防災・危機管理情報


平成24年12月28日(金)午後4時から

県庁講堂

 本日、ここに仕事納め式を執り行う運びとなりましたが、この1年間、県職員の皆さまには本当にお世話になりました。心から感謝を捧げさせていただきたいと思います。いろいろと厳しい環境の中で苦しむ職務もあったかと思います。また、県民の皆さまに励まされながら元気を出して活き活きと取組んだ仕事も思い起こされるかと思います。また、県庁を離れて社会活動を営まれたり、いろいろと思い出の多い1年でもあったのではないかと思います。今、我が国は大変な変革の中にあって、今年も激動の荒波にさらわれるような年でありました。気候もそうでありまして、大山寺のあたりでは3mという記録的豪雪が降ったりしたこともありましたし、雹の被害であるとか風が吹くとか、いろんな災害が重なりまして、農作物等への心配も出たところでございます。また、各地での災害等もあり、救援に出たりしたこともございました。東日本大震災の被災地では未だ技術者が足りないということで、県職員も奮闘して送り込まれているところでありますし、和歌山や奈良あるいは九州への職員の応援隊などいろいろとあった1年でもございました。

 

 特に経済など雇用に与える影響、生活の基礎条件が崩れかけようとしていた年でありました。歯を食いしばって、この地域を挙げて鳥取県の県庁そして市役所だとか商工団体、企業あるいは農林水産の現場、皆で頑張ってなんとか乗り越えた1年だったのではないかと思います。それでもやはり企業によっては非常に厳しい状況に追い込まれて事業の大幅な縮小や閉鎖というようなところも出てきているところでございます。年の瀬を迎えて、今なお、仕事などこれからの生活に思案嘆く身のかたがたを思いながら皆さまにもまた新年から新たな職務に取組んでいただき、そうした地域の元気を盛り上げていただきたいと思います。

 

 こういうような厳しさのある経済環境の中でありましたけれども、片方で鳥取県の今年は、先程も表彰にございましたけれども、今までで一番多い特筆すべき企業誘致の推進ができた年でもありました。JCBと言えば世界的なクレジットカード企業でありますけども、その事務センターがやって来る、あるいはヤマトのコンタクトセンターがやって来る、あるいはお菓子会社であるとか縫製会社であるとか、いろんなジャンルの企業が鳥取を目指してやって来るようになりました。ただ、この裏には職員の皆さまの昼夜もない交渉事であるとか、また支援策を取りまとめるための苦労であるとか、用地を探す、斡旋をする、そうしたことがあって初めて成り立ったものであります。同じようなことは農林水産業の現場でもいろんなことがございました。ギンザケの養殖が進んだということなどの朗報もありましたけれども、それを裏打ちするように試験研究技術の開発も進み、バイ貝の産卵・育成というようなこともございました。ラッキョウを始めとした県内の主要作物、最近は新甘泉の好評等もございまして、今後の光明も見えてきたような気がいたしますが、それもこれも私どもの職員の皆さまの温かい貢献の賜物でもあるというふうに思います。

 

 そういうようにさまざまな職場、地域の活力を作り出そうとして、私たち皆で奮闘した1年でもあったと思います。地域の元気を出すためには、それぞれの地域が輝かなければなりません。今年は東部で言えば砂丘美術館が、砂の美術館が開かれまして50万人の人出を集めたということがございました。また、中部の方でもコナンの館が、青山剛昌ふるさと館が昨年よりも1.5倍に伸びるといったような賑わいを見せることもございました。西部の方では活性化特区ができたり、そうした話題もできました。地域のテーマごとに私たちは向き合いながら振興策を打ってきたわけでありまして、成果が出てきたものも見え始めたのかなというふうに思います。なかんずく、国際まんが博、国際マンガサミットといった大掛かりな事業もありました。これは今までの鳥取県の基本的な諸条件に新しい付加価値をつけようと皆で取組んだ事業でありました。先程表彰状が渡りましたけれども、本当は職員の皆さまに渡すつもりだったんですが、なぜかコナンと鬼太郎が出てきて受け取るということでありまして、もう彼らはさっさと帰ってしまいましたけれども、そんなようなことでありますが、職員の皆さんの一丸となったそうしたご努力の賜物だったと思います。

 

 また、鳥取県、東日本大震災後の新しい社会システムを見据えて動き出した時期でもございました。中でもソーラーパークを創ろう、そうした再生可能エネルギーの営みもいろんな企業や地元のかたがたから支持をされて、前へ前へと進んでいきました。来年の今頃には42.9メガという日本最大級のメガソーラー発電所が鳥取県内にできているということになります。これも実は紆余曲折があって実現をした誘致でありました。そういうドラマを何とか克服して乗り切っていただいた職員の姿が今も目に焼き付いているところでございます。そうしたことなどに加えまして、明るい話題もありました。今年の漢字は金という漢字になりました。それはオリンピックまたノーベル賞の受賞ということがあったからだという理由付けがなされています。オリンピックにおいては、20年ぶりに川中香緒里選手が鳥取県にメダルを持って帰られました。女子アーチェリーとして初めてのメダル獲得であります。

 

 そして我々として本当にうれしいのは、私たちの仲間である宇佐美里香選手が堂々と世界選手権で金メダルを先ごろ取られましたし、日本選手権での活躍も重ねてこられました。郷土の誇りと言うべき、そういう活躍が随所で見られた年だったというふうに思います。いろんなかたちで綯い交ぜになりながら、ときは進んでいきました。そしてこの年の末に政権交代という県庁には大きな影響をこれから与えるできごとが起こりました。先程は幹部会を開きまして、年明けに向けての課題を話し合ったところであります。これから年末年始の休みに入りますけれども、年始早々からは新しい時代をつくろうという日本のその動きをどんどん鳥取県の方に取り込んでいく、例えば原子力安全の課題、こういうものも克服しなければならないチャレンジでありますけども、今この変わり目にそうしたさまざまなエネルギーを取り込みながら、県民の安心や活力を作りあげていく、そんな年になってくるだろうと思います。その辺の作戦もときに考えながら、ご家族の皆さまとゆったりとした時間を過ごし、英気を養っていただきたいというふうに思います。

 

 この1年は皆さまいろいろなお仕事をしていただきまして、ご家族との時間を奪ったかもしれません。その意味ではこれから年末年始の期間はゆったりと過ごしていただきたいというふうに思います。辰年も暮れようとしています。竜住む池は水枯れずという言葉があります。素晴らしい人材がいるところの水は決して枯れないという、そういう言葉でございますが、鳥取県も厳しい年ではありましたが、職員の皆さまの団結と行動力で乗り切ることができました。この勢いをまた明年へとつなげていっていただきたいというふうに思います。お集まりの職員の皆さま、また放送を聞いておられる職員の皆さまが、ご家族共々素晴らしい年をお迎えになられますよう心からご祈念を申し上げ、皆さまのご労苦に感謝を申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。本当に1年間ありがとうございました。

 

  

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