●知事
おはようございます。ロンドン〔五輪〕では熱戦が続いておりまして、吉田〔沙保里〕選手、見事に金メダル獲得で、レスリング〔女子55キロ級〕3連覇ということになりました。女子レスリングはこれだけでなくて、小原〔日登美〕選手でありますとか伊調〔馨〕選手でありますとか、朗報が続いております。日本選手団も史上2番目のメダル獲得数ということになりまして、これからまだ先が楽しみな状況であります。そういう熱戦の熱さはいいんですが、鳥取県内でも暑さが続いておりまして、若干一頃よりは緩みつつあるかなと思うんですが、高温少雨が心配をされております。そういう意味で、防除対策をしっかりと農業関係ではやっていただこうと、今、呼びかけをさせていただいております。例えばカメムシとか、ハダニとか、そうした対策が求められるのではないか。一部、今後の生育心配だなというような声も上がり始めております。週末に雨が降るかもしれないという予報も出始めてはおりますが、ぜひご利用いただきたいというふうに思います。
●知事
そういうような暑さ対策ということがございますけども、これからいろいろと観光シーズンが続いていくわけでございます。国際まんが博もお陰さまで8月4日に開幕をいたしました。各地で、県内各地で今、イベントが続いておりまして、お客さまがいろんなところにお越しいただくようになっております。そういう各会場合わせますと、昨日までで15万7,000人程度にまできておりまして、まずまずのスタートかなと思います。とっとりまんがドリームワールドの方も、そのうち2万4,000人を超えておりまして、近々3万人に突入することは間違いないというふうに思われます。そんなような賑わいが生まれてきておりますが、まだまだイベントは続いてまいりますし、新しく始まってまいります。例えば、この週末でもいろんなこういう漫画アニメ関連で動きがございます。例えば、「るろうに剣心」、今月封切られる映画であります。その映画、もともと漫画を基に作られた作品でございますが、〔鳥取市の〕仁風閣がその撮影サイトでありまして、ここに監督もお見えになって、そのイベントをやるということが〔8月〕11日に予定をされております。
また、この目の前のとりぎん文化会館におきましても、8月11日は森康二さんという日本最初のアニメーターと言ってもいいんじゃないかという評価もあるんですが、宮崎駿監督の師匠と言った方が分かりやすいのかも知れません。そのかたのアニメを上映をする催し、関係者も集まりまして行われることになります。また、〔8月〕11日には西の方、境港〔市の水木しげるロード〕で2,000万人の突破記念行事をやろうということになっております。水木しげるロードの賑わいを皆でお祝いをしようという、そういうイベントもありまして、勝間和代先生が来られて、そういうまちづくりなどについて講演をされるというようなプログラムもございます。〔8月〕11日は同じく米子におきまして、だらず屋敷がオープンをすることになります。米子映画事変の関連だけでなくて、こういうポップカルチャーを逍遥するような、見て回れるようなそんな施設も誕生するということになります。
8月12日、日曜日には、藤原芳秀さん、このかたは「闇のイージス」というハードボイルド漫画で非常に有名なかたで、人気のある作家でありますが、鳥取市の河原〔町〕のご出身であります。ご本人が来られるので、私も出させていただきますが、トークショーをやったり、サイン会をやったりということがございます。今、その展覧会を鳥取市内の渡辺美術館でやっておりますが、そちらに行くと藤原先生に会えるというような日もセットされております。こんなようにいろいろと目白押しの中で、海外との交流も併せて起こってきております。〔ロシアの〕ウラジオストクとのチャーター便がこのほど、確定をしまして、10月の13日、17日に2回飛ばすということになります。これはヤクーチャ航空という航空会社でございますが、これは相互プログラムチャーターということになると思います。
また、台湾との関係では、交流のある台中市との間でマンダリン航空が10月13日、16日に飛ぶということになりました。これも相互〔プログラム〕チャーターという方式になろうかと思いますが、このように海外との交流も、この国際まんが博あるいは隣の「神話博しまね」の、その賑わいも追い風になって決まってきているというようなことであります。もっともっと、まだスタートでございますけども、徐々にまた盛り上げていきたいと思います。
そういう中、今日から12日までは東京の方でコミックマーケットがありますが、そちらの方でも鳥取県からPRをさせていただくことにいたしました。こちらにはリトット〔アニカルまつりのマスコットキャラクター〕とか、それから八犬の守という、これは鳥取県中部のコスプレイヤーのグループでありますが、そういうグループも繰り出しまして、賑わい、大変な賑わいだと思いますが、その賑わった人に鳥取県の国際まんが博やいろんな観光地をアピールしようということであります。抽選会とかも催す予定にしておりまして、ぜひファンの心をまた射止めていければというふうに思います。
3 東京電力福島第一原発事故発生直後からのテレビ会議録画映像の公開
●知事
原子力発電についてでありますけども、先般東京電力が〔福島第一〕原子力発電所の事故のビデオを公開しました。失望感を覚えました。なぜこれだけ大きな事故、しかも世界的にインパクトを与えた事故であって、原因の究明だとか、今後どういうふうに原子力安全を考えたらいいかという最も貴重な資料であると思われるものなんですが、全面公開されていないということでございます。私たちとして、私自身もつい先般も細野〔豪志原子力行政担当〕大臣のところに乗り込みまして、こういう安全対策について強く求めたわけでありますが、そういう立場からしますと、こういう不完全な状況というのは解消されるべきではないかと。国に対して我々、安全対策を求めておりますので、ぜひ国としても関心をもっていただいて、この事態をいい方向へもっていっていただく必要があるんじゃないかと思います。我々としてはなかなか、知事として、原子力規制委員会や〔原子力〕規制庁の発足もちょっと見通しがつかないという政治情勢もございまして、焦燥感を覚えざるを得ないところがあります。一番今、国民が求めていること、それに忠実に政府として動いていただきたいなと思いますし、東京電力に対しても、枝野〔幸男経済産業〕大臣は強い口調で責められることが多いですけども、この問題についてもぜひ突破口を本来は開いていただくべきではないかというふうに考えております。
●知事
この原子力安全の課題などがございまして、今、9月補正予算の編成作業を始めつつありますけども、この原子力安全対策でちょっとまだアバウトな話ですが、例えば6,000万〔円〕程度ぐらいの予算をまた追加計上しようかというような考え方もあります。今、まだ議論を始めたばかりでありますが、例えば、原子力避難対策であるとか、あるいはシミュレーションとか、今までだいぶん6月までで計上してきている予算も多いんですけども、追加で計上すべき予算もあるかなというふうに考えているところでございます。この9月補正だけでなくて、9月県議会でもさまざまな条例の改正などもやっていこうと思います。石綿被害対策、これは県としての独自条例がございますけれども、やり逃げみたいなことにならないように、記録の保管だとか、そうした措置を新たに盛り込むような改正を検討しております。
また、旅館業法等でもですね、レジオネラ菌の課題もございますので、そういう意味で調査をしたら、検出の有無に関わらず、県の方に報告をするような制度を作るとか、制度改正を考えているところでございます。こういうようなさまざまな制度改正、今、検討させていただいております。これと絡んで、内々今まで、いろいろと考えを巡らせていたのは、脱法ハーブという物質でございまして、この脱法ハーブについては、各地で事件が起こってきております。実は、内々の調査もしてきておりますが、鳥取県内で表面化すると言いますか、そういう問題事例が発見されたということではありません。しかし、全国的に、その取り締まりの動きが今後広がってくると見込まれます。そのときに、鳥取県としても防御線を張る必要がありますし、特に、青少年などへの影響を食い止める手立てを考えていく必要があると思います。これ実は、国が今どういう薬物を取り締まり対象とするかという、今、整理をされておられまして、その様子を片方で見なければなりませんけれども、現場としてとりあえずやれることはないだろうかというふうに考えてまいりました。これは、警察との共同ということになろうかと思いますが、現場に調査に行くということもやっていかなければならない、立ち入り検査でありますが、そういうことも考えたいと思っております。
併せてその9月議会なんですが、9月議会で、まずはその初動として、青少年健全育成条例の一部改正をする必要があるかなと思っています。それは、こういう脱法ハーブのようなものが書かれた本だとか、あるいは興行の中でそういうものを扱うとかですね、いろいろと心配されることもございます。それで、そういうことがないように、販売だとか、興行だとかの自主規制を行う、そういう条例改正を、まずは提出をしていきたいと思います。片方で、県内の状況を、実態の立ち入り検査も含めて調査もし、それから、国の方の動きや他県の動向なんかも見なければならないと、特に近隣〔府県〕ですね、近隣がどう動くか。今、大阪などが動きを見せていますので、そんなに距離的に遠くないものですから、間接的な影響がこっちにまわってくる可能性がないわけでもないと。そういうような近隣の状況なんかも見ながら、さらに追加的な措置を検討していくということにいたしたいと思っております。
5 いじめ問題対策等に関する県教育委員会との意見交換会
●知事
今、世情をいろいろと取りざたされている面もございますし、大津〔市〕の事件もございまして、いじめ問題については、今日、〔県〕教育委員会側と初めて話し合いをさせていただくということにいたしました。教育委員会は教育委員会の考え方もあろうかと思います。私ども知事部局として、住民の思いというものを、我々なりに考えながら、このいじめ問題についても、教育委員会側に申し入れをしていきたいというふうに考えております。例えば、自殺のような、今回の大津のような人命が失われたようなことで、非常に重たい事象である場合、これはやはり第三者的な調査というものが必要ではないかと思います。教育委員会の中で調査をされるのはもちろんかと思いますが、第三者的な調査も、そういう重大事件と言いますか、そういうときにはやっていく、言わばいじめ等調査委員会とでもいうべきものを設置する必要があるのではないかなと思います。これは知事部局側なのか、教育委員会側なのか、あるいはそういうことを乗り越えた、なんかちょっと便法的ということかもしれませんが、両者相まってということなのか、ちょっとこれ話し合いをしてみたいと思いますが、そういう第三者的な調査の仕組みというものを、特に重大事件については、ビルトイン〔設置する〕しておく必要があるかなと思います。
基本的にはいろんなことが起こりますので、それぞれの教育現場や教育委員会が調べることが基本でありますけども、今回の大津のような事件になれば、これは考える必要があるんではないかなと思います。それをあらかじめこういう手順でいきましょうということを教育委員会側と話し合っておく値打ちがあるんではないかと思っております。また、いじめの相談窓口でありますが、いろいろと調べてみますと、今はインターネットとか、例えば携帯電話のメールなどで通報されるケースというのは子どもたちの世界では多かろうと思います。今、実は鳥取県でもそういういじめに対応できるような相談窓口がありますが、対面だとか、電話だとか、そんなような仕組みになっております。もっと気楽に、気軽に子どもたちが通報して、学校でこんなことが起こって困っていますよというメッセージを出せるような、そういう仕組みが必要ではないかなと思います。そういういじめ相談窓口の充実、これも必要なことではないかなと思います。
また、学校の中で、子どもの悩みというのはいろいろあると、それで、その子どもの悩みを解決するサポートチームを教育委員会の方で作っていただきたいと思います。そのサポートチームについては、知事部局の方でも必要な人材もいますので、こちらも協力をして、そういうサポートチームに加わっていくと、言わば教育委員会とそれから知事部局、あるいは専門家、警察なんかも必要かもしれません。そういうハイブリット〔混合型〕なサポートチームを問題があったときには速やかに学校現場へ派遣をするというような、そういう仕組みができないかなと、こんなアイディアもございます。
今日、忌憚のないところで教育委員会側とも話し合ってみたいと思います。教育委員会としても、同じような考え方は持っていただけるんではないかなと思いますので、できれば〔教育振興〕協約に盛り込む、つまり約束事にするためには合意が必要でありますので、合意を形成しながら、鳥取県独自の仕組みというものを作ってまいりたいと考えております。
●知事
いろいろ経済産業動向、厳しい中ではございますが、昨日は国の方にまいりまして、川端〔達夫〕総務大臣から、鳥取県西部を地域指定する総合特区の指定をもらいました。それに先駆けて、朝には関係者と協議会を開きまして、決意を新たにさせていただいたところであります。これによりまして、電動のマイクロモビリティ〔小型移動装置〕、あるいは小水力発電を活用して、再生可能エネルギーで災害時も安心して対処できるような、そういう地域づくりに資するような仕組みづくり、さらに健康対策、がん対策が進むような、がんのスクリーニングを最先端の技術で行い、健康増進に寄与するようなそういう仕組み、こういうようなものを、国の特区指定の後押しも得て進めてまいりたいと考えております。
なかなか厳しいハードルの中で、指定を勝ち取れたことは、まずは良かったと思いますが、これからが本当の勝負どころになってくるかと思います。実が上がるように関係者と一緒に汗をかいていきたいと思います。それから、米子の方で新しい企業の動きが出てきまして、地元から湧き起るような企業でございますけれども、例えば大山テックさんというところは、電子デバイスの工場を作ろうじゃないかと、〔米子市〕夜見の鉄工団地のところなんですけども、そういうような動きになってきました。ただ1社だけでは使い切れんということがございまして、共同入居をするようなかたちで、リチウムイオン電池のリサイクルを行うと、そういう業者さんも新たに起業というかたちで入られると、こんなようなことでいろんな技術に支えられながら、産業創造をやっていく必要があるというふうに考えているところでございます。
そういうようなさまざまな動きがございますけれども、この夏まだまだちょっと暑い時期が続きますが、お体に注意していただきまして、お盆、遠くから帰って来られるご親戚、ご家族も多かろうと思います。つつがない夏を過ごしていただければと思います。私の方からは以上です。
○産経新聞 服部幸一 記者
各社質問ありましたらどうぞ。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません、いじめのことでちょっと質問させてください。相談窓口みたいなものを作って、子どもたちの声を受け止める、非常に大事なことだと思うんですけども、米子〔市〕の中学校でなんかいじめがあったみたいなことがあって、保護者さんが被害届を出されるというようなお考えを持っているということがありまして、そのお母さんの言い分ですと、その学校に言ったけどだめだったんで被害届を出すということですけど、この件に関して、どうお考えになっておられますか。
●知事
それはちょっと、実は昨日から連絡、教育委員会と取っているんですが、今朝も取りましたけれども、これから警察の方に届けに来られるということだそうです。そのことをまだ届けもない、明らかにされてないもんですから、皆さんもそうだと思いますけども、例えばどこの何さんのことであるとご存知ないでしょう。そういう状況でございまして、まだ米子市の教育委員会も含めて、ちょっと未だ掌握しかねていると、事実と言いますか、事実関係。まずはこれ調べることから入らなければならないと思います。先程、いじめの基本的なスキーム〔枠組み〕の話は申し上げましたけども、個々のことについては、これからまだよくよく精査をするというか、調査がなされることだと思います。私、教育委員会の方に申しましたのは、これまで大津市の事件だとかいろいろありますので、後手に回らないようにと、ちゃんと誠実に調査をする態度が必要だということを教育委員会側には、つい先程も申し上げたところであります。ただ、これについては冷静に、まずはちょっと今動きを見る必要がありますので、まず届け出がどういうかたちで出して来られるのかと、それで初めてどういう事象かというのが見え始める段階でありますので、今、この時点でなんとも申し上げようがありません。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
ちょっとこの事例の詳しいことは、じゃあ、とりあえず置いといてで、繰り返しみたいになりますけど、保護者さんの言い分としては学校に言ったけど相手にしてもらえなかったんで、被害届を出すっていう、こういう流れになったことをどうお感じになりますでしょうか。
●知事
それも含めてちょっと今の段階で、ちょっと申し上げる材料が私のところには正直ございません。教育委員会の方になんでしたら問い合わせていただければと思いますが、皆さんのご案内のように〔本日〕11時になんかそういう動きがあるそうでございますので、ちょっとこのタイミングではちょっと分かり兼ねるところですね。はい。
○毎日新聞 田中将隆 記者
すいません。同じいじめに関係しているんですけれども、もっと気楽にメッセージが出せるようにというお話があったんですが、対面や電話でないとすると、例えばメールとかネットでというようなお話になるんでしょうけど、どういったことを考えておられるのか。
●知事
メールの相談窓口を立ち上げるということですね。そんなようなことがまだ正直なされていないようです、我々も調べましたけども。ですから、そういういじめの相談窓口の充実を図る必要がまず第一としてあるのではないかということです。
○毎日新聞 田中将隆 記者
対面とか電話の相談ではちょっと救い切れていない部分があるんじゃないかというような認識であられるということですか。
●知事
今回の大津の件もそうかもしれません。結局こもってしまった場合に、例えば今あそこでこんなこと起こっているよっていうの、割と今の子どもたちは電話をかけるよりもメールで、若干匿名性があるという安心感なのか、あるいは気軽にすっと相手のことを気にせずに送れると言いますか、ハードルが低くなる印象があるようだと思います。ですから、そういうメールだとか多様なチャネルで、我々としても我々と言うか、教育委員会側として、あるいは学校側として知る端緒を作っておくべきではないかなと思います。
○毎日新聞 田中将隆 記者
それで、いじめの関係なんですけども、第三者機関とサポートチーム、これまた別のものなのかなと思うんですけれども、そういうの、これは常設で何か作るようなかたちになるんですか。
●知事
ちょっとそこは先程申し上げましたように、教育委員会側と合意して協約に盛り込んでということを今、念頭において動いていまして、今日話し合ってみたいと思います。イメージとしては、完全な常設じゃなくともいつでも出動できる、そういう体制っていうのを作っておくべきではないかなということであります。あらかじめ指名しておくとか、あらかじめ想定しておくとか、専門家がいますので、例えば児童心理だとか、警察はもちろんそうでありましょうし、あるいは保健関係とか、もちろん学校教育のオーソリティ〔専門会〕もおられましょうし、そういう意味で枠組みを作っておく必要があるんではないかなと思います。それで、もう一度整理して申し上げれば、基本的にはその学校だとか、教育現場で、事実的に解決されていくべきものだと思うんですね。それで、いじめというものを解消するように、そこで動くのが当然だと思います。それが教育委員会も関わるようなかたちでやっていくと。それで、ただ、その全部が全部簡単に解決できるわけではないと思います。
ですから、県教〔育〕委〔員会〕の中かなあと思いますが、どこかにいじめなどの子どもの悩みサポートチームとでもいうべきものを組織しまして、そこに知事部局にも当然ながら一定の技能を持った職員がおりますので、そういうものも入ったり、あるいは警察が入るかどうか、ちょっとこれ警察と話してみないと分かりませんけども、当然ながら専門家ですね、学識経験のあるような人達も入るようなかたちで、それで、学校現場がいじめのことで手一杯になっちゃって、とても解決できないわということにならないように、後方支援を行う、そのサポートのチームを編成しておく必要があるんではないかなということです。これが1つであります。
それで、あと今回の大津〔市〕の事件というのは、まだ実態がよく分からないところがありますけども、自立的に解決調査ができない状況になったんだろうと推察をされるわけです。ああいう特に人命が失われるような重大な事象ということになった場合には、なにかこう臭いものに蓋をするようなかたちで、その場しのぎで対処されるということがないように、もちろん学校の先生、教師の皆さんとか、あるいは教育委員会、一定の見識なり、あるいは人格的な素晴らしさというのはあるとは思うんですけども、それでも組織として動いたときに自分たちの都合のいいように解決をする、調査をするっていうことは、あり得なくはないわけでありまして、特に大津〔市〕の事件がそういう要素があるかなあと思わせるところがあります。
ですから、そういう重大な事件の場合は第三者がやっぱり現場に介入していくっていうことがあってもいいんじゃないかと、だからこれは教育委員会のむしろ外側の方から、第三者的に調査に入るということも想定したスキームを作ってはどうかということです。これはかなりレベルの高いというか、非常に深刻な事象の場合に発動するということでございます。普段は教育現場が事実機能して、教育委員会とタイアップして解決をしていくと、それが、ややちょっと力量として足らざるようなときにそのいじめ問題などの子ども悩みサポートチームみたいなのがこう出かけていって対処する。それで、実際にこう自殺のような非常に厳しい事象が起こって、いじめが疑われるというような場合、これが内々に葬られることがないように、そういうような深刻な場合には第三者も調査に入って、どういう実態だったのかというのを調べると、そんなようなスキームを考えてはどうかなというアイデアです。今日これから、夕方前ぐらいになると思いますが、教育委員会側と話をしたいと思っております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません。相談窓口についてですけど、鳥取県さんがもっておられる相談窓口だったり、各学校現場もそうかもしれませんけども、子どもさんなり、保護者さんなりから受けた事例には、例えば必ず対処して、その調査結果をご本人だったり、または第三者機関かどこかなりに報告するという、実効性を高めるというんですか、これだったら相談してみようかなというような気持ちになるような工夫で何かアイデアをお持ちでしたら。
●知事
その辺は教育現場の実務も絡むと思うので、教育委員会側に、今私が申し上げたようなアイデアをぶつけ、そして先方のアイデアもいただいていいものに仕上げていきたいと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
それで、話題が変わりますが、韓国のイ・ミョンバク大統領が今日にも竹島を訪問するんじゃないかと言われていますが、それについての所見をお願いいたします。
●知事
これは、竹島問題というのは国と国との間できちんと解決されるべき事柄であります。従いまして、地方の立場でこれを議論するということよりも、外務省なり官邸なりで対応していただくべきことだと思います。気持ちだけ申し上げれば、せっかく今、東アジアで、みんなでいろんな経済発展を遂げようとか、さまざまな動きがあり、特に鳥取県は日韓関係というものを友好交流の基本においてきているところでありまして、冷静に対処してもらって解決してもらいたいと、そういう気持ちは持っておりますけども、これは政府の方で、今日、厳しい対処があると思いますので、今はそれを見ていきたいと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
日韓関係を巡っては2008年にも中学校の学習指導要領の解説書ですか、そこに竹島の領有権問題が記載されたことがきっかけとなって、県内でも交流中断というようなことがあったんですが、県として何かこの対抗措置として、鳥取県の方から交流中断等の措置を取る考えがあるかどうかということと、あるいはそういう、両国の間でそういう交流が断たれる可能性があるかどうかということについてお願いします。
●知事
今はまだ動きがあるわけではなくて、報道が先行していると思います。今朝の段階で玄葉〔光一郎〕外務大臣がそういう申入れが来たことを認めて、日本政府としてはそういうことにならないようにと強く申し入れる。そういう姿勢を取っておられますので、その動きを当面見させていただくということではないかと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
竹島の問題については、何と言うんですか、啓発と言うんですか、世論の喚起ということもとても大事だと思うんですけども、そういう面で鳥取県さんとしてこういうことをしている、したいというお考えはございますか。
●知事
これは再三議会でもこういう場でもそうでありますけども、申し上げてきておりますのは、基本的にはナショナル対ナショナル、国と国との間で解決されるべき課題であるというふうに認識をいたしております。それで、もちろんいろんな気持ちだということもございますけども、我々としては、そうした国同士で誠実にきちんと積年の課題を解決してもらいたいと、そういうことを重ねて申し上げてきております。
○読売新聞 野口英彦 記者
確認ですが、韓国との交流に何か影響が出るという見通しは持っておられるんでしょうか。
●知事
現時点は、そこはノーアイディアです。まだ動いていませんから、話が、これからどうなるかということを見守るっていう段階だと思います。
○日本海テレビ 小谷憲司 記者
すみません。今回竹島入りすることは平井知事としては率直に言うと、歓迎はされないでしょうか。
●知事
「冷静に考えていただきたいな」という気持ちを先程申し上げました。
○読売新聞 野口英彦 記者
すみません。脱法ハーブの関係なんですが、県内で、そういった目立ったこの販売とかの動きはないということなんですが、改めて鳥取県で規制をする理由と、あとその規制の中身をもう一度ちょっとお願いいたします。
●知事
規制と言いますと、やはりちょっと社会実態も含めて踏まえていかなきゃならないと思います。ですから、まだ今初動です。これから順次検討深めていきたいと思います。まずは青少年の方に悪影響が出ないという予防線を張ることから条例改正を始めたいと思っています。その意味で、脱法ハーブについての図書の販売だとか、それからそうしたことに関わるような催しだとか、いろいろ自主規制をやっていただきたいと、それまず条文として盛り込んではどうだろうかなと考えております。それで、その片方で、立ち入り検査という手段も含めて実態を調べていくということです。今まで内々に調べてきた範囲内では、深刻な状況は鳥取県では確認されているわけではございません。ただ、世の中だんだん動いてきますので、ですからそこは考えていかなきゃならない。それで、我々としても改めて立入検査を含めて考える必要があるだろうというのがあります。
そこで出てきた状況だとか、それから科学的知見を含めてどういう薬物が取締対象になるかとかが国全体の調査も含めて動いてくると思います。その動向を見て県独自の条例改正がさらに必要かどうか、例えば薬物取締等に関する条例規制も本県としては持っています。そういうようなことも含めて、今後は検討していくことになろうかなと思います。ただ、これは、実は国の規制と平行しておそらく動いていくことに今後なろうかと思います。国の方も、今取締の範囲の拡大というのを検討していまして、どういう物質、どういう化学記号のものを対象とするかという調査検討を深めていますので、その実態をまず得た上でやっていくということになろうかなと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
どういう薬物が禁止に該当するかというのは、まだ、今、国が検討しているということで、そういうことで周辺と言いますか、そういう図書であるとか催しということから規制されるということだと思うんですが、図書については例えば表現の自由との兼ね合いとかがあると思いますし、あと、この脱法ハーブに係る催しというのは、どういったものがイメージ、そういう何かしらそういうパーティのようなものということでしょうか。
●知事
そういうようなものも含めて、これは自主規制ということにまずはなろうかと思います。その後、さらに罰則適用のあるような、いわゆる違法図書と言われる分類まで持っていくかどうか。これはさらに格上げは今後検討課題だと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
それと、自主規制であるからそういう表現の自由とか、あるいは集会の自由には抵触しないというお考えですか。
●知事
そうですね。今までも実は青少年健全育成条例の中に同様のものはございまして、その問題については、法的にはクリアされていると考えております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
今の知事のお話ですと、メインは〔青少年〕健全育成条例ということですけど、子どもさん向けをすることがまずメイン、それプラス薬物取締の関係の条例、例えば大人向けのことも検討していくと。
●知事
それは今後ですね、まず今は初動で9月議会向けとしては、その初動段階、青少年健全育成条例の一部改正だとか、それから取締りといった意味で立入検査をするとか、それで実態調査を得て、我々としても材料をつくっていくという段階だと思います。その後、国の方の検討とか、あるいは他県における検討も考えの中に入れていきまして、それでさらなる条例改正が必要なのか、その辺を見極めていきたいということです。
○毎日新聞 田中将隆 記者
すいません。同じ脱法ハーブの関連なんですけれども、内々では深刻な状況はないとおっしゃっておられるんですが、そうすると、逆に、立入検査というのがどういったところにどういった規模でいつごろ入られるのかというのが、何か、イメージがしづらいんですけれども、どういったことをお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
●知事
今まで、言わば内偵というようなことをやるわけですね、その段階でまだ発見されたものはないと。ただ、まだまだちょっと調べてみたいと。ですから、この夏の間に立入検査ということも視野に入れていきたいということです。
○毎日新聞 田中将隆 記者
立入る先というのは、どういったところを想定されていますか。
●知事
そういう脱法ハーブを扱っている可能性が他の地域では認められるところですね。要は、東京とか大阪とか、そうした大都市部でこういうところでどうも扱っているらしいというのがございますので、そういうものを参照しながらということになると思います。
○毎日新聞 田中将隆 記者
そうすると、まだ規模的には何店舗回るかとか、そういった具体的なところはまだですか。
●知事
それは、ええ。今はまだ、まだと言うか、ある程度リストアップはしたんですが、立入検査でありますので、すべて明らかにして入ってもあまり意味がないなということはちょっとご理解いただきたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
要するに、そうするとそういう疑い、例えば図書の販売とか、脱法ハーブそのものの販売の疑いがあるところに対して、その立入検査ができるという知事の権限を今度条例によって持たせるということですか。
●知事
立入検査の権限は、今でもあると思っています、現行条例でも。それは、例えば脱法ハーブだけではありませんので、麻薬とか、覚せい剤とか、そういうものも含めていけば、そういう取締官が県庁の中にもいますので、そういう権限はあると思っています。
○NHK 林久美子 記者
すいません。内々の調査ということなんですけども、可能な範囲で関係者の立入ですとか、その結果、使用も販売も事例がないということでよろしいんでしょうか。
●知事
店舗への調査をこれまで内々に行ったところでありますが、今のところ、認められてないと、そういう事象はですね。
○NHK 林久美子 記者
聞き取り調査があったという。
●知事
内偵的な調査ですね。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。国の方は、今脱法ハーブの関係で取締範囲の拡大に動いているということをおっしゃったんですけども、こういった中で自主規制ということは、いわゆるお店の判断とか、主催者の判断に求められるところが大きいと思うんですが、今、この青少年育成条例を改正するのではなくて、国の判断を待つという考え方もあると思うんですけども、なぜ、9月にこういった動きになったんでしょうか。
●知事
やはり、どんどんやはりそういう事象は広がっていくものだと思います。特に青少年の分野というのは急がれるものかなということです。その意味で、科学的知見で、どの薬物が、どうだ、こうだっていうのを同定していくっていうのは、なかなか鳥取県単県で難しいところがありますが、制度としてそういうものを推奨するとかいうようなことにならないように、例えば本だとか、いろいろと書かれている本もあるそうでありまして、そういうものを対象として自主規制にしていくということであります。これはもう、早々に手を打った方がいいかなということで、できるだけ早いタイミングとなりますと、9月県議会というふうに考えております。
○読売新聞 野口英彦 記者
先程、大阪府が規制に熱心であるって言いますか、いうことをおっしゃたんですが、その関係で例えば大阪で禁止された業者が鳥取に来るとかいう可能性も考えてのことでしょうか。
●知事
それも考えられなくもないですよね。結局、ある程度近い地域っていうのは、もはや頭の整理を始めておくべき段階ではないかなと思います。
○中国新聞 川崎崇史 記者
すいません。先程、原発安全対策のちょっと話がありましたけども、6月の補正で、6,000万円という、その中に避難対策のシミュレーションというお話がありましたけれども、もう少し具体的に知事のお考えのところとかあれば。
●知事
今、これからちょっと分かりません、〔原子力〕規制庁とか、どうなるかっていうことがあるんですけども、新しい制度が適用されてUPZ〔緊急時防護措置準備区域〕ということになりますと、原発関連の避難訓練など新しい事業を我々で使うことができるようになると、やれるようになるということもございます。そういうような費用であるとか、それから避難のシミュレーションも自家用車避難ということが今後考えられてくると思いますね。その自家用車避難を例えばやると、認めるということで、今、しようとしているんですけども、例えば認めた場合に、どういうように人間が動いていく可能性があるかとか、どこでスクリーニング〔選別試験〕をしたら効果的なのかとか、その辺をやっぱりあぶりだしていかなければいけません。ですから、そういうシミュレーションをやっていく必要があるのではないかと思います。片方で、今私たちは島根県と協調しまして、避難計画を作りかけているんですけども、それの傍証というか理論付けになろうかと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
すいません。今回の政局の話になるんですが、社会保障の一体改革の法案が、一旦成立が危ぶまれて、今回3党党首会談で、成立を期して近いうちに解散を、国民の信を問うということになったわけですが、それについての受け止めをお願いいたします。
●知事
今日、採決が、粛々と行われて、消費税又社会保障一体改革が成立する見込みであります。その中には、地方財政に大きく関わる地方消費税、また交付税の問題も含めてこの法案の中には込められております。その意味で、民主党さらに自民党、公明党この3党が決められることを決めて、将来の国民生活を考えようと、一致結束を最終的にはされたことは歓迎をしたいと思います。今まで、どうもこの国はふらつき過ぎたと思うんですね、ここ数年間。今回もドタバタの感はございましたけども、最終的には、谷垣〔禎一自民党〕総裁も野田〔佳彦〕総理と話をされて、ここを収めたのかよく分かりませんが、終息をさせたということでございましたけども、私は立派なことだと思います。こういうことが、国政でなければならないと思うんです。そういう意味では、今回の動きは評価をさせていただきたいと思いますし、これが契機になって、今後、日本の社会保障の構造が安定をする。さらに地方財政も含めて、財政的な安定性が向上して、対外的な信頼感が醸成されることを祈っております。
片方でちょっとふらついて、まだふらついているかなと思うのは、ごみ処理、〔災害〕廃棄物の処理問題でございまして、先般、閣議決定で出された中では大幅に6割ぐらいですかね、結局がっさり処分必要量というのは減らしたかたちになりました。そんなこともあって、今、がれき処理を持ちこむ所については、数は足りたようなかたちになっております。これ、今日夕方になると思いますが、環境省も県庁の方にも来られるということでございまして、お会いしたいと思いますけれども、ちょっと勇み足と言いますか、初動において、全国に呼び掛けた必要が本当にあったのかなと思えるところもございます。私は、ゴタゴタはしましたけども、最終的には瓦礫の処理が進んで、それで被災地の復興が1日でも早く進めばいいと思いますので、ゴタゴタには少し後味の悪さは感じますが、今回こうしてけじめをつけるということで、むしろ前進をさせていただくというふうに展開していただきたいと思います。いずれにせよ、こういうようなゴタゴタがあまりにも今の国政の中に多すぎまして、その辺は我々現場としては振り回される感があろうかと思います。今回消費増税含めた一連の法案については、しっかりとけじめをつけられて、やるべきことをやられたんではないかなと私は思っています。
○読売新聞 野口英彦 記者
瓦礫の話が出ましたけども、国の方は処理量が減ったということでいいんですが、地元としては住民同士で意見の対立があったりとか、そういったさまざまな波紋を残したわけですけども、それに対して国に対して、何かおっしゃりたいことがあればお願いします。
●知事
ええ。やはり後味の悪さはどうしても感じざるを得ないところがあります。野田総理が、これは国民の民度を問われるとかいう言葉を使われながら、全国の自治体に受け入れようと、受け入れないところは、程度が低いぞと言わんばかりのニュアンスだったです。その片方で最終処分地については、国としても考えるということも答弁をされていまして、それで、米子市も真面目に考えた末に、思い切って手を挙げられたというのが実情であります。ただ、それが最終処分地の受け入れということに国が消極的に動き、今この段階にきて、処理量は実は少ないんですよということになったのは、現場としては振り回された感はどうしても残るかなと思います。ただ、私たちが本当に考えなければならないのは、被災地の復興でありますから、瓦礫の処理が1日でも早く進むように、ゴタゴタはゴタゴタとして解決をしていただきたいと願うばかりであります。
○産経新聞 服部幸一 記者
各社よろしいでしょうか。
14 鳥取県民参画基本条例(仮称)検討委員会に関する住民監査請求
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すいません。先週金曜日に県民参画基本条例の検討委員会に関連して、県内のかたが住民監査請求をされました。言い分としてはその条例に基づいておらず、地方自治法に違反しているのではないかということでしたが、このような同種の委員会というのはたくさん知事部局にあるわけですが、知事、これについて基本的にどのようなお考えをお持ちでしょうか。
●知事
これは6月議会でも、県会で議論がありまして、そのときもご答弁申し上げましたけれども、基本的にはいわゆる私的諮問機関と学問的には言われるような機関だと思います。これは実は鳥取県だけではなくて、全国すべての自治体に同じようなものは山ほどあるんですね。別にこの委員会だけの問題では本来ございません。それは結果に拘束されるわけではありませんで、我々としては今のもくろみ自体はそうなんですけども、議会でも申し上げましたが、委員会の方で考え方を出してもらって、それを基に、今度は万機公論に付していくんだと。議会とも話をしていく必要があると思いますし、住民の皆さまのご意見もさらに聞いていく必要はあると思います。そういう意味で、この結論に最終的に縛られるというものではありませんので、いわゆる付属機関ではないのではないかなと考えております。実はそういうふうに皆思っているもんですから、どこの自治体も、こういう機関は山ほどあります。監査委員のところにかかっていますので、監査委員のご判断を待つというのが、私の方の立場だと思います。ただ、片方で、いろんなその制度的な完全さを求めるという意味で、条例や規則で解決することも含めて、よく考えてみるようにと、庁内的には指示を片方ではさせていただいております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
付属機関ではなくして、私的諮問機関だということですけども、私的諮問機関と言うのは、地方自治法にはそもそも規定されてないわけでして、そのあたり地方自治法でもっと現状にあったその規定というのが必要じゃないかというお考えですか。
●知事
本来はそうかもしれませんね。実は、これ国にも山ほどあります、そういう私的諮問機関と言われるものは。それは学問上ちょっとやや微妙なものなのかも確かにしれません。法律上明記されているわけではありませんので。ただ、専門的な知見を得るとか、それから民意を聞いてみるだとか、いろんな使われ方で、私的諮問機関が活用されていますので、それ自体、効用を否定するものではないと思います。あとは法的な位置づけをどうするかといことで、本来は地方自治法で制度設計されてもしかるべきものかなというふうに思います。鳥取県の場合、こういう委員会の設置については、予算がありまして、予算で議決も経てきております。今、おっしゃられた委員会も当然ながらその予算上措置されておりまして、議会の承認も得ております。だから、言わばその条例と同じように議会との対話の中で作っているものでありまして、そこは何と言いますか、法的というよりは形式的な問題が指摘されているということではないかなというふうに思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
県として条例等を作って整理するというのは、その法の不完全なところを県として独自に条例か何かで深めていこということですか。
●知事
それも今指示はしております。今ちょっとまだ我々も監査委員の判断を待つという立場でありまして、我々としてコメントしづらいところでありますけども、片方で今後取るべき対策はないかどうか、そういう法的な整備についても、含めて検討は指示しているということです。
○読売新聞 野口英彦 記者
すいません。まんが博の関連なんですが、先程来場者がまんが博のイベント全体で15万7,000人ということをおっしゃったんですが、まんが博の入場者というのは、延べ300万人という目標を掲げられて、議会でもそのようにお話があったと思うんですが、この人数に達しなければ、なんかこう失敗というお考えなんでしょうか。
●知事
それは、300万人は目標は目標でありまして、それに向けて盛り上げていきたいと思っています。ただ、基本的なコンセプトとしては、いろんなところを観光で回ってもらうと、温泉地だとか、あるいは砂丘だとか、大山だとかも含めてなんですけども、そのきっかけづくりに、まんが博というものを活用してもらえればなということであります。また、各地でのいろんなイベントを仕掛けて、地域の活性化にもなればというような思いでやっているわけであります。ですから、賑わいが生まれて、そして実際地域の中に手応えが生じてくれば、それはそれで1つの成果ではないかなと思っています。だた、300万は、300万という目標を掲げましたので、それに向けて盛り上げていきたいという気持ちであります。
○読売新聞 野口英彦 記者
この期間中140のイベントがあって、それをやって良いものがあれば翌年度も継続して支援をしていくというスタンスだと思うんですが、その成功したという判断基準ですね、例えばこう集客が多かったものを成功したと思うのか、あるいは今度はアニメの監督のかたの上映会ありますね、森康ニさんですね、このかたなんかは非常に文化的な評価が高いわけですけども、そういった部分を考慮されるのか、そういった成功の判断基準というのはどういうところにあるんでしょうか。
●知事
入場者だけでもないと思いますね。こういう地域づくりの手法があるんだなと、いろんな人が納得できるものであれば、また評価をして今後につなげていくということではないかなと思います。
○産経新聞 服部幸一 記者
他に質問はございませんか。
○読売新聞 野口英彦 記者
すいません、まんが博の関連ですが、そろそろ来年度予算に大枠は決めていかなければならないと思うんですが、11月にまんが博が終わってから、まんがのことを考えるというのはちょっと遅いと思うんですが、何か来年度予算に向けてありますでしょうか。
●知事
今はちょっとまず目の前の国際まんが博の成功を一所懸命追っていくということだと思います。その上で、また後半戦に入ってくれば、見えてきた課題を整理し始めて予算につなげていきたいと思っています。
○読売新聞 野口英彦 記者
一部でなんか常設の施設を作ったらどうかという提案があるんですが、いかがでしょうか。
●知事
それも県民的な議論もやりながら考えていきたいと思います。私も最近明治大学さんを訪ねて、学長さんにお会いしたりいろいろと意見交換もしていますけれども、今回国際まんが博の仕上がりを見て、今後への動きにつながってくればなという願いを持っています。ただ、まだ常設的な何か建物と言いますか、施設を整備をするかというのは、これはまんが博終結してから、動き始める話ではないかなと思います。
○読売新聞 野口英彦 記者
あともう1点すいません。話題が変わるんですが、教育関係であるんですが、教育〔振興〕協約の関係で知事にお伺いするんですが、先日学力テスト〔全国学力・学習状況調査〕の結果が発表になりまして、これは抽出調査でありますから、全国との順位と言うのはなかなか出にくいんですが、少なくとも鳥取県はあんまり優位ではないと、全国に対してですね、上位グループでないということは明らかだと思うんですが、これに対して教育委員会等に改善を求められるお考えはあるんでしょうか。
●知事
今日、教育委員会との意見交換の中で、その項目も申し入れることにいたしております。実効性ある対策を取ってもらう必要があると思います。北陸3県であるとか、秋田県、この上位陣は相変わらずいい成績を収めておられます。鳥取県もそこに食い込んでいく勢いが出かけたかなと思ったんですが、今回理数系を中心として陰りが見えました。やはり原因を、要は個別の学校の問題も当然あるとは思うんですけども、原因を究明して、県民の期待に応えるような教育を行ってもらわないと、せっかく少人数学級を導入するとか、あるいは1億円枠を作って教育に特別措置をしてきているということが無駄になってしまいますので、厳しくこの点は今日求めていきたいと思っていたところです。
○産経新聞 服部幸一 記者
各社よろしいでしょうか。はい、どうもありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。