1 鳥取市岩倉地内における放射線レベルの高い廃棄物の発見事案
●知事
皆さま、おはようございます。この度、非常に不本意なことが発生をしました。報道にも出てきておりますけれども、不法投棄、これは決して許されないものであります。さらにその不法投棄によりまして放射線が発せられると、そういう事態となっております。ただ、その後、鳥取県としても検査を施しまして人体に影響のあるレベルではないことを確認をし、現在監視体制を敷いているところであります。周辺の住民の皆さまを含め、県民の皆さまにはいつもどおりの平穏な生活をぜひ、していただきたいと思いますし、きっちりとこの辺は県と鳥取市で防護していきますのでご安心をいただければありがたいというふうに思います。
今回発見されましたのは、何か、テープ状のものでございまして、その中身はよく分かりません。これから調査が進むものと思います。ここから発せられている放射線の原因物質は何かということを昨晩、同定をしました。夜10時前に結果が出てきましたけれども、自然界に存在するものと同じものであると。ラジウムであるとかそれからビスマス、また鉛といったようなものでございまして、セシウムのように、今、〔東京電力〕福島原発の事故で非常に話題になりましたけれども、ああいうものとは違うものであります。また、固着しているという状況でございまして、これが空中を飛散して飛び回るということではありません。従いまして、平常どおりの生活には支障はございませんし、現在、それを封じまして周辺への影響が出ないようにし、〔廃棄物を中心に半径〕3m以内の立ち入りを禁止して〔市道〕岩倉開拓線、片側通行でご協力いただいていると、こういう体制でございます。
これから文部科学省と協議をしまして、その処理について文科省と相談の上、進めてまいりたいというところでございます。私もこのあと現場の方に見に行くということにさせていただきますが、現状は県の職員2名とそれから市の職員2名で常時現場を監視しているという状態でございます。また、県職員によりまして毎時放射線レベルの確認をいたしております。まったく発見時からの変化はございませんで、3m離れたところで観測をしているデータでいきますと、0.05μSv/h~0.09μSv/h〔1時間で受ける被ばく線量の単位〕という状況でございまして、この辺であまり動きがないです。従いまして、何か飛散しているとか、そういう動きがあるわけではないことも分かろうかと思います。
この状況でございますけども、もとはと言えば不法投棄でこれを引き起こしたわけであります。強い憤りを感じますとともに、このようなことを絶対にさせてはならないと、地域としても防衛措置をとる必要があろうかと思います。早速、昨晩も今後のパトロール体制について話し合いまして、今朝も話し合っておりますけども、県の予備費を執行しまして、監視カメラをこの際、増やそうということにいたしました。その体制と併せて従来以上のパトロール体制を敷こうと。現在鳥取県では県内各地に警察のOBのかたに加わっていただきまして、パトロールの体制を独自に組んでいます。また、県のみではありませんで、鳥取市もそうでありますが、監視体制を敷いておられます。そういう県や市町村、協力をしながら当面、このパトロール体制、監視体制を強化をして、このような、あってはならない不法投棄を防止するよう全力を挙げてまいりたいと思います。
●知事
国の方では〔通常〕国会が始まりました。国会の論戦が開始をされまして、昨日は海江田万里〔民主党〕代表が安倍〔晋三〕総理に代表質問を行うなど、論戦が実質上スタートした格好となりました。大いにこれからの国のあり方、議論をしていただきたいというふうに思います。これに先立ちまして、国の方では「三本の矢」と言われます経済対策の補正予算をまず放つ。そして、さらにその補正予算に加えて「三本の矢」も含めた当初予算、本格予算を今、閣議決定をしたところでございます。この度の当初予算の案でいきますと、92兆6,000億〔円〕という規模でございます。財源としては43兆円を超える税収とその43兆円を下回る国債新〔規〕発〔行〕ということでございまして、財政の健全性が維持されているということを政府がおっしゃっておられます。ただ、補正予算等を考えますと15か月予算でありますので、まだ危険な水域ということであろうかなというふうに拝察をいたしております。
その中にいろいろと盛り込まれている予算の中身について、今、我々としても分析を進め、県の当初予算に反映をさせていただいたり、また、補正予算の我々としての提出も検討しているところでございます。残念なのは、地方交付税につきまして17兆600億〔円〕と4,000億〔円〕近く削減されたことであります。二度とこういうことがないように政府の方に求めていく必要があろうかというふうに思います。我々としては、その交付税の埋戻し、これは私ども鳥取県のように給与水準を適正に保っていると、それで、国家公務員の水準と同等以下のところというのは、むしろ嵩上げ対象になると、埋戻し対象になるというふうに伺っておりますけども、そういうことも含めた、我々として適正な、的確な財源確保を図ってまいりたいと思いますし、さらに、さまざまな情報を収集した上で、これからの対策に役立てていきたいと思います。
福祉の方でも私たちが非常に心配しておりましたのは、介護保険の関係で言えば、今、自立支援という考え方を出されて以降、経常的に生業を作り出すような、そういう生活に移行できるようにするための施設整備など、応援措置がありました。こうしたことなどにつきまして、従来基金ということでやっていて、これが時限を迎えることを恐れていたわけでありますが、我々の要望が叶いまして、今後も国の助成措置として継続することが決まってきたり、今回の予算の中には生活面でも評価できるものもあろうかというふうに思います。
ただ、経済対策が実効性のあるものになるかどうか、また、生活保護についても思い切った見直しが議論され始めておりまして、こうしたことが各般にはどういうような影響を与えていくのか、これからも慎重に私ども現場として見ていく必要があるというふうに思います。現在その当初予算の本格編成を県としてもやっておりますけども、まず、国会で審議が始まりました経済対策の補正〔予算〕に見合うもの、これの準備を優先して急ぎたいというふうに思います。現在、その作業を進めております。例えば、身の回りのちょっとした公共整備ですね、交通安全対策、通学路とかの対策もありますし、それから原子力安全、これも鳥取県としては周辺地域で精力的に進めていかなければならない、立地〔地域〕とは違う事情がございます。そういうものを積極的に盛り込むこと、また、スクールカウンセラー、これ今、いじめとかそういう問題が出てきております。そうしたことなどに対応するような配備であるとか、さまざまな項目にわたりますけども、こういうものを今、積み上げて総合してきているところであります。国会で今後審議が進むと思います。それを睨みながら我々としても細目を今、詰めているところでございます。
例えば、この度調印をいたしました鳥取赤十字病院と県立中央病院、病・病連携をやろうということになります。この度ようやっと合意が成立をしましたので、これからのあり方を県立中央病院としてもしっかりと定めなければなりません。これも耐震化であるとか、防災、また安全安心の拠点ということもありますので、この度の緊急補正〔予算〕を使って、我々の方の単〔県〕費ももちろんあるわけでありますけども、そういうようなことで今回の経済補正の中に含めて速やかに成立を図るということも今、考えているところでございます。そうしたことをやりますと、ざっと今、集計してみますと300億円を上回るような規模になりそうであります。300億円を上回る規模となりますと、過去の経済対策補正〔予算〕としては最大級ということですね、他にも同様のものがございますが、最大級の補正予算ということになろうかと思います。
これは、2月議会の中で審議することも考えるところでありますけども、ただ、現在の国会の見ながら、私としてはできるだけ速やかに成立させるのが良いと思います。と申しますのも規模がかなり大きいものでありますから年度内にどこまで執行できるかということがついて回ろうかと思います。また、国の方も、今後与野党で話し合い等も行われてくると思いますけれども、国が速やかに成立させようという気運が働けば、我々としてもその思いに答えていくのが務めだと思います。そういうことも考えますと2月議会の前に臨時議会を開いてこの案件についてご審議願うということも視野に入れて国会の審議を見ていく必要があるかなと思います。
現在、巷間、報道されているところから言いますと、来週、衆議院で補正予算の審議を行う、さらにその翌週で参議院というようなことをおっしゃっている向きがあるようであります。そういう報道が出始めておりまして、これが本当だとしますと2月の中旬頃成立する可能性もありますし、特に補正予算でありますので衆議院が成立してしまいますと優先権〔予算の議決における衆議院の優越〕がありますから成立の見通しが立ったというようなことも出てこようかと思います。ちょっと微妙な案件でございますので、そうした国会の状況も睨みながら速やかな審議をいただく、県としても速やかな審議をいただく方途を考えてみたいと思います。仮に2月議会に入ったとしても、これは切り取って、前倒し審議をいただくというようなやり方もあるのかもしれません。ただ、国会が速やかにどうも上がるような気配も出てきたものですから、そうであれば臨時議会ということも視野に入れるべき状況になってきたかなと思っております。
●知事
これから、いろんな課題がある中で、原子力安全対策につきましては先般1月26日に避難訓練を含む実働訓練を行いました。我々として、今話し合いをしてきました結果ですね、専門家の知見も入れますと、もっと情報収集体制、ここは、我々周辺県であったという悲しさでありますけども、アクセスが十分できていないことがあったりしまして、また、もちろん国費が十分入っていないということもありまして、体制が整っていない面が見えてきました。これは市町村もそうであります。ですから、まず県庁のヘッドクオーター〔司令塔〕のところにおきましてもそういう体制を取る必要があると思いますし、米子市・境港市といったUPZ〔緊急防護措置準備区域〕30km圏内のところとも情報共有しやすいシステムが必要でありましょう。さらに他の市町村ともさまざまなかたちで情報共有できるシステム作りが急務であると、これが先般の議論から出てきたところでございまして、専門家のアドバイスもいただいたわけであります。
いくつかの方途があろうかと思います。市町村と情報共有するクラウド〔コンピューティング〕を利用したような、そういう情報ネットワークを構築する。これは当初予算ベースにもなろうかとは思いますが、そういうことをやる。また、今、テレビ会議の設置を、これを国費を活用しながら年度内進めているところでございますけども、情報集約をもっと進めるためにSPEEDI〔緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム〕情報であるとか、気象情報であるとか、モニタリング情報であるとか、こうしたものを一括して見られる、そういう装置を、ディスプレイを考える必要があろうかと思います。また、通信基盤全体の脆弱性を解消していくという意味で、岡山県との情報アクセスのところなど、つまりループ状にして災害時に強い情報ハイウェイを、構築をしておくと、これもバックボーン〔背景〕として必要なことであります。こうしたことなど、今回の緊急補正であるとか、また、通常の2月補正や当初予算、この辺も含めて順次、整備をしていこうというように考えております。現在ある程度予算を作ろうとして、緊急に各部局から要求を出させて整理をし始めたところでございます。
●知事
また、今後の大きな行事として5月26日に〔第64回〕全国植樹祭が開催をされます。先般実行委員会を開催をいたしました。そこでだいたい骨格となる行事の中身というのが見えてきたわけでございます。この合意を得まして2月8日に国の方で開かれます〔全国植樹祭特別〕委員会でご承認をいただくことによりまして中身が確定するということになります。その実行委員会でいろいろ議論が出る中で、できるだけ多くのかたに参加してもらうのがいいじゃないかと、こういうお話になりました。実は会場、キャパシティ〔定員〕がございまして、椅子が入る数だけしか残念ながらご観覧いただけないということでございます。ただ、貴重な機会でございます。今、実は一般参加者のかたの募集を行いまして抽選作業をしたところでございますけれども、そういうご意見も出てきましたので、緑を守ろうと活動している子どもたちであるとか、また、お年寄りのかたであるとか、そういう「子どもボランティア枠」とか、「寿枠」といったようなことで追加して、できるだけちょっと枠を取りまして、工夫をして観覧できるかたの数をもう一段増やせるように作業をさせていただきたいと思います。
また東北との関係で言えば、東北に被災地の森を復活させようという願いを込めた運動も展開しようということでございます。これも当初予算上の措置も含めまして、しっかりと植樹祭の大きな柱として仕上げていきたいというふうに思います。明日〔2月1日〕、そのための実施本部の立ち上げをすることにいたします。これによりまして、いよいよ秒読み段階に入ったこの緑の祭典、全国植樹祭、これを確実に成功裏に導いていきたいというふうに思います。
5 鳥取電機製造(株)の閉鎖と緊急雇用対策会議(PT)の開催
●知事
先般鳥取電機〔製造(株)〕さん、これ富士電機系列でございますが、閉鎖ということが明らかになりました。これによりまして現在残念ながらこの地の事業所は明日ですかね、閉鎖ということに近々なるということになります。そのことに伴いまして、国内での別事業所へのご異動ということもあったようでございますけども、40名余り離職者も出るということも分かってきたところでございます。これにつきまして県としても片方で企業誘致を進めたり、また受け皿となってくださる企業さんへの労働移動に100万円の助成をするなど全力を挙げて支えていきたいと思います。これにつきましても明日緊急の会議を開催させていただき、今後の対策について話し合うことにいたしました。
●知事
その中で、さらに緊急補正〔予算〕を組むこと、それをさらに実行に移して、どういうふうにスピーディーに対策を進めるかということ、当初予算も含めた事業としてどういう事業が必要かということ、そうしたことなどを関係者間で話し合っていきたいというふうに考えているところでございます。これからいろいろと行事も出てくるわけでございますが、〔全国〕菓子〔大〕博〔覧会・広島〕のPR隊が広島から来られることになりました。我々としても、同じ中国地方でございますし、応援したい気持ちで、これも予算措置も含めて参加していこうと思います。この菓子博で鳥取県の食のすばらしさをPRしたいと思いますし、また春には、また4年に1度の〔’13〕食博〔覧会〕が大阪で開催をされます。これにも出店をして「食のみやこ」をアピールしていきたいと考えております。こうしたことなどを積極的に仕掛けていこうと考えておりますが、この度、〔株〕近鉄百貨店の飯田〔圭児〕社長さんがご来県されることになりました。
実は、かねて大阪でもお会いして意見交換はさせていただいておりました。飯田社長、鳥取にご縁がある関係もございまして、我々としても、この際、鳥取県のPR等の〔とっとり〕ふるさと大使をお願いしたいということを申し上げたところでございまして、ご快諾いただき、ご来県賜り、県内を見ていただくということになりますが、実は、大阪、関西では、今年の一大モーメントとしまして、「あべのハルカス」が建設中だということです。それで、これは完全に完成するのは来年度いっぱいだったかなと思います、〔平成〕26年に入るかなと思いますが、今年のうちに基本的な店舗のところ、近鉄百貨店のところはオープンしてくるということになります。これから、いろいろと作戦を練りますけども、そういうあべのハルカスという、日本の中でも、これから注目されてくる存在のところで鳥取県としても、何かしら、こうPRの舞台を作りたいなと思っております。そうしたことなど、今年も食のみやこ、全面展開で仕掛けていきたいというふうに思います。
●知事
今もちょっと体調を崩されておるかたがおられるようですが、インフルエンザの警報を昨日〔1月30日〕発令させていただきました。現状、定点観測と我々呼んでおります。病院のご協力をいただいて、1週間あたり、どれほど患者さんがお見えになるかということで、流行の度合いを計っておりますが、警報の基準である30を超えまして、34ということになりました。特に鳥取県中部で51と流行の度合が強くなってきております。ぜひ、県民の皆さまには、手洗い、うがい、ご励行いただきましてご注意をいただき、健康にお過ごしをいただければと思います。
また、昨日、ショッキングな情報が出てきました。山口県におきまして、マダニによる被害でお亡くなりになったかたがいらっしゃるということでございます。これは、国の中国〔中華人民共和国〕でありますが、中国に由来するものと言われていまして、自然界の中にいるマダニでございます。家の中にいるダニとは異なります。ですから、野外で素肌を晒して、ダニにやられるということから発症してくるわけでありますが、今、有効な治療法がございません、対症療法でやっていくということでございますが、我が国で初めて発見をされたと言いますか、発症による死亡例が確認をされたわけであります。本県では同様の事象は確認をされていませんけれども、県民の皆さまに、同じ中国地方の中でそういうことがございましたので、注意を呼びかけさせていただくことにいたしました。ホームページでそうした情報を今後提供させていただきますので、ご参考いただければ、ありがたいと思います。私の方からは以上です。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
各社質問がありましたら、どうぞ。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
じゃあ、すいません、よろしいですか、補正予算の関係ですけども、県立中央病院の話がちらっと出ておりましたけど、これは、なんか耐震補強かなんかの設計なり、検討なりをされる経費ということでしょうか。
●知事
この間、ようやっと協定が結ばれて、県立中央病院は〔病床数〕500床以上の病院にしようと、それは日赤〔鳥取赤十字病院〕さんにご協力をいただいた結果として、そういうことが今後可能になると見込まれます。もちろん厚生労働省とよく今後折衝しますけれども、我々も実は下打ち合わせと言いますか、下折衝をしておりますが、あんまりその厚労省の方で抵抗をするような感じではなさそうなので、私としてはできるだけ早く検討を進める必要があるだろうと思っております。県立中央病院の敷地は大変広うございます。そこにはいろんな施設もございます。例えば、県の東部〔総合事務所〕の福祉保健局であるとか、それから鳥取看護〔専門〕学校であるとか、さらに鳥取養護〔学校〕なんかもありますが、1つの広大な敷地でございます。その中の一番大きなウェイトを占めているのが、県立中央病院のエリアでありますが、そこをどういうふうに今後、再配置をしながら建て替えも視野に入れて考えるべきなのか。そのためには500床以上になったとき、どういう診療体制を目指すのか、この辺の基礎的な検討に入らなきゃいけないと思います。これは防災拠点としても重要な役割を果たしますので、早目に着手して、経済浮揚にもいずれつながることになろうかと思いますので、安心の砦にもなりますし、前倒しで進めていこうと、こういうことであります。
今回いろいろとそういう耐震関係だとか、防災関係の予算が一まとまりで経済環境補正予算を出さしていただきますので、その中の1項目です。これは、調査費程度のことでありますけども、まずは検討に着手をするということを盛り込みたいなと考えております。現在は、詳細はまだ検討中でございます。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
その検討に着手される時期として、もう年度内ということですか。
●知事
つまり、今申し上げましたように、2月の段階で成立が見込まれるような予算でございますから、その後すぐに執行に入ります。はい。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
分かりました。今の話ですが、検討のためのそういうなんか委員会みたいなものを作ると、そういう費用ですか。
●知事
そうですね、委員会、委員会も必要でしょうし、実務的なことが中心かもしれませんが、我々としての検討に着手すると、その予算上の措置を早目に取っておこうということです。
9 鳥取市岩倉地内における放射線レベルの高い廃棄物の発見事案
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。不法投棄の関連で質問します。対策として監視カメラの設置であるとか、パトロール強化であるとかということも出ていたと思うんですが、すでにある不法投棄についてですね、これまだ、現場周辺にも、あるいは県の山間部〔にも〕両方すでにあります。その中から放射性の物質が見つかったということなんですが、今すでに住民の人たちが発見して、まだ手つかずになっている不法投棄物についての対策というのは、どういうふうにお考えでしょうか。
●知事
これは、実は発見したものを今度また処理をしていくと、撤去していくと。これは実はセットでやらせていただいております。そういうことを当面、まずは強化していく必要があるだろうということであります。もちろん現在、問題となっているような物の撤去も含めて、これから、今までもやっていることでありますけども、対策を進めていきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
これまで以上のペースで撤去なども、それを見つける、これを進めていく。
●知事
要は我々として多少防衛する必要があると思うんですね。ですからパトロールで同様のことを持ち込ませない。そちらに、今、とりあえず予備費等を使って重点を置くような考え方であります。撤去を進めるための予備費なりを今作ろうとしているわけではございませんけれども、ただ、これは従来からやっていまして、撤去件数とだいたい、我々の発見件数はだいたい毎年パラレル〔並列して〕に動いておりまして、そういうところも当然、今後とも撤去ももちろん進めていくということになります。今日申し上げたのは、ああいうとんでもない、我々としては憤りを感じるような不法投棄が出たものですから、当面そういう人が、犯人であれば犯人がまた入ってきて、同じような投棄をしないように、まずはこれ、防止をすると言いますか、防衛をするパトロール強化の方に我々としては重視をしているということですね。
○山陰放送 秦卓史 記者
住民のかたからすれば、まだ山の中にある、自分たちの近くに、なんかそういうものがあるんじゃないか、あるいはこう見つけていてそういうものの中にまた放射性物質があるんじゃないかという不安があると思うんですけど、そのあたりは早目に除去していく、あるいは早目に発見していくという手立ては、すぐに。
●知事
ええ、それはもちろんやっていきます。その辺はぜひご相談いただいて、最寄りの窓口の方にご相談いただければと思います。
○NHK 月岡信行 記者
すみません。関連して予備費がどれぐらいになるのかということと、監視カメラの台数とおおよその場所が分かれば教えてください。
●知事
それは敵に手の内をさらすことになりますので、ちょっと答えづらいところでありますけども、1,000万〔円〕は超えるようなレベルでの、2,000万〔円〕とか、そうしたレベルでの予備費の執行を今考えているところでございます。台数とか場所については、それは敵に手の内を知らせることになりますので、我々として適正にやっていきたいと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません。ちなみに関連してですけども、この度の放射線が出ておるということは、処理業者さんが独自にと言うんですか、自主的に測るようにしておったことが発端で見つかっておるんですけど、そのあたりについて特にお感じになったり、お考えになっているところはございますか。
●知事
今回は〔鳥取〕市の道路工事の関係で業者さんが入られて見つかったということであります。これから我々としてもパトロール体制として、そういう放射線レベルということも調べられるような体制も考えなきゃいけないなと思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
昨日のその原因物質の調査で自然由来のものであって、セシウム等人工物ではなかったということだったんですが、そのことから知事としてはどういった性格の廃棄物だというふうに分析、思われていますでしょうか。
●知事
専門家のかたの話を聞きますと、例えば医療系〔産業廃棄物〕とか、そういうものではないだろうと、産業系ではないかなというような見立てがございました。ただ、ちょっと警察も動かれることだと思いますし、我々としてはそうした調査を待ちたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
ちょっと確認ですけども、人工物質ではなかったということですので、東日本大震災等に由来するものではないということは言えるんでしょうか。
●知事
〔東京電力〕福島原発〔事故〕とは関係ないことは証明されたと思います。
○時事通信 小出秀 記者
先程に関連しまして、もちろん台数や場所のことについてはちょっとっていうお話でしたが、昨日正に見つかった〔市道〕岩倉開拓線ですとか、現在でも不法投棄がかなり行われているような場所を県が選出した上で昨日の岩倉開拓線に限らず、こういった場所にいろいろ設置していくってのは考えられるでしょうか。
●知事
そうですね、実は現状でもカメラを設置しております。そういうそれを県も設置していますし、加えて市町村もやはりそれぞれ問題になっていますので、気になるところに実は設置をしております。そうした体制をこの際さらに強化をしようということでございます。岩倉開拓線は重点的なパトロール対象では今までなかったところではありますが、今後、そうした対象の中に加えていきたいと思っております。
○中国新聞 川崎崇史 記者
よろしいですか。先程、〔全国〕植樹祭の関係で、東北の被災地の森を復活させる取り組みもちょっと視野に入れてという発言ちょっと伺いましたが、ちょっと具体的にお考えのことがあればちょっと教えていただきたいなと思うんですけれども。
●知事
これは、実はその仕込みと言いますか、前段階として去年の11月頃だったと思いますが、東北3県から木の種を持ち帰りました。それで、それを現在学校等で大切に育てております。いずれ苗木になると思います。それが今年の秋ごろかと思います。この度の5月26日の祭典のときには、こういう苗木を被災地に送呈します。そういう目録を差し上げるかたちで被災地からも来ていただいて式典の中で行いたいと考えております。実際に植えに行くときは、「美鳥(みどり)の大使」と言われますボランティアの皆さまなどと一緒に東北3県に植えに行こうと考えております。被災地の関係者のかたがたと相談をしておりますけども、津波によって失われた海岸べりのこの林があります。これは津波に対する堤防の役割も果たすわけですね。それで、その森が失われてしまっておりまして、それを元に戻そうと現地で取り組んでおられます。それで、今回鳥取県で育てた苗をそちらの方にお持ちをして堤防の森の復活を目指す、そんなような考え方で一連のプログラムをセットようとしております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すみません。先程、近鉄百貨店の飯田社長とお会いになった話、あべのハルカスに鳥取県としても何かPRの舞台を考えたいというお話がありましたけども、アンテナショップみたいな何か店舗を出すということではないですよね。
●知事
ちょっとまだそこまで、まずはどういうお店になるかということも我々にもよく分かりませんので、先方のご都合もありますから、まずは物産展のような、観光PRのような、そういうようなことからかなというふうに思っております。先般もそういう鳥取の食材とか、意見交換もさせていただきましたけれども、非常に近鉄百貨店側も鳥取県にご理解もあるんではないかなと思っております。今までとは違ったPRのやり方を考えていきたいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
鳥取〔自動車〕道の全線開通も控えておりますし、また関西の方でも、またさらにPRを強化されると思うんですけども、例えば新年度以降の関西方面での鳥取県の売り出しの仕方、知事のイメージを教えていただきたいんですけども。
●知事
はい。先程申しましたように、1つは食博、この機会を活用させていただいてPRをさせていただきたいなと思います。これは4年に1度のことでありまして、関西では非常に入り込みの多いイベントとなっておりますので、絶好の機会ではないかなと思います。また、これは新年度予算が中心になろうかと思いますけども、そういう鳥取道全通に伴うPRをさまざまなかたちで、関西方面でも展開をしようとしておりまして、さらに島根県溝口〔善兵衞〕知事とも協議を進めておりますけども、両県一体となった観光キャンペーンを展開したいということも、今、目論んでおります。向こうは松江〔自動車〕道ができます。うちも鳥取〔自動車〕道ができます。それで、米子〔自動車〕道と併せて周遊が非常にやりやすくなる。それをまだ全国的には知られていません。我々として近い関西とか山陽っていうのは重要なターゲットでありますけども、こうした方面にPRを今後展開していこうというような目論見も持っているところでございます。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
国の予算の関係で1つよろしいでしょうか。今回の予算の中で、幹線鉄道の高速化と利便性の向上に向けた調査の委託費というのが盛り込まれました。それで、これは鳥取県も主張されてきましたその山陰新幹線など高速鉄道に関する道筋につながる予算だとは思いますが、ただ、国〔土〕交〔通〕省側は新幹線の「し」の字もまだおっしゃってなくて、まだちょっと温度差もあるように思うんですけども、これを突破口にその県としては今後どのような活動を、働きかけをされていこうと思うのか、知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
●知事
私は今までとは、国交省も質的に違うところに見出してきたというふうに評価をいたしております。今まで整備新幹線構想があり、その元に北陸新幹線、北海道新幹線、また九州新幹線長崎ルート等進めてきておられますけども、それを他の路線についてまともに検討して来られたわけではございません。今回のものは鉄道ネットワークをいかに高速化させていくかというような観点ではありますけども、従来とは違ったフェーズ、違った分野に入ろうとしていると考えられております。その意味で評価させていただきたいと思います。当初要求されていた1億5,000万〔円〕から減額されて9,000万〔円〕にはなっておりますけども、考え方は以前のとおりだと思います。従来、鉄道局長など、政権交代と関わりない官僚の皆さんとも意見交換しておりますけども、山陰地方のことも頭の中に置いて、検討をされるという姿勢でございました。
それは別に新幹線を造ることストレートに目的にしたものではございませんが、片方で国交省の問題意識としては、効率性も考えながら、スピードアップを図り全国の鉄道ネットワークを作るということであります。そうなりますとフリーゲージ〔トレイン・軌間可変電車〕だとか、ミニ新幹線だとか、単純な在来線の高速化だとかいろんな手法があろうかと思いますが、それを比較検討しながらあるべき姿を考えていこうというように受け止めております。我々としても山陰〔新幹線〕をぜひそれじゃ検討対象に加えてもらいたい。また、地域の願いを聞いてもらう、そんなことをこれからも波状的にやっていく必要があるかなあと思います。そのためにも日本海側沿岸での団結を図ろうと先般日沿連〔日本海沿岸地帯振興連盟〕での要請活動をし、その中に山陰新幹線も含めた高速鉄道化について要望を入れさせていただきました。また、これは関係者と今話し合いをしているところでありますけども、山陰の鉄道の高速化を図るべく、鳥取県の要望はすでにやりましたけども、鳥取県のみならず他県と連携した要請というのも、今後やっていこうと思います。まず、今から予算審議が始まると思います。そうした状況も拝見をさせていただきながら、今後精力的に運動を展開していきたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
ところで、すいません。効率化ということでさっきおっしゃった、効率性ということもおしゃいましたけども、そういった乗客が本当に乗るのかとかそのあたりのことも客観的に研究する必要があると思います。それで、国はそういうこともされていくんでしょうけども、県として、その選択肢も含めて、国の動きとは別にそういった客観的な分析みたいなことは何か予定はされていませんでしょうか。
●知事
今ちょっと国が議論し始めましたので、そのスタートをまず見る必要があるかなと思います。その動きによっては、また独自に調査研究ということもあるかもしれません。実は過去に我々もやっております。金額も含めて比較検討をさせていただきました。そういうものも今後材料としてご提供できようかなというふうには考えております。
○共同通信 田島沙羅 記者
すいません。富士電機の事業所閉鎖なんですけれども、新たに40名ほど離職者が出るということで緊急対策会議を開くということですが、明日何か新しい雇用の対策ですとか、そういったものが出るんでしょうか。
●知事
当初予算も睨んで、自由な議論をしてみたいと思います。できるだけ強力な体制を我々としても組んでいく必要があると思います。
○共同通信 田島沙羅 記者
具体的な内容は明日の会議でということで。
●知事
ちょっと会議を開いてみないと、どういう展開になるのか、ちょっと私も想像つきませんが、当初予算、あるいは緊急補正、そういうことで盛り込むべきことを改めて議論をしたいと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
各社、その他よろしいでしょうか。
○中国新聞 川崎崇史 記者
はい、ちょっとよろしいですか。先日中国5県で、ドクターヘリの相互乗入れの調印の方を、知事5人の方でされたと思うんですが、それを踏まえて、次にちょっと中国広域連合の設立に向けて知事として次の手で何かお考えのことがあれば、ちょっと伺いたいんですけど。
●知事
これはまず、ドクターヘリはドクターヘリで、実績をまずは作り始めることが大切だと思っています。それであと、これは5県で意見がまとまらなければなりませんので、5つの県での相互の意見交換を進捗させたいと思っています。先般ドクターヘリを開設をするときも若干の意見交換をしたんですけども、その方針についてお互いに確認をいたしました。中国5県でどういうような持ち寄り事務があり得るのか、そうしたことなどを事務ベースで話し合いをまず進めてみようという方針でございます。これで今5県としては動いているところでございます。今後また春の中国知事会もございますし、その後の中国知事会も予定をされるところでございますが、この問題は重点的な課題として議論のテーブルに出していきたいと思っています。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
その他よろしいですか。じゃ、知事ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。