●知事
皆さま、おはようございます。1月16日の歌会始に私も参席をさせていただきました。そうしますと、大変に驚きました。嬉しい喜びでありましたのは、高円宮妃久子さまが皇族の中から選ばれて歌が朗詠されたわけでございますが、その中に、その歌が鳥取を詠った歌でございました。「冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の大山いともさやけき」という歌でございまして、これで〔歌会始に〕呼ばれたのかなと思うぐらい大変に喜びを感じました。非常に日本の伝統文化を継承していくことは大変切実なことでございますが、皇族がたから大山を愛でる歌がございましたのは、鳥取のグリーンウェイブを目指すこの年に相応しい幕開けであったなというふうに感慨無量であります。謹んで感謝の気持ちを申し上げたいと思いますし、その気持ちに沿うように、鳥取の自然を大切にした地域づくりを、県民を挙げてやっていきたいと決意を新たにさせていただきました。
●知事
また、東京の方にお伺いをしながら、度重ねて国への要請活動等をさせていただいております。今週は、日本海沿岸地域の振興を行う知事が組織する会〔日本海沿岸地帯振興連盟〕で、富山県の石井〔隆一〕知事と一緒に上京をしまして、国土交通大臣や与党の幹部に要請活動等を行うなどさせていただきました。そういう中で徐々に骨格が見えてきているのがこの補正予算でございますし、来年度の当初予算でございます。来年度の当初に向けて、国の方は概算要求を出すという締切りになりました。その中には、我々が目指しております事柄に沿うようなものもありますけども、まだ不透明なものもあります。
●知事
特に不透明感が強いのが、17兆円余りの概算要求がなされた地方交付税でございます。これにつきまして、昨日〔1月17日〕も国の財政制度審議会で答申が出されたように報道されています。内容的にはあまりにも誤解に基づくものであり、憤りすら感じるものでありました。その中には国家公務員よりも地方公務員の方が給与を是正していないと、それで、地方交付税は必要以上に多すぎる、こんなようなことが書かれておりました。
私ども鳥取県は、実は国の公務員給与よりも、国が言っているラスパイレス指数〔国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与水準〕というものですら我々は低い水準にあります。また、定数も適正化を進めてきたわけであります。そういうところで、地方交付税を引き下げるというのは我々のように真面目にやっているところも含めて、財政力の弱いところに集中的に制裁を加えると言わんばかりでありまして、まったく手段と目的とが合致しない、非常に不当な内容ではないかというふうに思っています。もし、地方が協力をせよというのならば、膝を折ってそれをお願いに来るのが筋でありましょうし、そして、地方が自主的に行うべきものではないかと思います。それが憲法に保障される地方自治の姿であります。しかしながら今回は一方的に国の方が給与を引き下げたと、地方はやってないじゃないかというわけであります。我々のような例外もいっぱいあるわけですよね。市町村も考えていただければそうであります。そんなところは、すべて捨象しまして、とにかく交付税を下げたいから言っている議論としか思えないわけでありまして、これでは県民サービスの遂行に支障が出ると思いますし、今、政権がいの一番に目指している景気回復といったことにつながっていかない、地域経済の冷え込みすら招きかねないものであろうかと思います。
これから最終盤に向けて、地方財政対策の議論が本格化してくるだろうと思いますけれども、ぜひ政府与党にはこのように非常に頑張っている県も含めて、地方交付税を切ることによって財政力の弱いところに一律にしわ寄せをするというようなまったく筋が通らないことは止めていただきたいというふうに思います。
●知事
また、ミッシングリンク〔高速道路の未開通区間〕のことも我々気になっているわけでございますが、我々として、新しい政権を発足後、お互いに声を掛け合っておりましたけれども、ミッシングリンクを解消して日本の再生を実現するための11人の知事が新たな組織を発足させることになりました。〔1月〕23日に初会合を開き、早速政府与党へ要請活動を行うことにいたしました。こういうようなことでございますし、さらに25日には京都府、兵庫県と共同をしまして、従来、「鳥取豊岡宮津自動車道」と言っていたものを「山陰近畿自動車道」という非常に重要な路線であることを強調するネーミングと愛称化しまして、その実現を図るための3知事によるシンポジウム並びに要請活動を東京で実施することにいたしました。25日に3府県の関係者も寄り集まって、そして京都大学〔大学院〕の藤井〔聡〕教授もご参加され、そういう中で行うことにいたしたいと思います。
●知事
当初予算編成に向けて今、大詰めを迎えているところでありますけれども、県民のさまざまな夢を実現するようにやっていかなければならないと思います。そういう中で、私も拉致〔問題〕担当の〔古尾圭司〕大臣の方に要請活動に上京してお会いをさせていただき、現場も見てもらいたいということを申しておりました。この度連絡がございまして、大臣が21日に来県をされて米子の現場を見たり、被害者家族との懇談の場を設けてくださるという連絡が入りました。これ、詳細、今、調整中でございますけれども、速やかな行動に感謝申し上げたいと思いますし、ぜひとも安倍〔晋三〕総理もこの問題を解決するために総理になったというわけでありますから、結果を出していただけるようにお取組みをお願いをしたいと思います。21日には詳細に現場を見ていただき、そして我々の声を改めて届けさせていただき、大臣の行動を促したいというふうに思っております。
●知事
こういうような状況の中で、やはり地方側もいろんな体制を取っていく必要があろうかと思います。その意味で全国知事会が23日に召集をされることになりました。この席にはまだ未確定なのかもしれませんけれども、政府側からも要職のかたが来られるというように伺っております。先程の地方交付税削減問題、給与の問題とはまったく別次元の問題でありますが、これをくっつけていることに問題があるんですが、その交付税削減問題、こうしたことをぜひ各知事から主張していく場になってもらえればと思います。地方も私は頑なである必要はないと思っていますし、鳥取県のように、国がそんなに胸を張っている職員給与問題については、従来から職員団体のご理解も得ながら誠実に進めてきた立場でありますから、今後もそういう立場でオペレーション〔操作〕をすることは、それは間違いないわけでありますけども、これを交付税削減の口実に使うというのは、いささかおかしいなと思っております。こういうふうに考えている同志は多いと思いますので、23日にそうした取り組みをさせていただければなと思います。
●知事
また、かねて中国5県の連携強化を図ってきました。広域連合の設置に向けた議論というものも進めてきました。23日にはその1つの果実としてドクターヘリ〔救急医療専用ヘリコプター〕の相互応援についての基本協定を締結をすることになりました。これも関係者が集いまして23日に調印式を東京で行うということになります。私どもも島根県さんのお世話になりながら、場合によっては岡山県もかかってくるかもしれませんけども、そういう相互応援の中で、県民の皆さまにも安心をお届けできるチャンスが訪れたかなと思います。命に県境はありませんので、お互いに協力をしながら使命を果たしていく。それを広域行政という観点でやっていく、この辺に大きなエポックメイキング〔画期的な〕な事柄があろうかというふうに思います。今まで中国5県はそれぞれ、どちらかというとそれぞれの方角を向いていたようなことがありますが、ここにきて1つの政策課題に正面から同じ視点で向き合うことができるいい端緒になればというふうに期待をいたしております。
●知事
また、本日は岡山県の伊原木隆太知事をお招きをしまして、倉吉市を視察をした上で三朝におきまして両県知事会議を行うことにいたしております。伊原木知事ご就任後、最初の顔合わせと、両県としての顔合わせということになりますが、率直な意見交換をいたしたいと思います。実はこういうご時世でございますので、私らどっちかというと若い方の知事かもしれませんが、メールでやりとりをしておりますけども、やっぱり伊原木知事も交付税カット問題、給与にかこつけた交付税カット問題には怒り心頭のようでございまして、これもぜひ、お互いに話し合って国に対するアピールを今日行いたいと思います。また有害鳥獣対策であるとか、観光対策であるとか、それからミッシングリンクを結ぶようなそういう国土づくりであるとか、いろんな共通課題がございますので、胸襟を開いた話し合いができればというふうに思います。
思いもかけず雪が降り始めて、実は岡山側は大雪警報が昨日も出ておりましたので、たどり着けるとは思いますけれども、ぜひ三朝での会談をさせていただければというふうに考えているところでございます。
●知事
一部報道もございましたけれども、私として、これからドクターヘリのみならず安心できる医療体制の供給ということを地域全体で考えなければならないと思います。看護師等の人的資源の充実はもとよりでありますけれども、病院自体の体制をやり替えていく、そういうことをしなければいけないだろうと思います。そういう意味で本県には鳥取大学〔医学部〕附属病院が中枢的な機能を果たし、高度医療の提供機関として貢献していただいているわけでありますが、東西に長い県土としては、東の方にもやはりそうした拠点性のあるものを作る必要があるだろうと考えてきたところでございます。
実は知事就任以来6年にわたり、医療各関係組織の皆さんと話し合いを重ねてまいりましたし、担当部局の方にも、言わばねじを巻くと言いますか、取組みを精力的に進めるように言ってきたところでございます。この度その東部の病院の中で今建替えの計画も浮上している日赤〔鳥取赤十字病院〕さんと、それから県の方の所管でございますが鳥取県立中央病院、こうしたところの間の話し合いが進められてきたわけでありますが、ここにきてようやく道筋がほぼ付きました。そういうことで、今月中に両方の意思を合致させるその確認を行う調印式をすることにいたしました。具体的には。一般論としては〔病床数〕500床以上が、最低限急性期医療で特に重要な、高度な医療を行おうと思うとスケールメリットとして必要だろうということが言われています。県立中央病院をいずれ改修なり、建替えなりという時期に来るわけでございますが、片方で日赤さんが今建替えを模索されていると。
それで、私ども県立中央病院の方を500床以上の病院として、その高度医療のセンターを果たせるようにする。そのためには、実は病床数の縛りが、この2次医療圏の中、県全体の中でございます。それが現状ではできないわけでありますが、日赤病院が県立中央病院を500床以上にすることに協力をすると、そういうことを協定をする。その代わりと言うか、我々としても地域の医療前進のために日赤さんの新しい病院の整備に協力をしていくと、これ財政面も含めて協力をしていくと、そういうような合意をした上で、東部圏域の中に中核的な病院を作る、道筋を付けることになります。まずは、ここに至るまで紆余曲折と言いますか、いろいろなお立場があり、それぞれが正論であるもんですから、難しい調整ではありましたけれども、ここに至ることができて、日赤さん、それから、鳥取大学さんにも側面的にサポートしていただくことになりますが、関係者の皆さんにも感謝を申し上げなければいけないなと思います。
そして、いずれですね、まず協定を結ぶことが第一でありますけども、協定が今月いっぱいで結ぶことができ得れば、その後は、じゃあ中央病院にどういうようなことを考えていくのか、日赤さんに対する支援、これは国の方の補正予算等も十分活用できそうなものがあろうかと思います。そうしたものをいろいろと活用しながら応援をしていくと、そういう新体制づくりに向かってまいりたいと思います。
●知事
また原子力安全の関係でも、これもやっぱり場合によっては命に関わる、健康に関わるという重大な事象であります。国の方に要請を続けて来ました。これは旧政権時代から、もう度重ねて申し上げてきたわけでありますが。我々のところは3億円程の交付金の限度額を付けられておりまして、後発で今から整備をしていかなければならない、新たにUPZ〔緊急時防護措置準備区域〕に入った地域として果たすべき役割を初動でなかなか整備できないということになっております。
これは非常に理屈に合わないわけであります。このことを1月8日、石破〔茂自民党〕幹事長初め国会議員団に強く申し上げましたし。私も原子力規制庁長官池田〔克彦〕長官に改めて面談をし、政権も変わったことでもありますので、我々の思いを述べさせていただきました。先週石破幹事長から電話がございまして、石原〔伸晃環境〕大臣と話をされた結果として、鳥取県の初期整備にはやっぱり3年で完了するように政府として措置をすると、そういう回答があったということでございました。詳細は、これから年々、再々詰めていくということではないかと思います。今回の概算要求を見ますと、大きく枠が増えているというようにはちょっと見えないところもございます。枠が大きく増えているのは、これはオフサイトセンターの問題があるんで、どちらかと言うと立地側の話になります。周辺も含めた原子力安全対策の交付金等ではそう大きく増枠しているようには見えないですね、全体では倍程増えていますけども、そういう中でありますが、鳥取県が熱心に、初動での整備を行っていく。この方針を明確に打ち出している数少ない県だということもあるのかもしれませんが、石破幹事長のご尽力で、石原大臣からの回答を引き出すことができたわけでございまして、本当に敬意を表したいと思います。我々としても、そういう安心の材料づくりを、1つひとつ丹念にやっていく必要があろうかと思います。
●知事
この度、(株)中国電力の方から原子力事業者としての防災業務計画の協議がきました。周辺地域として初めて、こういう協議を受けることになりました。私ども鳥取県と併せて、島根県松江市にも協議が行きましたが、島根県松江市は従来からこの協議対象でございまして、変更点についての協議がなされました。我々はゼロからのスタートとなりますので、全体が協議対象ということで、私どもの方にも打診と言いますか、申入れがきたわけであります。法律上、いろんな制約もありますのでこのタイミングできたのだと思います。実際の期限としては、私どもの地域防災計画も含めて、こういう原子力事業者等さまざまなところで防災の計画を作りますが、3月18日が法的な期限ということになっておりまして、これからギリギリの調整ということになろうかと思います。
中国電力さんからは、我々の担当の方に、1月程度で回答をもらいたいというような申入れだったようでございます。ただ、これは私たちゼロからいろいろと話を聞きながら進めていかなければなりません。中国電力のお話を聞く機会を私たちとか、あるいは米子市や境港市も聞いてみたいと思いますし、それから専門家の知見も必要であります。また、中国電力には、現在原子力安全協定の改定申入れを我々の方ではしております。その際にも、地域の安全を図るための計画づくりにもこれは影響をするので、ぜひ3月までにこれをまとめたいということを申し上げています。中国電力側は非常にこの点について、固い姿勢を取っておられますが、当然ながら、そうした協議の動向もみながら我々としては、回答できるかどうかを判断していくことになろうかと思います。1か月でお答えを出すというのは、現状の協議状況ではなかなか難しいかもしれません。
私たちは、地域の安全を人質にとってということはやりたくありませんので、無理難題の協議を行うつもりはさらさらございませんけれども、お互いに話し合うべきことを話し合いながら安全を図っていくと。これが、地域住民、地域に対して、真摯に向き合う姿勢ではないかと思います。今後慎重にこの計画については、我々で審査をさせていただきたいと思います。
●知事
また、1月26日には我々として初めて、実働の避難訓練も含めた原子力対策の訓練を行うことにいたします。早朝より訓練が始まりますが、隣県の溝口〔善兵衛島根県〕知事ともテレビ会議を通じて話し合いをする等も予定をいたしております。県から、米子市、境港市が対象地域ということになります。それぞれにおきまして、120名のかたを計画をして避難訓練を行う。4台のバスを出す。こんなようなことで緊張感を持って訓練をするということになろうかと思います。また、自家用車避難がどういう影響を与えるか、その状況等も実地に見る必要がございます。公用車を自家用車に見立てまして、40台、これも出しながら訓練をすることにいたします。
また、1月26日の午後には、これは原子力専門家会議をやりまして、実際に訓練のオブザーバーに当たられる我々の専門家のかたがた、学者さんですけども、そういう学識経験者のご意見も伺いながら避難訓練も含めた状況を検証をし、今、我々は地域防災計画づくりをやっておりますので、そのことについても反映するべきものがあるかどうか、知見を総合してまいりたいというふうに思います。いずれにいたしましても、新しい政権になりまして原子力安全を図ろうという姿勢自体は変わって、当然、いないわけであります。ただ、片方で原子力発電所の稼働を否定しているようにもみえません。ですから、できる限り我々としても、島根県と共同のプラットホーム〔基盤〕を精力的に作りながら、安全対策も片方でやっていく必要があるだろうというふうに考えております。
13 県民参画基本条例(仮称)に係る電子アンケートの結果
●知事
2月の県議会を控えて、今、諸議案の準備をさせていただいております。予算編成作業も始まったところでございますが、月末には私の方での査定作業を具体的に今度は行う時間を取りたいと思っております。条例も整備をしていくことになります。かねて県民参画基本条例の制定を目指す方針で臨んでおりますが、この度、県民参画〔電子〕アンケートの結果がまとまりました。1月15日までアンケートを実施をしておりました。この県民参画アンケートは、言わば定点観測的なものなんですね。県民の皆さまの割と率直な意思がほぼ相似的に反映されるという経験値を我々は持っております。他のいろんな意見の取り方はありますけども、アンケートが一番その実相に近いのかなと、そういう感覚を持っているものでございます。
その結果でいきますと、住民投票制度がやっぱり関心があるわけでありますが、その住民投票制度に限って言えば、住民投票制度の導入については83%のかたが賛成ということでありました。また、常設型の住民投票制度の必要性については61%のかたが必要であるというように判断をされた回答を寄せておられました。従いまして、私どもとしても、そういう大きな県民のご意思を実現するためにも鳥取型のデモクラシーに向けて、他にももちろん広報公聴制度であるとか、審議会のあり方とか、いろんな局面について県民参画を図ろうと考えておりますが、そういう県民参画の基本を図る条例制定に向けて作業を急ぎたいというふうに考えております。
●知事
本年はグリーンウェイブの年と位置づけていろいろな事業を多彩に展開し、鳥取をアピールしてまいりたいと思いますが、全国都市緑化フェアにつきましては〔1月〕21日からチケットの販売ということになります。600円の入場券でありますが、前売りですと400円ということでございますし、パスポート券でありますとか、あるいはとっとり花回廊、砂の美術館等とのセット券でありますとか、いろんな使いやすいチケットも用意をしながらスタートをすることになります。ぜひ県内外のかたがたに来ていただきまして楽しんでいただけるように実施側としましても鳥取市と共同でやっている事業でありますが、ぜひ備えてまいりたい、全力を尽くしてまいりたいと思います。
また、国立公園の関係では、山陰海岸国立公園の指定50周年の節目の年でありまして、これを機会に山陰海岸ジオパークの高揚を図っていきたいと思っております。これにつきましても式典やあるいはイベントを夏休み時期にやりたいなということで、関係府県で話をしてまいりました。24日に大阪でその実行委員会を立ち上げたいと思います。国の方から環境省も出席をされることになりますし、あとは3府県等で構成をすることになります。こういうようなことでグリーンウェイブのイベントに向けた準備、新年度もいよいよ迫ってまいりましたので、ねじを巻いていきたいと思います。
●知事
また、まんが王国は決して終わるわけではございませんで、新年度どういうふうにしていくのか、まずは総括をしてということを言ってまいりました。昨日〔1月17日〕第13回国際マンガサミット鳥取大会の実行委員会でその総括並びに関係者の、意見の開陳がございました。また、本日〔1月18日〕は国際まんが博関係で実行委員会が開催をされます。そういうところでのご意見をお伺いをしながら、新年度のことを考えていきたいと思いますが、昨日は里中満智子先生初め、アジアマンガサミット事務局の皆さまと意見交換も率直にさせていただきました。里中代表からは、漫画家としてできる限りまた鳥取県の取り組みに協力していきたいというお話がございました。これから具体論をやっていくことになりますが、そのとき、いろんな意見交換をしましたけども、例えば今年米子で表彰式をやりましたが、まんが王国とっとり国際マンガコンテスト、いい作品も集まりましたし、人材育成にも資するものでございます。県内の中学生も、男子生徒2人で賞を取ったり、いろいろと話題性もあったかなと思います。このコンテストもぜひ継続していったらいいんじゃないかと、こういうような話でございまして、アジアマンガサミット事務局と言いますか、漫画家の皆さんの中から審査員を出していくことを協力していきたいということになりました。このように1つ、1つ、これから議論をしながらやってみて良かったことを新年度以降も継続をしていく、発展をさせていく、そういうような取組みを進めてまいりたいと思います。
●知事
また、あいサポート運動を鳥取県で展開をしておりますが、これが島根県、広島県と広がっていきました。11月末現在でついにあいサポーターの数が10万人を突破をしました。大きな目標に掲げておりましたものが突破できたことは喜びに堪えません。そういう追い風を受けながら22日から広島県におきまして「あいサポート」の美術展〔あいサポートアート展〕を実施することにいたします。鳥取県の「きらきらアート〔展〕」という美術展がございますが、そうしたところからも出展をしまして、島根、広島、鳥取での共同の展覧会をやろうと。それで、新年度には鳥取県でそうしたものをやって、さらに来年になりますが、来年には全国の障害者芸術・文化祭を鳥取県で実施をする。そのプレ大会を新年度に今年のうちにやるというような方向で今やっているわけでありますが、それを今年は広島でやってみようということになります。
そうした意味でも、グリーンウェイブの次の年のテーマになろうかと思いますが、そういう施策にも邁進をしてまいりたいと思います。
●知事
グリーンウェイブの1つのシンボルになるのが、ソフトバンクエナジーさんがされるメガソーラー発電所の開設でございますが、〔1月〕19日の日にその起工式を行うことになりました。いろいろと調整をしました結果、SB〔ソフトバンク〕エナジーから藤井〔宏明〕副社長がお見えになりますし、また三井物産それからパネルを設置するシャープ、さらに中国電力、こうしたところの皆さんと一緒に起工式典を挙行するということになります。住宅団地のサイトを利用しながら、ということであります。その起工式典、明日ということになりますが、それを前にして、おそらく今日から本格的に流れるのかなあと期待をしていて、たぶん流れているんじゃないかと思いますが、先般ソフトバンクの方にお伺いをいたしました。
その中で、鳥取県を扱った新たなコマーシャルを流されるというようなことになっていまして、実は12日にテスト的なのかもしれませんが、山陰両県でも1回放映されたようでありますが、これからこのソーラーパネルの起工式のタイミングぐらいから本格的にそういうことが流れるそうでございます。ぜひ、鳥取県のイメージアップ、情報発信にも役立てばなあというふうに思います。鳥取県はコマーシャルの中では、落ちでございますので落ちは記者会見で言ってはいけませんから私は申しませんが、ぜひ、全国の皆さまにまた鳥取に親しんでいただければありがたいなと思っております。私の方からは以上です。
○日本海テレビ 馬田 勉 記者
では、各社さん質問をお願いします。
○時事通信 小出 秀 記者
一番最初に話がありました交付税カット、給与削減の件でお願いします。麻生〔太郎財務〕大臣が15日の会見で、例えば鳥取県のようにラスパイレス指数が低い自治体などを念頭に、いろいろな配慮をするというのは当然だとして、ある程度対応に差をつけるような考えを示したんですけれども、知事としては、麻生大臣のいう、配慮といったものはどういったかたちになって出てくるのがふさわしいと考えるか、お考えをお願いします。
●知事
私は、先程申しましたように、地方公務員給与と地方交付税を結びつけるのはどう考えてもやっぱり理屈に合わないと思います。実は不交付団体もございます。不交付団体は、交付税カット関係ないですから、むしろ給与はなんぼでも上げてもいいのかということですよね。私どもはすでに国家公務員の給与水準は下がっているわけでございますから、一体その交付税カットをして、単なるそのお金を渡すべき、例えば会社で言えば毎年の給料毎年上げるけれども今年はあんたの分は出しませんよというような理不尽なことではないかなあと思うんですね。ですから、我々としては、その考え方自体におかしいところがありますよということを声高に主張したいと思っております。財務大臣兼副総理のお話は会見録を拝見しましたけれども、ちょっと今1つ趣旨が分かりません。そういうところは別なのかと言われて、別でしょうとか、そういうことでありまして、それが交付税のカットに関わることなのかもちょっと読みとれにくかったです。
そういう意味で、まだ、これからの議論に私は注目していく必要があるかなあと思っています。求めたいのは交付税と絡めない解決ですね、それで、地方側もその震災対策とか協力したい気持ちは当然持っていますし、例えば地域の防災の観点などでも多額の財政需要があるわけですよね。それで、そういうところを促進するようなかたちでやってくれとか、いろんなやり方があると思うんですよね。ただ、交付税をカットするということは手段と目的とが、さっき申しました不交付団体の問題何かも考えてみますと、どうも合わないですし、私たちのように、そんな偉そうな顔をするなよと言いたい県もあるわけですよね。うちの方がとっくにやっとるし、あんたのところは下げたって言ったって、うちよりまだ高いじゃんと、いうような気分もございますので、これもやっぱり理屈に合わない。ですからちょっとその制度設計に無理があるんじゃないかなっていうのが率直なところでありまして、個別の配慮というよりも、基本論をぜひやっていただきたいと思っています。
○山陰中央新報 桝井 映志 記者
衆議院の選挙区の区割見直しの方に関連して、1つお訊ねしようと思ってですが、先日の鳥取県の回答の後段の部分にも通じることだと思うんですけども、一人別枠方式っていうのはなくなりまして、将来鳥取県が議席1になる可能性があるということの受け止めを伺えますでしょうか。
●知事
これは先般ですね、意見表明の機会に、その他お考えがあればどうぞという欄で出させていただいた件ではないかと思います。皆さんも計算してもらえば分かるんですけども、仮に鳥取県とか、あるいは島根県もうちに次ぐところでありますから、そうしたところが、定数が1になった場合ですね、それで計算をしますと、巨大な選挙区になるんですね。それで、我々で言いますと58万人規模の選挙区になる。それで、こんな選挙区は全国であり得ないんですよね。それで、他のところは、要は1つの都道府県当たり2とか、3とか、4とか、5とか、10とか、20とかですから、限りなく平均値に近くなるわけですよ。お分かりですかね、ちょっと計算していただくと分かるんですけども。
ですから鳥取県、その後ずっと2位がなくて、次の選挙区、ここに1票の格差でいったら、我々はそこで固定されてしまうんですよね。今の格差の方が小さいんです、明らかに。これは計算していただくとお分かりいただけます。要はそういうようなことで、1つ1県、一人当たり割り振るということを恐らく最初に考えられたんじゃないかなと思います。そういうようなことの合理性を、だから本当は改めて認識してもらう必要があるだろうと。それで、要は人口だ、1票の格差だということでおっしゃるわけでありますが、じゃあ、その1人別枠方式を外したら、それが解決するかっていうと、もっと極端な格差が出ると。いや、それは鳥取県だからあそこは1票は少なくてもいいと、仕方ないと、小さい県だからと、そういう問題でもないと思うんですね。むしろ全国をなるべく平均に近づけるようにするのが、本来の1票の格差の解決策だと思います。
ですからその辺の不合理があるということを、私が申し上げたかったので、意見として出させていただきました。ただ、これ、民主主義の根幹に関わることでありますし、国会において専権的に議論できることが、これは憲法でも定められております。選挙制度は、国会が法律で定めるということになっておりますので、最終的には、各党各会派間で慎重な議論を求めていきたいと思います。
○山陰中央新報 桝井 映志 記者
後段で指摘なさっておられたことは、将来そういうことは起きないように釘を刺された趣旨のものだと理解したらよろしいでしょうか。
●知事
そうですね。それは、審議会がその選挙区の区割の審議会がその任にあたるかどうかともかくとして、その他選挙区区割について何かご意見があればどうぞだったもんですから、その問いどおりに、意見を出させてもらったということです。
○NHK 月岡 信行 記者
関連して、21日に、向こう側の考えが示されるわけですが、それについて何かアクションを起こす可能性とか、お考えがありますか。
●知事
我々は意見を述べる立場だったので、今回は意見を述べさせてもらいました。これは法律でがんじがらめになっている仕組みであります。先程申しましたように、選挙制度は法律で定める。これは憲法上の要請であります。それで、選挙区というのは、その選挙制度の根幹のところでありまして、国会に専権事項として与えられていることであります。ですから、最終的にはそこでの判断ということになろうかと思います。その国会が授権をして、選挙区画定審議会での選挙区割りの案を作る権限を与えたわけですね。ですからこれに基づいて審議会が結論を出される。それは審議会の専権事項だというふうに思います。ただ、審議会がそういう結論を出したから、それがそのまま国会で通るかどうかっていうのは、これはまた別問題でして、最終的には国の方ということだと思います。
私ども地方の特に首長なりという立場では、この点について、口を差し挟む制度になっておりませんし、選挙区画定審議会も有識者を揃えて、国会が中立的議論をするようにと言って作った機関でありますので、我々としては言うべきことを言って、あとはどう議論が動くかということを見守るという心境ですね。ただ、回答の中にも申し上げましたけれども、大きな割り切れない気持ちはそれぞれに持っていますので、そのことはぜひしっかり踏まえた上で結論を出していただきたいと強く申し上げたところです。
○日本海新聞 北尾 雄一 記者
医療圏の問題ですね、東部の関係で日赤〔鳥取赤十字病院〕と県中〔県立中央病院〕の方で協定を結ぶということだったんですが、この日赤側が県の方の〔病床数〕500床以上の病院整備に協力するということですが、具体的には日赤側に求める協力というのはどういうことになりますでしょうか。
●知事
結局トータルでの病床数が、これは非常にちょっと難しい問題があるんです。実は東部医療圏は、病床数が、国の考え方ですよ、国のルールとしては過剰病床と言うんですけども、病床数が多すぎるということになるんです、国の計算では。ですから病床を減らさなければならないというドライブが制度上働くんです。ただ、例外がございまして、国と協議をしながら、大きな基幹的な公的病院というような言い方をしているんですけども、公的な病院間で、医療体制を整備をするために病床数をやり取りをする。だから、トータルの病床数を減らせと言っているんですが、本来は減らしたら減らしっぱなしになるんですけども、移し替える一定程度、全部じゃないかもしれませんが一定程度は少なくとも移し替えて、他の病院の方に付け替えると、過剰病床状態であってもそれを認める場合があるんです。それで、これをぎりぎり狙うというのが今の作戦かなと思っています。
それで、厚生労働省の方には、内々考え方を聞いてきておりまして、我々なりに国の方の考え方も整理しながら日赤さんと県立中央病院、さらに我々福祉保健部でありますが、精力的に協議をしてきたと。それで、結論的には日赤さんが〔病床数〕350〔床〕という線を今後もずっと守るということになれば、足し算でいきますと、現在県立中央と日赤とほぼ同じ病床数なんですけども、こっちを減らした分だけこっちに付け替えると500床達成ということも県立中央側には可能になるレンジに入ります。この辺で協力をしてもらうということを明文化しておきたいということですね。
○日本海新聞 北尾 雄一 記者
協力と言うのは、何か機能分担、見込んだ機能分担とか役割分担とかでしょうか。
●知事
それももちろん含めてですね。当然ながらそういう急性期高度医療というのは鳥取県立中央病院の方にある程度集約しながら、まちなか医療の方が重点になるでしょうね。例えば整形外科とかいろいろと日赤さんの得意分野も現状でもありますので、そうしたある程度こう棲み分けをしながら、とにかくがんを治す力だとか、そういうものを医療圏全体で作っていく。それに日赤さんも機能分担、それから病床の制限そうしたあたりを呑んでもらいながら協力してもらうということですね。
○日本海新聞 北尾 雄一 記者
そうすると協定の中にはある程度具体的に、中央病院ではこれを重点化するという棲み分けというのは出てくるわけでしょうか。
●知事
ちょっとそこは、今大切なのは日赤さんがとにかく病院建替えに走ろうとされていまして、このタイミングでないと病床のやり取りだとか、その辺を確定できないわけであります。ですから、その病床数のことと機能分担のこと、こうしたことを原則合意しておくというのが、今の段階の話だろうと思います。具体的にはまだ、多分設計をやるとかなんとかやりながら、日赤さんとやり取りをしていく話になろうかと思います。
○日本海新聞 北尾 雄一 記者
やっぱり中央病院のその機能強化にも触れられましたけど、そっちの方のスケジュール感と言いますか、どのような構想を思い描いていらっしゃいますか。
●知事
そこは、今はまだ未定です。まず日赤さんと土俵作りができないと先に進めません。そういう意味で、まずは協定締結を図るということです。
○日本海新聞 北尾 雄一 記者
今日の岡山県知事との会合で、有害鳥獣や観光、ミッシングリンクの国土づくりの話もされるということですけど、具体的に知事から何か提案されようと思っていらっしゃることとかありますでしょうか。
●知事
有害鳥獣について言えば、岡山県と鳥取県と同じ動物が行き来をしていますので、両方で協力しながらやっていく体制を作らなければなりません。そうしたことを話し合いたいと思います。また、観光で言えば、岡山は例えば台湾定期便の話があるわけですね。それで、そうした台湾の旅行客で言えば国際まんが博期間中、非常に去年伸びたわけです。それで、あちらの方でも多分5日とか6日とかいう滞在が主流でございますので、岡山県で例えば岡山城を見て倉敷の美観地区を見てというだけで、そんな日数になりませんのでね、周遊型のルートということで言えば鳥取〔自動車〕道が開通するとか、それから北条湯原道路が着々とこう延びていくとか、そうした道路網も考えれば、周遊型の観光ということは国際観光客誘致でも有効だと思います。
また、国内でも温泉場が、岡山はだいたい県北にあるわけですね。県の北の方にございます。私どもの例えば三朝とか関金と境を接するようなところあたりに多いわけですね。ですから、そういう観光資源としても共有で一緒に売り込みを図るとか、中をスタンプラリーとか得点を与えるとか、そうしたことを従来非常に推進をしていくと、いろんなテーマがあろうかと思います。シナリオがあって話し合うわけではありませんので、どういう落ちになるか分かりませんが、新しく就任した伊原木知事もビジネス界の出身でございますので、そういう合理性のある話にぜひ賛同していただきながら、進めていければと思います。
○日本海テレビ 馬田 勉 記者
その他よろしいでしょうか。はい、知事ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。