平成22年の第19回国勢調査では、鳥取県の人口が588,667人と60万人を切った事が大きな話題となりました。ただ、見方によれば、ピーク時の昭和60年の616,024人から四半世紀かけて約3万人減少したに過ぎないとも言えます。長いスパンで見れば今のところ人口そのものは、大正9年の第1回国勢調査時の454,675人に比べてもまだ約13万人上回っています。
一方、年齢3区分別人口の推移を見ると、ここ数回は年少人口(0~14歳)と生産年齢人口(15~64歳)が減少し、老年人口(65歳以上)が増加しています。昭和25年には、年少人口が老年人口より約17万人も多かったのに、平成22年は逆に老年人口の方が約7万人も多くなっています。これを老年化指数(老年人口÷年少人口×100)で見ると、昭和25年は18.4でしたが、平成22年は197.1とおよそ11倍になっており、大幅に高齢化しています。
今後、この傾向のままで推移すると、生産や消費をはじめとする社会生活全般の変化、更なる人口減少の加速などが予想されることから、希望に満ちた豊かな社会を維持していくためには、未来を見すえた社会構造の再構築が急務であると言えます。
(注)年齢不詳調整済み
出典:総務省「国勢調査」
本ページは、平成25年3月27日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県企画部統計課執筆)からの再録です。