでございますけども、ぜひ夏に向けて、次の議会もございますので、だいぶん盛り上がってきた、熱気が出てきましたので、この際そうした熱気をなるべく受け止めて地域づくりにつなげていきたい、人づくりにつなげていきたいと考えております。
○山陰放送 秦卓史 記者
人づくりに関して、感想と言いますか、お考えをお聞かせ願いたいんですけれども、昨年度県教委が採りましたパブリックコメントで、県立高校のあり方についての基本方針についてご意見をお寄せくださいということでアンケートの結果がこのたび出ました。漫画を含むメディア技術などの分野を学ぶような学科の編制についての意見では、どちらかと言えば反対、反対いたしますが過半数を超えている。県民、ここに載せられている意見としては多くの県民が、学科の新設までは漫画に関して必要ないんじゃないかというような意見のようなんですが、そのことについては知事はどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
その漫画だけじゃなくて、そのいろんなメディアと言うんですか、映像メディアだとか、あるいは音楽メディアもあると思いますが、そういうクリエイティブなところについて教育としての受け皿が必要がどうかというと、それはどちらかと言うと必要性もあるんじゃないかなと思います。これは子どもたちの志向性もありますし、それからこれからの産業とか、生業を考えますと、そういうソフト分野というのは重要性があるだろうと思います。漫画に特化した学科を設けるというよりは、どちらかというと、そういう幅広いメディア芸術系と言いますか、そうしたことは考えられるのかなとそのアンケートは受け止めました。
また、これは公教育、県の直営の教育の分についてのアンケートでございますが、実際に私学で建学の精神に基づいて自由な教育を行い得る分野もございます。今も米子松陰〔高等学校〕さんのように、漫画の養成講座を実際に動かしておられるところもございまして、非常に質の高い作品も生まれ始めているというような現象も出ておりまして、そういう私学教育というような分野でチャレンジしたい、子どもたちを支援していくとか、そんなこともあるのかなあと思います。この辺は今後も、これは幅広くご意見を聞きながら、高校教育改革を〔県〕教育委員会で進められると思いますので、我々執行部としてもそういう教育委員会の検討を緩やかに支援してまいりたいと考えております。
9 原発再稼働と震災がれき処理に対する県民の意識(再質問)
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません。話を戻して恐縮ですけども、原発とがれきのアンケートのことでちょっとまた2つ質問させてください。1つは、現時点ではこの2つの問題についての県民の気持ちを、どのようなかたちで把握していこうというふうにお考えになっておられますかというのが1つ目です。もう1つは、アンケートのように数字としてはっきり表れる手法の是非について、どのようにお考えになっておられるか、お訊ねできればと思います。
●知事
はい。これにつきましては、県民のご意思を把握するタイミングは、私は少なくとも原子力発電所については今ではないと思っています。まだまだ、政府としての検討が未成熟だと思っていますし、それから、これからどういうふうに展開してくるかというのは、大飯原発が今試金石になっていますが、事態はだんだんと動いてきて、恐らく県民意識もそういう事態の変化につれて変わってくるところだろうというふうに思います。我々が最終的に意見を出す時期というのは、まだ先のことになりますので、今、そうした手法を取る必要はないだろうということでございます。
がれきについては、市町村レベルで最終判断権を持つべきものでありますので、県がしゃしゃり出ていって意見募集をするというような類のものではなくて、むしろ、そういう意思を持った市町村と政府とのパイプ役であるとか、環境づくりが県側の責務かなというふうに考えております。アンケート調査の有効性ということでありますが、これについては、私は一定程度有効なものだと思いますし、政策を問うようなものとか、イシュー〔論点〕によってはそういうアンケートという手法も考え得るものだと思いますし、県政上の反映もさせていただきたいと思います。現実にもこれまでも、生レバー問題などもございまして、我々の方でもあえて政策イシューになりましたので、条例を出すかどうかという判断の前に、県民アンケートに付してその結果を参考にさせていただき、言わば折衷案的な条例を出させていたという結論を導いたこともございます。今後もこうした民意に基づく県民のパートナーとしての県政を推進してまいりたいと考えております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
トリンドル玲奈ですけども、鳥取に来られたことありましたか。
●知事
先般お会いしたときにお伺いをしましたら、正直な子でして、まだ行ったことがありませんと言っていました。ぜひ来てくださいなということもそのとき申し上げましたけども、非常に鳥取県に対する興味と言いますか、シンパシー〔親近感〕を、もちろん今の役柄のこともあるんでしょうが、素直に感じておられるというふうに受け止めました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
ということは、〔5月〕17日までには無理にしましても、その後、何かまだ具体的な予定っていうのはございませんよね。
●知事
今ようやく、トリンドル玲奈さんが我々の応援役に回ってくださることが決まってきたところでありまして、具体的にスケジュールはまだ、できていません。ただ、我々としては当然ながら県内のいろんなイベントもございますので、なかなかお忙しいから全部出てくれということは絶対これちょっとならないんですけども、何か節目のときに、県内でも活躍をしていただきたいなと思っております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
ふるさと帰りでもしてもらえれば、かなりの。
●知事
それは考えさせていただきたいと思っておりますが、まだこれ、いろんな折衝事もございまして調整中のことであります。
○NHK 月岡信行 記者
ふるさと大使もこの日に任命するということですか。
●知事
〔とっとり〕ふるさと大使も任命させていただきたいと思いますが、それは、表でやるかどうかということでありまして、表舞台としては、まんが王国〔とっとり〕の王女に即位をしていただくと。
○山陰中央新報 太田満明 記者
王女がいれば、国王と女王がいらっしゃるのかなと思うんですが、そのあたりの方はどうなりますか。
●知事
そこは謎ですね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
水木しげる先生に断られた、断られたという表現は。
●知事
あの2人のお子さんではないと思いますが、謎ですね。名探偵コナンに探してもらえばいいという説もありましたけれども。
○山陰中央新報 太田満明 記者
謎のままですか。
○読売新聞 野口英彦 記者
すみません。経過としては〔今年〕2月にソフトバンクの本社を訪問されたときに、トリンドルさんとお会いになって、その場で知事が依頼されたということでよろしいでしょうか。
●知事
その場でふるさと大使など鳥取県のお手伝いもしていただきたいなと申し上げましたら、即答でいいですよというお話なんです。
○読売新聞 野口英彦 記者
今回、正式に話がまとまったということですね。
●知事
はい。いろいろスケジュールだとか、お忙しいんで、今ワイドショーだとか、いろいろと出番も多いかたでありますので、ちょっと時間かかりましたけれども、まとまってきたということです。
○読売新聞 野口英彦 記者
ソフトバンクのCMではタダさんというお名前だったと思うんですけど、知事としてはトリンドルさんを起用してタダならぬ宣伝効果を期待してるというような感じでしょうか。
●知事
そうですね。やっぱり鳥取の方に行ってみたいなという1つのビジュアルなシンボルとしてトリンドル玲奈さんに大いに活躍していただきたいと思います。実際、鳥取県内での行事、例えば巡回展の〔とっとり〕まんが〔ドリーム〕ワールドなどタダなものもたくさんございますので。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
改めてのご質問になりますけど、鳥取市の庁舎のことで2つ質問させてください。1つ目は、結局庁舎のあり方をめぐる問題がいろんな経緯があって、住民投票をするということにもつれ込んだんですけど、このこと自体、知事どうお感じになっていますか。2つ目は、この問題が住民投票にもつれ込んだ原因はどのようにお考えになっておられますか。
●知事
前者の方の住民投票になったということは、私は、かねて申し上げていますが、歓迎すべきことではないかと思います。かなりイシューが分かれまして、それで、市民の皆さんが自ら判断したいという意思表示がございました。そうであれば、いっそそこで解決を図ると、甲乙決着をつけるというのも1つの行き方かなと思っていましたので、デモクラシーのモデルと言いますか、試金石と言いますか、テストケースとして今回あってもいいのかなというふうに思いました。ただ、その経緯だとか、その辺、原因だとかということは、それはちょっと私も分析しきっているわけではありませんで、あまりコメントするべき立場ではないかなというふうに思いますが、彼我に照らして鳥取県としても今住民投票を含んだ条例制定をするか、今、研究委員会での検討が進んでいますが、やはりスムーズにこういうことは決めるべきなのかなという感想は持っています。
常設型かどうかということがございますが、常設型であれば投票するかどうかで大騒ぎをして、その大騒ぎのヒートアップしたものが肝心の甲乙つける、AかBかCかという、その選択のところまでなだれ込んでしまうというのはどうかなという感想は持ちます。また、あまりお金をかけるというのはどうかなという感想もあります。ですから、もし住民投票という制度を県としても考えるのであれば、ある程度合理的な仕組みを用意して、円滑に、ただ、濫訴の弊のようなことにならないように、大切な課題を比較的リーズナブルに決着をつける手段として機能するものが必要なのかなというふうに思います。そういう意味で今回の、1つのテストケースでありましょうから、鳥取市民の皆さんに冷静な、そして未来を見通すような判断を下していただくことをお祈り申し上げたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
すみません。その住民投票なんですけれども、条例が制定した後、〔鳥取〕市長も辻立ちをされたりして、私も質問しましたけども、その際に知事は、情熱というよりは客観的な情報提供が必要なんだということを言われたと思うんですが、そのデモクラシー、試金石、テストケースとして今回望まれた鳥取市の場合、非常に情報提供についてはいろんなこう賛否両論があったように思います。知事はどのようにこのテストケースについての情報提供についてどういうご意見をお持ちでしょうか。
●知事
この点につきましては、あえてちょっとコメントは控えた方がいいかなと思うんです。告示が始まりましたので、告示されましたので投票の結果に及ぼすようなことを申し上げる立場ではないと思います。ただ、先程申し上げましたように一般論として申し上げれば、今回のケースも参考にしながら、県としての投票のあり方、住民投票のあり方を考えるときの材料にさせていただく、それは終わったあと、いろんなご意見を見ながら考えていくことは出てくるかなというふうに受け止めております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
先程〔山陰〕中央新報の桝井記者への質問に対してお答えがあって、どうもお話をお聞きしていると、知事は県民参画条例を、常設型の住民投票でということのお考えのようなんですけども、これ当初から言っておられたんですか。
●知事
いや、常設型と今、ちょっと申し上げたわけではなくて。
○日本海新聞 井上昌之 記者
ではなくて、ですか。
●知事
いろんな今回の住民投票条例、非常に注目をされてそして執行されることになりましたので、その結果を踏まえて、できるだけ、要は冷静に市民が判断を下す、県民が判断を下すというようなスタイルを模索する必要があるかなと考えているということであります。常設型というのも1つの例だと思いますけども、考えられる要素だと思います。つまり今回は住民投票するかどうかでかなりヒートアップして、それで、結局その熱がそのあとにもずっとこう続いているような感じがします。それよりも、何かこう、こういう場合には投票に付するもんだよという県民的なコンセンサス〔合意形成〕があって、それで、そういうところに当てはまったので投票に行ったと、例えば投票もそれだけでオンリーでやるんでなくて、アメリカなんかはそうでありますけども、選挙のときに投票を行うというようなやり方をしてるところもあるんですね、これはコスト面でのことで。いろんな工夫が実は世界的にはなされているわけでございまして、常設型の住民投票というのも、もちろんそういうことでございますが、いろんな工夫について、今後我々として検討する必要があるのかなというふうに感想を持ちましたというところです。
○読売新聞 野口英彦 記者
その点を私も確認しかったんですけど、一部報道で。
平井知事が常設型の住民投票を公約に掲げられたと知事選で、というのはあったんですが、知事は公約に常設型っていうかたちで書かれるっていうようなことはないですよね。
●知事
ええ、そういうふうには書いていません。
○読売新聞 野口英彦 記者
あえてそこの部分は踏み込まなかったという記憶があるんですけどね、そういう細かい制度設計にはね、それでよろしいですね。
●知事
ええ、そこは書いていません。それからあと、制度設計については、これは私はむしろ政策審判を受ける立場になりますので、住民投票ということになれば尚更ですね、私が主導してこういうスキームがいいというように申し上げるのもいささか気が引ける思いがあります。
○読売新聞 野口英彦 記者
すみません。住民投票に関連して、知事、鳥取市民でいらっしゃると思うんですが、投票には行かれるお考えでしょうか。
●知事
投票には行くと思います。ただ、あの日はいるかな、いるんでしょうね、多分ね、鳥取に居ると思いますが、いなければちょっと。
○読売新聞 野口英彦 記者
〔5月〕20日ですね。
●知事
ええ、ちょっと今スケジュールまた見てみます。
○読売新聞 野口英彦 記者
何か内心で、何かどちらのお決めになっているんですか。
●知事
いや、白紙です。
○読売新聞 野口英彦 記者
白紙ですね。
●知事
はい。
○読売新聞 野口英彦 記者
これからこう両者の意見をじっくり熟慮して判断されるということでしょうか。
●知事
そうですね。はい。
○山陰中央新報 太田満明 記者
今回、住民投票ってものすごい特異な例だろうと思うんですけど、まず、為政者の執行権に属する市庁舎の位置、あるいは新築問題というふうなことだけが問題になっているわけですけれども、国内でも住民投票というのは過去いろいろあったと思うんですけれども、市町村合併は別にしましても、だいたい産業廃棄物の最終処分場を造るとか、あるいは米軍基地に絡んだものとかいうふうな住民投票というのが多いんですけれども、行政が、例えば公共施設を造るということに関して、住民投票で決するというのは過去1例しかないと思うんですよね。そういうふうに、行政の執行権に関するものが住民投票に移されるということについて、一般論としてどういうふうに考えられますか。
●知事
これは、今回は市民合意で〔鳥取〕市議会も満場一致で採決をしてやると決められたことでありますから、それはデモクラシーの在り方ではないかなと思います。結局、対立点があってなかなか甲論乙駁をして、決めなければならないことが決まらないという場合に機能停止になるのではなくて、どちらかに決めて前へ行こうというための投票選択でありますので、私は肯定的に捉えるべきものではないかなというふうに思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
住民投票そのものを僕は否定したりしているわけではないんですけれども、ただ、最初に言いましたように為政者の執行権に関わるもの、特に公共施設の建設とかというものですよね、これまで鳥取県でも、例えば県立美術館の計画がなくなったり、あるいは砂丘美術館がなくなったりというようなことはありますけれども、計画が。でも、それは通常の場合、議会の中とか、あるいは為政者自身の交代とか、そういったことで対応してきたんだろうなと思うんですよ。今回の市庁舎の問題というのは、単純に考えますと、県庁〔舎〕と市庁舎がほぼ同じ時期に建設されているのに、片方は耐震〔研修工事〕で終わっている、なのに片方は100億〔円〕もかけて新築する、そのことに疑問を持った市民が動き始めたということだと思っているんですけれども。
●知事
ちょっと答えになるかどうか分かりませんが、基本的には地方自治のスキームは二元代表制の首長とそれから議会のチェックアンドバランスの中で決められるべきものだと思います。これは憲法上予定されている世界でありまして、市民の皆さんも当然ながらそれを前提にしていると思います。今回は、ただ、そういう中でこの点については、やはり市民の意見をもう一度聞いてほしいというところから運動が起こりまして、最終的には投票で決着するのがいいと、全会が一致して市議会が決められたわけでございます。ですから、これはその1つのデモクラシーのプロセスとして、私はあり得ることではないかなと思いまして、もちろんそれが普通であれば議会で最終的に議決してもらって決めればいいことであることには変わりはないと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
だから、住民投票することはおっしゃる通りでそうなんですけれども、僕がお訊きしたかったのは、為政者の立場として、例えば知事が、例えば今回市庁舎でなくて県立美術館を造るという方針を打ち出したと、それに対して、では住民投票で、決しようよという話が例えば出た、出てくると。そりゃ当然、知事の今のおっしゃることでしたら、じゃ、そうやりましょうという話になりますよね。 そういうかたちの物事って、決していっていいものなのかという。
●知事
それで、先程もちょっと申し上げましたけども、濫訴の弊という、よく言われますが、あまりにもそういう住民投票を濫用することになりますと、なかなかその意思決定のスピードだとか、それからトータルコストの面で、不利になるというふうに思います。ですから、基本的には選挙という一番神聖な儀式があるわけでありまして、その選挙の場で執行権が与えられる。また、議決権が与えられた議会と首長とできちんと議論を尽くして、市民のために判断をするというのが本来であるということであります。ただ、それに対するこういう間接型民主主義に対する例外規定として、今でも直接請求による監査請求だとかありますけども、条例制定なるもの、そういう直接請求のものがありますが、それを一部、こういうなにがしかの大きな問題について、あるいはその議会と首長が対立をして、にっちもさっちもいかなくなって堂々巡りしていると、ただ決めなきゃいけないというような状態、そういうような一定の何かどうしてもこれは他に代替手段がないなというときに、やっぱり住民投票という手段は考え得るのではないかと私は思っております。ただ、この点は、県としても今、研究委員会〔鳥取県民参画基本条例(仮称)検討委員会〕も作りまして検討していただいていますので、まずはその検討結果をみて、我々としてもいずれ議会に判断を仰いでいきたいというふうに考えております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その辺は県民参画条例の話だろうと思うんですけどね。
●知事
そうですね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
はい。分かりました。要は住民投票が直接民主主義の手法として認められたものだとこれがあるわけで、ただ先もおっしゃたように濫用という問題が出てくるんだとすると、どこかに歯止めみたいなものが必要なのかな。
●知事
うん。
○山陰中央新報 太田満明 記者
やっぱり、いつも知事がおっしゃるように、知事なり首長というものは選挙で選ばれた、為政権というものはあるけど苦慮されているということだろうと思うんですけれども、それが気にならないからといって住民投票を仕掛けてばかりいたんじゃ、これはちょっとまずいのかなという部分ですけどね。
●知事
その辺が制度設計上非常に難しい微妙なとこだと思います。その辺も含めて、今有識者だとか、県民の公募委員のかたがたが議論されておられますので、まずはその成果を受けとらせていただきたいなと思っています。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません。住民投票の話で、最初にお答えいただいた内容の中で選択肢の設定のことに言及なさった部分があったんですけども、AかBかCか選択肢の中でコンディションどうこう云々という、ここの意味は要するに住民投票するときに選択肢の設定の仕方が変なことになってしまうと元々の思いとは、かけ離れた変な住民投票になってしまう危険があるので、その選択肢の設定というのはよう気をつけてしないといけんという意味に受け取ったんですけど、そういうことでよろしいでしょうか。
●知事
いや、ちょっとそういう意図で申し上げてないです。ただ、先程お答えしたことの繰り返しになりますけども、要は今回まず1つにちょっとはっきり申し上げなきゃならないのは、今もう告示されていますから投票結果に異動を及ぼすようなことを、この記者会見を利用してやる立場でないと思いますので、それはちょっとコメントを実は避けています。ただ県として、今後住民投票というような制度の議論がありますので、他山の石として我々としても参考にさせていただくことは今後あるのではないかとこういう認識を申し上げているところであります。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。話題を変えますけど、光化学スモッグの原因となります、光化学オキシダントの値が、今週に入って国の基準値、環境基準値を超えております。それと、因果関係は不明なんですけれども、県外の医療機関でも鼻水とか咳とか、いわゆるアレルギー症状を示す患者が増えているという報告を教える医療機関も県内にあります。要するに、〔光化学オキシダント〕注意報は本来用意されていますので注意報の発令という値には至ってないわけですけども、県としてこう基準が超えたことを何らかこう、広報したり県民に周知したりというようなことは、お考えにはならないんでしょうか。
●知事
これも今いろんな情報が出ていまして、よく分かりませんけれども、中国大陸の方から帯状に1つの塊がきているというような情報がありまして、これは朝鮮半島も横切っていますから、あちらの方でも同様のことがあるということが言われています。原因物質はこういうことでないかというような報道も出始めています。我々としてもよく調査してみたいと、関心を持って臨んでいきたいというふうに思います。必要なことがあれば県民の皆さまには速やかにホームページなどの手段もございますので、広報をさせていただき、注意喚起をしたいと思います。ただ、基本的なスキームとしては光化学〔オキシダント〕注意報など、そうした今までの研究と経験の知見に基づいて、なされる仕組みがございますので、それを見ながら行動に注意をしていただくと。例えば屋外での体育活動を停止をするとか、そういう事態はそういう注意報などのスキームを基本的には参照していただければいいのではないかなと考えております。調査はしてみたいと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
すいません。ちょっと話題が元に戻ってトリンドルさんの話なんですけども、ふるさと大使に関しては県が任命するということになっていますけど、なんか王女を県が任命するというのは、ちょっとおかしな話かなと思いまして、なんて言いますか、王ってもっと絶対的なもんであって、知事が任命するものでもないと思うんですけども、どういう表現がいいのでしょうか。
●知事
だから、即位式、
○読売新聞 野口英彦 記者
即位されると。
●知事
即位式典と。
○読売新聞 野口英彦 記者
ええ、その即位するかどうかのその決定をどこかでなされているということですね。
●知事
それは漫画星かどこかから。なんか天から降ってきたんではないですかね、ええ。私も詳細はよく分からないですけど。
○読売新聞 野口英彦 記者
そうですか。分かりました。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。質問が随分戻るんですけども、暴風、竜巻も含めた暴風の情報提供の仕方を改めるというお話がありました。それで、ナウキャストですか、というシステムのお話もありましたけども、1%~5%それから10%という2段階、確度が低いというところがちょっと問題点として指摘されていまして、あんまりこう頻繁にこの注意情報が出ますと、何て言いますか、狼少年みたいな感じで竜巻がくるぞと言っても来なかったりとか、そういうのが逆に意識の低さにつながっていくというか、警戒心が薄れるということも考えられるんですが、この辺については何か考えておられますか。
●知事
そういうように竜巻の難しいところは現在の技術では予測は難しいと、しかしながら、もし万が一来たときには甚大な被害があるということであります。ですから、急に暗くなってきたとか、雹が降ってくるだとか、雷鳴が轟くだとか、基本的には積乱雲に直結する話でありますので、注意が必要であるということになります。それで、先程申し上げました、〔竜巻発生確度〕ナウキャストというのは、これは実は地図に落としてあります。メッシュ的な提供の仕方、メッシュ情報に基づく提供の仕方になっています。これを若干県でも読み解いて、もう少し分かりやすいかたちでその内容を伝達をするということはあってもいいのかなと思っています。また、このナウキャスト情報へアクセスするホームページ上の情報も併せてメールなどでお知らせをするということをしたらどうかというのが我々の今の検討でございます。
そうしますと、今はもう申し訳ないんですけども、気象庁から出てくるのは鳥取県で〔竜巻〕注意情報が出ていますよということでありまして、それは日南町なのか岩美町なのかよく分からんというかたちで出るわけでありますが、それに、そのナウキャストの情報を組み合わせることで、もう少し具体性のあるもので見ていただく必要があるかなと思います。それで、ナウキャストの情報ですと、確度1と確度2のステージがございまして、確度2の方がそれでも1%ということではないですけども10%とかそういう程度のことでございますから、ただ、それでも確度は上がってきているという状況があるわけですね。これはドップラー・レーダー〔気象観測用レーダー〕で調べてそういう確度を割り出しておられるんですが、そういうような確度の高いところの市町村には、さらに我々の方でも追加的な注意喚起を行うとかいうことを従来の対策に加えていきたいというふうに思っております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
その情報の出口の話なんですけれども、県の方から市町村にそういった情報を出す、これはいいことだと思うんですけども、それを市町村が例えば防災無線で住民のかたに周知するとかしないとか、その辺の管理まで県の方で何か考えておられることってないでしょうか。
●知事
出口のところは、これは最後は市町村になると思いますので、市町村ごとの対応を考えていただくことになろうかと思いますが、我々としては直接住民の皆さんに見ていただける手段として、あんしんトリピーメールなどの伝達手段がございます。そちらの方には先程申し上げたメッシュ的なナウキャスト情報というものも併せて提供していきたいと考えております。
○NHK 月岡信行 記者
このナウキャスト情報を読み解くのは、それは危機管理局が対応するんですか。
●知事
危機管理局ですね。基本的にはそれを見ていただければ分かると思いますので、現物を見ていただくホームページ情報というのは併せて提供していくことになろうかなと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
すいません。ちょっと今の経済情勢の関係でお伺いします。商社の決算が、最近好決算が出ていまして、あと、トヨタやソニー、パナソニックも収益が改善するような方向が出てると思うんですね、それで、震災の復興需要で各シンクタンクも割合、成長見込みをしていますんで、そういう中で鳥取県の経済情勢を今知事はどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
鳥取県としては、いろいろ地域の個別の大型企業の問題もありまして一進一退という状況ではないかと思いますし、鳥取県の場合、建設産業など従来の地場産業に疲弊感も引き続き出ているということもありまして、予断を許さない状況かなと思っています。先般もトップミーティングをやりまして、経済界のかたがたと意見交換をいたしましたが、これから金融の関係では厳しめに動いていくという金融庁の政策転換が今年度いっぱいなされる可能性が強まっていまして、やや我々としては警戒すべき状況かなと思っています。今の好決算は、商社で言えばエネルギー需要、これは原発問題が背景にあると思いますが、そうしたエネルギー需要などの関係で海外取引が主要収益である商社に優位に働いていたり、また、さまざまなリストラ的なことだとか、選択と集中をしてきた電気業界でも言わばその好収益に向けた動きがようやっと出てくると。トヨタも1兆円を超えるというようなことになってきているわけでありますが、これは必ずしも県内の個別企業に直結してきている状況ではないというふうに見ています。
それで、私としては6月議会で新たにそういう個別の企業の支援体制を強化するようなスキームを、先般のトップミーティングのご意見をベースにして出していく必要があるかなと思っています。具体的には県庁も関わって個別企業のサポート体制ができるような事務所を設置をして、金融機関だとか、商工会議所や商工会などとネットワークを組んで、アドバイスをしたり、あるいは融資のあっせんをしたり、そういう仕組みも作る必要があるかなと思っております。
○読売新聞 野口英彦 記者
6月議会、6月の補正予算にはそういった事務所の設置費用も盛るということですか。
●知事
今、検討するように事務方に申し上げています。
○読売新聞 野口英彦 記者
新たな融資制度とか、そういう助成というお金の部分では。
●知事
ええ、それはまた別途検討すると思います。特に金融について国の方で〔中小企業金融〕円滑化法の期限が今年度いっぱいで切れるということになります。これに対して前回は延長したんですけども、今回延長するかというのが非常に不透明でありまして、金融庁の動きは、私は全く現場知らずだなというふうに、非常に危機感を持って見ています。個別の企業の生殺与奪の権を金融庁が握っているような錯覚を起こしているのは大間違いというふうに思っていまして、さはさりながら、国に対して要望もしますけれども、片方で我々としてもじゃあ、追加的な金融措置、どういうものを県単独で講じていく必要があるかと、これも冷静に議論する必要があるかなと思います。これは6月議会になるか、あるいはそのあと、要は今年度いっぱいの話でございますが、そのあとになるかはちょっと今、よく調整をさせていただきたいと思っているところです。
○読売新聞 野口英彦 記者
県内の有効求人倍率が全国を下回るという状況が続いていまして、このまま行くと、なんとなくこう全国の動きから鳥取県だけが取り残されていくのかなという危機感もあるのですが、雇用に対して、あと先日も県の臨時職員採用にたくさんのかたが応募されたと、雇用面ではどうでしょうか。
●知事
私どもとしては、そういう意味で県庁全体に今発破をかけて、とにかく掘り起こしを図っているというのが現状でございます。そういう中で、今回山下産業さんが県内に縫製工場を作られるというのは1つの成果かなと思いますが、それに留まらず、例えば大手系でも事務管理的なそういう特に県内でのミスマッチが多い職種のところで、大型の事業所を展開をするというようなことをなんとか引き出して支援していきたいなと思います。これも6月議会で補正項目として上げてもいいだろうというふうに思っています。
○共同通信 田島沙羅 記者(幹事社)
各社、よろしいでしょうか。知事、ありがとうございました。
●知事
はい。どうもありがとうございました。