●知事
皆さん、おはようございます。
5月26日には〔第64回〕全国植樹祭が開催をされました。天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国から多くの御参画いただきました皆様方をお迎えをしながら、盛大な大会となりました。県民の皆様に心から御礼を申し上げますとともに、いろいろと御協力をいただきました全国の方々に感謝を申し上げたいと思います。
今回、実際に参加をされた方でありますけども、その〔第64回〕全国植樹祭の本体には6,970名の方が参画をされました。また、〔JR〕米子〔駅前〕のだんだん広場のほうでもおもてなしの場が設けられまして、こちらのほうでも5,900人余り、6,000人近い方が訪れるということになりました。沿道に来られた皆様を合わせますと、天皇皇后両陛下をお迎えになられた沿道の方々を含めますと〔実に〕4万人という規模での、大会ということが言えようかというふうに思います。
両陛下が県内を御視察をされ、また植樹祭で親しくお手植えやお手まきをされる、そうした姿が県民、あるいは全国の皆様に大変な、いい、これがモチベーションを与えたのではないかなと思います。緑の風を起こして、〔とっとり〕グリーンウェイブを起こして、そして地域づくりを進めていく、こういう日本の生き方というものを示すような場であったのではないかなというふうに考えております。これからもこの成果を生かしてやっていきたいと思います。
きょうもそうなんですけれども、今、〔とっとり〕花回廊のほうで植樹を受け付けております。〔6月〕4日までのスケジュールで、〔6月〕1日から受け付けをさせていただいておりまして、この週末も御家族連れなどでお越しをいただいた方が多数見られました。また今後、いろんなことをやっていきたいという思いがありますが、例えばお手植え、お手まきという両陛下がかかわられた樹種があります。そういう樹種につきまして、これから学校に募集をして、学校の中でその〔第64回〕全国植樹祭のメーンで植えられた、そうした植樹をやろうというところにはお分けをして、ぜひ緑の波を起こしていく、それに加わっていただく学校現場をつくっていきたいというふうに思います。今回も子供たちの活躍が目立ったところでございまして、子供たちにとっても、いい刺激になるのではないかなと、そういうように考えております。
また、東北の復興プロジェクトの一環として植樹を行おうというわけでございまして、これは学校等で育てた苗をこれから差し上げますよというデモンストレーションを全国植樹祭の会場でもさせていただきました。岩手県の佐々木〔博〕議長を初めとして、東北3県の代表者が来られました。大変にそれぞれの方々が感きわまっておられる様子でありまして、佐々木議長も涙が出るぐらいうれしかったと、こういうコメントをされておられました。早速宮城県のほうから、10月末に行われます宮城県での植樹祭の中で植えてくれないかというお話が来ております。我々のほうでもできるだけ被災地の思いに沿いながら、今後、このプログラムを実行していきたいというふうに考えております。そのほかにも、いろいろと当初予算に向けてということになろうかと思いますが、こういう植樹等のいい運動を継続、発展させていくような、そういう施策づくりにこれから当たっていきたいと思います。
今回、いろんな声が参加をされた方とか各界から寄せられたところであります。全国植樹祭自体につきましては、〔国土〕緑化推進機構など、主催側の関係者の皆様方から非常に成功した大会であったという言葉をいただいておりますし、両陛下からも県民の皆さんに今回の大会についてねぎらいの言葉をいただきました。そういう意味で、総括的にはいい大会という評価ができてきたんではないかなというふうに思います。例えばボランティアの方がいろいろと苦労をされまして、おもてなしをしました。そういうスタッフ、ボランティアの方の明るい挨拶がよかったというお話があったり、これは車椅子の方だと思いますが、メッセージを寄せられまして、車椅子で会場に行くのに不安もあったけれども、ボランティアの方にお世話になって非常にいい思い出ができたと、元気や勇気をもらったと、こういうお話もいただいております。植樹のときにおけるボランティアの活躍につきましても、わかりやすくてよかったというような声も寄せられております。
先般、週末にボランティアの方の総括の御意見をいただく機会を得ました。その際に、土曜日でありましたけれども、いろんな御意見が出まして、やはりまだまだ鳥取県、ボランティアの方との県民協働のやり方、まだ上手じゃないところもあると思います。反省もいろいろ生かしながら、これから次へとつなげていきたいと思います。
〔とっとり〕グリーンウェイブにつきましては、この後、まず〔山陰海岸〕国立公園指定50周年の記念行事が始まります。6月30日がキックオフでございまして、このときにこどもパークレンジャーの任命を行ったり、それから一斉清掃を各ジオパークサイトで行うということを皮切りにしまして、8月末に記念式典を行うということにいたしておりまして、9月には後継のイベントとして、子供たちの研究を総括するような、そういう発表大会をやろうとか、いろんな行事をジオパーク関連で考えているところです。
また、9月21日から11月10日までは〔第30回〕全国都市緑化〔とっとり〕フェア、水と緑のオアシス2013が開催をされることになります。さらに西のほうを中心にいたしまして、エコツーリズムの国際大会が開催をされるということになっております。こうしたイベント等に美鳥(みどり)の大使を初めとした今回の成果を引き継ぎながら、〔とっとり〕グリーンウェイブの展開をさらに図っていきたいと思っているところでございます。そういう意味で、100日前イベントを今週末に行うことにしております。土曜日に鳥取市のほうで〔第30回〕全国都市緑化〔とっとり〕フェアの100日前イベントを行うことにいたしております。
2 子育て支援施策の充実と子育て王国条例(仮称)の検討
●知事
今週から6月県議会が開催をされることになりました。これに90億円台、100億〔円〕近い補正予算を提出するなど、我々として今やるべきことを提案してまいりたいと考えております。経済・雇用の対策、円安対策、さらには子供たちの子育て王国を推進するような対策等々、いろんな施策がありますが、そうしたことを6月県議会で議論してまいりたいと思います。
子育て王国の推進につきましては、議会が明けて7月に子育てサミットを鳥取県で実施をすることにいたしておりまして、関係の県と意見交換をしているところであります。そういう中で他県のいい施策なんかも盛り込もうということで、今回、予算の中に反映したものもあります。例えば保育施設の施策でありますとか、それから保護者の方が保育所のいろんな切り盛りに参加をするということを通じまして、それを体験することで子育て意識を高めたり、技術を向上させたりということを高知県でやっていまして、こういうことをモデル的に県内でも実施しようというのも6月県議会に入れております。
また、これは子育てサミットの関係県からのアイデアではありませんが、本県独自のものとしても幾つか、今回提案をさせていただいております。例えば風疹ワクチンですね。これは妊娠に当たりましてリスクを伴うということになりますが、最近流行の兆しを見せております。したがいまして、この対策2,500万円、緊急に計上し、提案をすることにいたしました。今、鳥取県内ではまだ流行がさほど広がっているわけではありませんが、今、流行のピークは首都圏から京阪神のほうに移ってきておりまして、大阪とか兵庫がその流行の中心になり始めてきております。非常に地理的にも近接するものですから、防御線を張るということもありますし、実際に子供さんをこれから持たれようとされる若い御夫婦にとりまして不安も多かろうというふうに思います。そうしたことから予防接種をやろうということでございまして、今議会に提案をすることにいたしたところでございます。
また、不妊治療につきましても回数制限を、国のほうの回数制限がございますけども、それを撤廃しまして、できるだけ効果のあるタイミングでこういう不妊治療を受けていただくと。それを回数制限を取るということでやりやすくしようという、これも全国的には珍しい取り組みだと思いますが、そんなことに乗り出させていただいております。
こういうように、これから子育て施策というのは重要になってくると思います。国のほうも今回、そうした意味での報告を出されたりしていますが、我々現場からすると、まだまだ使い勝手が悪い話が多いというふうに思えるんですね。若い我々知事でいろいろやりとりをしておりますけども、例えば横浜でできるような、企業で保育所をつくればいいじゃないかということが、じゃあ鳥取とか高知とか三重とか長野とか、そういういわば田舎的なところで成立するかというと、なかなかそうもいかないところもあります。ですから、やっぱり現場サイドで子育て施策というのはつくっていかなきゃならないんだと思いますし、その意味の実践行動を鳥取県からも起こしていく必要があると考えております。
そういう観点で、この6月議会で、まず小さなアイデアから提案をさせていただこうと思っているんですけど、これは議案としてではございませんが、議論を始めさせていただこうと思いますが、子育て王国条例とでも言うべき子育て施策の推進の条例を近々つくってはどうだろうかというふうに思っております。まず、基本的なコンセプトといいますか、問題意識を議員の皆さんにも、まず聞いてもらった上で作業に着手させてもらいたいなと、そういう気持ちでございます。こういうように子育て関係も含めて、今回、6月県議会で議論をスタートしようとしているところでございます。
●知事
連携がこれからのキーワードになってこようかと思います。先週、中国地方の知事会議が開かれました。今、政権交代が起こった後、地方分権についての議論が急速に今変わりつつありまして、かつての民主党政権時代とは若干趣を異にせざるを得ないかなという空気も出てきております。ただ、今の政府も地方分権を進めようということでは一致をしておりますし、そのためのアプローチが従来の政権と違うということなのかなと見ております。ただ、若干心配なこともありますけどね。例えば今日あたりから報道が出始めましたけれども、これから地方交付税のほうの特例加算と言われるものをやめるとか、要は交付税総額を締めていこうという、そんな議論が、多分財政当局だと思いますが、国のほうで起き始めている様子が報道から見え始めておりまして、我々も先般、給与削減にひっかけて、鳥取県のように給与削減できているところでも10億円交付税を減らすというような、そういうような、我々から言うと暴挙でございまして、そういう警戒感を持たざるを得ない面もありますけども、ただ、いずれにせよ、地方分権を進めていこうという視点は現在の政府でもきちんと持っていただいていますし、それを信頼しながら、国、地方での協議を進める必要があろうかなと思います。
そういう中で、従来の特定広域連合への丸ごと移管と言われるような権限移譲とは違うスタイルになるかもしれませんので、そこは状況を見ながら、中国地方としては広域連合設立については検討を続けていきましょうというのが先般の中国知事会の議決でございました。ただ、各知事さんから強くいろんな御提案が出まして、せっかく今、ドクターヘリなど広域連携の動きができてきましたので、今までになかったことが中国地方でできてきましたから、この動きを加速させる必要があるだろうと、そういう表現で例えば広島県知事から提案があったりいたしました。我々5人としては、例えば中国地方広域連携機構とでも言うべきような、そういう、これはこれから話し合ってということになりますけども、そういうプラットホーム、一定の推進主体を検討してみてはどうだろうかと。その上でいろんな方向性にアプローチしてはどうだろうかと、こういうことになりました。事務局のほうに指示をしましたけれども、早速これからの議論を始める動きをスタートさせてもらいたいということを庁内では申し上げたところでございます。
幾つか広域連携のアイデアが出てきました。例えば島根県からは、原子力災害ということを念頭に置いた広域連携、これをぜひ急いでやってもらいたいということがありました。また、山口県からは南海トラフ対策、そういう地震が起きたときに、みんなで助けに行くという、そういうようなことを我々、広域連携としてやらなきゃいけないんじゃないかというような問題提起がありました。また観光面での地域振興ということもございますし、さまざまな御意見が先般出てきたところであります。できるだけ実効性ある、イニシアチブ〔主導権〕を持って5県が連携して、タイアップして進めていく、そういう共同事業を考えながら、我々としても広域連携の受け皿を検討していきたいというふうに思います。
具体的には、今後、秋に予定されます中国地方知事会までにアイデアをまとめていこうじゃないかと、それをまた改めて話し合おうということになっております。これから夏休みを挟みながら、関係県の間で議論を進めていくことになろうかなと考えているところでございます。
こういう中で出てきました南海トラフの支援ということでありますけども、町村レベルでの交流もこのたびまとまることになりまして、近々、向こうの町村会とこちらの町村会と、我々両県も媒酌人といいますか、ウィットネスとして、証人として入った形で協定を結ぼうということになりました。これは市レベルでも今、鳥取県内の4市で協定を結び、また我々県同士でも協定を結びということをやって、全国でも最も南海トラフでの応援体制について、市町村を巻き込んだ形で突き進む県ということになろうかと考えております。
●知事
一方、日本海側の振興ということも必要であります。今週、〔6月〕5日に東京のほうで集まりまして、日本海沿岸〔地帯〕振興連盟を実施することにいたしております。私も参加をさせていただこうと考えておりますが、例えばハイウエーネットワークであるとか、それから、そういう意味では国土強靱化ですね、それから経済・雇用対策、産業振興といった面、いろんな形での日本海側沿岸でのテーマがあろうかと思います。メタンハイドレートの開発というのも新しいテーマでございます。今まで日本海側のほうの十分な連携は図られていなかったですけれども、今週、そうした日本海沿岸地域で声を上げていこうということで議論をして、要請活動をするという運びになりました。
●知事
ハイウエーをつなげていくという意味からは、倉吉の西インターチェンジまでが〔6月〕8日の日に開通をするということになりました。長く懸案であったことが一つ前進をするということで、大変喜ばしいことではないかと考えております。なお一層県内での動脈づくり、ハイウエーづくりに邁進をしていかなければならないと思います。
そういう中で、3月に開通いたしました河原インター線という県道がございます。これは高速道路である鳥取自動車道から自動車専用の形で接続をして若桜谷のほうに延びていく道路でございます。これによって東部圏域一帯が鳥取自動車道と相まって一つのハイウエー周遊の対象になり得るということで整備を急いだものでございます。この道路につきまして愛称募集をしておりましたところ、それに対するいろんな御意見が出てきまして、それをもとに名称をつけるということになりました。「かわはら八頭フルーツライン」という、そういう名称をつけまして、これから看板等も設置をして、鳥取自動車道と一体の道路として売り込みを図ってまいりたいと考えております。
●知事
県政のいろんな施策につきましてもエンジンをかけていくことになりますが、この週末でございますけれども、一つは事業評価のやり方をもっと県民参画をふやしまして、公募委員をふやした形でやるということにいたしました。そうしましたら、お二人、若い人が公募で入ってくることになりまして、従来とは一風、趣を変えて、若い視点も入れた上での事業見直し、事業棚卸しということになるんじゃないかなと考えているところでございます。
また、人口減少の勢いの中で〔とっとり〕グリーンウェイブを生かしたり、あるいは地域での産業興しをしたり、農業振興を図ったり、中山間地の振興を図ったり、子育てをやったり、そういうことを総合的にアプローチをしながら、活気のある鳥取県をつくっていかなければなりません。そういう意味で、住もう好きですとっとり未来会議を今週末に立ち上げることになりました。こういうところでも議論をしていただいて、これは県庁の中の組織というよりは、外からのいろんな御意見を出していただく組織でございますので、そうしたところで議論をしていただいて、鳥取県の明るい未来の姿を、活力ある姿を描き出していただければありがたいと思います。いろいろと機動力を持って今後の県政展開を図っていく必要があろうかなと思います。
また、障がい者関係では、手話条例が非常に注目をされておりますが、今月はろうあ者の皆さんの大会が開かれますので、私も出席をさせていただこうと考えております。恐らくいろんな議論が出てくるだろうと思います。もちろんその委員会も7月の頭に次の委員会を開こうということで今、計画をしているところでございます。
あわせて、今月末に新年度の大きなイベントになります障がい者芸術文化祭、これの実行委員会を行おうということにいたしております。一つの構想としては、ある程度一定の期間をとりながら、ステージイベントがあったり、それから美術品の展示があったり、あるいはダンスパフォーマンスがあったり、音楽があったり、そういうものをトータルでやりながら芸術文化祭というのを一定期間かけて行って、国内外、国外の人もそれにかかわってもらってはどうかと、こんなようなアイデアで今向かっているところです。例えば国際的な障がい者のそういう美術コンテストのような、こういうような催しだって、あってもいいんじゃないかなというふうに思います。こういうようなことをやりながら、これから障がい者の皆様の社会参画をさらに進めていくと、あいサポートの精神で鳥取県から進めていくと、こういうアプローチをしていきたいと考えているところでございます。
いよいよ鳥取県の食のみやこの本格シーズンに入ってくることになります。今、プリンスメロンなど、あるいはラッキョウですね、またこの週末にはイワガキが解禁をされまして初競りにかけられて市場に出回るということになってきました。スイカの査定も進んでいるということでございます。平年並みぐらいの糖度ではないかなということでございます。結構ことし苦労しながらスイカの作付に当たってこられましたので、農家の皆さんの御努力が実ればいいなというふうに考えているところでございます。
そんな意味で、スイカを初めとして、いろんな県産品が整ってくる今月末に、6月28日から30日までですけども、大阪の茨木〔市〕のイオンショッピングセンターで鳥取県フェアを展開することにいたしております。ここで県産品、海の幸、山の幸を味わっていただきまして、関西圏の大きなショッピングセンターでありますので、鳥取を感じていただければありがたいなと思います。観光シーズンの前にもなりますので、〔とっとり〕グリーンウェイブのさまざまなイベントや〔山陰海岸〕ジオパークのPRということもありましょうし、高知県とタイアップをしてまんが王国の共同キャンペーンということも考えたり、この機会に鳥取を売り込んでいきたいというふうに考えております。
また、6月28日に今計画をして、最終調整をしておりますけども、食のみやこアンバサダー〔大使)として、前、オレイン55でPRをしていただきました石田純一さん、それから東尾理子さん、このお二人を、アンバサダーとして活躍していただくように任命しようじゃないかと、今、こんな最終調整をしております。オレイン55だけでなくて、新甘泉といったような新しい梨の品種もありまして、全国の皆さんに知っていただく、PRを強めようというようなことも計画をいたしているところでございます。
これから、きょうは日照りの日でございますけども、梅雨、台風シーズンと水の災害も予想されるシーズンに少しずつ入っていくことになります。先般は中国地方全体での水防訓練がございました。県民の皆様にもそうした災害に対する備えも念頭に置いていただければというふうに考えております。食のみやこ全開のこれからの季節、皆様にはゆったりと過ごしていただきたいと思います。楽しんでいただきたいと思います。私のほうからは以上です。
○朝日新聞 山崎聡 記者
それでは、質問をお願いします。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
じゃあ、すみません、全然違う話ですみませんけど、ソウル便のことでお尋ねします。
11日の便が運休になる、予約率が低くて運休になるということですけども、これがたしかSARSのとき以来の運休だったかなと思いますけども、今、SARSに匹敵するような大きな要因がない中での運休ということで、先行きに不安も感じたりしておるところですけども、お尋ねのまず一つは、この件に関して知事の御感想ということと、もう一つは、鳥取県さんも入っておられる利用促進委員会で既にいろいろ支援策を、運賃の助成だったりパスポートの取得の助成だったりなさっておりますけど、今回の件を受けて、また新たに何かお考えのところがあったらお願いします。
●知事
これにつきましては、アシアナ〔航空〕とも相談しながら、これからねじを巻いていくことにいたしております。特に要因がないとおっしゃいますけど、物すごい要因があります。それは国同士の関係ということだとか、それから北朝鮮〔の課題〕ということがあります。ですから、特に要因がないとおっしゃいますけども、SARS〔重症急性呼吸器症候群〕のときのような状況が今起きているわけでございまして、これは米子-ソウル便だけじゃないんです。そのほかの地方便でもアシアナ〔航空〕が運休をすることになっておりまして、富山であれば4〔往復〕運休をするということでございます、我々は1往復ですけども。そういうように、全国的に非常にソウル便、苦戦をしているという状況があります。
ただ、円安傾向が続いていますから、いろいろと向こうからお客さんを呼び込むとか、それから鳥取県から送客をする意味では、そうした向こうとのキャンペーンということもあってもいいと思います。近々我々のほうで韓国のメディアを、ファムツアー〔旅行代理店のマスコミ招へい旅行〕といいますか、これからのPRを1年間かけてやっていただこうという意味でお呼びをしておりまして、また私どもでも、プロモーションを働きかけていくということを計画しておったり、それから評判のいいプロモーション施策、これを今後も打っていこうということにいたしております。
さらに、外国人の方の滞在がやりやすくなるように、クレジットカードの使用ができやすい環境づくりの支援であるとか、そうした施策につきましても今回、6月県議会に提案する中に含めております。アシアナ〔航空〕ともよく協議をしながら、これから反転攻勢を夏休み時期に向けてかけていきたいと考えております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません、ちょっと重ねてですみませんけど、あの件を知られてのお気持ちというですか、御感想ということで一言いただきたい。どういうふうに、これは大変だということなのか、いや、もう少し冷静に受けとめておられるということなのか、そのあたりの受けとめのお気持ちを伺いたい。ちょっと差し支えなければ、いつごろ、どういった経緯で知事にはこの件の情報が入ったかということも伺えたらと思ってですが。
●知事
私が聞いたのは、発表するちょっと前ぐらい。大分前じゃないですかね。数週間前だと思いますけども、それはアシアナ〔航空〕側のほうからお話をいただきました。そのときに4つの路線が対象になって、こういうことをやられるということであるとか、北朝鮮の課題等があって予約が伸び悩んでいるとか、それから6月11日の便については、今の予約率がこんな状況であるとか、そんなこととあわせて報告を、これは副知事経由でもらったと思います。それで、我々もその後いろいろと情報の分析をしているんですけども、冷静に受けとめながらも対策が必要であろうというふうに考えているところです。冷静に受けとめるという意味は、これ米子-ソウル便だけの話じゃなくて全国的な話でありまして、さっきSARSとは違うと言われましたけども、SARSとよく似た状況でありまして、突然韓国の本社のほうがそういう状況を見て、日本路線について決めたということでございまして、そんなようなことでございますので、狙い撃ちじゃないので、ある程度は冷静に受けとめていいんじゃないかと思っています。
ただ、長期的に、この春に向けて随分と回復傾向があったんですけども、また伸び悩み、弱含みになってきておりますので、やはり米子-ソウル便の存続、さらには発展を視野に入れていますので、そういう意味では力不足な状況があると考えております。したがいまして、例えばエコツーリズムの国際大会等も韓国を絡めて呼び込もうということを考えておりますが、そうしたいろんな仕掛けをこれから打っていって、航空会社のほうにもこの路線の重要性を理解してもらおうと思っております。
○時事通信 小出秀 記者
話変わりますが、子育て王国条例の件なんですけれども、一つには、今後のスケジュール感と、あともう一つは子育て施策を推進していくというものにしたいということでしたが、まだ中身については今後議論していくことになると思うんですけども、大体どのような中身になるのか、中身にしたいのか、そのちょっとお気持ちをお願いします。
●知事
これにつきましては、まず今、卵段階からの検討を始めようということでございまして、これは子育て王国〔とっとり〕の推進の会議もありますので、民間の皆さんなどの御意見も伺いながら中身を詰めていきたいなと思います。もちろん県議会にまず常任委員会等で構想についてお示し、お話をしようと考えております。まだほとんど白紙の状態でございますけれども、やはり現場主義で子育てしやすい環境をつくっていくということをやっていく必要があると。これは県の責務、あるいは市町村の責務、県民の皆様の役割、そうしたことがあろうかと思います。そうした基本的な本県としての子育てを進めていく考え方、これを念頭に置きたいと思います。
また、その推進組織として、現在、子育て王国〔とっとり〕の推進会議がありますけども、これをバージョンアップしてやっていく、そういう位置づけも明確にしたいと思います。国のほうでも今後、子育ての新施策が動き出すと思います。そうした新バージョンに私たちの子育て推進組織が対応できるように、その辺も体制を整えていく必要があると考えております。また、そうしたことをやっていくための財政的な手当てであるとか、それから人材の養成であるとか、そうした方向性を話し合いながら条例の中にまとめ上げていくのかなというイメージです。
スケジュール感としては、余り先を急ぐつもりはありませんけれども、広くコンセンサス〔合意〕を得ることができれば、これはできるだけ早く上程させていきたいと思います。若干欲を言えば、今年度、9月とか12月とか2月とか、〔県〕議会がございますけども、一番早ければ9月〔県議会〕でしょうけど、そうもいかなければ12月〔県議会〕とか、できるだけ早く議論をまとめながら提案をさせていただきたいというふうに考えております。
○朝日新聞 山崎聡 記者
あとすみません、重ねて、朝日新聞の山崎です。
子育て条例のことなんですけども、この条例は、あくまでも鳥取独自のものなんでしょうか。それとも同盟に加盟する各県から似たような条例も出てくるんでしょうか。
●知事
これは鳥取県のアイデアです。もちろんそうしたことで検討を始めたというのは子育てサミットなんですね。議論をしたいなと思います。いろいろとそれぞれの県の事情もありましょうから、それぞれの県で考えればいいと思いますが、私のイメージとしては、まず議論をこの議会で卵の段階から始めながら、夏場の子育てサミットで各県のいろんな取り組みも聞いたりして、いろいろと取り入れられるべきことは取り入れながら、条例案という形にまとめていけばいいかなというようなイメージで考えております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
結局その中身がまだ白紙というふうにおっしゃいましたけども、知事としてやはり、例えば県内にこういう子育てに関する不備というような点があって、そこを、そういったものを充実させるために何かを盛り込みたいとか、具体的に何か1つ2つ、頭に、知事の中にないでしょうか。
●知事
やはりさっき不妊治療の提案をすることを言いましたけれども、やっぱり今、社会情勢がどんどん変化してきているわけですね。子育て世帯のあり方が変わってきています。ただ、国のほうはどうも各省間で折り合ったことしか施策に出てこない感じがするんですね。もっと現場主義でこうしたことは動かしていかないと、実際のその世代の方々のニーズに沿っていけないんじゃないかと思っています。そういう意味で、推進組織をやっぱり鳥取県としてもう一度バージョンアップしてつくる必要があるかなと思います。そういうところで出てきたアイデアを積極的に県政の中に生かしていく、あるいは国に対する提言につなげていく、そういうのが一つのエンジンとしてあるべきではないかと思います。
また、今回、鳥〔取〕短〔期大学〕と保〔育〕専〔門学院〕とが一つにまとまるということになって、保〔育〕専〔門学院〕が廃止されるということになりますけども、これの本来目指していた人材養成を充実しようということがあるわけです。やはり子育てにどうやって専門人材がかかわれるか、その養成等のこともあると思いますし、また、子育ては家庭だけに押しつけてはだめだと思いますので、地域全体でそれにかかわっていける、そういう施策を充実をする、この辺もテーマなのかなというふうに考えております。
いろいろとこれはそれぞれの御家庭で問題意識のあるようなことがあるかと思うんです。どうしても国の中枢でこうした子育て施策をつくろうと思うと、そこが遠い存在になってしまうと思うんですね。我々は現場に近い存在でありますので、現場主義で施策が具体化できるような、そういう一つのエンジン役を果たすような条例があればいいなと考えております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
そして確認ですけど、計画上、罰則だとか何かを規制するとか、そういう条例ではなくて、むしろ前に進めていくためのスローガン的なといいますか、そういう条例というふうに聞いといていいですか。
●知事
基本条例的な感じだと思いますが、罰則的なやつは〔鳥取県〕青少年健全育成条例等で、片方でそうした子供の育ちを阻害するようなことに対する備えは別の条例の形で持っていると思っています。ただ、片方で、それを推進するほうのところについても条例的な仕組みがあってもいいのではないかという問題意識です。
○NHK 月岡信行 記者
民間の事業者なんかも今のパートナーに入ってますが、この条例をつくることによって民間とかも、そういった何かしら協力といいますか、支援とか連携とか、そういったものも含まれる内容になるんでしょうか。
●知事
やっぱり例えば鳥取県も今少しずつ伸びていますけども、男性の子育てのための育児休業。この取得率をもっともっとアップさせる必要があると思うんですね。また、ワーク・ライフ・バランスを図る、こういうことも必要になろうかと思います。そういう意味で、民間企業、職場の御理解と御協力も必要ではないかと思います。ただ、そんなことを言っても、もうどだい無理だよというようなことがあれば、それは県施策での推進施策というのも考えなきゃいけない。今までもやってきていますけども、その辺の考え方をきちんと一つにまとめ上げて、鳥取県が県民一丸となって、やっぱり子育てするなら鳥取県だねという県を目指そうという姿をともに考えていければと思っています。
○NHK 月岡信行 記者
あと、スケジュール感でいくと、今年度中の制定を目指すということでよろしいですか。
●知事
というか、できるだけ早く。
○NHK 月岡信行 記者
できるだけ早く。
●知事
はい。議論がまとまれば提案をしていきたいということです。遅くとも、あんまり長いこと議論しても発散するだけだと思いますので、遅くても今年度中でしょうと。早ければ、最短なら9月〔県〕議会ということになろうかと思いますが、これはこれからの議論の煮詰まりぐあいで考えていきたいと思います。
9 石狩市手話に関する基本条例(仮称)の制定の動き
○朝日新聞 山崎聡 記者
すみません、話変わりまして、手話条例の件ですけれども、北海道の石狩市が9月議会に手話を言語に位置づける条例を提案するというポジションでありまして、知事はかねてから全国で初めての条例ということですけども、それが実現が難しいような公算が大きくなってきたということかと思うんですが、これに対して知事の反応というか、コメントをいただければと思いますが。
●知事
これはいいことじゃないかと思いますけどね。石狩市さんが、ちょっと存じませんけれども、もし他の自治体でイニシアチブをとってどんどんやっていこうということになれば、それは歓迎したいと思います。
私たちは、この議論の過程で日本財団の支援も得ながら、まず研究してみようということから入ることにさせていただきました。要は中身のあることを条例としてもつくっていきたいと思っているんです。それは、今後の手話を使いやすい環境づくり、こういうこともあろうかと思うんですね。そういう意味で、財団との協調関係も大切にしながら進めたいと考えております。ですから、ぜひ全国でそうした動きが弾みがつけばいいと思いますし、鳥取県が声を上げたことで他の地域にもいい意味での火がついたのであれば、それは我々としてもうれしい、喜びに感ずるところです。
○時事通信 小出秀 記者
ちょっと先ほど少し話の出ましたとっとり未来会議なんですけども、2040年に全国で人口が減少するという試算結果を受けて、県は既に人口・活力対策チームなどを立ち上げて議論を行っておりますが、もちろん今後、そういったとっとり未来会議ですとかチームのほうでいろんな議論をやった上で、今後の2040年の人口減少を踏まえた上での未来ビジョンのようなものを作成するというお話ですが、知事として今後、人口減少に歯どめがかからない中で、県のこういった施策が重要になると、より効果的になるといったようなお考えは何かありますでしょうか。
●知事
私は、物すごい大きな流れですし、背景には少子高齢化が進んできまして、高齢者の割合が高まっていますから、どうしても人口減少局面に入らざるを得ないところがあると思いますね。その圧力ははね返しがたいものだとは思いますけども、ただ、最近、鳥取県で実験的にやってきて、中山間地対策だとか、それからIJU(移住)ターン、農業者の就農支援、こうしたあたりは全国でも多分ぬきんでて人数が出てきているところだと思います。こういうような成功事例を膨らませていけば、ある程度歯どめがかけられる、埋め合わせができるということになるんではないかなと期待をいたしております。
また、特に若い人口層を魅力を持って引きつけようと思いますと、一つは魅力ある職場ということがありますが、あともう一つ、今議論になっていた子育て施策もあろうかと思います。実際移住されてきた方のお話を聞くと、結構な確率で子供たちをいい環境で育てたいという話がふえてきたように思うんですね。東日本大震災以降、特に。ですから、私たちとしてもその辺は自信を持って、これから伸ばしていくべき施策なんじゃないかと思います。こうしたところを、ある意味、現場の意見、現場というのは、これは鳥取県内だけでなくて、東京とか、そうした大都市部にいる若い人たちの意見、これらも入れて、今回、ビジョンをまとめていくことで方向性をつくっていきたいと考えております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません、ちょっとまた全然別の話でもう一つ。7月に副知事の任期が来るんですけども、今の時点で副知事人事の考え方といいますか、公式見解みたいなものを伺えたらと思ってですけど。
●知事
これについては、私は今、熟慮中でございます。今の副知事さんも非常に県政に貢献をしてくれていると思いますし、その存在感は大きなものがあると思います。また、いろいろと県庁の中にいろんな人材もあると思いますので、これからまた議会が始まりますから、その中で私としても考えをまとめたいと思っております。お答えは熟慮中ということです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それは、6月議会に提案になるんですか。
●知事
というか、任期が来ちゃうんですね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
ですよね。6月……。
●知事
ですから、臨時議会をやらない限りは、6月〔県〕議会ということになろうかと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
7月だったら、そうですか。
12 日本人拉致被害者の関係者に係る報道の受け止め
○山陰中央テレビ 山中一高 記者
すみません、拉致問題についてなんですけど、先週、脱北者の中に松本京子さんの息子さんがいたのではないかという報道がありましたけれども、改めて知事としての受けとめと、これが今後に期待できる話なのかどうかというところをお聞かせいただけますでしょうか。
●知事
今回、拉致被害者の御子息が脱北をしてラオスから強制送還された中に入っているのではないかという報道が一部でなされました。そのニュースソースは韓国の通信でございました。そういう中で、私も取り急ぎその日の朝、内閣府のほうに問い合わせをさせていただきましたが、政府としては確認を当時していないと。それで関係国政府と連絡をとりながら情報収集に当たりたいということでありました。また、直前に私、たまたま拉致担当の古屋〔圭司〕大臣と面談をいたしておりまして、そのときにもお話を伺っておりましたが、日本政府として主体的にこの問題に取り組むという、そういう決意を述べておられました。これから、こういうような情報はありますけども、そうやって主体的に政府として取り組んでいくということには変わりないと、そういうお話も当日の電話の中で当方に伝えられました。また、松本さんサイドには内閣府のほうから別途、電話で情報提供していくというお話もその当時伺いました。
今回のようなこの報道が出るたびに、御家族は胸をかきむしられるような思いがすると思います。だからこそ一刻も早くこの問題の全面解決を図らなければならないと思います。そのことを強く政府に求めたいと思います。また我々としても、今後、事態が流動化する可能性があります。飯島〔勲内閣官房〕参与が北朝鮮に行かれて、それに基づいた日本政府内の話し合いがあろうかと思いますし、関係国政府とのさまざまなやりとりも報道をされているところでありまして、私たちとしては、いつ事態が展開をして、松本京子さんを初めとした被害者の方が御帰国されるということになっても対応できるように、予算上の措置も含めて、きちんとやってまいりたいというふうに考えております。
この報道については、その後、この週末で崔成龍(チェ・ソンヨン)さんとおっしゃいましたかね、ちょっと名前、ちょっと不確実かもしれません、崔さんという方のコメントが出るようになりまして、松本〔京子〕さんには子供さんはいないというような発言も報道されていまして、これもまた真偽のほどはよくわかりませんが、これからも情報の確かさ、真偽については政府を挙げてきちんと取り組んで確認をしてもらいたいという思いであります。
○朝日新聞 山崎聡 記者
よろしいでしょうか。
では、終わりたいと思います。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。