●知事
皆さんこんにちは。県議会も終わり鳥取県の24年度も閉じようとしております。今までさまざまな事業をやってまいりましたけれども、〔知事任期)2年の折り返しのときを私自身も迎えることになりました。厳粛な気持ちで後半に臨んでいくようにしていきたいというふうに考えております。
昨日今日と若干衝撃が走るようなニュースが飛び込んでまいりました。昨日は広島高裁において、また、本日は広島高裁の岡山支部におきまして、違憲判決が衆議院の定数についてなされました。この司法判断は、非常に異例のものだというふうに思います。従来こういう違憲、違法ということにつきまして、特に選挙の結果につきましては、これは国民の生活、もちろん立法府の成り立ちに重大な影響を与えるものでありますから、その判決を行って違憲であれば選挙を無効とするというのが本来公職選挙法の原則でありますけども、そのまま適用すると結果が重大すぎるということで、いわゆる事情判決の法理と言いますが、行政法の考え方を援用して最高裁を含めた裁判所では、実際の選挙無効を回避する判断を続けてきました。
昨日の広島高裁では、1年間の猶予期間を設けまして、今年の11月までの猶予期間を経過したら無効になるという、これは非常に珍しい判決だと思いますが、将来効ともいうべき、将来に対する効果を発するような、そういうタイプの非常に後学的には珍しいことだと思いますが、そういう判決が出ましたし、今日はそういう事情判決を下す場合には、言わば比較衡量をするんですが、国民の不利益の方が大きいということで、事情判決を行わずに選挙無効の判決を下した点で、非常に大きな意味のある裁判かなというふうに思います。この成り行きには、私どもも注目したいと思いますが、最高裁判所の方に、この後、下級審から上級審へと審理が移行すると考えられます。その上告審での判断というものを見守る必要があるかなと思いますが、立法府において最高裁の司法判断が尊重されていないのではないかという、司法府側のいらだちの現れではないかと思います。
政府としても、これを真正面から取り上げて、速やかな定数是正等を行うという官房長官の談話等が今日も出ておりますけれども、その成り行きを見守っていきたいというふうに思います。当面は「0増5減」のことをやるんだと思います。その中には鳥取県の選挙区も入っておりますが、これについては地元の町の考え方も聞き、私どもの方でも回答したものでもございますので、速やかに今後は手続きを進めて、違憲状態の解消へ向かってもらう必要があるだろうというふうに思います。これは国の方の選挙区画定審議会の答申が出次第、速やかになされるべきものだろうと思います。あとその後、抜本的な是正が入って来るだろうと思います。その抜本是正のことに対しましては、私どものように人口が減ってきている、ただそれでも中山間地をはじめとして、一生懸命奮闘努力をしている、そういう地域に対する配慮を、ぜひ国会での協議の中ではやっていただきたいというふうに思います。
そういうことなど、慎重な行動をする必要があると思います。特に鳥取県の場合は、単純にその1、各都道県に配分をするというのがおかしいという議論がなされていますが、鳥取県にその1、配分するっていうことをなくしてしまうと、巨大な〔人口〕58万人選挙区が誕生するということでありまして、その投票価値でいきますと、2位以下と比べて圧倒的に不利な特異な選挙区が生まれてしまいます。そういう意味で、その抜本是正を行うという「0増5減」の後の話でありますが、そういうときには鳥取県のようなところの特殊事情は、よほど配慮してもらわないと変な結果になるんではないかなというふうに危惧をしておりますので、国会では各党各会派間で冷静で慎重な議論をお願いしたいというふうに考えております。
●知事
先般〔任期〕2年間の折り返しを迎えるにあたりまして、考え深いモーメント〔瞬間〕がございました。3月23日に鳥取自動車道が〔全線〕開通に至ったわけであります。昭和62年に〔高速自動車国道〕予定路線となり、平成元年に基本計画ができ、実に4半世紀に亘りまして、この地域を挙げて取り組んできたことが実りました。これまでは高速道路の全国ネットワークにつながるということは、未来の夢であったわけでありますが、その未来が現実になり、私たちは新しい未来へつながったあとの地域振興を考える時代に入ってきたというふうに考えております。国会の関係者のかたがたを初め、いろいろとお世話になった皆さんにこの機会に感謝を申し上げたいと思いますが、2年前の選挙で公約の1つに「ミッシングリンクの解消」ということを上げておりましたので、大変に考え深いものであり一定の成果を収めつつあるというふうに考えております。
3 鳥取県民参画基本条例の施行とパートナー県政プロジェクト会議
●知事
また、先の県議会、2月県議会では一番大きな議論になりましたのは、最終日討論が繰り返された〔鳥取〕県民参画基本条例であったかと思います。これも無事成立ということになりました。これは、自民党系の会派も、民主党の会派も賛成をするという、言わば国政の与野党を通じて賛同を得たというかたちで、議決がなされたところでございます。正直申し上げまして2年前、私自身が選挙戦を戦うときにも、議会とのやりとり等を考えますと、一番その成立が難しい実現の難しい政権公約かなあと考えておりましたけれども、その一番大きな山を越えることができて、2年目を締めくくれるのは喜びに感じているところでございます。ただ、まだまだ経済雇用の情勢等、心配なことも多々ございます。さらに障害者対策だとか、子育て対策だとか今後力を入れていきたい事柄もございますし、グリーンウェイブのような課題も今後控えているわけであります。気を引き締めまして、後半に向かっていくべきときを迎えたと考えております。
そういういろいろと動きのあった中でございますけども、県民参画基本条例につきましては、県議会でもいろいろと議論がございました。私が理想としておりますのは、鳥取県は全国で一番小さな人口規模の県であります。じゃ、その一番力がないかというと私はそうではないと思います。確かに経済パワーでいきますと地場の立地企業を足し算をして総和を作ったところで大都市部に対抗できるものではないかもしれません。また、文化芸術の世界でも母数が小さければ、そういう意味でどれだけ目立てるかということがあろうかと思います。しかしながら地域力を結集して、言わば「鳥取力」とでも言うべき人間の力と地域の魅力を掛け合わせて作るパワーを生み出していくことによりまして、私たちは新しい参画型の鳥取型デモクラシーを作ることができ、それこそが鳥取県を他地域と差別化するよすがになるだろうと期待をいたしているところでございます。
条例というツールは出来上がりました。あとは、これをどう使いこなしていくかということの段階に入ってこようかと思います。議会が終わりまして早速県庁の中にも指示をさせていただいておりますが、年度明けましたら、早い段階でパートナー県政プロジェクト会議というものを立ち上げてみてはどうかなあと思います。パートナー県政、県民のパートナーとしての鳥取県政、これをプロジェクトとして県民のかたも入っていただいて会議をつくるということでございます。今までジゲおこしの素晴らしい伝統がありました。私の前任の時代、その運動が一時休止をしかけたわけでありまして、それを今回なんとかもっともっと元気にしょうということで鳥取力創造運動というふうにバージョンアップを試みてきたわけであります。それで、今後そういう県民の共同参画を支えるようなセンターを設置をし、県民のいろんな団体と連携をして新しい参画型の県政づくりを進めていこうと考えておりますが、その具体的な内容をやはりそういう、ジゲおこしをやってきたかたがた等も加わっていただいて考えてみる必要があるんだろうと思います。
予算と条例は出来上がりましたので、中身をどういうふうに具体的に作っていくのか、これからまさに、今までは議会の中で議論をしておりましたが、今度は議会の外で、県民の皆さまと直接連携をしながら仕組みづくりを具体的に進める必要があると思います。この会議には、県議会の中でもご議論がありました。いろいろと法的な問題やいろいろ条例制定に向けたさまざまな調整ということもございまして、住民投票の参加資格という点では残念ながら今回盛り込むことはできなかった在日外国人のかたとか、18歳以上のかたがたとか、そうしたかたがたも当然その県民参画基本条例の基本的な範疇射程の中にいらっしゃいますので、そういうかたがたも入っていただいて今後の参画型の県民のパートナーとしての県政づくり、こういうものをやってはどうかなあと、考えてはどうかなあと思います。
そうした各層のかたにも入っていただいてプロジェクト会議を立ち上げ、県民参画基本条例の内実を一歩一歩これから作っていきたいというふうに思います。こういう常設型住民投票制度を含む抜本的な県民参画の基本的な仕組みは鳥取県が初めて作り、鳥取県民が初めて手にする地位であります。それを万全なものにしていくために体制づくりをこれから新年度に向けてやっていきたいと考えております。
●知事
また、これはあんまり争いにはなりませんでしたけども、2月県議会にかけさせていただいた中に、薬物対策の条例〔鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例〕がございました。これも急いで執行を進めていく必要があろうというふうに思います。具体的には4月2日にプロジェクトチームを招集をしまして、早速動き始めることにいたしたいと思います。まず、知事指定薬物という国の薬物指定がなされているもの、それ以外の県独自の指定薬物というものをどうするかという問題があります。これは4月2日にその指定の具体的な手続きに入りたいと思います。ちょっと速やかに各地域で取り組む状況等も総括をして来週のそのプロジェクトチーム、これ新しい人事異動のあとになりますので、新しい体制を動きださせるためにあえてこの日に開こうと思いますが、その4月2日の段階でこういう種類の物質について知事指定薬物とすると。そういう方針を決めさせてもらおうかなあと思います。
また、薬物対策に対して、県民総ぐるみであたっていかなければなりません。もちろん青少年の対策もございます。そういう県民運動的に進めていく、関係機関との協力を得ながら進めていくために、条例上薬物対策の計画を作ろうということになっていまして、ここに各行政機関だとか、あるいは薬剤師会とか、そうしたかたがたにも入っていただいて取組みを進めようというふうに考えております。これもまず4月2日にプロジェクトチームをやって、その後のスケジュールを話し合って速やかにそういう協議の場を設定をして、関係機関と一緒に対策に取り掛かりたいというふうに考えております。順次条例の内容は施行されてまいりますけども、まずはそうしたあたりからスタートして、実効性のある体制づくりにつなげていきたいと思います。そのためには試薬を準備するなど、実態的な準備が大切であります。これにつきましては、今年度の補正予算で買い付けをするというものもあり、また25年度当初予算も先般金曜日に可決されましたが、この中でもそういう試薬を得る予算が成立をしました。今年度と来年度、早い段階でその試薬を手に入れまして、検証が可能な体制にしていきたいというふうに考えております。これも2月県議会を受けて速やかに取組む内容といたしたいと思います。
5 ナノオプトニクス・エナジーの電動モビリティ開発
●知事
また、グリーンウェイブの1つの象徴として、片方ではソーラーパークのような構想も進められていますが、もう片方でマイクロモビリティ等の新しいタイプのモビリティ、移動体をつくるというプロジェクトもございまして、県内の方に誘致をしましたナノオプトニクス・エナジーさんが取組みを進めておられるわけでございます。これにつきましては、かねて試作等を進めてこられました。4月の半ばぐらいに発表会をされるというふうに内々伺っておりまして、多分会社側の方からいずれそういう段取りが公表されるんじゃないかなというふうに思いますけれども、その中で分かってきたこととして、1つはいわゆるマイクロモビリティのものもございますけども、これ法規制等がございまして、すぐに作ったから乗れるというものでは、まだないわけでありまして、それで、だから今、国〔土〕交〔通〕省がマイクロモビリティの試乗実験なんかをやっているわけですね、そういうようなことを経ていかないといけないわけでありますが、すぐにでも実用化できるものとして、電動車いすのスーパー版というか、そういうものがあるそうでございます。
それについて、鳥取県として全国の自治体に先駆けてトライアル使用で購入してはどうだろうかということを考えました。今年度のトライアル使用、もうギリギリ年度末になりましたけれども、そこで注文と言いますか、買い付けをさせていただいて、早速、例えば療育センターのような場所であるとか、鳥取県庁の本庁舎であるとか、そうしたところで障がい者のかた等のアクセスに役立てる、そんなこともやってみてもいいんじゃないかなというふうに思います。また、何と時代が変わってきて、電動でのモビリティの大切さというのがクローズアップされてくる時代だと思います。県庁の方の今年度のトライアル使用の最終の段階として、そうしたことも考えようかという話し合いを、今、しているところでございます。
●知事
また、グリーンウェイブについてでございます。全国植樹祭、5月26日までもうあと2月というところに迫ってまいりました。学校の子どもたち、あるいは森林関係者、県民の皆さま、いろんなお立場で全国植樹祭を盛り上げようと活発な活動をしていただいておりまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。これから、もう2か月が勝負でありますのでしっかりと準備を進めてまいりたいと思います。この金曜日に、コカコーラウェスト〔株〕の方から300万円という最高額になりますが、協賛金が全国植樹祭に寄せられることになりました。早速、それを拝受をし、表彰式典ということをやりたいと思っております。また、私自身も会場等をこの金曜日に見させていただいて担当者とよく打ち合わせをしてみたいと思います。4月1日新しい年度に入りまして、新しい異動後の体制が県庁の中で整うその日に実施本部を開催させていだだきたいと思います。本格始動というスタートでございまして、これから、残りあと2月となった全国植樹祭、成功に向けて県庁をあげて取組んでまいりたいと考えております。
●知事
また、全国植樹祭と併せて、この夏にもグリーンウェィブ関係でのイベントが1つ加わることが本決まりになりました。先週の3月22日に実行委員会が開催をされまして、その部会の中で具体的なものが決まってまいりました。これは国立公園、山陰海岸国立公園の〔指定〕50周年の記念関連イベントでございます。具体的に決定をされましたのは山陰海岸国立公園指定50周年の記念イベントを鳥取砂丘を中心として行うこととなりまして、8月24日に行うことになります。これは〔鳥取砂丘〕こどもの国を主会場にしまして、その他、鳥取砂丘周辺等をメインにして行うわけでございます。表彰式典だとか、あるいは山陰海岸ジオパーク、これ世界ネットワークに加盟をした山陰海岸ジオパークを顕彰するような、そういうイベントをこの夏休み時期に展開しようということでございます。
さらに、その関連のイベントも3月22日に決まったわけでありますが、まず6月30日にキックオフイベントをやろうと。これは京都・兵庫・鳥取の3府県にまたがるエリア全域で、それぞれに一斉清掃活動等を行いまして、この山陰海岸〔国立公園指定〕50周年の記念行事を始めることにいたしたいということになりました。また、9月に入りまして、夏休みの宿題が明けたような時期に岩美町において子どもサミットを行うことにして、子どもたちによる山陰海岸ジオパークについての研究発表等をやっていただくと。こういうような一連の行事で、この他にもたくさん行事はあるかと思いますが、その子どもサミットをフィナーレにしまして、6月~9月にかけて山陰海岸でグリーンウェィブ関係の新しいイベントを行うという手筈が定まってまいりました。これも準備に向けて急いで進めてまいりたいというふうに考えております。
●知事
現在の経済雇用情勢ということがございまして、この2月議会でも対策を考えました。その前の緊急補正、それから当初予算合わせまして3,900人ベースでの雇用創造を目的とした緊急雇用経済対策の予算が成立をしております。この執行もございますし、現在当面する企業の状況もございます。こうしたところを議論しまして、今後どうやって効果的に雇用経済対策を進めていくのか等を話し合う経済雇用対策の会議を金曜日に招集をすることにいたしました。これには国の方の〔鳥取〕労働局も来てもらうことにしまして、県庁等との擦り合わせをしながら、年度が切り替わるわけでありますし、新しい事業が、我々県としてもございますし、国もあるでしょう。そういうものを話し合って効果的な対策を打ち出していく必要があるということであります。
今いろいろと、三洋グループがパナソニックに吸収をされる中で、激変が県内の雇用環境にも起こってきているわけでありまして、憂慮すべき状況が続いていると考えております。その意味で我々としても、必死になって対応していく必要があると思いますので、関係機関と知恵を糾合してやっていきたいというふうに思います。例えば、雇用の移動を起こす場合の助成制度であるとか、それから、中小企業等で今まで系列の企業ピラミッドの中に入っていたけれども、その買い付け、仕入れが停止した関係で苦境に陥りそうだというようなところもございます。業態転換をする、新しい商品開発をする、また販路開拓をする、そうしたサポートをしながら、県内のそうした中小企業の抱える大切な雇用も守っていかなければなりません。そういう、いろんな事業を、当初予算も含めて、今回成立をさせましたので、その対応策を話し合うことにいたしたいと思います。
その会議の中で、これから将来的な行き先を考えなければなりませんので、鳥取県としての経済再生成長戦略を最終的に取りまとめをしようかと思います。これについては、民間のかたも入られて、いろいろとご意見も賜りながら、最終文案ができてきました。この金曜日の会議の中で年度の最終日になりますが、取りまとめをさせていただこうというふうに考えております。例えば、サービス産業の高度化であるとか、医療系の産業、創薬ビジネス等新しい方向へ日本の産業全体が向かっていくと思われます。農商工連携等の機軸もあろうかと思います。そうしたことを盛り込んだ経済の再生、そして、成長を図る、新しい政権の事業も活用しながらやっていきたいという思いであります。そうした意味で金曜日に、最後の取りまとめをさせていただこうと考えているところでございます。
●知事
行く人もあれば来る人もあるのが、年末年始、年度末、年度初めでありますけども、世界的なアスリートである宇佐美〔里香〕選手が東京に戻られるということになりました。惜別の情を禁じ得ないわけでございますけれども、ご本人と話し合いをさせていただいたわけでありますが、宇佐美選手の方で〔とっとり〕ふるさと大使〔委嘱〕を受けますというお答えをいただきました。これを帰られる前に任命式をさせていただきたいというふうに思います。また、これはもう押しも押されぬトップアスリートでございますので、教育委員会サイドの方でも特別な指導をやっていただける、そういう人材としての指名をさせていただくなど、今後に向けても宇佐美選手とのつながりを大事にしていきたいというふうに考えております。
それに限らず、スポーツの振興は大切でございまして、昨日は鳥取県のお家芸とでも言うべき、飛び込み競技の練習の場でもあります米子〔市営〕の東山のプール〔東山水泳場〕について、将来的に、おそらく27年度以降にそれぞれがチェンジをして、管理を始めるということになろうかと思いますが、米子市と鳥取県との間で交換をし、体制を将来に向けて立て直す、競技力向上につなげていく、そんなような取組みも決めさせていただいたところでございます。今後もそうしたスポーツ人材が花開く鳥取県を目指して、邁進をしてまいりたいと思います。私の方からは以上です。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
では、各社質問がございましたらどうぞ。
○読売新聞 加藤あかね 記者
いいですか。県民参画の関係で新しく県民も参加したチームというか、会議を立ち上げるということなんですが、具体的にどういう分野で何人ぐらいの規模でとかですね、いつぐらいからというようなもう少し具体を教えていただけたらと思います。
●知事
イメージとしては、4月中にでも立ち上げたいなという思いでございます。ただ、これはその関係者のご理解も得ながら進めなければいけませんので、ペースは先方の状況も尊重しながら調整をさせていただきたいと思います。イメージとしては、これから参画のいろんな仕組みづくりがあります。その具体的な仕組みづくりの1つは、ボランティアとかNPO等、もちろん地縁団体と言われる町内会等もありますけども、そうしたさまざまな活動主体がいらっしゃいます。鳥取県はそこが盛んなことがパワーだと思います。そうしたかたがたが、もっともっと元気に活動できるように、それで県政に参画をし、さらに県政の一部担い手にもなっていただくというような方向性を出していくのが今回の〔鳥取〕県民参画基本条例だと思っています。
そうした意味でセンター〔とっとり県民活動活性化センター〕を立ち上げようという予算をこの度、成立をさせていただきましたが、これはまだ半年ぐらいは立ち上げにかかるだろうと、腹算用、考えも巡らせておりまして、十分議論をした上でセンターをスタートさせなきゃいけないと思います。そうした意味で、そういう地域での活動をなさっているかたがたの代表的なかたとか、それから在日のかたや18歳以上のかたなんかも入っていただければなと思っております。こういうようなかたがたにも入っていただき、今、センターの話をしましたけれども、そういうセンターだとか、さまざまな具体的な仕組み、今後作戦を練って進めていきたいと思いますし、ご提言をいただくような、そういう会議をセットしたらどうかと思います。広報広聴のやり方も従来やってきたことをさらにパワーアップしようということも考えております。例えばインターネットを通じたアンケートであるとか、どうやって県民の皆さまのご意見を、言わば投影させるような県政をしていくか、そういうお知恵もいただきたいところであります。基本条例の理念をかたちにするような、そういうご提言をいただく場として、会議を考えてみたいと思っております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません、ちょっと別の話ですいません。1票の格差のことで2つお尋ねします。1つは広島高裁の無効判決が、格差が2倍ない選挙区についての判決があったということについてのご感想をいただきたいというのが1つと、もう1つは関連するんですけど、そうすると「0増5減」で十分なのかという論が高まってくる可能性があると思うんですけど、そういう議論が高まる可能性があることについてのご感想をいただけたらと思います。
●知事
それは、選挙訴訟のあり方をご説明しないといけないのかもしれませんが、違憲の判決の対象というのは、公職選挙法の選挙区等の規定に対してなんです。それは、一連の規定です。ですから、個別の選挙区だけの問題ではないんですね。それで、こういう違憲な、憲法に違反する法律に基づいて執行されたからこの選挙区における選挙は無効ですよと、これを争うわけです。ですから、その中の、具体の選挙区の中の投票価値の平等云々ということは参考として示されるでしょうけれども、違憲という判断の対象は選挙法全体に対するものでありますので、それが2倍以内だなんだとかいうこととは法理論上は、直接はリンクしないものでありまして、そういう趣旨で今、全国各地で判決が出ているんだと思います。
だからこそ、我々から見ると不思議ですけど、松江〔支部〕でも訴訟が起きて、それで参議院の選挙区でも鳥取の投票価値の不平等が云々というようなことが出て、若干感情的には違和感も覚えるんですけども、ただ、法理論上、裁判実務上はそういうものであるということを我々としても認識しなきゃいけないかなと思います。ですから、そういう意味でご理解いただくべき内容だろうと思います。そして、広島高裁の、広島の方の判決でいきますと、1年間の猶予期間というのを設けていますね。それで、これまさにその〔小選挙区〕「0増5減」を意識してつけた期限ではないかなと、判決文を読んだ感じでは思います。従いまして、その0増5減というものが念頭に置かれてやっているのかなというふうに思いますけれども、いずれにせよ、これは今後、最高裁での審理を待つわけでありますから、当然、今年の11月までには最高裁の判決は下りるでしょうから、そこで自動的に判断が入れ替わるということになるのかなというふうに思います。そういう意味で冷静に我々としても今後の裁判の行方を見守る必要があると考えております。
○中国新聞 川崎崇史 記者
関連してよろしいですか。広島高裁の昨日の判決について、いわゆる選挙無効であると、その裁判体の判断について、知事はそれは妥当だとお考えでしょうか。
●知事
少々びっくりしたというのが正直なところであります。結局、選挙というのは、これは法律の成立と立法府の担う機能を損なう危険もあるんですね。もし選挙が無効となれば、じゃあ、そういう無効な選挙で選ばれた議員が関与する立法等はどうなるのかと、そういうようなことも形式理論的には問題になってくるわけであります。そういう意味で国家に与える重大な影響があるわけですね、ですから、例えば典型的な選挙無効というのは不在者投票に違法があったと、不正な不在者投票があったと。そういう不在者投票の不正の程度は、選挙の結果に移動を及ぼすほどのものであったと。そういう場合に、典型的に選挙無効という判決が出るわけです。これは、1つの選挙区の中に限られた話でありまして、そう大きな影響はないかもしれませんが、先程申し上げましたように、いわゆるその定数是正の定数訴訟というものは、選挙法全体が違憲かどうかということが争われるわけでありまして、選挙全体がなかったことになるという、理論的にはですね、そういうことになるわけでございまして、これは国全体が吹っ飛ぶような話になるわけです。そんなこともあって今まで裁判所の方ではいくつかこう、テクニカルにこの定数訴訟については扱ってきたわけです。
まずはその公選法の規定自体が憲法違反であるかどうかというレベルの判断。それで、仮に憲法違反であったとしたらそれが国会の立法裁量の中かどうか、つまり、憲法違反の状態になってすぐに自動的に法律が変わるわけではありませんので、今の法律の仕組みは。そうなりますと、一定程度、審議期間だとか調査期間だとかありますので、立法府としてその憲法違反の状態を解消する時間的猶予の中かどうかというのが2番目の判断のポイントとしてこれまでも扱われてきました。さらに、もしそれがもう合理的期間を経過、渡過していたと、経過した後だったということになったら、ここで初めて違憲という言葉が使われるわけです、憲法違反の法律であると。それで、違憲ということになっても、じゃあそれで選挙をひっくり返すかどうかというところで、先程申しましたように、国会、その選挙が行われた衆議院だとか参議院全部が吹っ飛んでしまう話でありますので、その重大な影響を考えると、その選挙自体は、これは違法な、違憲な憲法違反の法律の下で行われた選挙ではあるけれども、効力は有効とすると。これを事情判決の法理でやるわけですね。
だから、これが裁判実務として確立をしてきてあって、それが当たり前だと、それが当然きちんとしたロジックでありますので、当たり前だと思ってきたものでありますから、それを打ち破る、もう選挙全部ひっくり返して、もう国会や国政が大混乱になってもいいですよという判断を下すっていうのは、非常に衝撃的な内容であるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。これは、ただ現在、国会においてまさにこの定数是正、「0増5減」ということが議論されていますし、さらに衆議院の選挙制度の抜本的改革ということも、与野党間の協議を進めようとかいう議論が出始めておりますので、こういうところで速やかにやってくれというメッセージではないかというふうに受け止めます。この辺は今後、国会での議論を待ちたいと思います。
私の方から申し上げたのは、ただその際、抜本的改革のときに鳥取県のようなところ、じっくりちょっとよく考えていただかないと、大変なことになりかねないので、慎重にやってくださいというメッセージを先程、申し上げたわけであります。
○読売新聞 加藤あかね 記者
すいません。違法薬物の関係なんですけれども、知事指定薬物なんですが、東京都も指定されていると思うんですが、鳥取県自体で検査する体制はないと思うんですけれども、どの程度の範囲で今考えておられるんでしょうか。
●知事
例えば、東京都の方で国以外にも8つかちょっと項目があったと思います。その辺はぜひ私どもとしても内容を調べさせていただいて、指定すべきと判断すれば、今回条例ができましたので指定に踏み切るということにいたしたいというふうに思います。また、関西広域連合でも協調しながら、このいわゆる知事指定薬物と言われる、国指定以外の薬物の情報共有化を図っておりまして、現実論としては、広域医療担当の徳島県がその情報センターの役割を現在果たしておられます。そうしたところとも情報共有させていただいて、我々としてなすべき指定を考えていこうと、こういう立場であります。
○読売新聞 加藤あかね 記者
東京都と同レベルをということでしょうか。
●知事
そうですね、それは参考にしていただきたいと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
全く別の話で恐縮ですけれども、境港に寄港する予定だったのを「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」という大きなフェリー船が、どうも来ないということになったようですけども、それについてのご感想をいただきたいと思います。
●知事
これは船会社側としては出したいんですよね。ですからその熱意は今も変わらないと思います。ただ、現在の日中関係の現状がございまして、この船に乗る見込みのお客さんは、中国のかたが多いと見込んでおられますので、今回6月の段階のものは見送らざるを得ないのではないかなと、こういう検討をしていると伺っております。ただもう1つ、「マリナー・オブ・ザ・シーズ」だと思いますが、8月ですかね、夏頃のものは、今もって就航を計画しておられるわけでありまして、この辺は現実のお客さんの動向を見ながら検討はされるんじゃないかと思います。ただ、これ以外もいっぱいあるんですね、例えばフランスから新たにこの度就航するとか、それから「サン・プリンセス」等の系列の船、これも2,000人、2,500人といったそういう大きな船が今後目白押しで今年度、また来年度のエントリーも始まっておりまして、その1隻について今ちょっとペンディング〔未決定〕になっているというか、見送る方向が出ているかもしれませんけども、実は境港全体で言いますとラッシュになってきているということでありまして、いろんな船が打診がある状態の中で、日中関係を反映した動きも出ていると、こういうようにご理解をいただければと思います。
○時事通信 小出秀 記者
話題変わりますが、全国知事会の会長の、現在の京都府の山田〔敬二〕知事の任期が4月25日に任期満了ということで4月5日までに新しく立候補を受け付けるということになっておりますが、知事として、山田知事の再選、一定程度出馬に意欲を示されているそうですが、知事として山田知事を推薦するとか、あるいは別のこのかたがいいだとか、あるいは平井知事ご自身が出たいとか、そういったようなお考えがあればお願いします。
●知事
出馬意欲を示しているって報道があるんですか。
○時事通信 小出秀 記者
一定でのですね、これから考えるとはしているんですけれども。
●知事
これから考える。正直申し上げまして、今、勝手連を始めています。私たち若い知事を中心として、今山田会長に再選出馬を申し入れようかとこういう動きを今しているところでございますが、実は、ちょっと信じられないかもしれない、私どもからはまだ山田さんには連絡を取ってないと、我々で今勝手にいろいろワア、ワア始めたと。現実には3月22日から告示ではないですけども、そういう手続期間に入っておりまして、今我々としても仲間同士で議論を始めているということでございます。私は、山田会長は例えば今も地方公務員給与に絡めて交付税削減という、我々としては信じられない事態があるわけですね。こうしたことなど、地方分権の推進、発展のためには欠かせないかたではないかなと思っております。それで、我々のような若手の知事の考え方も、全国知事会の議論の中では取り入れて進めてくださっていると思いますので、私ども仲間の知事との間で、支援の輪を広げようというのを今勝手連的に始めているところです。
○時事通信 小出秀 記者
もし差し支えなければ若い知事を中心としてというお話でしたが、だいたいどこの知事なのか、ちょっとお名前を上げていただけるとありがたいんですけど。
●知事
今、既に若いかただけじゃないんですけどね、我々言い出しっぺは若いもんが言い出しっぺでありますが、若いもんでは既に7、8県ぐらいは賛同したんじゃないですかね、ただ、ちょっと今、放課後の時間に電話をかけ合っているというような感じですかね。これ以上やると叱られますので。
○時事通信 小出秀 記者
すいません。ちょっとまた別の話というか、また戻ってしまうんですが、県民参画基本条例について、先程在住外国人や18歳以上のかたも条例の基本的な範疇の中にいると知事はおっしゃられましたが、現時点でチェックして、議会の方でも議論がなされていたわけですけれども、投票資格者の範囲といったものに関して、これから議論がまた進んでいくものと思われますが、知事としてどうお考えになるかお答えください。
●知事
これは議会でもたびたびやり取りがありました。ちょっとここは私自身微妙な立場でございまして、典型的に県民の皆さまが住民投票をされるというのは平井のような首長の施策の是非を問うものでありますので、私がこういう範囲の人に決定権を持たせたいというのは、これはちょっと判断をゆがめる、県民の判断をゆがめることになるかなと思っておりまして、あまりその点については、自分でもうこういうふうにやるぞというよりは幅広い最大公約数のご意見の中で客観的に定まっていくという筋合いのものだと思っています。ですから、そういう意味で謙抑的に、この点については発言をさせていただいております。
先の県議会でもいろいろ議論がありました。そのときに申し上げましたが、今回成立する条例、これは大変意味の大きなものであると思います。都道府県を通じて初めて常設型の住民投票制度を手にした県民の皆さんというのは全都道府県で一番パワーのある県民といってもいいわけであります。ただ、その投票資格者についてはいろんな議論があるということでございまして、これは今後とも、そうした県民の皆さまの間のご議論で修正すべきことがあれば修正をしていくということで進めていただいて、私はそれを尊重して条例化していきたいというふうに考えております。終着駅ではないだろうと、むしろこれから新しい鳥取型デモクラシーを進めていく始発駅であると思っておりますので、そういう考え方で対応していきたいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません、知事も今日おっしゃったんですけども、2期目の任期に入ってからちょうど折り返し地点を迎えるようなかたちになるんですが、これまで6年間知事をされてきて、平井県政が始まってから県民のかたにどういう意識が根づいたという格好になっていますか、先程鳥取力の話もありましたし、住民や市町村とのパートナーシップのこともよくおっしゃるわけなんですけれども、かなり変わってきたというような実感はお持ちでしょうか。
●知事
昨日も米子市と、長年の懸案が片づくような〔米子〕コンベンションセンター、さらにはプールの負担のあり方、管理のあり方について決着を見るということがございました。県政、私が担当するようになってからそれまでいろんなところで県と県民やあるいは各市町村あるいは商工団体、農業団体とのパイプが途絶えかけていた感がありました。もう一度それを修復しまして、自立だけでなくて、自立と連携の県政と、あえて連携ということを強調させていただいて、県政の転換を図ってまいりました。その結果として、市町村と協働していろんな政策を打ち出すこともできたと思いますし、県民の皆さまでも鳥取力創造運動の効果もありまして、特徴的な地域づくりが進められつつあると思います。鹿野のまちづくりであるとか、智頭の方では「森のようちえん」みたいなことや、あるいは疎開〔保険〕というアイディア等も出てきておりますし、八頭の方では「かかしのまちづくり」といったようなことであるとか、若桜鉄道を丸ごと博物館化しようとか、西の方でも、境港の方で水木しげるロードは元よりでありますけれども、いろいろと食文化を花開かせようというような動きにもつながってきて、最近では漁港や市場の活性化を考えるような会議の取りまとめが行われたりというふうに動いてきたり、東部、中部、西部問わず、それぞれの地域で元気な住民の皆さま、あるいは団体の活動が進んできているというふうに思います。
それを、言わばフォーラムのような、広場のようなかたちでそうしたところのノウハウを交換したり、また研修等を通じてブラッシュアップして、要は経営力を高めることも大切であると思います。NPOの中には、ウォーキングの大規模イベントをやるとか、観光誘客を進めるために海外でプロモーションを行われるとか、そういうところが順次出てきておられますけども、それぞれ持続可能なかたちで回していかなきゃならないです。そうしたためには、やはりパートナーシップをもう一度きちんと考えて、強固なものにしていくことが大切だと思います。そういう、言わば県民参画の理想郷を、鳥取県の中で作っていくための次の一歩を新年度から踏み出していきたいと、こういう思いでございます。
○日本海新聞 井上昌之 記者
あと、お聞きしたいのは、職員さんの意識の問題なんですけれども、先程の知事おっしゃったように、前任の知事のかたのときは、ある程度関係が切れかけていた団体なんかもあった、そういうのをつなぎとめてきたんだというお話もありましたけども、例えば、去年はまんが王国で一生懸命されたと思うんですけどね、漫画も最初知事がおっしゃったときに、職員さんの中では「漫画なんか大丈夫かいや」っていうような声も実はあったんです。ただ、終わってみると、議会でもああいうかたちで評価されたわけなんですが、知事がおっしゃることについて、あんまりすぐ反応する職員さんがかつて少なかったような気がして、それが、今はこうやってグリーンウェイブとおっしゃったら、こういうふうに動くような組織がある程度できてきたような気がするんですが、そういう、そういった職員さんの意識について知事はどういうふうに変わってきたと思っておられますか。
●知事
鳥取県に限りませんけれども、やっぱりお役所体質っていうのはどうしてもあるんだと思います。鳥取県庁は、いわゆるお役所体質からの脱皮を私自身が目指そうとしていることに、職員の理解も進んできているんじゃないかなと思います。例えば、会ったら挨拶をするという当たり前のことも、実はそんなに当たり前でない文化があったり、それから、県民の皆さまとの接し方もそうでありますが、商工団体であれば自立してやればいいと県が手出しするもんじゃないということで、どちらかというと距離を置くイメージから、もうこれはパートナーなんで、一緒に盛り上げないと経済も上を向かないし、雇用もできないと、そういうように意識改革が進んできたのではないかなというふうに期待をいたしております。ただ、そのためにはやっぱり、いろんな成功体験や目に見えるものが必要だと思うんですね。その意味で議会中もそんな議論がございましたが、名物職員を大歓迎しようと、少し尖がって出っ張って、なんだったら本を出そうが、それからいろんな有名人を引っ張ってこようが自由にやってくださいなと、それぐらいの大らかさで、私もスタンスをとりました。現にそういう思いに応えてくれる名物職員も出てきたかなというのは、これからの鳥取県の県庁のあり方としては、期待が持てるかなと思っております。
ただ、まだ全員が全員ですね、そういう県民の活力とそれから安心をもたらすコーディネーター、メッセンジャーとなりきっているかというと、まだまだだと思いますので、新年度また年が明けたら、今、5(GO)・5(GO)プロジェクトという県庁の庁風づくり運動をやっていますが、これの再編と言いますか、バージョンアップを今図ろうと指示をしているところであります。県庁職員は県庁の担い手でありますので、その仕事が思う存分できる環境づくりは、私の使命だと考えて取り組んでまいりたいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
最後にしますけど、知事が東京で大国主の恰好をされたりですとか、執事の恰好をされたりですとか、かなりご自身で広告塔になって、鳥取県をPRされていて非常に良いと思うんですけども、逆に職員さんでもああいう恰好をせえとは言いませんけども、ああいう人が出てくるといいのかなと思うんですよね。知事がなにも大国主にならなくても、どなたかという気持ちもあるんですけど、やっぱり名物職員とおっしゃったのは、個性のある職員にもっと出てきてほしいというところですかね。
●知事
元気出してくださいということです。鳥取県庁の中にもそういうグループが生まれていまして、非常に私も安心できるかなと思っている人たちもいます。例えば、元々は、しゃんしゃん祭なんかで賑やかしをやっていた「国連」とかいうグループがあるんですけど、これ県庁の若手のグループさんたちですかね。そういう意味でここは盛り上げないかんなというと結構そういうグループの人たちが出てきて、自ら、ちょっとコスチューム作ってみたり、やっているところです。そういうのが出てきたのは、ここ5、6年の成果かなというふうにも思っています。結構そういうのは、他の県庁だと少し品がないと見られる感じがあるんですね。ただ、特にまんが王国なんかはそうなんですけど、やっぱりネット社会でありますので楽しんでもらわないと、なかなか民心を惹きつけると言いますか、大衆意識の関心を惹きつける、そういうことにつながっていかないわけでありまして、ちょっと従来のお役所の枠から飛び出る勇気を持ってもらえればというふうに考えております。「コヤちゃん」〔3月9日、湖山池に出現したアザラシ〕の件でも、庁内の方に私自身申し上げまして、これはいろいろと鳥取県のイメージにもつながってくるし、イベントにも関連するし、もちろん湖山池の水質のアピール等も効果はあるし、考えてみようじゃないかと言ったら、早速そういうホームページサイトを作ったり、映像を撮ってきたり、職員も反応してくれているなと思います。タイムリーに今後も情報発信ができる能力というのを職員にも磨いていただきたいと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません、県議会でも議決がありましたけれども、〔鳥取〕三洋電機跡地の旧鳥取高農の校舎についてなんですが、これ現在もまだ取り壊し工事が始まっていません。管理する会社によると関係先と協議が続いているということなんですが、県は今この協議には関わっているんでしょうか。県の方は今どういった立場でこの問題、見守っているのでしょうか。
●知事
これは非常に難しいデリケートな問題であります。大枠から申しますと、所有権は万能でございまして、所有権を持っているところが、この場合で言うとパナソニックであり、三洋さんでありますが、そこが取り壊しすることも含めた絶対的な力、権限を持っておられます。それで、我々の方では議決もございまして、先方の方に申し入れに伺いました。商工労働部長が申し入れをさせていただいた際に、猶予期間を1週間くらいでもなんでもちょっとくれと、それでまた今後のあり方の新展開があるかもしれないんで、協議をさせてくださいということを申し上げまして、今まだその協議に基づいて、猶予がなされている状況であります。ただ、先方はそれ、絶対的な権限を持っていますので、その取り壊しということを視野に手続きを現在でも進めようとされているのは事実だろうと思います。我々の方では、複数の関係先と協議をさせていただいて、果たして今所有権を持っておられるパナソニックグループが思いとどまるような代替案が出せるかどうかというところを模索している真っ最中であります。非常に今緊張感のある時間を送っているというところです。
○山陰放送 秦卓史 記者
問題のリミットと言いますか、期限というのはいつなんでしょうか。
●知事
問題のリミットは、既に過ぎています。それを県の方で申し入れをさせていただいた関係で、若干何日か猶予中というような意識ではないかなと思いますね、先方は。その中で今も精力的な協議をさせていただいておりますが、元々取り壊すということを所有者側は決めておられますので、非常に難しい協議を、今させていただいているというところですかね。
○山陰放送 秦卓史 記者
協議のテーブルには、地元側としては県が一番フロントに立っていると。
●知事
県というか、市と県、両者ではないかと思いますね。我々がそういう仲立ちに立ちながら可能性のある関係先にもいろいろと話をさせていただいているわけであります。
○山陰放送 秦卓史 記者
具体的に可能性のある関係先というのは、どこなんでしょうか。それからどういうような提案をされているのかというのは。
●知事
そこは、今交渉ごとでありますし、正直申し上げて、決まった話はありません。全てが手探りの状態で今動いているということですね。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
その他ございますか。じゃあ、ないようですので、これで終わりたいと思います。知事ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。